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はじめに ビジネス書はノウハウを売っているわけじゃない
しおりを挟む(俺が見てたの気付いてたのかよ....)
「相変わらず、普通以下の顔だね。」
しかもいきなり罵ってきたし。
「そちらこそ、相変わらずの性悪で安心しました。」
ムカついた俺は、にこりと微笑んでそう言い返してやった。
「っ!!性悪はそっちだろ!!!」
俺にすごい剣幕で怒鳴るカグラに、俺は呆れながらまた言い返した。
「あぁ、そうですね。
でもいいんですか?俺には近付かないよう、学園の方から言われているのでは?」
「っ....うるさい!」
こうやって大声で俺に怒鳴る事しかできないなんて残念なほどに能無しなんだなと思いながら、俺は言葉を交わす価値もないしここから早く退散して第二皇子の元へ行こうと、カグラに背を向けて歩き出した。
「おい!逃げるのか!」
「令息と話していても、感じるのは苛立ちと嫌悪ですから。」
「なんだと!?おい、待てよ!」
「ちょっ....」
いきなり後ろから服を強く引っ張られよろけてしまったその時、服の中に隠していた大切な第二皇子へのプレゼントが床へと落ちた。
「何これ、ハンカチ?」
そしてそれを、最悪な事にカグラが拾ってしまった。
「っ....!返せ!!」
奪い返そうと手を伸ばすが、カグラに躱されてしまう。
「しかも何、この下手な刺繍。もしかして君が縫ったの?」
「っ....だったらなんだよ。」
(下手で悪かったな!)
「ふーん....もしかしてこれ、レイ様に?」
「っ....」
まずい....今の俺の反応で、完全に第二皇子へのプレゼントだってバレた。
カグラの不敵な笑顔に、嫌な予感しかしない。
「そう....じゃあ....」
「あっ....」
カグラはハンカチを床に捨て....
「こうすればレイ様にはもう渡せないよね。」
土のついた汚い靴で、そのハンカチを思い切り踏み潰した。
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