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第11話 サバの味噌煮
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「待ちなさい」
いつものようにビスタ子爵夫人が散歩がてらに光食堂に寄ろうとしたところ、聞き覚えのある声が彼女を呼び止めた。
ビスタ子爵夫人にとっては昔からの中である虎型獣人の女、マリアンヌだった。
「マリアンヌじゃない。どうしたの?」
「聞いたわよ。最近行きつけの店があるんだって? 幼馴染の私に隠し事するとなるとよっぽどね」
「別に隠してるわけじゃないけど……ただ教えなかっただけよ」
「ま、いいわ。あたしもその店に連れてって」
「そうね。じゃあ一緒に行きましょう」
そう言って彼女は今回の光食堂は友人と一緒に行くことにした。
「いらっしゃいませ。あら? 一緒にいるのはご友人さんですか?」
「ええ。私はいつものようにコーヒーゼリーを3つ。それと彼女にメニューをお願いするわ」
ビスタ子爵夫人は流れるように注文を飛ばす。
「……ここもしかして庶民の店? まぁ庶民出身のあなたらしいと言えばらしいけど」
この店を見渡してマリアンヌはつぶやく。ここはおそらく店主であろう彼女が一人で切り盛りしているらしく使用人の類はいない。
それに飾りや内装を見るに到底貴族が来るような店ではなく明らかに庶民向けのものである。
少し不安になった彼女の元へ店主がメニューとコーヒーゼリをー持ってやってくる。
「お待たせしました。これがメニューですね。お決まりになりましたら声をかけてください。あとこちら、コーヒーゼリー3つとなります」
そう言ってビスタ子爵夫人には注文の品を、マリアンヌにはメニューを渡す。
渡されたメニューを見て変だ、と思ったのは価格設定だ。庶民の店としては高すぎ、貴族向けの店としては安すぎる中途半端な価格だ。
商品にとって価格は重要だ。
全く同じ商品でも価格が違うだけで一方は飛ぶように売れ、もう一方は見向きもされない。ということだって起こりうる。
売り物の第2の顔とまで言われる価格をおざなりにして本当にこの店は大丈夫なのだろうか?
「何でまたこんな中途半端な価格に……って! え!?」
疑問ばかりが浮かぶマリアンヌはメニューに書かれている一文を見てさらに驚く。
「サバの味噌煮」
「サバをミソという調味料を使って煮込んだもの」
という一文に。
「さ、サバ!? この店はサバなんて出すの!?」
「あらちょうどよかったじゃない。サバ大好きなんでしょ?」
「そうだけど……いくらなんでもさすがに王都でサバは無理でしょ?」
サバという魚は非常に鮮度が落ちやすい。漁師の間では「生きたまま腐る」などと言われるほどであり、港町でもない限り食卓には上がらない。
最寄りの港まで歩いて2日はかかる位置にある王都ではとてもじゃないがまともに食えるような鮮度で出すのは常識から言えば不可能だ。
値段もおかしければ出すものもおかしい。疑問はぬぐえない。
「私も最初は半信半疑だったけどこの店の料理はどれもおいしいわ。全部のメニューを制覇した訳じゃあないけど安心していいよ」
「……」
商品、特に食料品の目利きに関しては夫のビスタ子爵には劣るものの、
平民出身ながらも子爵と結婚出来たほどの実力を持つ彼女がひいきにするくらいだから、変なものを出されることはまず無いだろう。
「上等じゃない。出せるものなら出してほしいわ。店主! 私にサバの味噌煮をちょうだい!」
ある種挑戦状をたたきつけるかのように彼女は注文した。
メニューに載せている以上は出せるはずだ。もし出さなかったりひどい物を出したらタダじゃあ済まない。
そう思いながら彼女は注文の品が届くのを挑戦的な目で見つめながら待っていた。
光は奥に引っ込むとサバの味噌煮の缶を開け、皿に盛る。そして電子レンジに入れて加熱する。
1~2分ほどで「チーン」とレンジが鳴り、アツアツのサバの味噌煮が完成だ。
「お待たせいたしました。サバの味噌煮になります。あ、そうそう。ライスと一緒に食べるとおいしいですよ」
店主が料理を持ってくる。それからはミソと呼ばれる調味料からなのか、未知ではあるが胃袋を刺激するなんとも良い香りが漂ってくる。
変なものを出されないか心配していたが見た目や香りではおいしそうな料理なので安心したのかフォークで器用に身をほぐして、口にする。
