🎊異世界転生が流行っているので１ミリも知らないけど書いてみたら何か良作が生まれた件 （▶20から毎日投稿挑戦開始）

#48 頸動脈の異世界伝説

主人公の田中は、ごく普通のサラリーマンだった。ある日、仕事帰りにふとした不注意で転倒し、何かが彼の首に鋭く触れた。次の瞬間、激しい痛みが頸動脈を走り、田中の意識は途切れた。

気がつくと、彼は見知らぬ場所に立っていた。目の前に広がるのは、まるでファンタジーの世界のような光景だ。空を飛ぶドラゴン、遠くにそびえる巨大な城。しかし、田中はある異変に気づく。

「な、なんだこれは？」

自分の首元に手を伸ばすと、なんと頸動脈が青白く光り、まるで透明なチューブのように外に露出していた。

「おいおい、冗談だろ？　これは夢か？」

そこへ、奇妙な男が現れた。頭には長い帽子、そして手には分厚い本を持っている。

「ようこそ、異世界へ！　あなたは選ばれし者、"頸動脈の守護者"だ！」

「頸動脈……の守護者？　どういうことだよ！？」

男はにっこりと微笑みながら答えた。
「この世界では、あなたの頸動脈がエネルギー源となり、魔法を使えるんです。」

「え、ちょっと待て。そんなに重要な場所が外に露出してたら、危なすぎるだろ！？」

「大丈夫です。攻撃されると、自動的に保護バリアが展開されますので。でも、ちょっとでも頸動脈を緩めると、まあ、最悪の事態になりますが。」

「最悪の事態って……死ぬのか？」

「ええ、死ぬどころか、異世界全体が崩壊します。なので、首を大事にしてくださいね。」

田中は頭を抱えた。
「どうして俺はこんな役割を……いや、それより、俺にそんな大役は無理だ！」

「大丈夫ですよ、きっとすぐに慣れます。それに、あなたの頸動脈の強さは、すでに伝説的ですから！」

「頸動脈が伝説的って、どんな世界だよ！」

仕方なく田中は、この異世界で生き抜くことを決意した。しかし、常に首を守りながら冒険するという、不思議な旅が始まった。魔物と戦うときも、村を救うときも、いつも首を気にしていた。彼の口癖はこうだった。

「お願いだから、俺の首には触るな！」

そして、そんな彼の姿は次第に世界中で有名になり、ついには「伝説の頸動脈の勇者」として名を轟かせることに……。

名言も有名になった。
「どんな場所でも大切なのは、自分の弱点を守りながら強く生きることだ！」