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第五章〜私達兄妹は冒険者になります〜
5-65 東側の街を目指して 5
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お風呂に入った後、皆で町特産の美味しいミティル(牛乳みたいな飲み物。どちらかと言うとヨーグルトに近い味わい。)を飲んでから宿に戻って朝までゆっくり休んだ。
寝る前にちゃんと部屋の出入り口となりそうな所に罠や魔法を仕掛けて眠ることを忘れなかった。
私は"夢の中"でドラしゃんに布団を掛け直してもらったが、あまりにもリアルに感じたが...気のせい...???
が....朝起きても私達以外のものが部屋にいなかったのであれは夢だと納得した...というか納得することにした。
とりあえず今回立ち寄った町では特に大きなトラブルにあうことも、起こすこともなく無事に過ごす事ができた。
町を出る前に朝ご飯を食べて必要なものを買い揃えた。
そしてもう一度次の目的地を確認して旅立ったのだが、背後から視線を感じたので、私は町を出た後少し後ろを振り返える。
すると...見覚えのある姿を数名見た気がするが...??
(あれって??でも、確か街で待っているって約束したはずだから...ここにはいないよね?)
私が首を傾げているとお兄ちゃん達に呼ばれたので気にしないで道を進むことにした。
次の目的地へ向かう途中、薬草などの素材になるものが生えている場所があると町で聞いたので少し寄り道をする事に。
「少し左手にそれたところに大岩がありそこを数メートル進むとココラスの洞窟がある森があるそうだ。
その森には回復剤や毒消しになる薬草がたくさん生えているそうだ。」
「ヘェ~。そんな所があるんだ?」
「知らなかった。でも、魔物が出るんだよね?」
「でも、これだけのメンバーなら大丈夫じゃないですか?」
「それもそうだよね!これだけ強いメンバーがいれば大丈夫だね。」
私達は冒険者としてはまだまだ未熟だが、側にいる人というか...色々な面が特別なためパーティーレベルは高い方なのだ。
「そうだね。【大聖霊】、【聖獣】、獣魔が側にいるから下手な魔物は近寄らないよね?」
「ああ。まず逃げるだろうな。」
「なら少し寄り道するのも楽しいよね。冒険者なんだから冒険しないとね。」
私の言葉に他のパーティーメンバーも同じ思いだったようで、すでに他の寄り道ポイントを探しているぐらいだった。
「じゃーいっぱい集めていきましょう!」
「「「「了解!」」」」
こうしてパーティーメンバーで話し合って少し寄り道をして進む事にした。
とりあえず一番近い場所から探索する事にしたが、皆の読み通り魔物の気配は感じるのだがどの魔物も近寄っては来なかった。
そのため進むのが早かったし、安全に目的の場所へと迎えたのだ。
「ここら辺は犬型の魔物が多いんだね。」
「ああ。犬型の魔物はここだけでなく、全体的に多いぞ。あと、鳥系やツノうさぎは基本的にどこにでもいるな。
あと、昆虫系や爬虫類系も見かけるな。だが、どれも低ランクの魔物がメインとなるな。」
アサくんが周りを警戒しながら色々教えてくれる。
「すごい!アサくん色んなこと知ってるんだね。」
私がそう感心して言うとアサくんは苦笑いしながら答えてくれた。
「もともとお前たちに拾われてから俺は冒険者になる事を目指してたからな。
守られてばかりは嫌だったし。
せめて自分の周りの人ぐらいは守りたくってな...。だからコツコツ剣の腕と知識を学んでいったからな。
大変だったけど、現に今こうして役立てれるんだから良かったがな。」
アサくんは基本無口でクールな上にぶっきらぼうな所があるため、誤解されやすい。
しかし、基本は真面目で努力家なのだ。
何より面倒みがいいお兄ちゃんタイプ。
私とお兄ちゃんにとってこの世界に来て初めてできた気の許せる友人...いや親友。
知識は私やお兄ちゃんより遥かに上で頼りがいがあるのだ。
今も先頭切って道を歩きながら周りを警戒しながら進んでくれている。
