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楽其楽園
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「……襲撃を命じたのは、誰なのですか。千川家は、なぜ襲われたのですか……?」
顎に力を込め、紀堂は家老に向かって身を乗り出した。
境は公用人たちと視線を合わせた。
杉本が肩を下げて息を吐くと、ゆっくりと頷いた。
「薩摩の老公、島津斉宣にございます」
「──なんと……!?」
殴られたように頭が痺れた。高輪の老公が、なぜ。昨年、広忠を高輪屋敷へ幾度か呼び出していたという話が頭を過る。だが、なぜ隠居した老公が千川を滅ぼそうなどと企むのか。愕然とする紀堂に、境が憤怒を押し殺した声で言う。
「三年前、大塩平八郎が大坂にて騒擾を引き起こした際、ご老中方へ宛てて密書を送ったことがございました」
「大塩後素建議書のことですね。箱根で散逸したという」
「ご存知でおられましたか」
驚きに目を瞠る家老に、石翁から聞かされた一件を語ると、
「石翁にお会いになられましたのですか」
と絶句する。
「何を……お聞きになられましたか。建議書の話以外には、何を。石翁は……広彬様のご素性に気付きましたか」
老爺の顔が鋭く強張るのを一瞬不可解に思いながら、紀堂は首肯した。
「この顔でございますから、すぐに察したようです。しかし、その他には、特に……」
母が死んだと聞いて翁が妙に落胆していたことと、父を恨んでいるかと訊ねられたことが不審といえば不審ではあったが、その程度のことしか頭には浮かばなかった。
「石翁が申していた、越前守様と父上との間の約定ですが、そんなものが本当にございましたのでしょうか」
逆に紀堂が訊ねると、境は口元に皺を刻んで顎を引いた。
「はい、仰せの通りにございます。あの箱根で、同行していた警護役の野月正馬どのが、飛脚が襲われているところに遭遇致しました。襲ったのは、老公の手下の隠密どもでありました」
紀堂は身を乗り出していた。
「山潜りたちが襲った……」
やはり、襲撃は正馬の仕業ではなかったのだ。信じていたとはいえ、確証はなかった。どっと安堵の波が襲ってきた。
「さようにございます。野月どのは一部の文書を殿の元へ持ち帰り、殿がその処分をお考えになられている時に、韮山代官の江川様が接触して参られたのです。江川様を通して越前守様のご意向をうかがい、殿はお悩みになられた末に、約定に同意なされました」
境の喉仏の浮いた喉が引きつるように動いた。
「苦しい……ご決断にございました。大塩が添えていた証拠は極めて正確なもので、不正の存在を濃厚に示すものでした。これを闇に葬ることが最善であるのかと、殿はお悩みでおられました。しかし……家慶公の将軍宣下という、大久保加賀守様のご悲願を叶えることを、お選びになられたのです」
杉本と柳田が身じろぎもせずに耳を傾けている。部屋の空気が、息苦しいほどに重さを増していた。
「野月どのの働きにより隠密どもは退けられ、老公は一旦は引き下がりました。が、昨年あたりから、建議書を差し出せと、老公は再三殿に求めて参りました。中野石翁も箱根の一件を伝え聞いて、建議書を手に入れようとしきりに嗅ぎ回っていたようです。しかしながら、殿とは紫野様のことで負い目があったためか、露骨に仕掛けてくることはございませなんだ。ですが、老公の執念は石翁のそれとは比べ物にならぬものでございました。老公の執着は、次第に狂気すら帯びてきていると、殿が私に打ち明けられたことがございます。御身の危険については我らも案じてございました。しかし、まさか千川家ごと滅ぼそうとするなどとは、夢にも思いませず……」
唇をふるわせ、悔恨を目に浮かべ顔を歪める。しばし肩を上下に揺らして気を静めていた家老は、再び声を落ち着かせて語り出した。
「すると、老公の行動を察した大和守様が、密かに殿をお訪ねになられました。大和守様は、建議書の残りをいかがなされるおつもりかと、殿にお訊ねになられたそうです」
建議書を公にすることはない、と広忠は繰り返した。加賀守を失った今、大御所や西丸派の専横を抑止し、幕政を立て直すことのできる派閥は水野越前守の一派となっていた。閣老や上級役人らをことごとく糾弾して追放すれば、水野派も壊滅しかねない。内憂外患が増す中で、これ以上公儀を弱体化させることはできないと、父は考えていた。
