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復讐
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十五歳で薩摩藩主となった斉宣は、藩政改革に情熱を燃やしていた。文化二年には『鶴亀問答』を記し、君主は身を慎しみ、民草を慈しみ仁政を施すべきという、高い理想を掲げた藩政改革の指針を家臣に示してもいた。しかし、これは暗に自身を批判する内容であると、父・重豪の激しい怒りを買ってしまう。
文化五年、重豪は藩政改革を担っていた斉宣の側近たちを一斉に処罰した。彼らは朱子学の『近思録』を重視していたことから、この事件は「近思録崩れ」と称されている。
犠牲者は、切腹十三名、遠島が約二十五名、寺入四十二名、逼塞二十三名、その他役免・慎・待命・揚屋敷入・奉公障・叱の処分十二名と、計百十五名もの膨大な数にのぼった。実の姉である将軍家斉正室・茂姫も同じく激怒し、父と共に斉宣を厳しく追及した上、長男・島津斉興に藩主の座を譲るように迫ったのだった。
「重豪は、この処分後も、斉宣のかつての側近衆やその家族に様々な弾圧を加えていたそうでな、耐えかねて自害する者もいたそうだ。……斉宣と御台所との間には、元々軋轢があったと聞く。御台所の母のお登勢の方は側室であり、生家である市田家は足軽であったが、茂姫が御台所となったことでお登勢の方は正室並の扱いを受け、逆に正室である斉宣の母・お千万の方は薩摩に止められるという異常な事態があった。
この市田家は重豪に重用されて江戸家老を出し、国元の政をも牛耳っておったという。斉宣は、藩政改革によって市田家の勢力をも一掃しようと試みた。……御台所の怒りを買ったのも、無理はない」
正馬の声がひやりと凍った。
「──老公の、父と姉に対する絶望と怨念は、いかばかりであっただろうか……」
座敷に重い沈黙が下りた。浅く呼吸しながら、身じろぎすることもできなかった。理想と大志に燃え、それを実現するだけの才覚を備えながら、強大な権力をふるう父と姉に膝を屈するしかなかった。側近を悉く殺され、奪われ、翼をむしり取られるようにして隠居へと追いやられた斉宣の心中を思うだに、胸が凍りつくようだった。
「……しかし、重豪はすでに没して……それが、この建議書と、どう……」
喘ぎながら声を絞り出すと、正馬がぐっと唇に力を込めた。
「まだ、大御台が残っている。大御台への意趣返しとは、何だ」
紀堂は肌が泡立つような怖気に襲われながら、頭に浮かぶ考えを咄嗟に否定した。そんな馬鹿なことがあるものか。そんな……。
正馬の厳しい双眸が、答えを突きつけてくる。どれだけ否定しようとしても、答えはそれしかないのだと容赦なく告げてくる。
「──ひっくり返そうというのですか。公儀そのものを、覆そうと……」
耐えきれずに呻いた。
正馬の目が、ゆっくりと頷くのを見た。
「三年前に建議書が公となれば、世は乱れに乱れただろう。公儀重臣の首が軒並み飛び、島津も公儀も揺るがしかねない騒乱が、江戸はもとより各地で起こったはずだ。今でも、影響を受ける公儀役人は多いだろう。大塩の名の下に、立ち上がろうとする民もあるに違いない。まだ三年しか経っておらぬのだからな」
復讐。これは、老公の自分自身の身内に対する復讐なのか。
血が凍るような怖気を覚えながら、紀堂は己自身の憎悪の声を聞いていた。
何もかもを、叩き壊してしまいたい。この苦痛もろともに、引き裂いてすべてを終わりにしたやりたい。
己のことなど、知らぬ。後のことなど、知らぬ。ただ焼き尽くし、敵に地獄を見せてやりたい。願うことは破滅しかなかった。
老公の心中が、その手触りまでもがありありと感じられる。業と怨念のなれの果てのような醜悪さと残忍さ。嫌悪感に身震いしながら、紀堂はそこに己自身の姿を見出さずにはいられなかった。
「老公は焦っておるのかもわからぬ。今年六十八であるからな。寿命が尽きる前にと、そう思ったためにこれほどの暴虐に走っているのかもしれん」