アサくんも初めての場所なのに、自分が一番この中で経験者だと言って危険がありそうな所は特に先頭をきって歩くのだった。
そんなアサくんの姿に感化されてか、お兄ちゃんを含め他の男メンバーも続く。
基本このパーティーで私はお姫様扱いとなっている。
別に私がそうしてくれって言ったわけでもないのだが...きっと私が色々やらかす為になるべく私が動かなくてもいいようにしているのだと思う。
でも、そんな私でもこっそり魔法を使って皆の身体強化や魔物探索をしていたり色々しているのだ。
女の子って言うだけで守られているのは嫌だしね。
力があるのに使わないのは宝の持ち腐れだし、経験値を得るのには自分もある程度戦ったりして役に立たないといけないのだ。
何よりこのパーティーメンバーで正確な鑑定魔法が使えるのは私だけだからね。
魔道具なしでも一眼見ただけで鑑定ができるのだから。
私は皆に守られながら周りを見渡しながら鑑定していくと...まだ薬草などがたくさん群生していると言われる場所まで来ていないのにかなりの薬草がちらほらと生えていた。
「お兄ちゃん、アサくん!あの木の下。一見雑草に見えるけど、雑草の中に毒消しの素材になる薬草が生えてるわ。
あと、あの岩に生えている苔も素材になるわ。」
「凄いなぁー。リン。他にもあったら教えてくれ。あと、特殊な取り方とかあったら教えてくれ。」
「そうですね。素材採取は私達でしますので、どれがどうなのか教えて下さい。」
「私達では何がなんなのかよくわからないので。」
「任せて!」
こうしてパーティーメンバーで協力して頑張って素材にを集めていると、私達から数キロ離れて歩きながらこちらの様子を伺う影がある事にまだ気付いてなかったのだった。
ひたすら寄り道しながら旅をしていく私達。
素直に道なりに進んで東側の街へ向かえばいいもの素直に進まないのが私達なのだ。
初めての冒険なのだから冒険者らしく旅をしようと言う話し合いの結果にて素材を集めながら進む事にしたのだったが、それが思いのほか楽しかったのだ。
ただ寄り道をするのではなく素材を集めたり、低ランクの魔物を倒したりして経験値や戦闘能力の向上を測っていくので本当に冒険者としての旅を味わえていたからだ。
冒険者らしく冒険者の旅をして進んでいると...私達に気付かれないように密かに私達の後を一定の距離をあけてついて歩く人影が数名あるのにその時私達は気付いてなかった。
実はその人影は私達があの町を出てからずっと一定の距離を付かず離れずという感じで進んでいるのだった。
それにうっすら気付いているのは....私だけだろう。
他のパーティーメンバーはその事にはまったく気付いてはいない感じだったからね。
気配を探ってみると何かに阻まれて詳しく探ることはできなかったが、私達に対して敵意はない事は直ぐに分かったので、私は彼らの存在に気付かないフリをして通すことにした。
あれよあれよと気付けば最終日目的地の東側の街の外壁が見えて来たのだった。
「あれ!東側の街の外壁じゃない?」
私が元気よくそう叫ぶとお兄ちゃん達も私の横に来て私が指さした先を見つめた。
「本当だ!」
「ヘェ~あんな感じなんだ。」
「素晴らしいですね。」
「南側とはまた違った雰囲気なんですね。」
「へへ。良いでしょう?同じ作りより各街ごと変えたほうが面白いかなぁーと思ってね。」
「よし!後一息だね。頑張ろ!」
お兄ちゃんの掛け声でみんな揃って東側の街へと向かった。
街に近づくとある事に気付いた。
街に入る門の所にえらく武装した人達が多くない??
格好からして冒険者なんだろうけど...それにしても多くない?
街を警備している警備隊と一緒に武装した冒険者の人達が数多く門の所にいるのだ。
ムキじぃーちゃんからチラッと聞いたことはあるが、冒険者ギルドがたまに街からの依頼を受けて抱えている冒険者に街の警備を依頼する事があると。
ムキじぃーちゃんやロドじぃーちゃんも若い頃冒険者していた時、お世話になった街で長期滞在していときに依頼を受けて街の警備をしたことがあると話を聞いたことがあった。
依頼料は他の魔物討伐依頼に比べて安いが、恩がある街だから大概の冒険者は依頼があったら引き受けるのだと。
それにしても多くない???
