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第五章〜私達兄妹は冒険者になります〜

5-42 過去に戻って

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 暫く過去の自分達の姿を神様達と見届けていた私とお兄ちゃん。

過去と言ってもほんの数日前の自分達の姿だから心境的にはかなり複雑だった。

楽しそうにお店を一店舗ずつ見て周り店主と話し合う自分の姿を改めて見て...。

「なんか私って生意気?」

思わずボソッと呟くと三人からえっ?!今気付いたの?って言われた。

「まぁ~リンはそこが可愛から良いんだよね。」

『確かに。単に生意気だけなら今頃世間から浮いた存在になってましただろうな。
だけど、主人は生意気な面より愛嬌の方が数百倍あるから周りの人々もそうだが、我々もそれに惹きつけられるだよなぁー。』

『まぁ~育ての親があのフレアだからね。多少生意気な子にもなりますよ。
でも大丈夫。リンはちゃんと分別のわかる子に成長してますから。
悪いところは反省してちゃんと直そうと努力もしてますしね。』

三人にそう言われて私は居た堪れなくなった。

そこまでとは...。

でもよく見ているとどの店主も最初はムッとした表情を浮かべているが話をしていると段々と真剣な表情に変わっていき、最終的には皆笑顔になっているのだった。

「リンは自分では気付いてないけど皆をああやって笑顔にする魅力的な部分が多いんだよ。
だから変な虫がつきやすいんだよねぇー。」

お兄ちゃんの最後の方の言葉は小さくて聞き取れなかったのでもう一度言ってと言ったらリンは知らなくて良いから大丈夫って誤魔化された。

『こうしてみると子供の成長って本当に早いよね。君達に会った時はこんなに小さかったのに...。』

そう言って神様は親指と人差し指で私達と出会った時のサイズを表現するが...

「それは小さすぎですよ!豆粒じゃないですか!!」

神様の親指と人差し指の幅の感覚は約一センチ程...豆粒サイズなのだ。

『えっ?そう?でも私にはそう見えたんだよね。こんな小さな子が一生懸命家族を心配して...。それに今と変わらず素敵な笑顔をするんだ。
 だから見捨てる事ができなかったし、他の神々に怒られても仕事そっちのけで見守ってきたんだよね。』