口の中に広がるのは、まるで港町で揚がったばかりのような新鮮なサバの味。
それももう少し経たないと獲れない旬のものであるかのように脂がのって身も締まっている極上の物だ。
そのただでさえ美味いサバがミソという美味な調味料で味付けされており、
それが自己主張はしながらも決してでしゃばり過ぎはせずにサバを引き立てているという絶妙なバランス加減を実現している。
「なにこれ……今まで食べたサバ料理の中でダントツに美味しいわ。ちょっと味付けが濃いけど」
彼女が率直な感想を述べる。こんなサバ料理食べたことが無いと。ただ難点を言えば、味付けが少し濃いのだ。
「そういえばライスと一緒に食べるとおいしいとか言ってたわね。店主! ライスもお願い!」
マリアンヌは店主がさらりと口にした「ライスと一緒に食べるとおいしい」という言葉を聞き逃しているわけではなかった。
これだけ美味い料理を出す店の主だ。変なものは出さないだろう。すっかり安心して間髪入れずに追加で注文する。
「お待たせいたしました。ライスになります」
店主が持ってくるのを今か今かと待ち構えていたように受け取るとライスの上にサバの味噌煮を乗せて、一緒に食べる。
「うわ」
感想が出てこない。
ついさっきまで「今まで食べたサバ料理の中でダントツに美味しい」はずであったサバの味噌煮ですら、まだ未完成だった。
ライスというそれ自体は淡泊な食べ物と組み合わせることで、お互いの欠点を補い長所を高め合う理想の夫婦となった。
感想を漏らす暇があったら食べたい。それほどまでの美味だった。
サバ料理の中ではもちろん、今まで食べてきたどんな料理も押しのけて堂々の1番と言える位のものだった。
「なるほど、これだけのものを出せるのならあの値段も納得ね。むしろもっと取っても良い位だわ。アンタがひいきにするだけあるわ」
「そうでしょ? 変なところあるけどとにかくおいしいのよね」
料理を食べ終え店を後にした2人は旧市街地区を歩きながら会話をしていた。
「また時間が合えば2人で行きましょう。最近話してないから色々しゃべりたい」
「そうね。時間合わせて会いましょうね。私もあなたの最近の話聞きたいし」
最近はすれ違い気味だった2人の友情の時間が、再び時を刻めはじめていた。
【次回予告】
「エビピラフ」なる新たなコメ料理。それにピクリと反応したのは、あの傭兵騎士だった。
第12話「エビピラフ」
いつものようにビスタ子爵夫人が散歩がてらに光食堂に寄ろうとしたところ、聞き覚えのある声が彼女を呼び止めた。
ビスタ子爵夫人にとっては昔からの中である虎型獣人の女、マリアンヌだった。
「マリアンヌじゃない。どうしたの?」
「聞いたわよ。最近行きつけの店があるんだって? 幼馴染の私に隠し事するとなるとよっぽどね」
「別に隠してるわけじゃないけど……ただ教えなかっただけよ」
「ま、いいわ。あたしもその店に連れてって」
「そうね。じゃあ一緒に行きましょう」
そう言って彼女は今回の光食堂は友人と一緒に行くことにした。
「いらっしゃいませ。あら? 一緒にいるのはご友人さんですか?」
「ええ。私はいつものようにコーヒーゼリーを3つ。それと彼女にメニューをお願いするわ」
ビスタ子爵夫人は流れるように注文を飛ばす。
「……ここもしかして庶民の店? まぁ庶民出身のあなたらしいと言えばらしいけど」
この店を見渡してマリアンヌはつぶやく。ここはおそらく店主であろう彼女が一人で切り盛りしているらしく使用人の類はいない。
それに飾りや内装を見るに到底貴族が来るような店ではなく明らかに庶民向けのものである。
少し不安になった彼女の元へ店主がメニューとコーヒーゼリをー持ってやってくる。
「お待たせしました。これがメニューですね。お決まりになりましたら声をかけてください。あとこちら、コーヒーゼリー3つとなります」
そう言ってビスタ子爵夫人には注文の品を、マリアンヌにはメニューを渡す。
渡されたメニューを見て変だ、と思ったのは価格設定だ。庶民の店としては高すぎ、貴族向けの店としては安すぎる中途半端な価格だ。
商品にとって価格は重要だ。
全く同じ商品でも価格が違うだけで一方は飛ぶように売れ、もう一方は見向きもされない。ということだって起こりうる。
売り物の第2の顔とまで言われる価格をおざなりにして本当にこの店は大丈夫なのだろうか?
