🎊異世界転生が流行っているので１ミリも知らないけど書いてみたら何か良作が生まれた件 （▶20から毎日投稿挑戦開始）

#51 精神限界を超えた先

目を覚ますと、見知らぬ森の中にいた。木々は高く、空は不気味な色をしている。私はここがどこなのか、何が起こったのか、さっぱり分からなかった。しかし、ひとつだけ確かなことがあった。この状況、もしかしたら異世界転生かもしれない。

「またか……」自嘲気味に呟く。
「精神限界を越えたのかもしれないな。」

何度も繰り返す転生に、心がすり減っていた。前の人生で味わった恐怖や絶望が、今も私を縛っている。新しい世界に来ても、私の心は常に限界を超えていた。

しばらく歩いていると、目の前に小さな村が見えた。村人たちは私を不思議そうに見つめる。その中にいた一人の少女が、気さくに近寄ってきた。

「あなた、よそ者ですね？　この村では見かけない顔です。」

「ええ、転生したばかりで……。」
私は言葉を濁した。何もかもが不安で、また失敗するのではないかと怯えていた。

「それなら、村の祭りに参加してみませんか？　きっと楽しいですよ！」
彼女の明るい笑顔に、少しだけ心が軽くなった。

「祭り……ですか？」
そう言いながらも、心の中で警戒していた。楽しい祭りの裏に、精神的な限界が待っているのではないかと。

村の奥に着くと、祭りは賑わっていた。笛の音が響き、子供たちが笑い、村人たちが踊っている。私はその光景を見つめながら、心の中の葛藤を感じた。

「楽しむって、どういうことだろう？」
自分に問いかける。
「いつも恐れを抱えているから……」

ふと、村の中心にある大きな神社に目が留まった。そこには「精神の試練」と書かれた看板が立っていた。

「もしかして、私の限界を試す……？」
迷ったが、好奇心に駆られ神社に向かうことにした。

神社の中に入ると、暗闇の中から声が響いた。
「ようこそ、精神の試練に。ここではあなたの内なる恐れと向き合うことになる。」

その声は私の心の奥底に潜む不安を掻き立てた。
「無理だ……また失敗する。もう疲れた……」

「だが、失敗が恐れのすべてではない。限界を超えた先には、新たな力が待っている。」
その言葉に少しだけ希望を感じた。

試練が始まると、次々に過去の恐怖が襲ってきた。孤独、失敗、裏切り……それらが私を責め立てた。しかし、私は一歩一歩進んだ。心の限界を越えて、声を上げた。

「私はもう、過去に縛られない！」

その瞬間、光が満ち溢れ、私の心は解放された。精神的な限界を越えたその先には、自由が待っていた。

試練を終え、村に戻ると、少女が私を待っていた。
「試練、どうでした？」

「私の限界を越えて、新しい自分を見つけたよ。」
笑顔を見せると、彼女も笑顔を返してくれた。

「よかった！　さあ、祭りに戻りましょう！」

心が軽くなった私は、少女と共に祭りに戻った。精神限界を乗り越えた先には、確かに新たな世界が広がっていた。

「今度は、楽しむことを忘れない！」
そう心に誓った。