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ウミガメが産卵で流す涙の正体

日本で海ガメの産卵と言えば、沖縄県の西表島(いりおもてじま)、石垣島、奄美大島など限られた場所で見ることができます。
さて、この海ガメは、産卵時に涙を流すといわれ、実際にその目からは涙のようなものがこぼれ落ちます。
その様子を見ると、涙を流しながら健気にも卵をたくさん産む様子に、心にくるものがあります。
しかし残念ながら、それは涙ではないのです。
その正体は、体内にたまった塩分です。
海ガメは、海中でエサを食べるときに、海水と一緒に飲み込みます。
ただ、そのままだと血液中の塩分濃度が高まるため危険です。
そのため、目の横にある塩類腺という器官から濃い塩分を体外に排出します。
この涙のようなものは、海中でも陸上でも普通に流します。
しかし海中では見えず、陸上では、産卵時に涙(のようなもの)を流すという、感動的な様子ばかりがピックアップされて注目されているのです。
ここでちょっと豆知識ですが、
実は海ガメ以外にも、海産の魚類・爬虫（はちゆう）類・鳥類、海岸に生える植物にも、塩類腺があります。
ただ、海ガメとは違って目の近くにあるとは限りません。