──だからか。紀堂は玄蕃の底光りする目を思い出していた。だから、玄蕃たちは行動を起こさぬわけにはいかなかったのだ。かつて才長けた君主となりながら、失意の内に藩主の座を追われ、長く塗炭の苦しみを舐めてきた老公に、彼らは今も忠義を捧げている。主の狂気をどうにか食い止めようと、孤独な奮闘を続けているのだ。
行灯がちりちりと呟く音だけが耳に響く。藤五郎が唇を噛み締めたまま、こくりと喉を鳴らすのが大きく聞こえた。
「老公を、抑えねば」
やがて、紀堂は秀麗な顔を強張らせたまま言った。
「老公の力を削がねば、広衛は解放されない」
千川を憎悪する老公がいる限り、広衛が安全に暮らすことも、汚名を雪いで家を再興することも叶わない。
「無理を承知でお願い申し上げます。お力をお貸し下さいますか、先生。弟のために、どうか」
師匠に向かって両手をつくと、正馬はゆっくりと首肯した。
「元よりそのつもりだ、広彬どの。建議書の件には私も責がある。もし……もしあの時、伊予守様には知らせずに加賀守様に建議書をお持ちしておれば、千川家が巻き込まれることはなかっただろう。千川家が襲われたのは、私の責任でもある」
「何をおっしゃいます」
思いも寄らぬ言葉に、鋭く胸が衝かれた。
「先生に何の責がありましょうか。加賀守様と父上との間柄であれば、お伝えなさるのが当然でありましょう」
「──だが……そなたを、このような目に遭わせると知っていたら」
正馬の囁く声が割れた。
「ようやく、お父上の近くへ戻ることができたというのに……ようやく、大鳥屋店主となって、平穏に暮らしていけるであろうと思ったというのに。今になってあの箱根の一件が蘇り、伊予守様をこのような形で死なせるとは。よりにもよって、私がそれを引き起こそうとは」
血みどろの戦いの最中でも静穏な双眸が、深い悔悟と痛哭とを訴えている。
「十四の年にそなたを江戸へ送り出したのは、こんな苦しみを与えるためではなかった……」
正馬がそんな風に考えていたとは夢にも思わず、紀堂はしばし絶句した。やる瀬なさと、憤りにも似た悲しみに襲われながら、懸命に言葉を探した。
「先生。父上を真実から遠ざけ、偽り続けるのが正しかったとは、俺は思いませぬ。加賀守様も、やはり父上に打ち明けられたかもしれません。どちらにしても、父上は無関係ではおられなかったはずです。決して、決して先生の責などではありませぬ」
父は苦しい選択をした。結果老公の恨みを買って非業の死を遂げたが、それでも、最善を尽くそうと努力したのだ。正しいかどうかはわからない。だが、父の苦闘の結果は父自身のものだ。正馬が背負うべきものではないし、父はそんなことは望まないはずだ。
じっと目を伏せていた正馬は、ゆっくりと視線を上げた。翳りを帯びた瞳に、静かな、しかし鋼のような決意があるのが見て取れた。
「広彬どの。私の持てる力をすべて貸そう。そなたとそなたの弟御のために、できることは何でもやろう。これは、私の復讐でもある」
腹に響く声で、一語一語を噛み締めるように言った。
過去への、復讐だ。悔いても悔やみきれぬ過去への、己自身への報復なのだ。その気持ちが、紀堂には痛いほどによくわかる。
「ありがとうございます……」
紀堂は囁くと、喉に込み上げるものをぐっと飲み下して微笑んだ。
「先生がいて下されば、怖いものはありません」
正馬のうっすらと涙の張った目が、ちらりと笑った。
「……なんの。そなたの剣捌きはなかなか見事だった。そなたは小太刀の扱いも優れていたな。今になって、刀をふるうことになるとは皮肉だが」
誇らしげな、けれども痛ましげな表情で言うと、肩を下げて嘆息する。
「これも、もう野月家から手放そうと思う。……それで、よいか。広彬どの」
正馬が膝の前の紙の束を取り上げた。
紀堂は正馬の目を見上げた。静謐を湛えた双眸が、じっと答えを待っている。
ゆっくりと頷くと、正馬が音もなく膝を立てて行灯に膝行った。
行灯を開けて紙の端に火を移す。赤く閃く炎が立ち上がり、音もなく、しかし着実に紙を黒く食いつぶしていく。
立ち上がった師匠は障子を開き、おもむろにそれを庭へ向かって投げた。炎が弧を描いて闇の中を落ちていく。正馬と紀堂、そして藤五郎は、無言でそれを見詰めている。