「そうであれば、文書は御身が受け取り、韮山代官の江川様にお預けしてよろしいかと、大和守様がお申し出になられました。殿に信を置かれていることに偽りはないが、島津のご老公に目をつけられれば、千川家だけでは守り通せぬであろうからと。殿はお申し出に感謝なされ、文書をお引き渡しになったのです。ひとつのみ、条件をおつけになって」
「条件……」
「この文書を、どうか破却なさらぬようにと、そう願っておられました。大塩はじめ膨大な数の民草の命と引き換えにしたこの訴えを、この世から消し去ることだけはなさらぬようにと、仰せでございました」
そして、千川広忠が大和守にすべての文書を預けたその数ヶ月後、千川家は滅んだ。
「老公は、殿が老公の意に反して、大和守様に建議書をお預けになったことに激怒なされたのです」
「だが……」
紀堂は声を上ずらせた。
「だからといって火盗改に高家を襲わせるなぞ、できるものか。そんな力は老公には……」
突如、下腹にぞわりと冷たい戦慄が走った。
「──いや、老公にはできない。だが……」
分厚く重い幕を剥がすように、目の前におそろしくはっきりとした絵が見えていた。
「……姉上様であれば、できる……そういうことか」
呆然と、悪夢を見ている心地に襲われながら呻いた。
境や杉本らの顔が青ざめ、ひりひりとする緊張を伝えてくる。
彼らの恐れの正体を、紀堂もようやく、氷の手で心ノ臓を掴まれるようにして覚っていた。
「まさか……大御台様が、まさか……」
老公の実の姉・茂姫は、大御所の正室である大御台なのだ。
実父の島津重豪は、家斉の岳父として高輪下馬将軍の異名で称されるほどの権勢を極め、島津家は幕政に極めて特異かつ強固な地位を築くに至った。そして重豪亡き今となっても、大御台の政治力は揺らいではいない。
閨閥政治の横行で、何者も大奥の支持なくしては政を行えぬのが今の時世である。大奥の頂点にある大御台の力は、時に将軍や大御所すら上回る。お美代の方を介して石翁が露骨に力を行使するのとは対照的に、それは隠然とした、ひたひたと満ちる静かな水のようなものだ。けれども、その力は水の下に確かにあって、一度動けば大波のごとく、山をも揺るがす威力を孕んでいる。
高家を滅ぼすだけの権勢を握る者として、これほど明らかな人物はおるまい。
杉本が顔を引きつらせながら声を落として言った。
「老公は、徳川家の御世を揺るがす密書を千川家が隠し持っていると、大御台様に訴えたのでございましょう。それをお耳になされた大御台様が、若年寄の林肥後守忠英に密命を下され、肥後守めは千川家の罪を捏造したのでございます。奴は処世術にだけは長けているが軟弱な男で、大奥と結んで権力を恣にしておる男。大御台様の命に逆らえるわけもございません。
それにしても、高家を襲うとなれば自分も返り血を浴びかねないと考えたのでしょうな。柳井めに様々な甘言を弄して唆し、ことが終われば責任を負わせ、事実上謹慎に等しい処遇に追い込んだ」
林肥後守忠英は野心家として知られ、忠英の四女を中野の養女とし、大奥で権勢を振った上臈御年寄の高岳の縁戚かつ宿元になってもいる。幕政の表と奥に深く食い込み、大奥とのつながりを背景に専横を尽くす人物だった。
「なぜ……」
紀堂は畳に手をついて体を支えた。
「なぜ、そこまでする。父上への意趣返しのためだけに、ここまでするのですか……? まるで狂っている」
叫ぶように訴えると、境も堀家の二人の重役も苦渋に満ちた表情で黙然とした。
「わかりませぬ。老公が何を思料してことに及んだのか、我らにも確とは読めませぬのです」
杉本が重い口調で低く応じた。
紀堂は眩暈をこらえながら激しい呼吸を繰り返した。
「──弟に、会わせていただけませぬか」
杉本と柳田を食い入るように見詰めた。
「一目なりとも会って、慰めてやりとうございます。父の死に目にもあえず、母上とも引き離され、一人きりで耐えている弟です」
公用人とお側頭は目に迷いを浮かべて逡巡していたが、やがて杉本が大きく嘆息して言った。
「……承知仕りました。広衛様の元へ、お連れ申し上げます」
「どこに……おりますのですか」