「何でまたこんな中途半端な価格に……って! え!?」
疑問ばかりが浮かぶマリアンヌはメニューに書かれている一文を見てさらに驚く。
「サバの味噌煮」
「サバをミソという調味料を使って煮込んだもの」
という一文に。
「さ、サバ!? この店はサバなんて出すの!?」
「あらちょうどよかったじゃない。サバ大好きなんでしょ?」
「そうだけど……いくらなんでもさすがに王都でサバは無理でしょ?」
サバという魚は非常に鮮度が落ちやすい。漁師の間では「生きたまま腐る」などと言われるほどであり、港町でもない限り食卓には上がらない。
最寄りの港まで歩いて2日はかかる位置にある王都ではとてもじゃないがまともに食えるような鮮度で出すのは常識から言えば不可能だ。
値段もおかしければ出すものもおかしい。疑問はぬぐえない。
「私も最初は半信半疑だったけどこの店の料理はどれもおいしいわ。全部のメニューを制覇した訳じゃあないけど安心していいよ」
「……」
商品、特に食料品の目利きに関しては夫のビスタ子爵には劣るものの、
平民出身ながらも子爵と結婚出来たほどの実力を持つ彼女がひいきにするくらいだから、変なものを出されることはまず無いだろう。
「上等じゃない。出せるものなら出してほしいわ。店主! 私にサバの味噌煮をちょうだい!」
ある種挑戦状をたたきつけるかのように彼女は注文した。
メニューに載せている以上は出せるはずだ。もし出さなかったりひどい物を出したらタダじゃあ済まない。
そう思いながら彼女は注文の品が届くのを挑戦的な目で見つめながら待っていた。
光は奥に引っ込むとサバの味噌煮の缶を開け、皿に盛る。そして電子レンジに入れて加熱する。
1~2分ほどで「チーン」とレンジが鳴り、アツアツのサバの味噌煮が完成だ。
「お待たせいたしました。サバの味噌煮になります。あ、そうそう。ライスと一緒に食べるとおいしいですよ」
店主が料理を持ってくる。それからはミソと呼ばれる調味料からなのか、未知ではあるが胃袋を刺激するなんとも良い香りが漂ってくる。
変なものを出されないか心配していたが見た目や香りではおいしそうな料理なので安心したのかフォークで器用に身をほぐして、口にする。
口の中に広がるのは、まるで港町で揚がったばかりのような新鮮なサバの味。
それももう少し経たないと獲れない旬のものであるかのように脂がのって身も締まっている極上の物だ。
そのただでさえ美味いサバがミソという美味な調味料で味付けされており、
それが自己主張はしながらも決してでしゃばり過ぎはせずにサバを引き立てているという絶妙なバランス加減を実現している。
「なにこれ……今まで食べたサバ料理の中でダントツに美味しいわ。ちょっと味付けが濃いけど」
彼女が率直な感想を述べる。こんなサバ料理食べたことが無いと。ただ難点を言えば、味付けが少し濃いのだ。
「そういえばライスと一緒に食べるとおいしいとか言ってたわね。店主! ライスもお願い!」
マリアンヌは店主がさらりと口にした「ライスと一緒に食べるとおいしい」という言葉を聞き逃しているわけではなかった。
これだけ美味い料理を出す店の主だ。変なものは出さないだろう。すっかり安心して間髪入れずに追加で注文する。
「お待たせいたしました。ライスになります」
店主が持ってくるのを今か今かと待ち構えていたように受け取るとライスの上にサバの味噌煮を乗せて、一緒に食べる。
「うわ」
感想が出てこない。
ついさっきまで「今まで食べたサバ料理の中でダントツに美味しい」はずであったサバの味噌煮ですら、まだ未完成だった。
ライスというそれ自体は淡泊な食べ物と組み合わせることで、お互いの欠点を補い長所を高め合う理想の夫婦となった。
感想を漏らす暇があったら食べたい。それほどまでの美味だった。
サバ料理の中ではもちろん、今まで食べてきたどんな料理も押しのけて堂々の1番と言える位のものだった。
「なるほど、これだけのものを出せるのならあの値段も納得ね。むしろもっと取っても良い位だわ。アンタがひいきにするだけあるわ」
「そうでしょ? 変なところあるけどとにかくおいしいのよね」
料理を食べ終え店を後にした2人は旧市街地区を歩きながら会話をしていた。
「また時間が合えば2人で行きましょう。最近話してないから色々しゃべりたい」
「そうね。時間合わせて会いましょうね。私もあなたの最近の話聞きたいし」
最近はすれ違い気味だった2人の友情の時間が、再び時を刻めはじめていた。
【次回予告】
「エビピラフ」なる新たなコメ料理。それにピクリと反応したのは、あの傭兵騎士だった。
第12話「エビピラフ」
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