地面に衝突してぱっと一層燃え上がったかと思うと、紙の束はしばらくの間明るく瞬きながらめらめらと燃えた。そして、やがて一塊の炭と、かすかな焦げ臭さだけを残して沈黙した。
文化五年、重豪は藩政改革を担っていた斉宣の側近たちを一斉に処罰した。彼らは朱子学の『近思録』を重視していたことから、この事件は「近思録崩れ」と称されている。
犠牲者は、切腹十三名、遠島が約二十五名、寺入四十二名、逼塞二十三名、その他役免・慎・待命・揚屋敷入・奉公障・叱の処分十二名と、計百十五名もの膨大な数にのぼった。実の姉である将軍家斉正室・茂姫も同じく激怒し、父と共に斉宣を厳しく追及した上、長男・島津斉興に藩主の座を譲るように迫ったのだった。
「重豪は、この処分後も、斉宣のかつての側近衆やその家族に様々な弾圧を加えていたそうでな、耐えかねて自害する者もいたそうだ。……斉宣と御台所との間には、元々軋轢があったと聞く。御台所の母のお登勢の方は側室であり、生家である市田家は足軽であったが、茂姫が御台所となったことでお登勢の方は正室並の扱いを受け、逆に正室である斉宣の母・お千万の方は薩摩に止められるという異常な事態があった。
この市田家は重豪に重用されて江戸家老を出し、国元の政をも牛耳っておったという。斉宣は、藩政改革によって市田家の勢力をも一掃しようと試みた。……御台所の怒りを買ったのも、無理はない」
正馬の声がひやりと凍った。
「──老公の、父と姉に対する絶望と怨念は、いかばかりであっただろうか……」
座敷に重い沈黙が下りた。浅く呼吸しながら、身じろぎすることもできなかった。理想と大志に燃え、それを実現するだけの才覚を備えながら、強大な権力をふるう父と姉に膝を屈するしかなかった。側近を悉く殺され、奪われ、翼をむしり取られるようにして隠居へと追いやられた斉宣の心中を思うだに、胸が凍りつくようだった。
「……しかし、重豪はすでに没して……それが、この建議書と、どう……」
喘ぎながら声を絞り出すと、正馬がぐっと唇に力を込めた。
「まだ、大御台が残っている。大御台への意趣返しとは、何だ」
紀堂は肌が泡立つような怖気に襲われながら、頭に浮かぶ考えを咄嗟に否定した。そんな馬鹿なことがあるものか。そんな……。
正馬の厳しい双眸が、答えを突きつけてくる。どれだけ否定しようとしても、答えはそれしかないのだと容赦なく告げてくる。
「──ひっくり返そうというのですか。公儀そのものを、覆そうと……」
耐えきれずに呻いた。
正馬の目が、ゆっくりと頷くのを見た。
「三年前に建議書が公となれば、世は乱れに乱れただろう。公儀重臣の首が軒並み飛び、島津も公儀も揺るがしかねない騒乱が、江戸はもとより各地で起こったはずだ。今でも、影響を受ける公儀役人は多いだろう。大塩の名の下に、立ち上がろうとする民もあるに違いない。まだ三年しか経っておらぬのだからな」
復讐。これは、老公の自分自身の身内に対する復讐なのか。
血が凍るような怖気を覚えながら、紀堂は己自身の憎悪の声を聞いていた。
何もかもを、叩き壊してしまいたい。この苦痛もろともに、引き裂いてすべてを終わりにしたやりたい。
己のことなど、知らぬ。後のことなど、知らぬ。ただ焼き尽くし、敵に地獄を見せてやりたい。願うことは破滅しかなかった。
老公の心中が、その手触りまでもがありありと感じられる。業と怨念のなれの果てのような醜悪さと残忍さ。嫌悪感に身震いしながら、紀堂はそこに己自身の姿を見出さずにはいられなかった。
「老公は焦っておるのかもわからぬ。今年六十八であるからな。寿命が尽きる前にと、そう思ったためにこれほどの暴虐に走っているのかもしれん」
──だからか。紀堂は玄蕃の底光りする目を思い出していた。だから、玄蕃たちは行動を起こさぬわけにはいかなかったのだ。かつて才長けた君主となりながら、失意の内に藩主の座を追われ、長く塗炭の苦しみを舐めてきた老公に、彼らは今も忠義を捧げている。主の狂気をどうにか食い止めようと、孤独な奮闘を続けているのだ。
行灯がちりちりと呟く音だけが耳に響く。藤五郎が唇を噛み締めたまま、こくりと喉を鳴らすのが大きく聞こえた。
