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第五章〜私達兄妹は冒険者になります〜
5-40 南側の街での依頼 ③
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私達は"予告"通りに港へと向かった。
着いた港も最初に作った時よりかなり変わっていたのには少なからず驚いた。
小さめの船しか停泊が難しかった船着場だったのが、大きな船も停泊出来る様になっていたのだから。
更に船着場も増えていて大きな街の港って感じになっていたのだ。
「すごいね。大きな船も停泊出来る様になってる。」
「街が大きく変わってたからもしやって思ってたけど...凄いね。」
私とお兄ちゃんはこの街の最初の状態を知っているからこそ出る言葉。
アサくん達は最初の状況を知らないから私とお兄ちゃんの会話をただ静かに聞いていた。
もちろん周囲を警戒しながら。
私達は一見港の観光を楽しんでいる様に見えるが実際は違う。
楽しんでいる風を装って敵の動きをしっかり把握していた。
「どうやら陸路だけでなく海路からも向かってきてるみたいね。
船が三隻ほどこちらに向かってきてるわ。」
「陸路の方も逃げ場のない様に取り囲む様に集まって来てるよ。どうやらこの街の残っている連中が手引きしてどこから仲間を引き入れているみたいだね。」
「凄いなぁー。お前らそんな事までわかるのか?」
私とお兄ちゃんの言葉にアサくん達は驚きの声をあげる。
そんなアサくん達にラミィお兄ちゃんはそっと周囲にバレない様に話しかけた。
「この二人は特別だよ。誰が魔法とかの指導をしていると思ってるんだい?」
ラミィお兄ちゃんのその言葉で皆は素直に納得する。
私とお兄ちゃんは桟橋を歩いたりしながらも【大聖霊】や【聖獣】達に密かに指示を出す。
朝日が照らし始めた時だった。
「ちょいとそこのガキどもちっとばかし俺たちに顔を貸してはくれんかなぁー。」
そう言って下品な笑みを浮かべながらいかにも悪役です!って奴らが目の前に現れた。
私達は彼らが来るのはわかっていたのでいたって冷静かつ平静に対応する。
「ガキってどこにいるなかなぁ?お兄ちゃん知ってる?」
「えっ?知らない。ここでは見なかったけど...ねぇ?」
平然と答える私達に声をかけた人は舌打ちをして何やら合図をする。
その人の合図をきっかけに周りには似たような下品な笑みを浮かべたザッ!悪役!って奴らがわんさか現れた。
「これだけの人数を前にしてもそんな余裕がかませるかなぁ~?」
「兄貴!おれあの可愛い女の子がいいすっわ。」
「はっ!何言ってんだ。俺も狙ってたんだよ!なぁ~兄貴!俺に譲ってくれよ!」
若干仲間割れ?みたいな状況が発生した様だが、兄貴って呼ばれていた一番厳つい感じの人がこの群れのリーダーぽい様だが...若干哀れに思う。
何せせっかく姿を隠しているラミィお兄ちゃんなのに殺気が抑えられそうになくなって来ているのを感じだからだ。
ラミィお兄ちゃんだけでない。
お兄ちゃんや他のパーティーメンバーも表情が険しくなって来ている。
そんな事にも気付かずに悪役の連中はニヤニヤ笑いながら私達に近づいてくる。
私は心の中でほくそ笑みながら彼らが全員港に入って来るのを待つ。
彼らはゆっくりと歩みを進めて私達に近寄り、仲間全員が港に入ったその瞬間を私は見逃さなかった。
悪役の連中の足元が光り輝きだす。
そう私とお兄ちゃんで密かに仕掛けていた罠が発動したのだ。
急に足元が光った事に慌てる悪役連中。
そんな彼らに更に追い討ちをかける出来事が次々と起きる。
光った足元から蔦が生えて一人残らず拘束されていく。
しかも動けば動くほど締まっていく上に微量の電流が流れる仕掛けまで施されている。
更に!その罠から運良く逃げても手配していた【大聖霊】と【聖獣】そして獣魔達が対応するので全く逃げ場がない状況になったのだ。
私達の作戦勝ち!この街にいる悪役連中をたった一瞬で一網打尽にしたしまった。
それにはパーティーメンバーもラミィお兄ちゃんも素直に驚く。
「えっ??何が起きた?」
「リン、アキラ。これお前達が?」
「こんな事ってあり?」
私とお兄ちゃんはへへへって笑ってパーティーメンバーにウインクをする。
そして。
「おはようございます。おじさん達。
私達に何か用事ですか?」
「いい大人なのに挨拶もできないのですか?」
私とお兄ちゃんの言葉に身動きがとれない悪役連中は悔しそうにしてそっぽを向いていたがそれもほんの一瞬の行為だった。
なぜならば...。
『おい。お嬢様がお前に声をかけているんだぞ。素直に答えられないのか?