神様の言葉に私とお兄ちゃんは普通に驚いた。

誰かに見守られているなぁーとは幼いながらも思っていたけど、そこまでとは...。

でも。

「仕事はしてくださいね。」

「そうそう。仕事をしない大人は最低ですよ?」

私とお兄ちゃんにそう言われて神様はかなりのダメージを受ける。

『グハッ!そ、そんなぁー...ベソ...。』

『神様も二人にかかったらかたなしだな。』

オリジンはそう言って微笑する。
そんな風に談笑しながら問題の時間まで過ごす私達。

日が暮れて露店街へと向かう過去の私達一行。

それに従う様に私達もついて行く。

しかし何回見ても...。

「美味しそう。あ!あの店の焼き林檎美味しかったのよね。絶妙な焼き加減で林檎の甘さが最大限に生かされてたのよ。
あっ!あの店も、あの店も!」

そう言って私は目に映る店一つ一つを説明して行く。
それには神様達もドン引きしていた。
お兄ちゃんすら...。

私は説明しながらお腹の虫を鳴らしていく。

『いやいや。リン?目的を忘れないでね?!』

神様は慌てて私に忠告してくる。
神様の言葉を聞いて私は我に返る。

「そうだった!あーもー!!私の食いしん坊!」

思わずそう叫ぶ私に三人は苦笑いを浮かべる。

なんとかお腹の虫を黙らせると、問題のシーンがやって来たのだった。

私は思わず身を乗り出そうとしたのを神様とオリジンに止められた。
私の目の前でこの後殺されてしまうお兄さんと私が楽しそうに話している姿が...。

そしてよくみると、彼の店の後ろにある建物の影で私達を鋭い目で見つめる人影に気付いた。

「アイツらが...。」

私が怒りをあらわにしたらお兄ちゃんが制してきた。

「リン。落ち着いて。彼を助けるために来たんだから。」

お兄ちゃんの言葉で私はグッと堪える。

『とりあえずこの時間の君達がここから去って彼が一人になるのを待とう。』

『そうだな。それしかないな。』

神様とオリジンにもそう言われて私はひたすら目の前の楽しそうに話すお兄さんと自分の姿を黙って見守る。

暫くして私はお兄ちゃん達に呼ばれて屋台を離れた。

「確かこの後は皆で店を離れたんだよね?」

私は横に居るお兄ちゃんに確認したらお兄ちゃんは頷く。

「そうだね。だからこの後のことは分からないんだ。」

『なら私達はこのまま暫く様子を見ましょう。』

露店街を離れる私達一行の姿を見送り、私達はその場に残った。
もちろんまだ誰にも私達の姿は見えない状況だ。

私達が去ったあと、お兄さんの店にはお客さんが何人か出入りをしている。
後ろの建物の影にはまだお兄さんを見ている影があった。

だいぶ日が暮れてきて人足もを引いてきた頃だ。
少しずつだが店じまいをする所もちらほら出て来ていた。

『そろそろですね。では、一端こちらの建物の影におりましょう。』

神様に言われてオリジンは頷きながら移動した。

そして神様が指名した建物影に降り立つと私達を包んでいた結界の様なものが消えた。

『これで私達の姿はこの時間帯の世界の人達に見えます。
気をつけて行動しましょう。
私達はこの姿だと目立つので...そうですね、確かこの時はラミィーとフレアが保護者で付いてましたよね?二人に変装しましょう。』

