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無能ジョブ「宝石使い」が実は最強ジョブでした ~強くてかわいい宝石娘に囲まれて幸せです~

第2話 ダイヤモンドは純潔

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「……マスター? いかがなさいました?」

 ミノタウロスの胴体を真っ二つに切断した少女は自分のやったことに対して何も気にしてなさそうな平然とした顔で僕に問いかけてくる。



「え、いや……とりあえず、君が助けてくれたのか? ありがとう」

「ありがとう、ですか。私はマスターの命を守るという当然にして最重要の責務を果たしただけですが……」

「ところで君は誰なんだ?」

「私ですか? 私はダイヤモンド。純潔をつかさどる何物にも征服できない宝石です」

「宝石? あの宝石が君!? な、何で人の姿に!?」

「マスター、宝石使いなのに自分の事もわかっていないのですか? ではお教えいたしましょう。宝石使いとは……」

 彼女によるレクチャーが始まった。



 古来より宝石には力が宿っているという。その話は本当で、宝石には高濃度の魔力が宿っている。その力を引き出し少女という形で具現化する能力。それが宝石使いの力だという。

 それと同時になぜ王侯貴族が宝石を独占する理由も分かった。
 宝石1つがミノタウロスをも涼しい顔で一刀両断出来るほどの戦力になるのなら、そのカギである宝石を取り上げてしまうのもうなづける。
 宝石の流通をゆるすと宝石使いにいつ自分たちの寝首をかかれるか分からないから、というわけだ。



 勇者アルヌルフ率いる元パーティメンバーの勇者たちが泊まっている宿とは別の町へ行き、宿に泊まる。
 寝袋も無い彼女を暦の上では春とはいえまだまだ寒い冬風の中野宿させるのも男として気が引ける……結局なけなしのカネを使ってしまった。

「そういえば、君食事も摂ってないし水も飲んでないけど大丈夫なの?」

「基本食事を摂ったり水分の補給は必要ないのですがマスターの体液を摂取すればより強くなれます……あ、マスター、おケガを」

 彼女がそう言うと僕の人差し指を見つめる。どこで切ったりひっかけたのか分からないが血がにじんでいた。
 彼女は僕の指を口に入れ、しゃぶりだす。



「なるほど、血液か……」

 じゅぷっ、じゅぷっ、じゅるぷ……音が妙になまめかしい。心臓の鼓動が少しずつ早くなっていくのを感じる。

「あとは……唾液とか」

 舌を絡ませる濃厚なキス。心臓がバクバクと音を立てる音が聞こえてくる。こんな可愛らしい、それでいて身体の発育も最高な女の子にこんなことされると欲情が湧いてくる。



「!! も、もういい! もういいから早く寝てくれ! じゃないと……」

 彼女は、勃起している僕を見てしまった。だがそれに対し否定的な態度はとらない。むしろ喜んでいるようにも思えるように少しだけ笑みを浮かべていた。

「マスター、それが一番効果があるんですよ。マスターの精をささげてください」

「僕、女の子とそう言うのするの初めてなんだけど……」

「マスター、ご心配なく。私も初めてですから」



あっふん♪



 翌朝……2桁に届くほどだったのになぜか人生で一番なくらい元気になった。

「おはようございますマスター。結構激しいんですね」

「ゴメン、好みじゃなかった?」

「私の事はお気になさらずに、マスターがしたいようにすればそれで私は満足です。ところでお体の方は大丈夫でしょうか?」

「あ、ああ。絶好調だよ。ここ数年で1番体調がいい位だよ」

「それならよかったです。では今後について話をしたいので聞いてもらえないでしょうか?」

「分かった。どういう話だ?」

 この後僕は、彼女のビックリするような提案を受ける事になったのだが……。



【次回予告】

一方そのころ、勇者アルヌルフ様御一行はダイヤを無くしたことに夜になってようやく気付く。
しかもダイヤを託された王家の国王が顔を見せてくれと頼み込まれ、絶体絶命の大ピンチ。

第3話 「嘘つき勇者と嘘を憎悪する国王」
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