上 下
30 / 32
メンヘラで悩む本人に向けて

第30話 ささいな悩み

しおりを挟む
 メンヘラになるきっかけというのは「ささいな事」が多く、それが雪だるま式に膨らんでメンヘラという身体に現れるほどの心の異常にまでなってしまうことが多いと思います。

 なので他人から見たら「そんなくだらないことを悩んでいるのか!?」と言われるような悩み、みんな持ってますよと言っておきます。


 特に自分自身というのはあなたにとって誰よりも一番近い場所にいるから、誰よりも悪いところが見えてしまうものです。

 よく「恋人同士」の時はうまくいってたのに、いざ結婚したら嫌なところが見えてきて……というのは結婚して「恋人」から「夫婦」という、お互いに距離が近くなって悪いところも見えるようになったからが原因だと思われます。

 逆に距離が遠いと悪い所は見えにくくなります。欧米で日本の忍者や侍がウケるのも彼らの生活から距離が離れているからですし、日本で悪役令嬢みたいな貴族が主人公の物語がウケるのも日本人にとって貴族は縁遠いものだからです。

 それと同じで、野生のクマがいない熊本県におけるクマのイメージは「くまモン」である一方、野生のクマ(それもヒグマという最強クラスのクマ)が住んでいる北海道におけるクマのイメージは「メロン熊」になるのです。



 じゃあ普通の人と言うのはその「ささいな悩み」を一体どうやってその問題を解決しているのか? というと「何も考えていない」んです。それだけです。特に「自分自身の悩み、あるいは自分自身への絶望」とかは一切考えてませんし、一切悩みません。

「ホモサピエンス狂ってんの!?」とお思いかもしれませんが、これが真実らしいです。自分の事について「何も考えてない」らしいのです。「今日は昨日と同じ日、明日は今日と同じ日」が死ぬまで続く、と割と本気で思っているらしいです。
 無意識なのか意図的なのかはわかりませんがそういう悩みの回路を元から遮断しているような感じなんですね。

 メンヘラとしては「死にたくて死にたくて仕方ないけど何とか踏みとどまって消去法で生きることを選択し、毎日をどうにかやっとの思いでやり過ごすように生きている」のでしょうが、恐るべきことに普通の人というのはそうじゃないらしいのです。



 ただ、そうはいってもどうしても考えてしまう、考えなくては落ち着かない、丸ごと捨て去るにはあまりにも大きすぎる。というのが「ささいな悩み」でしょう。
 そんな方々には哲学の観点から「ささいな悩み」に対する処方せんをお出しします。役に立てれば幸いです。

中島義道の人生相談道場”悩ましき哉、人生!”
~私の人生は完全に失敗だった!~
https://toyokeizai.net/articles/-/19088



【次回予告】

これで最後になります。最後に言っておきたいのは「今日も死ねなかった」という「死にぞこない」でいてほしいという事です。

終わりに 「一生死にぞこないでいてください」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ボケ防止に漫画投稿初めてみた!

三森まり
エッセイ・ノンフィクション
子供に手がかからなくなったし使える時間めっちゃ多くなったのでボケ防止に何かはじめようかなぁ そうだ!(・∀・)「指を動かす 頭を使う 家にいても出来る!!」という事で インターネットエクスプローラーのTOPページで宣伝してる この「アルファポリス」とやらをやってみよう! という事で投稿初めてみました へいへい 漫画描くの楽しいよ! と そんなエッセイと 私のアルポリ(どんな約し方がスタンダートなのか知ってる方教えてください)での成果?を綴る予定です(・∀・)b

アルンの日々の占いやエッセイ的な何か。

譚音アルン
エッセイ・ノンフィクション
アルンの毎日の占いや時折エッセイ的な何かの駄文です。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

その希死念慮、減らせます!【精神科通院は怖くない】

月歌(ツキウタ)
エッセイ・ノンフィクション
49歳腐女子、希死念慮と小学生時代から戦う猛者です。精神科に通院して15年。最近、希死念慮がかなり減ったので、その経緯をエッセイにします。精神科通院を躊躇っている方に読んでいただけると嬉しいです。 どなたかのお役に立てたなら幸いです。 ☆月歌ってどんな人?こんな人↓↓☆ 『嫌われ悪役令息は王子のベッドで前世を思い出す』が、アルファポリスの第9回BL小説大賞にて奨励賞を受賞(#^.^#) その後、幸運な事に書籍化の話が進み、2023年3月13日に無事に刊行される運びとなりました。49歳で商業BL作家としてデビューさせていただく機会を得ました。 ☆表紙絵、挿絵は全てAIイラスです

処理中です...