そう言うと神様とオリジンは姿をラミィお兄ちゃんとドラしゃんになったのだ。

神様がラミィお兄ちゃんに。
オリジンがドラしゃんに。

めちゃくちゃそっくりで驚いた。

「凄い!そっくりだ!」

「えっ?!」

驚く私達にラミィお兄ちゃんとドラしゃんに変装した二人は苦笑いを浮かべる。

苦笑いを浮かべた姿もそっくりなのである意味不気味だった。

暫く建物の影て身を潜めて伺っていると...お兄さんも店じまいをし出した。

お兄さんの店意外は先に店じまいをしてほとんどの店がなくなっていて、人も居なくなっていた。

あそこら一角ではお兄さんのお店が最後の様だった。

すると...。

「あっ!誰か来る!!」

私は思わず大きな声を出しそうになったが、なんとか抑えた。

店じまいをし出したお兄さんに怪しい二人組の男性が近寄ってきたのだ。

お兄さんはその二人組と顔見知りなのか笑顔で話をするではないか。

「話で聞いていた二人組ってアイツらだよね?」

「たぶん。しかも、アイツらが港で捕まえた連中の中にいた奴だ!二、三発しばいとけばよかったぁー!」

悔しそうに言う私にお兄ちゃんと神様達は苦笑いを浮かべる。

彼らのやりとりを見ていると何かを手渡しているように見える。
しかし、それが何かはここからでは分からなかった。

そして、お兄さんが店じまいをし終えるまでその二人組は側から離れず、片付けが終わるのを待ち、一緒に宿泊街の方へと向かっていたのだった。

「どうします?」

「追うよね?」

お兄ちゃんと私の言葉に神様達は頷いた。

私達は人目を避けながら密かに三人の後を追いかけていく。

宿泊街に入るとさすがに人通りが多いので神様が隠蔽魔法をかけてくれた。

こうすると神様と同等の魔力の持ち主以外には私達の姿は見えなくなるのだとか。

宿泊街は飲み屋街と混在しているので"大人のお客さん"で大混雑していた。

所どころの店では化粧の濃い肌を露出したお姉さん達がいる。

「凄い!あんな派手な服は私は着れないね。でも、あの胸は羨ましい...。」

私の言葉に三人は返答に困っていた。

たぶんどんな返答しても私の怒りに触れそうだからと思ったのだろう。

とりあえず三人の後をひたすらついて行くとある一件の飲み屋に入っていった。

私達も入ろうとしたが、神様達に止められたのだ。

なぜ?と思ったらその店はいわゆる大人のお店だった様だ。

『この店は子供は入れないからね。外で待とうか。』

「えっ!でもぅ...。」

『この店から出てくるまで生きてたんだろう?なら問題ない。
問題はこの店から出てからなんだから。』

神様とオリジンにそう言われて私は渋々と引き下がる。

彼らが出てくるまで店の外で待機することにした。

しかし私のお腹の虫が鳴くので神様とオリジンが交代でお店に行って美味しそうな食べ物をお持ち帰りしてくれたものを食べて待った。

「あっ!これ美味しい!お兄ちゃん食べてみて!」

「そうなの?あっ!本当だ!」

楽しそうに、しかも美味しそうに買ってきた食べ物を次から次へと消費して行く私とお兄ちゃんの姿を二人は微笑みながら見守りつつ、店内にいる三人の動きを観察していた。

『緊張感のない奴らだなぁー。何しにここにいるのか分かってるのか?
しかもよく食う。いったいその細っこい体のどこに消えて行くんだ?』

『はははっ。いいじゃないかい。
あーやって食べていると年相応の姿だよね。でも、確かに良く食べるよね...。
一応十人前買ってきたけど直ぐ消える...よね?』

私とお兄ちゃんはもくもくと食べて最後の品を食べようとしたら店から三人が出てきた。

私はそれに気付いたので手に持っていた焼きぞばを一口で平らげた。

それには神様達はギョッとする。

私が口に含んだ焼きぞばを飲み込み終えると店から出た三人は少し話をして分かれた。

怪しい二人組の男達とあのお兄さんとで。

私達は迷わずお兄さんの後を追いかけた。

怪しい二人組がこの後私達が捕まえるから放置の方向で行くことにした。

食べ尽くしたもののゴミを後片付けして私達はお兄さんを追いかけた。

お兄さんは宿泊街の外れにある古ぼけた家に入っていく。
どうやらそこがこの街での滞在場所なのだろう。

私達もお兄さんの家に入ろうとしたら背後より人が来る気配がした。

しかも数人だ。

よく見ると全て私達が今後捕まえる人達ばかりだった。

このままでは私達は姿を見せる事ができないので、私は睡眠魔法をかける事にした。