それとも...指を一本ずつ切り落とさないと返事もできないのか?』
怒りを含ませた声でなんとドラしゃんが脅しにかかったからだ。
ドラしゃんのあまりの気迫に恐れをなして彼らは素直に聞いてもないことまで話しだす。
「お、俺たちは、た、頼まれただけだ!雇われの傭兵なんだ。こんな見た目だから中々仕事がなくって困ってたらここにいる連中全員の面倒を見てやるから、その代わりに命令を聞くように言われてるんだ!」
「お、俺たちの親分はこの街から南にくだった無人島にアジトを作っている。
この街を密かに乗っ取ってこの国を、世界を自分のものにするのが狙いなんだ!!」
「お、俺たちはその為に雇われただけなんだ!!許してくれ!」
この場にいる連中皆が同じ事を言っているので嘘ではなさそうだ。
しかしその話の内容はあまり良くないもの。
聞いてしまったからには私達の身も危険だろうし、話をしてしまったこの人達の身も危ないだろう。
ならやる事は一つ。
「悪の根源は絶たないとね!!」
私が笑顔で言うと皆は驚いて、えーーー!!っと悲鳴に近い声をあげるのだった。
朝日が上がり切る前に港に集まって来ていた悪者達は全員捕まえる事ができた私達。
捕まえた人達はギルドマスター達を呼んで速やかに対応にあたってもらった。
事前にドラしゃんやラミィお兄ちゃんから話を聞いていたのもあり、ギルドマスターや冒険者ギルドの職員さん達はすんなり動いてくれた。
しかし捕まえた人数が多いのにはさすがに驚いていた。
だけど、捕まえたのはほんの一部。
まだ本命が残っている。
この港で捕まえた人数で考えると南側の無人島でいる幹部連中と一部の部下以外を全て捕まえる事ができた様だ。
なぜそんな事がわかるって?
密かに魔獣達に前日に見つけて来たアジトを見張らせていたからだ。
南側にある無人島以外からこの街に向かって全ての人達が武器を持って出て来ていると。
私とお兄ちゃんはあらかじめある指示を魔獣達にしてあった。
「建物から人が全て出て島から離れたら建物を破壊しておくように。
あと、破壊する前に証拠になる様なものは回収してロドじぃーちゃんに渡す様に。」
魔獣達はそれを全てこなしてくれていた。
回収した証拠は中央の街にいるロドじぃーちゃんに次々と渡される。
闇系の魔獣達は影さえあれば昼間でも移動が可能と聞いていたので行動は早かった。
しかしロドじぃーちゃんには伝えてなかったので、自分の影から魔獣が出て来たものだからかなり驚いてギックリ腰になったというのは中央の街に戻ってから知るのだが...この時は全く知らなかった。
私達は港でギルマス達が悪者達を連行している間次の作戦の話し合いをした。
「残るのは南側の無人島に居る連中だけだよね?」
「ああ。そうみたいだよ。」
「どうする?」
「何か手はあるのですか?」
「このままここでまつのですか?」
パーティーメンバーの言葉に私は満面の笑顔を浮かべて返事した。
「大丈夫よ!もう手は打ってあるから。あとは、誰かが船を出してくれたらどうにかなるわ。」
私の言葉にただ一人を除いて仲間はキョトンとした表情を浮かべる。
お兄ちゃんすら私の言葉の意味が分からずポカンとしていたのだ。
そのただ一人とは...保護者のドラしゃんだ。
『ああ。分かりました。では、皆さんは私が運びますので、ギルマス達にはギルド専用の船で来てもらいましょう。』
「えっ?いいの?ありがとうドラしゃん。」
私の言葉にドラしゃんは上機嫌でギルマスの方へ話に向かう。
ギルマスはドラしゃんから話を聞いて、自分は今対応している連中の相手で精一杯なので副ギルマスと信頼できる上位冒険者達が数名船に乗って同行してくれる事となった。
私はギルマスに聞こえるように叫んだ。
「急がなくても大丈夫ですよ!相手は身動きできませんから!」
私のこの言葉にギルマスは、ハッ?!!って言う表情に。
連行されていく人達もへっ?!ていう表情をしていた。
私だけ満面の笑顔。
その理由は...。
準備ができて私の誘導で海に行くとその理由が判明。
状況を見てパーティーメンバーは大爆笑。
副ギルドマスターや上位冒険者達は顎が外れんばかりの表情に。
海の真ん中で敵が乗っている船の周りには大漁の鮫や大きいイカなどが囲んでいる上に、大小様々な渦潮が出来ていて完全に身動きが取れなくなっていたのだ。
