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ノアキ光

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#16 三者三様な異世界譚

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 ごく普通の日常を送っていた高校生、佐藤一郎は、ある日突然、見知らぬ異世界「アルカディア」へと転生してしまう。
「な、なんだここは!? 剣と魔法の世界…って、まさか異世界転生!?」

 そこは、剣と魔法が支配するファンタジー世界。
しかし、一郎は転生特典として与えられたスキル「鑑定」で自身のステータスを確認すると、愕然とする。「レベル1、HP10、MP5、攻撃力1、防御力1、素早さ1…嘘だろ!? 勇者なのに、ザコキャラ以下じゃないか!」

 落胆する一郎の前に現れたのは、白髭を蓄えた老賢者メルキオル。

「うむ、汝のステータスは確かに低い。だが、心配は無用。汝には秘められた力があるのだ」

 メルキオルは一郎に、伝説の魔導具「三界の指輪」を授ける。
「この指輪は、装着者を三つの異なる世界へと転生させる力を持つ。それぞれの転生先で経験を積み、力を蓄えることで、汝は真の勇者として覚醒するであろう」

 最初の転生先は、高度な科学技術が発達した近未来都市「ネオ・トーキョー」。
「SFの世界!?ってことは、科学技術を学べってことか?」
一郎は、そこで天才科学者Dr.ノイマンの助手として、日夜研究に明け暮れる。
「ナノマシン、遺伝子操作、AI…こんな技術、現実世界じゃ考えられない!?」
最先端の科学に触れる中で、一郎は知識と技術を貪欲に吸収していく。

 次の転生先は、東洋の神秘が息づく古都「シン・チャイナ」。
「カンフーの世界!? ってことは、修行して強くなれってことか?」
一郎は、伝説の武術家リー・リンチェイの弟子となり、厳しい修行に身を投じる。
「くっ、修行はキツイ……でも、強くなるためには仕方ない!」
様々な武術を習得する中で、一郎の肉体と精神は鋼のように鍛え上げられていく。

 そして最後の転生先は、魔法が日常に溶け込む幻想郷「アルカディア」。
「って、ここって最初に転生した世界じゃ……ってことは、魔法を学べってことか?」
一郎は、偉大な魔導師エルミナの元で、魔法の奥義を学ぶ。
「火、水、風、土……魔法って、こんなに種類があるのか!?」
あらゆる魔法を使いこなせるようになる。

 三つの世界で得た知識、技術、武術、魔法。それらは全て、一郎の中に眠る勇者の力を呼び覚ますための鍵だった。再びアルカディアへと戻った一郎は、三界の指輪の力で真の勇者へと覚醒する。
「レベル99、HP9999、MP9999、攻撃力9999、防御力9999、素早さ9999……うおおお! これが俺の本当の姿だ!」

 一郎は、魔王が支配する闇の世界へと乗り込み、圧倒的な力で魔物を蹴散らす。
「科学の力、見せてやるぜ!」「くらえ、俺の必殺拳!」「魔法の力、とくと味わえ!」
全てを駆使して、一郎は魔王との最終決戦に挑む。

 激闘の末、魔王は倒れ、世界に平和が訪れる。人々は歓喜し、一郎を称える。
「勇者様、ありがとうございます!」
しかし、一郎は慢心することなく、三つの世界で得た知識と経験を活かし、新たな時代を築き上げていく。
「科学技術で生活を便利に、武術で心身を鍛え、魔法でみんなを笑顔に……これからは、俺がみんなを守ってみせる!」

 こうして、三者三様の転生を経験した勇者、佐藤一郎は、伝説として語り継がれる存在となった。彼の名は、永遠にアルカディアの歴史に刻まれることだろう。
「でも、たまには普通の高校生に戻りたいなぁ……」
一郎は、そう呟きながら、今日もアルカディアの平和を守り続けるのだった。
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