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路地裏
しおりを挟む私はある日、友人と一緒に近所の路地裏を散歩していました。
その路地裏には、昔から「夜になると消えるドア」があるという噂がありました。そのドアは、昼間は普通に見えるのですが、夜になるとどこかに移動してしまうというのです。
そのドアの向こうには、何があるのか、誰も知りませんでした。
私たちは、そのドアを見つけることができるかどうか、興味本位で探してみることにしました。
路地裏を歩いていると、やがて、壁に埋め込まれた古びた木製のドアを見つけました。そのドアには、何の表示もなく、鍵穴もありませんでした。
私たちは、これが噂のドアなのだろうかと思いました。
私は、ドアを開けてみようと手を伸ばしましたが、友人に止められました。
「待って、夜になってから開けた方がいいんじゃない?」
と友人は言いました。
「なんで?」
と私は聞き返しました。
「だって、もしかしたら、夜になるとドアの向こうが変わるかもしれないじゃない。昼間に開けたら、ただの倉庫とかになってるかもよ」
と友人は言いました。
私は、友人の言うことに納得しました。確かに、夜になるとドアが消えるというのなら、ドアの向こうにも何か不思議なことが起こる可能性がありました。
私たちは、ドアを開けるのをやめて、近くの喫茶店に入りました。私たちは、夜になるまで、喫茶店でおしゃべりをしながら時間をつぶしました。
夜になって、路地裏に戻ってみると、驚いたことに、ドアはまだそこにありました。
私たちは、噂が嘘だったのかと思いましたが、ドアに近づいてみると、何かが違うことに気づきました。
ドアの色が、昼間は茶色だったのに、夜になると青色に変わっていました。それだけでなく、ドアは押しても引いても開きませんでした。
どうすることもできず、仕方なく私たちは帰りました。
なぜ扉の色が変わったのか、理由が分からないままに―――。
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