しかも船には変な蔦系の植物が無数に生えていて大砲などの武器が使えなくしていたので船の上の人達はどうする事もできずにいた。
「どうよ。これが私と【大聖霊】達で考えた作戦よ!」
そう。ウンディーナに頼んで海の魔物達に協力をお願いしていたのだ。
あとドライアドにお願いして敵の船に細工をしてもらってい、船がウンディーナと打ち合わせしたポイントに来たら船全体に蔦を生やして舵が取れないようにしてもらったのだ。
ついでに魔獣達に被害がないように大砲類も使えないようにして貰った。
敵の人達は船は動かないは周りには魔獣や渦潮があって海には逃げれないわで船の中でパニックになっていた。
「どう?私の考えた作戦は?」
『素敵ですよ!お嬢様。なんなら魔獣共に攻撃させても良かったのでは?』
「それも考えたけど罪のない魔獣達が怪我するのは嫌だからね。威嚇だけにとどめてもらっているの。」
私とドラしゃんの会話をお兄ちゃん達は腹を抱えて聞いていた。
「り、リン...や、やばいよ...。」
お兄ちゃんは笑いすぎて涙を流している上にヒィーヒィーと息もするのもしんどそうだった。
それはお兄ちゃんだけでなく他の仲間達も同じ状況だった。
そんなに笑える状況かなぁ??
と私は思いながら海の上を眺めていた。
船からは助けてくれぇーーー!!!と大の男達が半泣きで叫んでいるので、副ギルドマスター達は私達に視線を送ってくる。
今のまでは副ギルドマスター達も近づけないのでどうにかして欲しいと言う感じだ。
私はずっとこのままでもいいと思ったけど副ギルドマスター達も仕事があるのでウンディーナにお願いして副ギルドマスター達の乗っている船が近付けるように調節してもらった。
なんとか副ギルドマスター達が乗っている船は敵の船に近づける事ができ、全員救出という名の逮捕となった。
敵は副ギルドマスター達の船に乗り移る時奪おうとしたがそんな事は想定済み。
ちゃんとそれも対策すみ!
少しでも怪しい動きをすると船に巻きついていた蔦が敵に密かに絡みつき鮫のいる海へと...。
鮫には口を開けておくだけでと伝えていたので噛む事はなかったが、相手にはかなりの脅しにはなった。
その光景を見た敵の仲間は抵抗をやめて大人しくなったのだ。
こうして悪さをした人達は全て捉える事ができた。
私が考えていた通りこの船には敵の大将がいた。
敵の大将はドラしゃんの姿を見て憎しみを込めた視線を送っていた。
それは単なる憎しみではなかった。
深くかなりドロドロとした憎しみのこもった視線だ。
笑い転げているお兄ちゃん達は気付かなかったが、状況を見ていた私とドラしゃんはしっかりその視線に気付いていた。
『あの目はヤバイですね。昔の自分と同じ目をしてます。
あの目をしている間は何がなんでも敵とみなしたものを全滅させるまでは無理でしょうね。』
ドラしゃんのその言葉に私はある考えが浮かんだ。
この考えが正解かは分からないが、無惨にも散っていたあの人みたいな被害を増やさないためには必要だと思った。
この街ではびころうとしていた悪の組織みたいなのを1日で壊滅させた私達の事は南の街を中心にしてあっという間に広がってしまった。
「期待の新人冒険者が誕生している。」
「パーティーの中に紅一点の可愛い子が居るが護りがえぐい。」
「可愛いのにめちゃくちゃ食べる。けど可愛い。」
「他のメンバーも曲者揃い。あの伝説の冒険者ムキファーさんの弟子達だって!」
「ナンパしようしたら生きて帰ってこれない」
など色んな噂が一瞬にして駆け巡っていたのだった。
噂の殆どが私のような気がするのは...なぜ?と思ったけど、それは噂を聞いたお父さん達も同じ反応だったみたい。
たった数日街を出かけただけなのに...て。
私達が捕まえた連中の中でも幹部連中は現在の国王達も知っている人達だったようだ。
私達がこの世界に来る前に暴走したドラしゃんによって国を滅ぼされた王族の生き残りだったみたい。
ドラゴン族にかなりの恨みを持っているだけでなく、自分達を助けてくれなかった神様や【大聖霊】や【大聖獣】にも憎しみを持っていたみたい。
尋問に立ち会ったギルマスや王様達が言うには自分達が困った時は手を差し伸べなかったのに、異世界から来た人間には無条件に助けていい暮らしをさせているのが許せなかったと言っていたと教えてくれた。