瞬きもせずに問う。柳田が杉本とちらと目を合わせ、躊躇いがちに口を開いた。
「──『楽其楽園』に、おられます」
顎に力を込め、紀堂は家老に向かって身を乗り出した。
境は公用人たちと視線を合わせた。
杉本が肩を下げて息を吐くと、ゆっくりと頷いた。
「薩摩の老公、島津斉宣にございます」
「──なんと……!?」
殴られたように頭が痺れた。高輪の老公が、なぜ。昨年、広忠を高輪屋敷へ幾度か呼び出していたという話が頭を過る。だが、なぜ隠居した老公が千川を滅ぼそうなどと企むのか。愕然とする紀堂に、境が憤怒を押し殺した声で言う。
「三年前、大塩平八郎が大坂にて騒擾を引き起こした際、ご老中方へ宛てて密書を送ったことがございました」
「大塩後素建議書のことですね。箱根で散逸したという」
「ご存知でおられましたか」
驚きに目を瞠る家老に、石翁から聞かされた一件を語ると、
「石翁にお会いになられましたのですか」
と絶句する。
「何を……お聞きになられましたか。建議書の話以外には、何を。石翁は……広彬様のご素性に気付きましたか」
老爺の顔が鋭く強張るのを一瞬不可解に思いながら、紀堂は首肯した。
「この顔でございますから、すぐに察したようです。しかし、その他には、特に……」
母が死んだと聞いて翁が妙に落胆していたことと、父を恨んでいるかと訊ねられたことが不審といえば不審ではあったが、その程度のことしか頭には浮かばなかった。
「石翁が申していた、越前守様と父上との間の約定ですが、そんなものが本当にございましたのでしょうか」
逆に紀堂が訊ねると、境は口元に皺を刻んで顎を引いた。
「はい、仰せの通りにございます。あの箱根で、同行していた警護役の野月正馬どのが、飛脚が襲われているところに遭遇致しました。襲ったのは、老公の手下の隠密どもでありました」
紀堂は身を乗り出していた。
「山潜りたちが襲った……」
やはり、襲撃は正馬の仕業ではなかったのだ。信じていたとはいえ、確証はなかった。どっと安堵の波が襲ってきた。
「さようにございます。野月どのは一部の文書を殿の元へ持ち帰り、殿がその処分をお考えになられている時に、韮山代官の江川様が接触して参られたのです。江川様を通して越前守様のご意向をうかがい、殿はお悩みになられた末に、約定に同意なされました」
境の喉仏の浮いた喉が引きつるように動いた。
「苦しい……ご決断にございました。大塩が添えていた証拠は極めて正確なもので、不正の存在を濃厚に示すものでした。これを闇に葬ることが最善であるのかと、殿はお悩みでおられました。しかし……家慶公の将軍宣下という、大久保加賀守様のご悲願を叶えることを、お選びになられたのです」
杉本と柳田が身じろぎもせずに耳を傾けている。部屋の空気が、息苦しいほどに重さを増していた。
「野月どのの働きにより隠密どもは退けられ、老公は一旦は引き下がりました。が、昨年あたりから、建議書を差し出せと、老公は再三殿に求めて参りました。中野石翁も箱根の一件を伝え聞いて、建議書を手に入れようとしきりに嗅ぎ回っていたようです。しかしながら、殿とは紫野様のことで負い目があったためか、露骨に仕掛けてくることはございませなんだ。ですが、老公の執念は石翁のそれとは比べ物にならぬものでございました。老公の執着は、次第に狂気すら帯びてきていると、殿が私に打ち明けられたことがございます。御身の危険については我らも案じてございました。しかし、まさか千川家ごと滅ぼそうとするなどとは、夢にも思いませず……」
唇をふるわせ、悔恨を目に浮かべ顔を歪める。しばし肩を上下に揺らして気を静めていた家老は、再び声を落ち着かせて語り出した。
「すると、老公の行動を察した大和守様が、密かに殿をお訪ねになられました。大和守様は、建議書の残りをいかがなされるおつもりかと、殿にお訊ねになられたそうです」
建議書を公にすることはない、と広忠は繰り返した。加賀守を失った今、大御所や西丸派の専横を抑止し、幕政を立て直すことのできる派閥は水野越前守の一派となっていた。閣老や上級役人らをことごとく糾弾して追放すれば、水野派も壊滅しかねない。内憂外患が増す中で、これ以上公儀を弱体化させることはできないと、父は考えていた。
