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101 📋生きたタイムテーブル
しおりを挟む世の中には、計画や予定が好きな人と、どうもそれに縛られるのが苦手な人がいる。私は、どちらかと言えば後者だ。時計を見ながら動くことが苦手で、どちらかと言えば、流れに身を任せる方が性に合っている。そんな私でも、時々「タイムテーブル」について考えることがある。ただし、それは紙に書かれたものではなく、生きたタイムテーブルだ。
生きたタイムテーブルとは、私たちの日常の中で自然に流れていく時間のことだ。朝起きて、太陽が昇り、昼が過ぎて、夜になる。この繰り返しが、私たちの心の中にある無形のスケジュールを作り出している。
たとえば、朝の光が差し込む瞬間、私の心は少しずつ目覚める。そして、暖かいコーヒーを一口含むと、次の段階に進む。「さて、今日は何をしようか?」そんな思いが頭を巡る。この時間は、ただ時計が進んでいるだけではない。何かが始まり、何かが終わり、そしてまた新しい何かが始まる。その連続が、まさに生きたタイムテーブルなのだ。
生きたタイムテーブルには、予測できない要素もたくさんある。友人との突然の出会い、仕事での思わぬトラブル、天気が急に変わること。こうしたことが一日の流れを変え、私たちの予定を上書きしていく。しかし、それは決して悪いことではない。むしろ、そうした予測不可能な出来事が、日々に彩りを添えてくれるのだ。
計画通りにいかない日もある。でも、それはそれで良い。思い通りにいかないことが、私たちに柔軟性を教えてくれるし、時には思いがけない幸運をもたらすこともある。だから、生きたタイムテーブルには、余白が必要なのだ。余白があるからこそ、新しい予定が入り込む余地が生まれ、私たちは自由に時間を使うことができる。
もちろん、しっかりとした計画が必要な場面もある。でも、時にはその計画を少し緩めて、生きたタイムテーブルに委ねてみるのも良いのではないだろうか。そうすれば、予定にはなかった新しい出会いや発見が待っているかもしれない。
時計の針が進む音に耳を傾けながら、私は今日も生きたタイムテーブルに身を任せる。次にどんな出来事が待っているのか、少しだけ楽しみにしながら。
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