疑問に思ったのはどうやら私だけのようだ。
お兄ちゃん達は普通に街へ入る列に並んで街に入ったらまずどこに行く?とか話をしているぐらいだ。
呑気と言えばそうなのだが、お兄ちゃんのこういうおおらかな性格が私は大好きだ。
お兄ちゃんやアサくんも対して警戒していない様子からして大丈夫なのだと判断して私は疑問に感じた事をあえて皆に話さずになすがまま過ごすことにした。
長い列を待ち後もう少しで私達の番になった時だった。
「ちょっと待て!君達は...てか、君はリンとアキラだね?」
一人の冒険者が私とお兄ちゃんに声をかけてきた。
私とお兄ちゃんは知らない人に声をかけられたので少し警戒しながら頷くと、私達の反応を見た他の冒険者が何やら笛のような物を街へ向かって吹いた。
すると門の警備に当たっていた人達が騒めき出したので、私は思わずお兄ちゃんの服を掴むと...。
私の不安な気持ちに敏感に反応した契約魔獣たちが警戒して小型していたのを解いて本来の姿を表して、私達を取り囲みだす。
急に出現した高ランクの魔物達に門で警戒していた冒険者や警備隊、そして列に並んでいた他の人達もお慌て。
その場は一気に騒然としてしまったのだ。
魔獣達は私の不安な気持ちに反応した為に牙を剥いて冒険者達に威嚇していて、冒険者達も持っていた武器を取り出し戦闘態勢にはいってしまったのだ。
私とお兄ちゃんは慌てて魔獣達を宥めて、アサくん達は武器を持った冒険者達に説明して回るハメに...。
「駄目よ!この人達に攻撃したら!」
「そうだよ!落ち着いて!」
「やめてくれ!コイツらはパーティーメンバーが契約している魔獣だ。
契約主に攻撃さえしなかったら牙を向かない!」
「そうです!落ち着いてください!」
「その武器を下げてください!!」
どうしたものかと悩んでいると...。
「辞めんかい!お前達!その武器を降ろせ!さもないとお前達どころか、この街も滅びるぞ!」
『そうですね。そ奴らがやらなくてもお嬢様と坊ちゃまを傷つけたらこの私がトドメを刺しますかわね。』
「なら、俺もやるかね。久しぶりだから手加減がきかんかもしれんが...いいだろう?」
「あんさんら大人気ないでっせ?落ち着きはったらどないですの?
あっ!リンちゃん!アキラくん!お元気ですか??」
後方から見知ったと言うか...まじかぁー...と思うメンバーの声と姿が現れたのだ。
「えっ?ムキじぃーちゃん?ドラしゃんに...。」
「ドムじぃーちゃんにモッケしゃん?!!なんで??」
「おいおい。なんで保護者が??」
「えっ??」
「なんで??」
そう。お留守番すると言っていた保護者達の姿が。
しかも、ドラしゃんなんかいつでも攻撃できる体勢になっているのだった。
リン:
やっぱりそのオチ?
アキラ:
はぁー。
楽しい時間が終わったね。
リン:
だね。
でもなんでだろう?
アキラ:
なんとなくだけど...ドラしゃんを止めようとして芋づる式とか?
リン:
あっ!それあり得るね
寝る前にちゃんと部屋の出入り口となりそうな所に罠や魔法を仕掛けて眠ることを忘れなかった。
私は"夢の中"でドラしゃんに布団を掛け直してもらったが、あまりにもリアルに感じたが...気のせい...???
が....朝起きても私達以外のものが部屋にいなかったのであれは夢だと納得した...というか納得することにした。
とりあえず今回立ち寄った町では特に大きなトラブルにあうことも、起こすこともなく無事に過ごす事ができた。
町を出る前に朝ご飯を食べて必要なものを買い揃えた。
そしてもう一度次の目的地を確認して旅立ったのだが、背後から視線を感じたので、私は町を出た後少し後ろを振り返える。
すると...見覚えのある姿を数名見た気がするが...??
(あれって??でも、確か街で待っているって約束したはずだから...ここにはいないよね?)