だから今回警備の手が薄い南側の街を先に乗っ取り私達家族が得たものをすべて奪うつもりだったそうだ。
それも私達に阻まれてできなくなったけどね。
「じゃーその人達はどうするの?」
私がそうギルマスに質問したら険しい表情をした。
どうしてそんな表情をするのかしつこく質問すると副ギルドマスターが代わりに答えてくれた。
「尋問中、隙を見て毒物を煽って自害しました。幹部連中全てです。
捕まった時の事も考えて行動していたみたいですよ。遺体は丁寧に埋葬してます。他の連中は金で雇われていた元冒険者や傭兵達です。
例の男性を殺したのは幹部連中と言う事で彼らには罪が今の所ありません。
組織的には主要メンバーがいなくなったので完全に壊滅でしょう。
しかしあの人数をどしたものかと思いまして。」
副ギルドマスターの言葉に私以外のパーティーメンバーは呆然としていた。
私だけ釈然としなかったのだ。
「...。」
「はい?どうされました?」
私がボソッと呟いた事が聞き取れなかった為副ギルドマスターが質問してきた。
私は今度は大きな声で話した。
「そんなの卑怯よ!自分達だけ逃げて!卑怯よ!罪もない人を殺しておいて!!」
私は叫びながら涙を流す。
あの日屋台で笑顔で色んな話をしてくれたお兄さんの姿を思い出して涙が止まらなかったのだ。
初めて会った私に親切に色々話ししてくれて、屋台の品も大盛りサービスしてくれた上に値段もおまけしてくれたいいお兄さんだったのに。
私と話をしただけで...。
「まだまだやりたい事あったはずだよ!それなのに...。自分達だけ...。そんなのないよぉ~!!!くやしぃーーーー!!」
私が号泣した事にその場にいた人達は皆んな大焦りだ。
だってその場には保護者が不在。
状況を考えたら自分達が私を泣かしたようにね見えるからだ。
ギルドマスターも副ギルドマスターも行きた心地はしない。
お兄ちゃん達も私がそこまで泣くとは思わずオロオロしているだけだった。
私の鳴き声はギルドの外にまで響いていたみたいで、あまりにも悲痛な鳴き声に街の人達は心配になりギルドの前に集まって来たのだった。
ギルドの職員さんは集まって来た街の人達の対応に追われるハメに。
「誰が泣いてるんだ?」
「可哀想じゃないかい?なんとかならないのかい?」
など私の鳴き声に対しての問い合わせが凄かった。
そんな事は知らず私はひたすら泣いた。
泣いて泣いて叫んだ。
すると、私達がいた部屋が急に光り輝いたのだ。
「なっ!?」
ギルドマスターや副ギルドマスター、お兄ちゃん達は急に目の前が光出したので驚きの声をあげて目を閉じる。
私はそんな状況下でもひたすら泣いていた。
お兄ちゃん達が目を開けると私とお兄ちゃん以外の人はなぜか動きが止まっていたのだ。
いやこの部屋だけでなく街全体が動きを止めていた。
お兄ちゃんは不思議に思いながらもまだ泣いている私に声をかけた。
私はあまりにもしつこく声をかけてくるお兄ちゃんに対して文句を言ってやろうと顔を上げて目に入った状況に思わず泣き止んでしまった。
「...お、お兄ちゃん?な、何これ?」
まだ涙を目にためて質問する私にお兄ちゃんはわからないと返事を返すので精一杯のようだ。
お兄ちゃん自身突然の出来事で本当に何が起きたか分からなかったのだ。
「リンがしたんじゃないんだね?」
「わ、わからない...。」
お兄ちゃんの問いかけに不安になり動かなくなったギルマス達に触ろうとした時だった。
『主人よ。あまりにも泣き声が酷かったから時を止めさせて貰ったぞ。
他の連中も主人の泣き声のせいで大変な目にあってるみたいだったからな。』
空間の裂け目からオリジンが平然とした態度で出て来たのだ。
オリジンがした事なら納得できた。
彼は【時の大聖霊】だから時を止めたりするのは息をするのと同じぐらい簡単な事だからだ。
『リン。アキラ。今回はすまないね。我々の因果に巻き込んでしまって。』
なんとオリジンの後ろから神様までも現れたのだ。
これにはさすがに私もお兄ちゃんも驚いて固まってしまった。
リン:
酷い!!!!
アキラ:
リン!泣き止んで!
せめてドラしゃんが帰ってくるまでには!
アサ:
アキラの言う通りだ!
でないと...。
レビレット:
でないとなんですか?!
アキラ:
今日が僕達の命日になってしまうよ!