「そうであれば、文書は御身が受け取り、韮山代官の江川様にお預けしてよろしいかと、大和守様がお申し出になられました。殿に信を置かれていることに偽りはないが、島津のご老公に目をつけられれば、千川家だけでは守り通せぬであろうからと。殿はお申し出に感謝なされ、文書をお引き渡しになったのです。ひとつのみ、条件をおつけになって」
「条件……」
「この文書を、どうか破却なさらぬようにと、そう願っておられました。大塩はじめ膨大な数の民草の命と引き換えにしたこの訴えを、この世から消し去ることだけはなさらぬようにと、仰せでございました」
そして、千川広忠が大和守にすべての文書を預けたその数ヶ月後、千川家は滅んだ。
「老公は、殿が老公の意に反して、大和守様に建議書をお預けになったことに激怒なされたのです」
「だが……」
紀堂は声を上ずらせた。
「だからといって火盗改に高家を襲わせるなぞ、できるものか。そんな力は老公には……」
突如、下腹にぞわりと冷たい戦慄が走った。
「──いや、老公にはできない。だが……」
分厚く重い幕を剥がすように、目の前におそろしくはっきりとした絵が見えていた。
「……姉上様であれば、できる……そういうことか」
呆然と、悪夢を見ている心地に襲われながら呻いた。
境や杉本らの顔が青ざめ、ひりひりとする緊張を伝えてくる。
彼らの恐れの正体を、紀堂もようやく、氷の手で心ノ臓を掴まれるようにして覚っていた。
「まさか……大御台様が、まさか……」
老公の実の姉・茂姫は、大御所の正室である大御台なのだ。
実父の島津重豪は、家斉の岳父として高輪下馬将軍の異名で称されるほどの権勢を極め、島津家は幕政に極めて特異かつ強固な地位を築くに至った。そして重豪亡き今となっても、大御台の政治力は揺らいではいない。
閨閥政治の横行で、何者も大奥の支持なくしては政を行えぬのが今の時世である。大奥の頂点にある大御台の力は、時に将軍や大御所すら上回る。お美代の方を介して石翁が露骨に力を行使するのとは対照的に、それは隠然とした、ひたひたと満ちる静かな水のようなものだ。けれども、その力は水の下に確かにあって、一度動けば大波のごとく、山をも揺るがす威力を孕んでいる。
高家を滅ぼすだけの権勢を握る者として、これほど明らかな人物はおるまい。
杉本が顔を引きつらせながら声を落として言った。
「老公は、徳川家の御世を揺るがす密書を千川家が隠し持っていると、大御台様に訴えたのでございましょう。それをお耳になされた大御台様が、若年寄の林肥後守忠英に密命を下され、肥後守めは千川家の罪を捏造したのでございます。奴は処世術にだけは長けているが軟弱な男で、大奥と結んで権力を恣にしておる男。大御台様の命に逆らえるわけもございません。
それにしても、高家を襲うとなれば自分も返り血を浴びかねないと考えたのでしょうな。柳井めに様々な甘言を弄して唆し、ことが終われば責任を負わせ、事実上謹慎に等しい処遇に追い込んだ」
林肥後守忠英は野心家として知られ、忠英の四女を中野の養女とし、大奥で権勢を振った上臈御年寄の高岳の縁戚かつ宿元になってもいる。幕政の表と奥に深く食い込み、大奥とのつながりを背景に専横を尽くす人物だった。
「なぜ……」
紀堂は畳に手をついて体を支えた。
「なぜ、そこまでする。父上への意趣返しのためだけに、ここまでするのですか……? まるで狂っている」
叫ぶように訴えると、境も堀家の二人の重役も苦渋に満ちた表情で黙然とした。
「わかりませぬ。老公が何を思料してことに及んだのか、我らにも確とは読めませぬのです」
杉本が重い口調で低く応じた。
紀堂は眩暈をこらえながら激しい呼吸を繰り返した。
「──弟に、会わせていただけませぬか」
杉本と柳田を食い入るように見詰めた。
「一目なりとも会って、慰めてやりとうございます。父の死に目にもあえず、母上とも引き離され、一人きりで耐えている弟です」
公用人とお側頭は目に迷いを浮かべて逡巡していたが、やがて杉本が大きく嘆息して言った。
「……承知仕りました。広衛様の元へ、お連れ申し上げます」
「どこに……おりますのですか」
瞬きもせずに問う。柳田が杉本とちらと目を合わせ、躊躇いがちに口を開いた。
「──『楽其楽園』に、おられます」
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