私が首を傾げているとお兄ちゃん達に呼ばれたので気にしないで道を進むことにした。
次の目的地へ向かう途中、薬草などの素材になるものが生えている場所があると町で聞いたので少し寄り道をする事に。
「少し左手にそれたところに大岩がありそこを数メートル進むとココラスの洞窟がある森があるそうだ。
その森には回復剤や毒消しになる薬草がたくさん生えているそうだ。」
「ヘェ~。そんな所があるんだ?」
「知らなかった。でも、魔物が出るんだよね?」
「でも、これだけのメンバーなら大丈夫じゃないですか?」
「それもそうだよね!これだけ強いメンバーがいれば大丈夫だね。」
私達は冒険者としてはまだまだ未熟だが、側にいる人というか...色々な面が特別なためパーティーレベルは高い方なのだ。
「そうだね。【大聖霊】、【聖獣】、獣魔が側にいるから下手な魔物は近寄らないよね?」
「ああ。まず逃げるだろうな。」
「なら少し寄り道するのも楽しいよね。冒険者なんだから冒険しないとね。」
私の言葉に他のパーティーメンバーも同じ思いだったようで、すでに他の寄り道ポイントを探しているぐらいだった。
「じゃーいっぱい集めていきましょう!」
「「「「了解!」」」」
こうしてパーティーメンバーで話し合って少し寄り道をして進む事にした。
とりあえず一番近い場所から探索する事にしたが、皆の読み通り魔物の気配は感じるのだがどの魔物も近寄っては来なかった。
そのため進むのが早かったし、安全に目的の場所へと迎えたのだ。
「ここら辺は犬型の魔物が多いんだね。」
「ああ。犬型の魔物はここだけでなく、全体的に多いぞ。あと、鳥系やツノうさぎは基本的にどこにでもいるな。
あと、昆虫系や爬虫類系も見かけるな。だが、どれも低ランクの魔物がメインとなるな。」
アサくんが周りを警戒しながら色々教えてくれる。
「すごい!アサくん色んなこと知ってるんだね。」
私がそう感心して言うとアサくんは苦笑いしながら答えてくれた。
「もともとお前たちに拾われてから俺は冒険者になる事を目指してたからな。
守られてばかりは嫌だったし。
せめて自分の周りの人ぐらいは守りたくってな...。だからコツコツ剣の腕と知識を学んでいったからな。
大変だったけど、現に今こうして役立てれるんだから良かったがな。」
アサくんは基本無口でクールな上にぶっきらぼうな所があるため、誤解されやすい。
しかし、基本は真面目で努力家なのだ。
何より面倒みがいいお兄ちゃんタイプ。
私とお兄ちゃんにとってこの世界に来て初めてできた気の許せる友人...いや親友。
知識は私やお兄ちゃんより遥かに上で頼りがいがあるのだ。
今も先頭切って道を歩きながら周りを警戒しながら進んでくれている。
アサくんも初めての場所なのに、自分が一番この中で経験者だと言って危険がありそうな所は特に先頭をきって歩くのだった。
そんなアサくんの姿に感化されてか、お兄ちゃんを含め他の男メンバーも続く。
基本このパーティーで私はお姫様扱いとなっている。
別に私がそうしてくれって言ったわけでもないのだが...きっと私が色々やらかす為になるべく私が動かなくてもいいようにしているのだと思う。
でも、そんな私でもこっそり魔法を使って皆の身体強化や魔物探索をしていたり色々しているのだ。
女の子って言うだけで守られているのは嫌だしね。
力があるのに使わないのは宝の持ち腐れだし、経験値を得るのには自分もある程度戦ったりして役に立たないといけないのだ。
何よりこのパーティーメンバーで正確な鑑定魔法が使えるのは私だけだからね。
魔道具なしでも一眼見ただけで鑑定ができるのだから。
私は皆に守られながら周りを見渡しながら鑑定していくと...まだ薬草などがたくさん群生していると言われる場所まで来ていないのにかなりの薬草がちらほらと生えていた。
「お兄ちゃん、アサくん!あの木の下。一見雑草に見えるけど、雑草の中に毒消しの素材になる薬草が生えてるわ。
あと、あの岩に生えている苔も素材になるわ。」
「凄いなぁー。リン。他にもあったら教えてくれ。あと、特殊な取り方とかあったら教えてくれ。」
「そうですね。素材採取は私達でしますので、どれがどうなのか教えて下さい。」
「私達では何がなんなのかよくわからないので。」
「任せて!」
こうしてパーティーメンバーで協力して頑張って素材にを集めていると、私達から数キロ離れて歩きながらこちらの様子を伺う影がある事にまだ気付いてなかったのだった。
ひたすら寄り道しながら旅をしていく私達。
素直に道なりに進んで東側の街へ向かえばいいもの素直に進まないのが私達なのだ。
初めての冒険なのだから冒険者らしく旅をしようと言う話し合いの結果にて素材を集めながら進む事にしたのだったが、それが思いのほか楽しかったのだ。
ただ寄り道をするのではなく素材を集めたり、低ランクの魔物を倒したりして経験値や戦闘能力の向上を測っていくので本当に冒険者としての旅を味わえていたからだ。
冒険者らしく冒険者の旅をして進んでいると...私達に気付かれないように密かに私達の後を一定の距離をあけてついて歩く人影が数名あるのにその時私達は気付いてなかった。
実はその人影は私達があの町を出てからずっと一定の距離を付かず離れずという感じで進んでいるのだった。
それにうっすら気付いているのは....私だけだろう。
他のパーティーメンバーはその事にはまったく気付いてはいない感じだったからね。
気配を探ってみると何かに阻まれて詳しく探ることはできなかったが、私達に対して敵意はない事は直ぐに分かったので、私は彼らの存在に気付かないフリをして通すことにした。
あれよあれよと気付けば最終日目的地の東側の街の外壁が見えて来たのだった。
「あれ!東側の街の外壁じゃない?」
私が元気よくそう叫ぶとお兄ちゃん達も私の横に来て私が指さした先を見つめた。
「本当だ!」
「ヘェ~あんな感じなんだ。」
「素晴らしいですね。」
「南側とはまた違った雰囲気なんですね。」
「へへ。良いでしょう?同じ作りより各街ごと変えたほうが面白いかなぁーと思ってね。」
「よし!後一息だね。頑張ろ!」
お兄ちゃんの掛け声でみんな揃って東側の街へと向かった。
街に近づくとある事に気付いた。
街に入る門の所にえらく武装した人達が多くない??