ライルネ:
絶対えやです!リンちゃん!なきやんでぇー!!
着いた港も最初に作った時よりかなり変わっていたのには少なからず驚いた。
小さめの船しか停泊が難しかった船着場だったのが、大きな船も停泊出来る様になっていたのだから。
更に船着場も増えていて大きな街の港って感じになっていたのだ。
「すごいね。大きな船も停泊出来る様になってる。」
「街が大きく変わってたからもしやって思ってたけど...凄いね。」
私とお兄ちゃんはこの街の最初の状態を知っているからこそ出る言葉。
アサくん達は最初の状況を知らないから私とお兄ちゃんの会話をただ静かに聞いていた。
もちろん周囲を警戒しながら。
私達は一見港の観光を楽しんでいる様に見えるが実際は違う。
楽しんでいる風を装って敵の動きをしっかり把握していた。
「どうやら陸路だけでなく海路からも向かってきてるみたいね。
船が三隻ほどこちらに向かってきてるわ。」
「陸路の方も逃げ場のない様に取り囲む様に集まって来てるよ。どうやらこの街の残っている連中が手引きしてどこから仲間を引き入れているみたいだね。」
「凄いなぁー。お前らそんな事までわかるのか?」
私とお兄ちゃんの言葉にアサくん達は驚きの声をあげる。
そんなアサくん達にラミィお兄ちゃんはそっと周囲にバレない様に話しかけた。
「この二人は特別だよ。誰が魔法とかの指導をしていると思ってるんだい?」
ラミィお兄ちゃんのその言葉で皆は素直に納得する。
私とお兄ちゃんは桟橋を歩いたりしながらも【大聖霊】や【聖獣】達に密かに指示を出す。
朝日が照らし始めた時だった。
「ちょいとそこのガキどもちっとばかし俺たちに顔を貸してはくれんかなぁー。」
そう言って下品な笑みを浮かべながらいかにも悪役です!って奴らが目の前に現れた。
私達は彼らが来るのはわかっていたのでいたって冷静かつ平静に対応する。
「ガキってどこにいるなかなぁ?お兄ちゃん知ってる?」
「えっ?知らない。ここでは見なかったけど...ねぇ?」
平然と答える私達に声をかけた人は舌打ちをして何やら合図をする。
その人の合図をきっかけに周りには似たような下品な笑みを浮かべたザッ!悪役!って奴らがわんさか現れた。
「これだけの人数を前にしてもそんな余裕がかませるかなぁ~?」
「兄貴!おれあの可愛い女の子がいいすっわ。」
「はっ!何言ってんだ。俺も狙ってたんだよ!なぁ~兄貴!俺に譲ってくれよ!」
若干仲間割れ?みたいな状況が発生した様だが、兄貴って呼ばれていた一番厳つい感じの人がこの群れのリーダーぽい様だが...若干哀れに思う。
何せせっかく姿を隠しているラミィお兄ちゃんなのに殺気が抑えられそうになくなって来ているのを感じだからだ。
ラミィお兄ちゃんだけでない。
お兄ちゃんや他のパーティーメンバーも表情が険しくなって来ている。
そんな事にも気付かずに悪役の連中はニヤニヤ笑いながら私達に近づいてくる。
私は心の中でほくそ笑みながら彼らが全員港に入って来るのを待つ。
彼らはゆっくりと歩みを進めて私達に近寄り、仲間全員が港に入ったその瞬間を私は見逃さなかった。
悪役の連中の足元が光り輝きだす。
そう私とお兄ちゃんで密かに仕掛けていた罠が発動したのだ。
急に足元が光った事に慌てる悪役連中。
そんな彼らに更に追い討ちをかける出来事が次々と起きる。
光った足元から蔦が生えて一人残らず拘束されていく。
しかも動けば動くほど締まっていく上に微量の電流が流れる仕掛けまで施されている。
更に!その罠から運良く逃げても手配していた【大聖霊】と【聖獣】そして獣魔達が対応するので全く逃げ場がない状況になったのだ。
私達の作戦勝ち!この街にいる悪役連中をたった一瞬で一網打尽にしたしまった。
それにはパーティーメンバーもラミィお兄ちゃんも素直に驚く。
「えっ??何が起きた?」
「リン、アキラ。これお前達が?」
「こんな事ってあり?」
私とお兄ちゃんはへへへって笑ってパーティーメンバーにウインクをする。
そして。
「おはようございます。おじさん達。
私達に何か用事ですか?」
「いい大人なのに挨拶もできないのですか?」
私とお兄ちゃんの言葉に身動きがとれない悪役連中は悔しそうにしてそっぽを向いていたがそれもほんの一瞬の行為だった。
なぜならば...。
『おい。お嬢様がお前に声をかけているんだぞ。素直に答えられないのか?
