→本当にあったかもしれない不思議な話

猫の会話に

私は、猫好きの友人から頼まれて、彼女の留守中にネコの世話をすることになった。
彼女の家には、白と黒のハチワレのメスと、茶と白のトラ柄のオスの2匹のネコがいた。メスは、私になついてくれて、いつも甘えてきた。オスは、少しシャイで、私には距離を置いていた。

ある日、私は友人の家に泊まることにした。
夜、私はベッドに入って眠りについた。すると、夢の中で、誰かが私の耳元でささやいたのだ。
“おはよう、お姫様” 
という男の声だった。
私は驚いて目を開けると、そこにはオスのネコがいた。彼は私の枕の横に寝そべって、私の顔をじっと見つめていた。私は思わず叫んだ。

その音にメスのネコが飛び起きた。
彼女はオスのネコに向かって怒鳴った。
“何をしてるのよ！　人間のベッドに入るなんて、ふざけてるの！？” 
オスのネコは、平然とした顔で答えた。
“彼女は僕のお姫様だよ。僕は彼女に愛を伝えたかったんだ” 
メスのネコは、さらに怒って、オスのネコを引っ掻いた。オスのネコは、痛そうに鳴いた。

そのように聞こえた。というより、感じた。

私は、2匹のネコが話しているのを聞いて、信じられなかった。私は夢を見ているのだろうか？　それとも、このネコたちは特別なのだろうか？

後日、友人にそのことを話したら、統合失調症を疑われ、距離を取られた・・・。
逆にネコとの距離は近づいた。気がした。