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#6 魔が差したケーキ
しおりを挟むある日、平凡なサラリーマンの田中太郎は、仕事帰りにコンビニで新作のスイーツを買おうとした。しかし、そこで彼の目に飛び込んできたのは「魔が差したケーキ」という名の怪しげなデザートだった。「名前が変だなぁ」と思いながらも、好奇心に負けて購入した。
帰宅後、そのケーキを一口食べた瞬間、田中は目の前が真っ暗になった。次に目を覚ますと、そこはまるで異世界ファンタジーのような場所だった。彼の目の前には、美しい草原と巨大な城が広がっていた。
「これは……夢か?」
田中は自分の頬をつねったが、痛みがリアルすぎた。どうやら本当に異世界に転生してしまったらしい。
突然、背後から声が聞こえた。
「おぉ、勇者様! ついにお目覚めか!」
振り返ると、奇妙な格好をした小柄な老人が立っていた。彼は田中を「勇者」と呼び、この世界を救う使命があると説明した。
「いや、ちょっと待って。俺はただケーキを食べただけなんだが……」
田中の抗議も虚しく、老人は彼に巨大な剣と古びた地図を渡した。
「まずは北の魔王城を目指すのじゃ!」
と老人は告げた。
田中はため息をつきながらも、仕方なく北へ向かった。しかし道中、彼は様々なトラブルに巻き込まれた。まずは、巨大なドラゴンに遭遇し、その息で一瞬にして焼き払われそうになった。次に、悪の魔法使いに変身させられ、しばらくの間、カエルの姿で冒険を続ける羽目になった。
それでも、田中は不屈の精神で旅を続けた。仲間として出会ったのは、料理が下手なエルフの少女や、戦闘よりも踊りが得意な戦士、そしてしゃべる猫だった。彼らは全く役に立たないが、なんとなく楽しい日々を過ごしていた。
最終的に田中たちは、魔王城にたどり着いた。そこでは、巨大な魔王が待ち構えていた。しかし、田中が持っていた地図が実は魔王の弱点を示していることに気づいた。地図を見てみると、「魔王の後ろにある赤いボタンを押すと倒せる」と書かれていた。
「なんじゃそりゃ!」
叫びながらも、田中は魔王の後ろに回り込み、赤いボタンを押した。すると、魔王は煙と共に消え去った。
「これで終わりか……?」
と思った瞬間、再び目の前が真っ暗になった。そして、気がつくと田中は元の世界に戻っていた。
コンビニのレシートを見てみると、そこには「魔が差したケーキ」と書かれていた。田中は二度とそのケーキを買わないと固く決意した。
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