格好からして冒険者なんだろうけど...それにしても多くない?
街を警備している警備隊と一緒に武装した冒険者の人達が数多く門の所にいるのだ。
ムキじぃーちゃんからチラッと聞いたことはあるが、冒険者ギルドがたまに街からの依頼を受けて抱えている冒険者に街の警備を依頼する事があると。
ムキじぃーちゃんやロドじぃーちゃんも若い頃冒険者していた時、お世話になった街で長期滞在していときに依頼を受けて街の警備をしたことがあると話を聞いたことがあった。
依頼料は他の魔物討伐依頼に比べて安いが、恩がある街だから大概の冒険者は依頼があったら引き受けるのだと。
それにしても多くない???
疑問に思ったのはどうやら私だけのようだ。
お兄ちゃん達は普通に街へ入る列に並んで街に入ったらまずどこに行く?とか話をしているぐらいだ。
呑気と言えばそうなのだが、お兄ちゃんのこういうおおらかな性格が私は大好きだ。
お兄ちゃんやアサくんも対して警戒していない様子からして大丈夫なのだと判断して私は疑問に感じた事をあえて皆に話さずになすがまま過ごすことにした。
長い列を待ち後もう少しで私達の番になった時だった。
「ちょっと待て!君達は...てか、君はリンとアキラだね?」
一人の冒険者が私とお兄ちゃんに声をかけてきた。
私とお兄ちゃんは知らない人に声をかけられたので少し警戒しながら頷くと、私達の反応を見た他の冒険者が何やら笛のような物を街へ向かって吹いた。
すると門の警備に当たっていた人達が騒めき出したので、私は思わずお兄ちゃんの服を掴むと...。
私の不安な気持ちに敏感に反応した契約魔獣たちが警戒して小型していたのを解いて本来の姿を表して、私達を取り囲みだす。
急に出現した高ランクの魔物達に門で警戒していた冒険者や警備隊、そして列に並んでいた他の人達もお慌て。
その場は一気に騒然としてしまったのだ。
魔獣達は私の不安な気持ちに反応した為に牙を剥いて冒険者達に威嚇していて、冒険者達も持っていた武器を取り出し戦闘態勢にはいってしまったのだ。
私とお兄ちゃんは慌てて魔獣達を宥めて、アサくん達は武器を持った冒険者達に説明して回るハメに...。
「駄目よ!この人達に攻撃したら!」
「そうだよ!落ち着いて!」
「やめてくれ!コイツらはパーティーメンバーが契約している魔獣だ。
契約主に攻撃さえしなかったら牙を向かない!」
「そうです!落ち着いてください!」
「その武器を下げてください!!」
どうしたものかと悩んでいると...。
「辞めんかい!お前達!その武器を降ろせ!さもないとお前達どころか、この街も滅びるぞ!」
『そうですね。そ奴らがやらなくてもお嬢様と坊ちゃまを傷つけたらこの私がトドメを刺しますかわね。』
「なら、俺もやるかね。久しぶりだから手加減がきかんかもしれんが...いいだろう?」
「あんさんら大人気ないでっせ?落ち着きはったらどないですの?
あっ!リンちゃん!アキラくん!お元気ですか??」
後方から見知ったと言うか...まじかぁー...と思うメンバーの声と姿が現れたのだ。
「えっ?ムキじぃーちゃん?ドラしゃんに...。」
「ドムじぃーちゃんにモッケしゃん?!!なんで??」
「おいおい。なんで保護者が??」
「えっ??」
「なんで??」
そう。お留守番すると言っていた保護者達の姿が。
しかも、ドラしゃんなんかいつでも攻撃できる体勢になっているのだった。
リン:
やっぱりそのオチ?
アキラ:
はぁー。
楽しい時間が終わったね。
リン:
だね。
でもなんでだろう?
アキラ:
なんとなくだけど...ドラしゃんを止めようとして芋づる式とか?
リン:
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