それとも...指を一本ずつ切り落とさないと返事もできないのか?』
怒りを含ませた声でなんとドラしゃんが脅しにかかったからだ。
ドラしゃんのあまりの気迫に恐れをなして彼らは素直に聞いてもないことまで話しだす。
「お、俺たちは、た、頼まれただけだ!雇われの傭兵なんだ。こんな見た目だから中々仕事がなくって困ってたらここにいる連中全員の面倒を見てやるから、その代わりに命令を聞くように言われてるんだ!」
「お、俺たちの親分はこの街から南にくだった無人島にアジトを作っている。
この街を密かに乗っ取ってこの国を、世界を自分のものにするのが狙いなんだ!!」
「お、俺たちはその為に雇われただけなんだ!!許してくれ!」
この場にいる連中皆が同じ事を言っているので嘘ではなさそうだ。
しかしその話の内容はあまり良くないもの。
聞いてしまったからには私達の身も危険だろうし、話をしてしまったこの人達の身も危ないだろう。
ならやる事は一つ。
「悪の根源は絶たないとね!!」
私が笑顔で言うと皆は驚いて、えーーー!!っと悲鳴に近い声をあげるのだった。
朝日が上がり切る前に港に集まって来ていた悪者達は全員捕まえる事ができた私達。
捕まえた人達はギルドマスター達を呼んで速やかに対応にあたってもらった。
事前にドラしゃんやラミィお兄ちゃんから話を聞いていたのもあり、ギルドマスターや冒険者ギルドの職員さん達はすんなり動いてくれた。
しかし捕まえた人数が多いのにはさすがに驚いていた。
だけど、捕まえたのはほんの一部。
まだ本命が残っている。
この港で捕まえた人数で考えると南側の無人島でいる幹部連中と一部の部下以外を全て捕まえる事ができた様だ。
なぜそんな事がわかるって?
密かに魔獣達に前日に見つけて来たアジトを見張らせていたからだ。
南側にある無人島以外からこの街に向かって全ての人達が武器を持って出て来ていると。
私とお兄ちゃんはあらかじめある指示を魔獣達にしてあった。
「建物から人が全て出て島から離れたら建物を破壊しておくように。
あと、破壊する前に証拠になる様なものは回収してロドじぃーちゃんに渡す様に。」
魔獣達はそれを全てこなしてくれていた。
回収した証拠は中央の街にいるロドじぃーちゃんに次々と渡される。
闇系の魔獣達は影さえあれば昼間でも移動が可能と聞いていたので行動は早かった。
しかしロドじぃーちゃんには伝えてなかったので、自分の影から魔獣が出て来たものだからかなり驚いてギックリ腰になったというのは中央の街に戻ってから知るのだが...この時は全く知らなかった。
私達は港でギルマス達が悪者達を連行している間次の作戦の話し合いをした。
「残るのは南側の無人島に居る連中だけだよね?」
「ああ。そうみたいだよ。」
「どうする?」
「何か手はあるのですか?」
「このままここでまつのですか?」
パーティーメンバーの言葉に私は満面の笑顔を浮かべて返事した。
「大丈夫よ!もう手は打ってあるから。あとは、誰かが船を出してくれたらどうにかなるわ。」
私の言葉にただ一人を除いて仲間はキョトンとした表情を浮かべる。
お兄ちゃんすら私の言葉の意味が分からずポカンとしていたのだ。
そのただ一人とは...保護者のドラしゃんだ。
『ああ。分かりました。では、皆さんは私が運びますので、ギルマス達にはギルド専用の船で来てもらいましょう。』
「えっ?いいの?ありがとうドラしゃん。」
私の言葉にドラしゃんは上機嫌でギルマスの方へ話に向かう。
ギルマスはドラしゃんから話を聞いて、自分は今対応している連中の相手で精一杯なので副ギルマスと信頼できる上位冒険者達が数名船に乗って同行してくれる事となった。
私はギルマスに聞こえるように叫んだ。
「急がなくても大丈夫ですよ!相手は身動きできませんから!」
私のこの言葉にギルマスは、ハッ?!!って言う表情に。
連行されていく人達もへっ?!ていう表情をしていた。
私だけ満面の笑顔。
その理由は...。
準備ができて私の誘導で海に行くとその理由が判明。
状況を見てパーティーメンバーは大爆笑。
副ギルドマスターや上位冒険者達は顎が外れんばかりの表情に。
海の真ん中で敵が乗っている船の周りには大漁の鮫や大きいイカなどが囲んでいる上に、大小様々な渦潮が出来ていて完全に身動きが取れなくなっていたのだ。
しかも船には変な蔦系の植物が無数に生えていて大砲などの武器が使えなくしていたので船の上の人達はどうする事もできずにいた。
「どうよ。これが私と【大聖霊】達で考えた作戦よ!」
そう。ウンディーナに頼んで海の魔物達に協力をお願いしていたのだ。
あとドライアドにお願いして敵の船に細工をしてもらってい、船がウンディーナと打ち合わせしたポイントに来たら船全体に蔦を生やして舵が取れないようにしてもらったのだ。
ついでに魔獣達に被害がないように大砲類も使えないようにして貰った。
敵の人達は船は動かないは周りには魔獣や渦潮があって海には逃げれないわで船の中でパニックになっていた。
「どう?私の考えた作戦は?」
『素敵ですよ!お嬢様。なんなら魔獣共に攻撃させても良かったのでは?』
「それも考えたけど罪のない魔獣達が怪我するのは嫌だからね。威嚇だけにとどめてもらっているの。」
私とドラしゃんの会話をお兄ちゃん達は腹を抱えて聞いていた。
「り、リン...や、やばいよ...。」
お兄ちゃんは笑いすぎて涙を流している上にヒィーヒィーと息もするのもしんどそうだった。
それはお兄ちゃんだけでなく他の仲間達も同じ状況だった。
そんなに笑える状況かなぁ??
