29 / 32
メンヘラで悩む本人に向けて
第29話 他人のせいにする
しおりを挟む
「他人のせいにする」
このお話のタイトルにもあるこの行為を実行するのは後ろめたい気があるかもしれません。ただ、メンタルを病んでまずは心の分解清掃や整備が必要な方には有効な場合もあります。
足の骨を折った人が骨がくっつくまでの間ギプスを付けるのと同じように、精神的に病んだ場合は「他人のせいにする」という苦しみを和らげる対症療法も有効でしょう。
例えば体調の悪さを「気圧が低い」とか「寒暖差が激しい」とか「占いで悪く言われた」などと言えばいいでしょう。
ここで重要なのが、天気とか占いという「悪く言っても言い返してこない」相手のせいにする事です。実在する人のせいにしたらばれた時に問題になると思いますのでそれは辞めたほうが良いのですが、言い返してこない相手のせいにすると「自分は悪くない」と思えるのでだいぶ気が楽になります。
「他の物のせいにするなんて卑怯じゃないか!」とか「言い訳ばかりしていると立ち向かえなくなるぞ!」と思うかもしれません。
ですが、メンタルの病というのは実際に「脳の神経伝達物質の量がおかしくなっている」という、風邪引いて熱や咳が出るのと同じようにれっきとした「異常事態」なので、そんなことを言うのはインフルエンザで39度台の熱が出ている人に対して
「トレーニングして体力をつければそんなのすぐ治る! さあダンベルだ!」と言って無理やりトーニングさせるようなものです。
特にメンタルを病みやすい人というのは繊細で、ほんの少しのマイナスを100にも1000にも増幅して被弾してしまう人が多いです。
「私は失敗作の出来損ないの落第生で叩かれて当然、けなされ嫌悪されて当然」という思考で固定されている人が多く、生きる上で大きな重しになってしまいます。なのでこういう人……「昔は「弱い奴」として文字通り斬り捨てられる側にいた人」というのは意図的に他人のせいにするトレーニングというのは必要でしょう。
そもそもメンタルを病んだ本人は「メンタルを病む」ほど追い込まれていることがほとんどで、自分一人の力ではどうしようもない緊急事態に直面しているものです。
というか自分一人の力で何とかできるならそもそもメンタルを病むことなんてありません。精神的におかしくなるのには必ず理由があるのです。
たとえそれがどんなにささいで馬鹿馬鹿しい理由でも本人が真剣に悩み過ぎて体調がおかしくなるのであれば、それは傾聴すべきでしょう。
前にも言いましたが、例えば「思春期の悩み」っていうのは大人からすればささいで、ほほえましくすらある程度の小さい小さいものですが、当の本人にとっては「あまりにも大きすぎて悩み過ぎた結果、世界に絶望して自殺してしまう」程に「真剣で重苦しくのしかかってくる脅威そのもの」なのです。
実際、今でも500~600名近くの若者たちが自殺していますから、決して言い過ぎではないでしょう。
そんな人たちはとにかく「自分が悪いんだ」とあまりにも強く思い過ぎていて、それがメンヘラとなって表に出てくるのです。普通の人間というのはメンヘラになる人からすれば破滅的なまでに無責任で、狂騒的なまでに自分勝手なものです。
そんな人たちが集まって世界が回っているというのはあまりにも不気味で不可解の極みかもしれませんが、それで世の中というのは成り立っているという実にいい加減なものなのです。
なので他人のせいにする練習でもしとけばいいと思います。特にメンヘラにかかる人というのは。
【次回予告】
普通の人というのは何も考えてないし、ましてや自分の事を悪く思わないものです。人によってはたとえ犯罪行為やっていたとしても、です。
第30話 「ささいな悩み」
このお話のタイトルにもあるこの行為を実行するのは後ろめたい気があるかもしれません。ただ、メンタルを病んでまずは心の分解清掃や整備が必要な方には有効な場合もあります。
足の骨を折った人が骨がくっつくまでの間ギプスを付けるのと同じように、精神的に病んだ場合は「他人のせいにする」という苦しみを和らげる対症療法も有効でしょう。
例えば体調の悪さを「気圧が低い」とか「寒暖差が激しい」とか「占いで悪く言われた」などと言えばいいでしょう。
ここで重要なのが、天気とか占いという「悪く言っても言い返してこない」相手のせいにする事です。実在する人のせいにしたらばれた時に問題になると思いますのでそれは辞めたほうが良いのですが、言い返してこない相手のせいにすると「自分は悪くない」と思えるのでだいぶ気が楽になります。
「他の物のせいにするなんて卑怯じゃないか!」とか「言い訳ばかりしていると立ち向かえなくなるぞ!」と思うかもしれません。
ですが、メンタルの病というのは実際に「脳の神経伝達物質の量がおかしくなっている」という、風邪引いて熱や咳が出るのと同じようにれっきとした「異常事態」なので、そんなことを言うのはインフルエンザで39度台の熱が出ている人に対して
「トレーニングして体力をつければそんなのすぐ治る! さあダンベルだ!」と言って無理やりトーニングさせるようなものです。
特にメンタルを病みやすい人というのは繊細で、ほんの少しのマイナスを100にも1000にも増幅して被弾してしまう人が多いです。
「私は失敗作の出来損ないの落第生で叩かれて当然、けなされ嫌悪されて当然」という思考で固定されている人が多く、生きる上で大きな重しになってしまいます。なのでこういう人……「昔は「弱い奴」として文字通り斬り捨てられる側にいた人」というのは意図的に他人のせいにするトレーニングというのは必要でしょう。
そもそもメンタルを病んだ本人は「メンタルを病む」ほど追い込まれていることがほとんどで、自分一人の力ではどうしようもない緊急事態に直面しているものです。
というか自分一人の力で何とかできるならそもそもメンタルを病むことなんてありません。精神的におかしくなるのには必ず理由があるのです。
たとえそれがどんなにささいで馬鹿馬鹿しい理由でも本人が真剣に悩み過ぎて体調がおかしくなるのであれば、それは傾聴すべきでしょう。
前にも言いましたが、例えば「思春期の悩み」っていうのは大人からすればささいで、ほほえましくすらある程度の小さい小さいものですが、当の本人にとっては「あまりにも大きすぎて悩み過ぎた結果、世界に絶望して自殺してしまう」程に「真剣で重苦しくのしかかってくる脅威そのもの」なのです。
実際、今でも500~600名近くの若者たちが自殺していますから、決して言い過ぎではないでしょう。
そんな人たちはとにかく「自分が悪いんだ」とあまりにも強く思い過ぎていて、それがメンヘラとなって表に出てくるのです。普通の人間というのはメンヘラになる人からすれば破滅的なまでに無責任で、狂騒的なまでに自分勝手なものです。
そんな人たちが集まって世界が回っているというのはあまりにも不気味で不可解の極みかもしれませんが、それで世の中というのは成り立っているという実にいい加減なものなのです。
なので他人のせいにする練習でもしとけばいいと思います。特にメンヘラにかかる人というのは。
【次回予告】
普通の人というのは何も考えてないし、ましてや自分の事を悪く思わないものです。人によってはたとえ犯罪行為やっていたとしても、です。
第30話 「ささいな悩み」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