集まってきた人達が揃ったところを見計らって私は睡眠魔法を発動させた。

私が発動させた魔法は無事に作用したようで、集まってきていた人達は全員眠りについた。

眠った事を確認したら私達は姿を隠す魔法を解除してお兄さんの家に向かった。

ドアをノックするとお兄さんが現れた。

「良かった!生きてる!」

ドアを開けて現れたお兄さんをみて私は嬉しくなった。

お兄さんはそんな私をみて驚いていた。

「えっ?!アレ?君は...あっ!あの時のお嬢ちゃん?!どうしたの?こんな所まで!えっ?俺、家を教えたっけ?
てか、他の人達は何なの?」

お兄さんは驚きながらも私達を家に招き入れてくれた。

が、ここからどうするかを考えてなかったから私は素直に話す事にした。

「あのね。信じられなくても仕方がないんだけどね、私の話を聞いて欲しいの。」

私はそう言って、自分は実は未来から来ていること。

お兄さんがこれから死んでしまう事を全て話した。

「私ね。露店で優しく話してくれたお兄さんがね殺された事が悔しくってね...我慢できなくてね...た、助けに来たの。」

涙を堪えながら私が話し終えるとお兄さんはふっーと大きな溜息をついた。

「信じられないなら窓の外を見てください。あなたを狙っている奴らを眠らせていますから。」

お兄ちゃんがそう言ってカーテンの閉まっている窓を指差した。

お兄さんはお兄ちゃんに言われた通りにカーテンを開けて窓の外を見ると息を呑んだ。

直ぐ様カーテンを閉めて顔を青ざめていた。

「ど、どうしたらいいんだ!」

お兄さんはそう言って私の手を掴んできた。

するとラミィお兄ちゃんに扮した神様とドラしゃんに扮したオリジンが代わりに答えてくれた。

『君の代わりをこちらで用意します。だから、君は私達と一緒に居てください。』

『何があっても声を出さずに。でないと命はないと思って下さい。』

二人の言葉にお兄さんは命が助かるなら協力すると言った。

お兄さんの言葉を聞いて神様はお兄さんそっくりの土人形を作り出した。

そして二人組から貰った物と似た物を握らせて床に寝かせて死体のふりをさせた。

『これは土人形だけと、人間みたいに傷をつけたら血に似た蜜を流すようにしてあるから敵の目を誤魔化せるからね。』

「でもお兄さんはどうするの?」

『それに関しては問題ない。ここにくる前にフレアに話はしてあるからこの時間帯のフレアに会えば問題ない。』

「へっ???」

私とお兄ちゃんは思わず間抜けな声を出してしまったが、とりあえずお兄さんを連れて建物を出た。

出てある程度距離をあけてから睡眠魔法を解除すると、眠っていた人達は目覚めてお兄さんの家へと入って行ったのを見届けて私達はドラしゃんのいる所へ向かった。

 私達は本来死ぬはずだったお兄さんを連れてこの時間帯のドラしゃんに会いに行く事に。

もちろん神様とオリジンは元の姿にしれっと戻っていた。

お兄さんは急に姿が変わった二人に驚きながらも私達について来てくれた。
私達は自分達が泊まっている建物の近くまで来た。

周りにはまだ誰も居なかった。
という事は...。

「あの土人形で騙せたんだ。」

『そういう事ですね。でも残りの時間はわずかです。早くフレアに協力を得ましょう。』

神様はそう言うとオリジンに何かを伝えた。

オリジンは建物の方を向き何やら指を動かし始めた。

すると...。

建物の中からドラしゃんだけが出てきた。
そして一目散に私達の元へとやってきたのだった。

『何かと思えば...一体これはどう言う事ですか?』

少しイライラ気味のドラしゃん。
なぜかと言うと...私がオリジンと神様の服を握っているから...だと思う。

ずっと視線が私の手にいっているから...。

不機嫌なドラしゃんに対してオリジンは淡々と説明をしていった。

『ここにいるリンとアキラは未来の時間帯の二人だ。だから俺たちから離れる事はできない。気配でわかるだろう?』

『分かっていても腹立つものはしかたがない。』

オリジンの説明に平然と答えるドラしゃん。
その答えもどうなの?と思うがドラしゃんらしいので仕方がない。

『リンが泣いて泣いてあまりにも可哀想だったからね。今回だけ特別に時を渡って来たんだ。』

神様がそう言うと私達の影に隠れる様にいるお兄さんに視線を向けた。

鋭いドラしゃんの視線に怯えるお兄さん。

お兄さんの姿を見て状況を全て把握したドラしゃんはそれ以上なにも説明を聞かずにお兄さんに声をかけた。

