→💐心伝わるエッセイ

ノアキ光

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16 ⭕和とは

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和とは、まるで輪のようなものです。
円を描くように、人と人とが手を取り合い、心を寄せ合う。そこには始まりも終わりもなく、ただひたすらに続いていく連帯感があります。
この輪の中では、一人ひとりが小さな点に過ぎませんが、その点々が集まって初めて大きな輪となるのです。

日本には古くから「和を以て貴しとなす」という言葉があります。これは、和を尊ぶ文化が根付いていることを示しています。和の精神は、家族や地域社会、さらには国家レベルにまで影響を及ぼし、日本人の生活の在り方、考え方に深く根ざしています。

例えば、お祭りの時の輪踊りを見てみましょう。老若男女が手を取り合い、輪を作りながら踊ります。その輪の中には、階級も年齢も性別も超えた平等と調和が存在します。輪の中では、皆が同じリズムで足を進め、同じ歌を口ずさみます。そこには、個人の違いを超えた大きな「和」が生まれるのです。
また、食卓を囲む家族の姿も、和の輪を象徴しています。一日の終わりに家族が集まり、食事を共にする。その一つ一つの動作には、家族という小さな社会の和が表れています。お互いの話を聞き、支え合い、時には笑い合う。そんな何気ない日常の中にも、和の精神は息づいているのです。

しかし、和の輪は時には脆いものです。一人ひとりが輪の一部である以上、一人の行動が輪全体に影響を及ぼします。だからこそ、和を保つためには、互いに思いやりを持ち、調和を大切にする必要があります。小さな誤解や衝突があっても、それを乗り越え、再び輪を作る努力が求められるのです。

和の輪は、ただの形ではありません。それは、人々の心が織りなす見えない絆です。その絆を大切にし、育てていくことで、私たちはより豊かな社会を築いていくことができるのです。和とは、そういうものなのかもしれません。輪のように、終わりなく、そして始まりもなく、ただひたすらに続いていく。それが、和の真髄なのです。
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