既婚者パーティーに行ってきた
椋のひかり~むくのひかり~
エッセイ・ノンフィクション
皆様、こんにちは。
いつも読んでくださってありがとうございます。
今回のお話は
さちこが初めて既婚者パーティーに参加したお話です。
マッチングアプリに限界を感じてきた頃、
出会った男たちに勧められたのが
「既婚者合コン」でした。
さちこは好みの男と出会えるのか?
既婚者合コンにご興味のある方の一助になれば幸いです。

ほるぷ
名前も知らない兵士
エッセイ・ノンフィクション
たまに僕は本当に小さくなってしまう。それは、他人と比べたり、自分に自信が無くなってたり、ひどく落ち込むときにおこる。
その日の朝も、重なる綿繊維の波の上に僕は立っていて、まるで違う惑星にいるかのように、壮大な場所でちっぽけになってしまった。
カーキ色の肌掛け布団が鼻背ですれる。それから静けさに気付かれないように両眼を宙空に移した。そういうときは、すぐに起きれなくて、陽射しに当たってきらきらと光る、遠方の人口衛星みたいな微小のホコリを、布団の中から見つめている。やがて、新鮮なコーヒーを淹れようだとか、今日はあの子と会おうだとか、まだ読み終えてない文庫を読もうとか、自分のためにシュークリームを買おうだとか考えて、何とかして元気を取り戻してもらい起きることにしている。
僕は仕事を辞めて、バツイチで、漫画原作志望者で、ようやく掴んだ青年漫画誌の連載の話も消えてしまう。それでも日常は進んでいって……あてもない世界を、傍にいつも暗い道がある人生を、日々進んでいく。
いつになったら抜け出せるのかと、自問自答を繰り返しながら。その積み重ねた日常を築くことが、その人の魂にとって、本当の価値があることを見出す物語。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

リアル男子高校生の日常
しゅんきち
エッセイ・ノンフィクション
2024年高校に入学するしゅんの毎日の高校生活をのぞいてみるやつ。
ほぼ日記です!短いのもあればたまに長いのもだしてます。
2024年7月現在、軽いうつ状態です。
2024年4月8日からスタートします!
2027年3月31日完結予定です!
たまに、話の最後に写真を載せます。
挿入写真が400枚までですので、400枚を過ぎると、古い投稿の挿入写真から削除します。[話自体は消えません]
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる