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化け猫こわい(四)
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もう中食の時分になろうかというのに、つくばいの水に張った薄氷も溶ける気配がないほどに寒い日だった。
険しい表情で現れた長岡と供侍が、半ば押し入るようにして屋敷に上がり込んできた。
お江津と共に刀を受け取ろうとすると、「いらぬ」と言い捨てて居間へと向かうので仰天した。訪問先で相手に打刀を預けるのは、害意のないことを示す当然の作法だ。町人の屋敷とはいえ、二刀を帯びたまま家に上がるとはいったいどういう了見なのだ。
「お、お待ちくださ……」慌てて後を追っていくと、二人は居間に仁王立ちになり、のんびり茶を喫していた仙一郎とおみょうを傲然と見下ろしているのだった。
「これはこれは、長岡様。難しいお顔をなされてどうかなさいましたか。まずはお茶でも……」
「貴様は下がっておれ」
太平楽な仙一郎には見向きもせず、長岡は怯えたように身を強張らせているおみょうに言った。
「波路どのが死んだ。また化け猫が出たぞ」
長岡を見上げるおみょうの両目が、零れんばかりに見開かれた。
「まさか……」
顔から血の気が引く音が聞こえてくるようだ。喘ぐように囁いたきり、おみょうは氷の塑像のように凍りついた。
「昨夜のことだった」
侍がぼそりと言う。
屋敷の蔵の陰で、波路という奥女中が血まみれの無残な遺骸となって見つかったという。
体中に鋭い爪で引っかかれ、あるいは鋭い牙で噛みつかれた無数の跡があった他、後頭部に打撲と裂傷があった。顔のすぐ横に鋭く尖った大きな石があったことから、何かの獣の群れに襲われて、もがく内に転び石で頭を強打した、というのが検視した医者の見立てだったそうだ。
目撃者はいなかったが、「助けて、化け猫が、化け猫が……!」と叫ぶ声を、中間長屋の者たちが夢うつつに聞いたらしい。
「波路どのは、そなたの悪い噂を流しておったというではないか。さぞ、恨んでおったであろうな?」
「……わ、私は何も。恨んでなどおりませぬ」
どうかな、とぞくりとするような冷たい声が囁いた。
「そなたが意地を張っておらねば、このような仕儀にはならなかったやもしれぬ。だから再三、国元へ帰れと申したのに。情の強い女子よ……」
おみょうが鋭く息を飲む。
長岡の視線を避けるようにして俯く娘の肩が、哀れなほどにふるえていた。
お凛はかっと腹の底が熱くなるのを感じながらも、まさか長岡に食ってかかるわけにもいかず、ただ前掛けを握り締めた。
「お玉は戻っておらぬか。見つけ次第斬り捨ててやろうと思ったものを。その方ら、あの猫めを見かけたら殺せ。よいな。ーーおみょうどの。そこもとはこの上まだ、側妾におさまりたいなどと申さぬだろうな?これ以上人死を出しとうなければ、どうすべきかわかっておるだろう。即刻身を引け。手形はすぐに用意してやるから、江戸を去るがいい。……ああ、殿に挨拶に参る必要もないぞ。お屋敷には金輪際足を踏み入れるな」
「な……」
あんまりじゃないですか、と思わず詰め寄ろうとして、ぎゅっと袂を引かれた。仙一郎が茫洋とした目で長岡を眺めながら、お凛の袖を掴んでいる。
「明日、迎えに参る」
長岡はおみょうの返事も待たずに踵を返すと、仙一郎やお凛らには一言もかけることなく、入ってきた時と同じように、供を従えて無遠慮に去っていった。
***
「……私が、甘かったのです。波路どのがお命を落とされるなど、あってはならなかった……」
侍たちが消えた後、おみょうの双眸から涙が吹き出した。やわらかな形の顎の先からぽとぽとと雫を滴らせながら、声もなくただただ涙を流していた。
波路という奥女中は賢く美しい娘であったのだが、おみょうがお殿様の寵愛を得て以来、様々に嫌がらせをしてきたことがあったそうだ。
お殿様からの文を横から攫って握りつぶすとか、贈り物を捨てるだとかは可愛いもので、着物を刃物で裂いたり、足袋に針を忍ばせてみたり、柄の悪い中間に言い含めて襲わせようとしたこともあったという。
「なんてひどい……!」
お凛は怒りに目をくらませながら呻いた。そこらの怪談や戯作に登場しそうな陰険な女だ。
「しかしお殿様がお気づきになられて、遠ざけて下さったのです。だから、今更恨みを晴らそうなどとどうして思うでしょうか」
そうおみょうが呆然として囁いた時、みゃあと声がして、お玉がとことこと居間に入ってきた。
途端、皆一斉に息を飲んだ。
「お前……!」
おみょうががたがたふるえ出しながら呻いた。お玉の胸のあたりが、赤黒く汚れて見える。お凛の肌がぞっと粟立った。もしや、血だろうか。どうしてあんなところに血がつくのだ。一体誰の。いや、まさか……
おみょうは泣きながら頽れると、お玉を懐にかき抱いた。
「お前は本当に化け猫なのかもしれない。けれど、お前を殺すなど私にはできない。国へ連れていくことも叶わない」
いつも通りのふてぶてしい顔でごろごろ喉を鳴らすお玉を抱いたまま、嗚咽を殺して泣いたおみょうは、やがてお玉を放し、障子を開いた。
「お行き……早くお逃げ。遠くへお逃げ。もう、戻ってきてはなりません」
滂沱と濡れた頬を拭いもせず、おみょうはお玉を押しやった。不思議そうに振り返る猫を、歯を食い縛ってぐいと押す。
「行きなさい!お別れです。さぁ……!」
掠れた声で叫ぶと、お玉が驚いたように身を竦め、さっと庭へ飛び出して行った。
仙一郎とお凛は、障子の外を見つめたまま小刻みに体をふるわせる娘を、声もなく見詰めていた。
誰も動かぬ部屋に、長火鉢の炭が熾って立てるきりきりと軋むような音が、かすかに聞こえた。
***
……おみょう様、お国元へ帰ってしまわれるんだろうなぁ。
お凛は茶の間の長火鉢の前に座り込み、ぼんやりと火箸で炭をつついていた。客間に篭もってしまったおみょうは、さめざめと泣いているらしい。遅い中食の膳が手つかずで戻ってきたのを見て、お凛とお江津は悄然として顔を見合わせたのだった。
ぐす、と思わず鼻をすする。
(旦那様は、どこかへ消えてしまうし)
仙一郎は、浅草の実家へ行くと言ったきり、もう二刻になるというのに帰ってこない。まさか、その足で辰巳芸者を訪ねているのではあるまいな。白粉の匂いなんてさせて帰ってきたらどうしてくれようか。などと、仙一郎にも八つ当たりのように腹が立ってくる。
「あーあ、相手がお侍でなかったら、あんな好き勝手させないのに。何よ、偉そうに。こうしてやる!」
無念さのあまりぶつぶつ呟きながら、親の仇のようにがしがし炭を崩していると、大股に廊下を歩く音が聞こえてきた。
「あのお侍め、おみょう様を苛めおって。今に見ろ」
宙を睨んで言いながら、冷たい風をまとった仙一郎が部屋に入ってきた。
「あ、お帰りなさいまし。一体どこへ……」
「お凛!」
いつになく鋭い声に、お凛はぴっと背筋を伸ばした。
「は、はい!何でしょうか」
「お前、おみょう様を助けたいな?」
「も、もちろんです!何か策があるんですか?」
「ーーある」
お凛は思わず、ぐっと身を乗り出した。
「本当ですか……!?」
「ああ。だからお前に一働きしてもらいたい」
いつもは迫力のない童顔が、別人のように引き締まって見える。あの与太郎の旦那様が、なんという変わりようだろう。おみょう様に横恋慕するのはいただけないが、やればできるじゃない、とお凛は思わず涙ぐみそうになった。
「危険な役目だぞ」
「任せといて下さい。なにしろ力持ちですから!」
うむ、と仙一郎がきりりと頷く。
「じゃ、猫を集めろ!ありったけ!」
「はぁ?」
勢い余って畳に手をつくと、あんぐりと口を開けて主を見上げた。
「ね、猫……って、あの、にゃーんって鳴くあの、猫、ですか?」
「他に何の猫があるんだ。わんとでも鳴く猫がいるのか?猫といったら猫だ!」
いいな、と言った仙一郎の表情は、これから鵯越えの奇襲に臨まんとする義経の如く、勇気凛々としているのであった。気迫だけは大したものだ。だが、携えるのは刀でも槍でも弓でもなく、猫であるらしい。
……そこだけが、気にかかる。
険しい表情で現れた長岡と供侍が、半ば押し入るようにして屋敷に上がり込んできた。
お江津と共に刀を受け取ろうとすると、「いらぬ」と言い捨てて居間へと向かうので仰天した。訪問先で相手に打刀を預けるのは、害意のないことを示す当然の作法だ。町人の屋敷とはいえ、二刀を帯びたまま家に上がるとはいったいどういう了見なのだ。
「お、お待ちくださ……」慌てて後を追っていくと、二人は居間に仁王立ちになり、のんびり茶を喫していた仙一郎とおみょうを傲然と見下ろしているのだった。
「これはこれは、長岡様。難しいお顔をなされてどうかなさいましたか。まずはお茶でも……」
「貴様は下がっておれ」
太平楽な仙一郎には見向きもせず、長岡は怯えたように身を強張らせているおみょうに言った。
「波路どのが死んだ。また化け猫が出たぞ」
長岡を見上げるおみょうの両目が、零れんばかりに見開かれた。
「まさか……」
顔から血の気が引く音が聞こえてくるようだ。喘ぐように囁いたきり、おみょうは氷の塑像のように凍りついた。
「昨夜のことだった」
侍がぼそりと言う。
屋敷の蔵の陰で、波路という奥女中が血まみれの無残な遺骸となって見つかったという。
体中に鋭い爪で引っかかれ、あるいは鋭い牙で噛みつかれた無数の跡があった他、後頭部に打撲と裂傷があった。顔のすぐ横に鋭く尖った大きな石があったことから、何かの獣の群れに襲われて、もがく内に転び石で頭を強打した、というのが検視した医者の見立てだったそうだ。
目撃者はいなかったが、「助けて、化け猫が、化け猫が……!」と叫ぶ声を、中間長屋の者たちが夢うつつに聞いたらしい。
「波路どのは、そなたの悪い噂を流しておったというではないか。さぞ、恨んでおったであろうな?」
「……わ、私は何も。恨んでなどおりませぬ」
どうかな、とぞくりとするような冷たい声が囁いた。
「そなたが意地を張っておらねば、このような仕儀にはならなかったやもしれぬ。だから再三、国元へ帰れと申したのに。情の強い女子よ……」
おみょうが鋭く息を飲む。
長岡の視線を避けるようにして俯く娘の肩が、哀れなほどにふるえていた。
お凛はかっと腹の底が熱くなるのを感じながらも、まさか長岡に食ってかかるわけにもいかず、ただ前掛けを握り締めた。
「お玉は戻っておらぬか。見つけ次第斬り捨ててやろうと思ったものを。その方ら、あの猫めを見かけたら殺せ。よいな。ーーおみょうどの。そこもとはこの上まだ、側妾におさまりたいなどと申さぬだろうな?これ以上人死を出しとうなければ、どうすべきかわかっておるだろう。即刻身を引け。手形はすぐに用意してやるから、江戸を去るがいい。……ああ、殿に挨拶に参る必要もないぞ。お屋敷には金輪際足を踏み入れるな」
「な……」
あんまりじゃないですか、と思わず詰め寄ろうとして、ぎゅっと袂を引かれた。仙一郎が茫洋とした目で長岡を眺めながら、お凛の袖を掴んでいる。
「明日、迎えに参る」
長岡はおみょうの返事も待たずに踵を返すと、仙一郎やお凛らには一言もかけることなく、入ってきた時と同じように、供を従えて無遠慮に去っていった。
***
「……私が、甘かったのです。波路どのがお命を落とされるなど、あってはならなかった……」
侍たちが消えた後、おみょうの双眸から涙が吹き出した。やわらかな形の顎の先からぽとぽとと雫を滴らせながら、声もなくただただ涙を流していた。
波路という奥女中は賢く美しい娘であったのだが、おみょうがお殿様の寵愛を得て以来、様々に嫌がらせをしてきたことがあったそうだ。
お殿様からの文を横から攫って握りつぶすとか、贈り物を捨てるだとかは可愛いもので、着物を刃物で裂いたり、足袋に針を忍ばせてみたり、柄の悪い中間に言い含めて襲わせようとしたこともあったという。
「なんてひどい……!」
お凛は怒りに目をくらませながら呻いた。そこらの怪談や戯作に登場しそうな陰険な女だ。
「しかしお殿様がお気づきになられて、遠ざけて下さったのです。だから、今更恨みを晴らそうなどとどうして思うでしょうか」
そうおみょうが呆然として囁いた時、みゃあと声がして、お玉がとことこと居間に入ってきた。
途端、皆一斉に息を飲んだ。
「お前……!」
おみょうががたがたふるえ出しながら呻いた。お玉の胸のあたりが、赤黒く汚れて見える。お凛の肌がぞっと粟立った。もしや、血だろうか。どうしてあんなところに血がつくのだ。一体誰の。いや、まさか……
おみょうは泣きながら頽れると、お玉を懐にかき抱いた。
「お前は本当に化け猫なのかもしれない。けれど、お前を殺すなど私にはできない。国へ連れていくことも叶わない」
いつも通りのふてぶてしい顔でごろごろ喉を鳴らすお玉を抱いたまま、嗚咽を殺して泣いたおみょうは、やがてお玉を放し、障子を開いた。
「お行き……早くお逃げ。遠くへお逃げ。もう、戻ってきてはなりません」
滂沱と濡れた頬を拭いもせず、おみょうはお玉を押しやった。不思議そうに振り返る猫を、歯を食い縛ってぐいと押す。
「行きなさい!お別れです。さぁ……!」
掠れた声で叫ぶと、お玉が驚いたように身を竦め、さっと庭へ飛び出して行った。
仙一郎とお凛は、障子の外を見つめたまま小刻みに体をふるわせる娘を、声もなく見詰めていた。
誰も動かぬ部屋に、長火鉢の炭が熾って立てるきりきりと軋むような音が、かすかに聞こえた。
***
……おみょう様、お国元へ帰ってしまわれるんだろうなぁ。
お凛は茶の間の長火鉢の前に座り込み、ぼんやりと火箸で炭をつついていた。客間に篭もってしまったおみょうは、さめざめと泣いているらしい。遅い中食の膳が手つかずで戻ってきたのを見て、お凛とお江津は悄然として顔を見合わせたのだった。
ぐす、と思わず鼻をすする。
(旦那様は、どこかへ消えてしまうし)
仙一郎は、浅草の実家へ行くと言ったきり、もう二刻になるというのに帰ってこない。まさか、その足で辰巳芸者を訪ねているのではあるまいな。白粉の匂いなんてさせて帰ってきたらどうしてくれようか。などと、仙一郎にも八つ当たりのように腹が立ってくる。
「あーあ、相手がお侍でなかったら、あんな好き勝手させないのに。何よ、偉そうに。こうしてやる!」
無念さのあまりぶつぶつ呟きながら、親の仇のようにがしがし炭を崩していると、大股に廊下を歩く音が聞こえてきた。
「あのお侍め、おみょう様を苛めおって。今に見ろ」
宙を睨んで言いながら、冷たい風をまとった仙一郎が部屋に入ってきた。
「あ、お帰りなさいまし。一体どこへ……」
「お凛!」
いつになく鋭い声に、お凛はぴっと背筋を伸ばした。
「は、はい!何でしょうか」
「お前、おみょう様を助けたいな?」
「も、もちろんです!何か策があるんですか?」
「ーーある」
お凛は思わず、ぐっと身を乗り出した。
「本当ですか……!?」
「ああ。だからお前に一働きしてもらいたい」
いつもは迫力のない童顔が、別人のように引き締まって見える。あの与太郎の旦那様が、なんという変わりようだろう。おみょう様に横恋慕するのはいただけないが、やればできるじゃない、とお凛は思わず涙ぐみそうになった。
「危険な役目だぞ」
「任せといて下さい。なにしろ力持ちですから!」
うむ、と仙一郎がきりりと頷く。
「じゃ、猫を集めろ!ありったけ!」
「はぁ?」
勢い余って畳に手をつくと、あんぐりと口を開けて主を見上げた。
「ね、猫……って、あの、にゃーんって鳴くあの、猫、ですか?」
「他に何の猫があるんだ。わんとでも鳴く猫がいるのか?猫といったら猫だ!」
いいな、と言った仙一郎の表情は、これから鵯越えの奇襲に臨まんとする義経の如く、勇気凛々としているのであった。気迫だけは大したものだ。だが、携えるのは刀でも槍でも弓でもなく、猫であるらしい。
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