「老公を、抑えねば」
やがて、紀堂は秀麗な顔を強張らせたまま言った。
「老公の力を削がねば、広衛は解放されない」
千川を憎悪する老公がいる限り、広衛が安全に暮らすことも、汚名を雪いで家を再興することも叶わない。
「無理を承知でお願い申し上げます。お力をお貸し下さいますか、先生。弟のために、どうか」
師匠に向かって両手をつくと、正馬はゆっくりと首肯した。
「元よりそのつもりだ、広彬どの。建議書の件には私も責がある。もし……もしあの時、伊予守様には知らせずに加賀守様に建議書をお持ちしておれば、千川家が巻き込まれることはなかっただろう。千川家が襲われたのは、私の責任でもある」
「何をおっしゃいます」
思いも寄らぬ言葉に、鋭く胸が衝かれた。
「先生に何の責がありましょうか。加賀守様と父上との間柄であれば、お伝えなさるのが当然でありましょう」
「──だが……そなたを、このような目に遭わせると知っていたら」
正馬の囁く声が割れた。
「ようやく、お父上の近くへ戻ることができたというのに……ようやく、大鳥屋店主となって、平穏に暮らしていけるであろうと思ったというのに。今になってあの箱根の一件が蘇り、伊予守様をこのような形で死なせるとは。よりにもよって、私がそれを引き起こそうとは」
血みどろの戦いの最中でも静穏な双眸が、深い悔悟と痛哭とを訴えている。
「十四の年にそなたを江戸へ送り出したのは、こんな苦しみを与えるためではなかった……」
正馬がそんな風に考えていたとは夢にも思わず、紀堂はしばし絶句した。やる瀬なさと、憤りにも似た悲しみに襲われながら、懸命に言葉を探した。
「先生。父上を真実から遠ざけ、偽り続けるのが正しかったとは、俺は思いませぬ。加賀守様も、やはり父上に打ち明けられたかもしれません。どちらにしても、父上は無関係ではおられなかったはずです。決して、決して先生の責などではありませぬ」
父は苦しい選択をした。結果老公の恨みを買って非業の死を遂げたが、それでも、最善を尽くそうと努力したのだ。正しいかどうかはわからない。だが、父の苦闘の結果は父自身のものだ。正馬が背負うべきものではないし、父はそんなことは望まないはずだ。
じっと目を伏せていた正馬は、ゆっくりと視線を上げた。翳りを帯びた瞳に、静かな、しかし鋼のような決意があるのが見て取れた。
「広彬どの。私の持てる力をすべて貸そう。そなたとそなたの弟御のために、できることは何でもやろう。これは、私の復讐でもある」
腹に響く声で、一語一語を噛み締めるように言った。
過去への、復讐だ。悔いても悔やみきれぬ過去への、己自身への報復なのだ。その気持ちが、紀堂には痛いほどによくわかる。
「ありがとうございます……」
紀堂は囁くと、喉に込み上げるものをぐっと飲み下して微笑んだ。
「先生がいて下されば、怖いものはありません」
正馬のうっすらと涙の張った目が、ちらりと笑った。
「……なんの。そなたの剣捌きはなかなか見事だった。そなたは小太刀の扱いも優れていたな。今になって、刀をふるうことになるとは皮肉だが」
誇らしげな、けれども痛ましげな表情で言うと、肩を下げて嘆息する。
「これも、もう野月家から手放そうと思う。……それで、よいか。広彬どの」
正馬が膝の前の紙の束を取り上げた。
紀堂は正馬の目を見上げた。静謐を湛えた双眸が、じっと答えを待っている。
ゆっくりと頷くと、正馬が音もなく膝を立てて行灯に膝行った。
行灯を開けて紙の端に火を移す。赤く閃く炎が立ち上がり、音もなく、しかし着実に紙を黒く食いつぶしていく。
立ち上がった師匠は障子を開き、おもむろにそれを庭へ向かって投げた。炎が弧を描いて闇の中を落ちていく。正馬と紀堂、そして藤五郎は、無言でそれを見詰めている。
地面に衝突してぱっと一層燃え上がったかと思うと、紙の束はしばらくの間明るく瞬きながらめらめらと燃えた。そして、やがて一塊の炭と、かすかな焦げ臭さだけを残して沈黙した。
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