『お前。こっちに来い。』

少しドスのきかした声にお兄さんはかなり怯えていたので私が優しくお兄さんに声をかけた。

『大丈夫。不機嫌なだけでとても頼りになる人なの。
私が最も信頼している人だから安心して。この人の言う事を聞いていたらお兄さんは死ななくてすむからね。』

私の言葉を聞いてドラしゃんはご機嫌に。
お兄さんは勇気を出してドラしゃんの方へ向かう。

『未来だろうがお嬢様のお願いですからね。貴方の事は護りましょう。
ですから安心して下さい。』

ドラしゃんは微笑みながら私に言ってくれた。

その言葉を聞きて私は満面の笑顔を向ける。

『そろそろ時間だ。我々は元の時間軸に戻る。あとは任せたぞ。』

「じゃードラしゃんまたね。」

「ドラしゃん。お願いします。」

『頼んだぞ。』

それぞれドラしゃんに言葉をかけると私達はまた光に包まれてその場から消えたのだった。

しかしこの時間軸で力を使いすぎたらしくオリジンも神様もかなりしんどそうだった。

下手をしたら元の時間軸に戻るのも怪しい雰囲気だったみたい。

そこで私はお兄ちゃんを見つめた。
お兄ちゃんも同じ気持ちだった様だ。

私とお兄ちゃんは目線で合図を送り合いタイミングを合わせてオリジンと神様に自分達の魔力を分け与えたのだ。

やり方なんて知らない。
ただ二人の力になりたくて自分達の力を送るイメージをした。

すると...。

『えっ?!』

『これは?!』

オリジンと神様は少しずつだが元気を取り戻していった。

私達が力を送っているのに気付いてくれた様で、最初は送るのが重く感じたのが次第に軽く送りやすくなったのだ。

オリジンも神様も私とお兄ちゃんから送られてくる魔力を抵抗する事なく受け入れてくれたから送りやすくなったのだった。

『ありがとう。主人達。』

『なんとか無事に元の時間軸まで戻れそうだよ。』

二人は私達からの魔力を使いながら時間軸の波を移動して元の時間軸へと。

『あと少しです。主人。』

『あの光の先がそうです。』

オリジンと神様が言う方向を見るとひときわ光り輝く場所が...。

あまりの光に私とお兄ちゃんはまた目を瞑ったのだった。



『お嬢様?!アキラ様!!』

私とお兄ちゃんは聞き慣れた声に身体を揺さぶられる感覚を感じて目を開けた。

するとそこには真っ青な顔色をしたドラしゃんとラミィお兄ちゃん。

そしてギルマスにパーティー仲間がいた。

しかしオリジンと神様の姿はどこにもなかったのだ。

私とお兄ちゃんは少し重たく感じる身体を持ち上げて、霞がかった目を擦りながらドラしゃんに返事をした。

「ドラしゃんどうしたの?」

「顔色が悪いよ。」

私とお兄ちゃんの声を聞いてドラしゃんは力一杯私とお兄ちゃんを抱きしめる。

あまりの力に私とお兄ちゃんはしっかり覚醒してドラしゃんの腕をバシバシ。
苦しいと訴えながら叩いたのだった。

落ち着きを取り戻したドラしゃんから話を聞くとだ...用事を済ませてギルドを出るとドラしゃんとラミィお兄ちゃんと側にいたギルマス以外の人達の時が停められている事に気付いたんだって。

そこでだ。
そんな芸当ができる人物は一人しかいないと思い急ぎ私達の元へと来たら、そこには息をしていない私とお兄ちゃんが床に倒れていたと言うのだ。

必死に呼びかけてもウンともスンとも言わない私とお兄ちゃん。

そりゃ~ドラしゃんの顔色が真っ青になるはず。

ある程度したら街の皆の時が動き出したが、私とお兄ちゃんが戻る気配がなかったのでドラしゃんが何かの覚悟を決めた時私とお兄ちゃんの身体が光ったのだった。

『光ったと思ったら止まっていた呼吸と拍動を感じたので必死に声をかけたんです。』

「で、私とお兄ちゃんが目を覚ましたと...。あははは。...。ごめんなさい。」

「心配をおかけしました。」

私達は素直に謝った。
どうやら時を遡ったのは私達の魂だけの様だった。

肉体ごと過去に戻ったと思っていたんだけど...。

「だから離してはダメだって言ったんだ。」

私はようやくあの二人が自分達の服を離すなと言った理由がわかったのだった。











リン:
魂だけって...。

アキラ:
もしかして...体が少し重いって感じたのは...死後硬直がはじまってたから?

リン:
ちょっと!物騒な事言わないでよ!!



















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