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#22 転生者向けのハローワーク
しおりを挟む目が覚めたとき、俺は見知らぬ場所にいた。
周囲には、巨大な城壁と青い空。それはまさに異世界の風景だった。「ついに俺も異世界転生か……」そう思った瞬間、足元に立て看板が目に入った。
「異世界ハローワーク – 転生者歓迎! スキルなしでも大丈夫!」
ハローワーク? 異世界に来てまさか仕事探しとは……。いや、でも生きていくためには仕方ない。看板に従い、目の前の小さな建物に入った。
「いらっしゃいませ、転生者の方ですか?」
受付には、どこか頼りなさそうな若いエルフの女性がいた。彼女は微笑みながら、俺に分厚いファイルを差し出した。
「こちらが本日の求人リストです。異世界で生きていくにはまず職が必要ですからね!」
ファイルを開くと、そこには異様な職業の数々が並んでいた。
「ドラゴン掃除係」「魔王の側近(初心者歓迎)」「魔力回収業務(重労働あり)」
どれも怪しすぎる! そしてほとんどが危険すぎる。俺は少し焦った。
「他に、もう少し……安全な仕事は?」
エルフは目を輝かせてこう言った。
「そうですね、『転生コンサルタント』なんてどうでしょう?転生者に向けた仕事です。先輩として転生者の相談に乗っていただければ、特別なスキルは不要です!」
転生者が転生者の相談役? なんだその無限ループみたいな仕事は。だが、これしかなさそうだ。
「わかりました。それでお願いします。」
こうして俺は「転生コンサルタント」として、異世界での第二の人生をスタートさせることになった。だが、驚いたことに、次に相談に来たのは、俺が前の世界でハローワークで対応していた人だった。
「またあなたですか!」
異世界も案外、狭いものだ。
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