と私は思いながら海の上を眺めていた。
船からは助けてくれぇーーー!!!と大の男達が半泣きで叫んでいるので、副ギルドマスター達は私達に視線を送ってくる。
今のまでは副ギルドマスター達も近づけないのでどうにかして欲しいと言う感じだ。
私はずっとこのままでもいいと思ったけど副ギルドマスター達も仕事があるのでウンディーナにお願いして副ギルドマスター達の乗っている船が近付けるように調節してもらった。
なんとか副ギルドマスター達が乗っている船は敵の船に近づける事ができ、全員救出という名の逮捕となった。
敵は副ギルドマスター達の船に乗り移る時奪おうとしたがそんな事は想定済み。
ちゃんとそれも対策すみ!
少しでも怪しい動きをすると船に巻きついていた蔦が敵に密かに絡みつき鮫のいる海へと...。
鮫には口を開けておくだけでと伝えていたので噛む事はなかったが、相手にはかなりの脅しにはなった。
その光景を見た敵の仲間は抵抗をやめて大人しくなったのだ。
こうして悪さをした人達は全て捉える事ができた。
私が考えていた通りこの船には敵の大将がいた。
敵の大将はドラしゃんの姿を見て憎しみを込めた視線を送っていた。
それは単なる憎しみではなかった。
深くかなりドロドロとした憎しみのこもった視線だ。
笑い転げているお兄ちゃん達は気付かなかったが、状況を見ていた私とドラしゃんはしっかりその視線に気付いていた。
『あの目はヤバイですね。昔の自分と同じ目をしてます。
あの目をしている間は何がなんでも敵とみなしたものを全滅させるまでは無理でしょうね。』
ドラしゃんのその言葉に私はある考えが浮かんだ。
この考えが正解かは分からないが、無惨にも散っていたあの人みたいな被害を増やさないためには必要だと思った。
この街ではびころうとしていた悪の組織みたいなのを1日で壊滅させた私達の事は南の街を中心にしてあっという間に広がってしまった。
「期待の新人冒険者が誕生している。」
「パーティーの中に紅一点の可愛い子が居るが護りがえぐい。」
「可愛いのにめちゃくちゃ食べる。けど可愛い。」
「他のメンバーも曲者揃い。あの伝説の冒険者ムキファーさんの弟子達だって!」
「ナンパしようしたら生きて帰ってこれない」
など色んな噂が一瞬にして駆け巡っていたのだった。
噂の殆どが私のような気がするのは...なぜ?と思ったけど、それは噂を聞いたお父さん達も同じ反応だったみたい。
たった数日街を出かけただけなのに...て。
私達が捕まえた連中の中でも幹部連中は現在の国王達も知っている人達だったようだ。
私達がこの世界に来る前に暴走したドラしゃんによって国を滅ぼされた王族の生き残りだったみたい。
ドラゴン族にかなりの恨みを持っているだけでなく、自分達を助けてくれなかった神様や【大聖霊】や【大聖獣】にも憎しみを持っていたみたい。
尋問に立ち会ったギルマスや王様達が言うには自分達が困った時は手を差し伸べなかったのに、異世界から来た人間には無条件に助けていい暮らしをさせているのが許せなかったと言っていたと教えてくれた。
だから今回警備の手が薄い南側の街を先に乗っ取り私達家族が得たものをすべて奪うつもりだったそうだ。
それも私達に阻まれてできなくなったけどね。
「じゃーその人達はどうするの?」
私がそうギルマスに質問したら険しい表情をした。
どうしてそんな表情をするのかしつこく質問すると副ギルドマスターが代わりに答えてくれた。
「尋問中、隙を見て毒物を煽って自害しました。幹部連中全てです。
捕まった時の事も考えて行動していたみたいですよ。遺体は丁寧に埋葬してます。他の連中は金で雇われていた元冒険者や傭兵達です。
例の男性を殺したのは幹部連中と言う事で彼らには罪が今の所ありません。
