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#24 オリンピックス

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目を覚ましたとき、僕は見知らぬ競技場に立っていた。
周囲はまるで古代ローマのコロッセオのようだが、天空は紫に輝き、観客たちは人間ではなく、ドラゴンやエルフ、スライムのような異種族が群がっている。何がどうなっているんだ?

「おい、新参者!」背後から鋭い声が響く。
振り返ると、筋骨隆々のミノタウロスが手を振っていた。
「今日のお前の種目は100メートル走だぞ。準備はいいか?」

……100メートル走? いやいや、僕は普通の高校生だったはず。なぜ異世界のオリンピックスで走ることになってるんだ? それに、僕は運動音痴だぞ。

「おい、聞いてるか?」ミノタウロスが眉をひそめる。

焦る僕の前に、天から謎の声が降りてきた。

「この世界に転生した理由? 簡単さ、君が生前の人生でスポーツを軽視していたからだ。今こそそのツケを払うのだ!」

……そんな理不尽な! 確かに運動は嫌いだったが、異世界で罰ゲームみたいなオリンピックスに参加させられるなんて。

「位置について!」司会者の声が響き渡る。
気づけば、周りには人間に見えない存在たちが並んでいた。ゴブリン、オーク、果てには空中を浮遊する幽霊までいる。

「よーい……ドン!」

スタートの合図が鳴った。僕はとにかく全力で走る。
風が耳元を切り裂き、足元が軽くなる感覚がする。意外にも、僕はそこそこの速さで走れている…と思った瞬間、隣の幽霊がスッと前を通り抜けていった。そう、幽霊には足がない。僕は愕然とした。

「飛んでるじゃん!」
叫んでしまうが、誰も文句は言わない。

さらに後ろから巨体のオークが追いかけてきた。ドスンドスンと地面が揺れ、僕は慌ててペースを上げる。なんとか2位にはつけていたが、ゴール直前でミノタウロスが「ニヤリ」と笑って巨大な斧を振り回し、僕を弾き飛ばした。

「ファウルだろ!」地面に転がった僕が叫ぶと、観客たちは大爆笑。
どうやら、この世界ではルールなんてあってないようなものらしい。

結局、僕は最下位でゴールした。優勝したのは飛び回る幽霊だ。

しかし、謎の声が再び響く。
「君の運命はここで終わりではない。この異世界オリンピックスに勝ち続けることで、新たな運動神経と共に現世へと戻ることができるだろう。頑張るのだ、運動音痴よ!」

僕は頭を抱えた。現世に戻るために、これからも続く異世界の無茶苦茶な競技に挑むことになるのか。果たして、僕は運動音痴を克服できるのだろうか……?

そして異世界オリンピックスはまだまだ終わらない。
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