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9 モーニングルーティン
しおりを挟む目覚めの瞬間、
光は私を包み込む。
冷たい空気と、温もりの交錯。
ベッドの中で、
無音の戦いが始まる。
夢の名残が消えていく、
時が溶ける瞬間。
意識はまだ曖昧で、
昨日の自分と今日の自分が出会う。
鏡の前で、私は二つに分かれる。
一つは今、
一つはまだ、そこにいない。
水は流れ、
時間も流れる。
洗顔の水滴が頬を滑り、
その瞬間、
新たな日が生まれる。
コーヒーの香り、
黒い液体がカップに落ちる音。
一滴一滴が、記憶を呼び覚ます。
昨日のこと、
それ以前のこと、
未来のことさえも。
歯ブラシが歯を撫で、
ブラシの毛先が語りかける。
「今日もまた、同じように始まるのか?」
私は答えを持たない。
その問いかけが、
毎朝響き渡る。
空はまだ眠っている。
カーテンの隙間から、
光が漏れ出す。
その光に影が寄り添い、
対話が始まる。
光は言う。
「今日は新しい日だ。」
影は笑う。
「昨日と同じに見えるのだが?」
二つの声が交錯し、
私はその狭間に立つ。
靴を履く音、ドアの軋む音、
日常は静かに進行していく。
だが、その裏側で、
無数の問いと答えが、
静かに鳴り響く。
光と影が踊る朝、
私は一歩を踏み出す。
そしてまた一歩。
その一歩が、
今日の世界を創ると信じて。
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