組織的には主要メンバーがいなくなったので完全に壊滅でしょう。
しかしあの人数をどしたものかと思いまして。」
副ギルドマスターの言葉に私以外のパーティーメンバーは呆然としていた。
私だけ釈然としなかったのだ。
「...。」
「はい?どうされました?」
私がボソッと呟いた事が聞き取れなかった為副ギルドマスターが質問してきた。
私は今度は大きな声で話した。
「そんなの卑怯よ!自分達だけ逃げて!卑怯よ!罪もない人を殺しておいて!!」
私は叫びながら涙を流す。
あの日屋台で笑顔で色んな話をしてくれたお兄さんの姿を思い出して涙が止まらなかったのだ。
初めて会った私に親切に色々話ししてくれて、屋台の品も大盛りサービスしてくれた上に値段もおまけしてくれたいいお兄さんだったのに。
私と話をしただけで...。
「まだまだやりたい事あったはずだよ!それなのに...。自分達だけ...。そんなのないよぉ~!!!くやしぃーーーー!!」
私が号泣した事にその場にいた人達は皆んな大焦りだ。
だってその場には保護者が不在。
状況を考えたら自分達が私を泣かしたようにね見えるからだ。
ギルドマスターも副ギルドマスターも行きた心地はしない。
お兄ちゃん達も私がそこまで泣くとは思わずオロオロしているだけだった。
私の鳴き声はギルドの外にまで響いていたみたいで、あまりにも悲痛な鳴き声に街の人達は心配になりギルドの前に集まって来たのだった。
ギルドの職員さんは集まって来た街の人達の対応に追われるハメに。
「誰が泣いてるんだ?」
「可哀想じゃないかい?なんとかならないのかい?」
など私の鳴き声に対しての問い合わせが凄かった。
そんな事は知らず私はひたすら泣いた。
泣いて泣いて叫んだ。
すると、私達がいた部屋が急に光り輝いたのだ。
「なっ!?」
ギルドマスターや副ギルドマスター、お兄ちゃん達は急に目の前が光出したので驚きの声をあげて目を閉じる。
私はそんな状況下でもひたすら泣いていた。
お兄ちゃん達が目を開けると私とお兄ちゃん以外の人はなぜか動きが止まっていたのだ。
いやこの部屋だけでなく街全体が動きを止めていた。
お兄ちゃんは不思議に思いながらもまだ泣いている私に声をかけた。
私はあまりにもしつこく声をかけてくるお兄ちゃんに対して文句を言ってやろうと顔を上げて目に入った状況に思わず泣き止んでしまった。
「...お、お兄ちゃん?な、何これ?」
まだ涙を目にためて質問する私にお兄ちゃんはわからないと返事を返すので精一杯のようだ。
お兄ちゃん自身突然の出来事で本当に何が起きたか分からなかったのだ。
「リンがしたんじゃないんだね?」
「わ、わからない...。」
お兄ちゃんの問いかけに不安になり動かなくなったギルマス達に触ろうとした時だった。
『主人よ。あまりにも泣き声が酷かったから時を止めさせて貰ったぞ。
他の連中も主人の泣き声のせいで大変な目にあってるみたいだったからな。』
空間の裂け目からオリジンが平然とした態度で出て来たのだ。
オリジンがした事なら納得できた。
彼は【時の大聖霊】だから時を止めたりするのは息をするのと同じぐらい簡単な事だからだ。
『リン。アキラ。今回はすまないね。我々の因果に巻き込んでしまって。』
なんとオリジンの後ろから神様までも現れたのだ。
これにはさすがに私もお兄ちゃんも驚いて固まってしまった。
リン:
酷い!!!!
アキラ:
リン!泣き止んで!
せめてドラしゃんが帰ってくるまでには!
アサ:
アキラの言う通りだ!
でないと...。
レビレット:
でないとなんですか?!
アキラ:
今日が僕達の命日になってしまうよ!
ライルネ:
絶対えやです!リンちゃん!なきやんでぇー!!
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