🎊異世界転生が流行っているので1ミリも知らないけど書いてみたら何か良作が生まれた件 (▶20から毎日投稿挑戦開始)

ノアキ光

文字の大きさ
上 下
6 / 177

#6 魔が差したケーキ

しおりを挟む

ある日、平凡なサラリーマンの田中太郎は、仕事帰りにコンビニで新作のスイーツを買おうとした。しかし、そこで彼の目に飛び込んできたのは「魔が差したケーキ」という名の怪しげなデザートだった。「名前が変だなぁ」と思いながらも、好奇心に負けて購入した。

帰宅後、そのケーキを一口食べた瞬間、田中は目の前が真っ暗になった。次に目を覚ますと、そこはまるで異世界ファンタジーのような場所だった。彼の目の前には、美しい草原と巨大な城が広がっていた。

「これは……夢か?」
田中は自分の頬をつねったが、痛みがリアルすぎた。どうやら本当に異世界に転生してしまったらしい。

突然、背後から声が聞こえた。
「おぉ、勇者様! ついにお目覚めか!」
振り返ると、奇妙な格好をした小柄な老人が立っていた。彼は田中を「勇者」と呼び、この世界を救う使命があると説明した。

「いや、ちょっと待って。俺はただケーキを食べただけなんだが……」
田中の抗議も虚しく、老人は彼に巨大な剣と古びた地図を渡した。

「まずは北の魔王城を目指すのじゃ!」
と老人は告げた。

田中はため息をつきながらも、仕方なく北へ向かった。しかし道中、彼は様々なトラブルに巻き込まれた。まずは、巨大なドラゴンに遭遇し、その息で一瞬にして焼き払われそうになった。次に、悪の魔法使いに変身させられ、しばらくの間、カエルの姿で冒険を続ける羽目になった。

それでも、田中は不屈の精神で旅を続けた。仲間として出会ったのは、料理が下手なエルフの少女や、戦闘よりも踊りが得意な戦士、そしてしゃべる猫だった。彼らは全く役に立たないが、なんとなく楽しい日々を過ごしていた。

最終的に田中たちは、魔王城にたどり着いた。そこでは、巨大な魔王が待ち構えていた。しかし、田中が持っていた地図が実は魔王の弱点を示していることに気づいた。地図を見てみると、「魔王の後ろにある赤いボタンを押すと倒せる」と書かれていた。

「なんじゃそりゃ!」
叫びながらも、田中は魔王の後ろに回り込み、赤いボタンを押した。すると、魔王は煙と共に消え去った。

「これで終わりか……?」
と思った瞬間、再び目の前が真っ暗になった。そして、気がつくと田中は元の世界に戻っていた。

コンビニのレシートを見てみると、そこには「魔が差したケーキ」と書かれていた。田中は二度とそのケーキを買わないと固く決意した。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

魔道具作ってたら断罪回避できてたわw

かぜかおる
ファンタジー
転生して魔法があったからそっちを楽しんで生きてます! って、あれまあ私悪役令嬢だったんですか(笑) フワッと設定、ざまあなし、落ちなし、軽〜く読んでくださいな。

(完結)あなたの愛は諦めました (全5話)

青空一夏
恋愛
私はライラ・エト伯爵夫人と呼ばれるようになって3年経つ。子供は女の子が一人いる。子育てをナニーに任せっきりにする貴族も多いけれど、私は違う。はじめての子育ては夫と協力してしたかった。けれど、夫のエト伯爵は私の相談には全く乗ってくれない。彼は他人の相談に乗るので忙しいからよ。 これは自分の家庭を顧みず、他人にいい顔だけをしようとする男の末路を描いた作品です。 ショートショートの予定。 ゆるふわ設定。ご都合主義です。タグが増えるかもしれません。

たのしい わたしの おそうしき

syarin
恋愛
ふわふわのシフォンと綺羅綺羅のビジュー。 彩りあざやかな花をたくさん。 髪は人生で一番のふわふわにして、綺羅綺羅の小さな髪飾りを沢山付けるの。 きっと、仄昏い水底で、月光浴びて天の川の様に見えるのだわ。 辛い日々が報われたと思った私は、挙式の直後に幸せの絶頂から地獄へと叩き落とされる。 けれど、こんな幸せを知ってしまってから元の辛い日々には戻れない。 だから、私は幸せの内に死ぬことを選んだ。 沢山の花と光る硝子珠を周囲に散らし、自由を満喫して幸せなお葬式を自ら執り行いながら……。 ーーーーーーーーーーーー 物語が始まらなかった物語。 ざまぁもハッピーエンドも無いです。 唐突に書きたくなって(*ノ▽ノ*) こーゆー話が山程あって、その内の幾つかに奇跡が起きて転生令嬢とか、主人公が逞しく乗り越えたり、とかするんだなぁ……と思うような話です(  ̄ー ̄) 19日13時に最終話です。 ホトラン48位((((;゜Д゜)))ありがとうございます*。・+(人*´∀`)+・。*

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。 これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。 それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。

柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。 詰んでる。 そう悟った主人公10歳。 主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど… 何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど… なろうにも掲載しております。

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

処理中です...