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第五章〜私達兄妹は冒険者になります〜
5-1 冒険者登録するのも一苦労 ①
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この一件(冒険者登録について)があってから、毎日のように私とお兄ちゃん。
そして、ドラしゃんの3人で押し問答を繰り返していた。
押し問答と言っても、軽く私達兄妹があしらわれているだけなんだけど、それでも今回は粘った。
ドラしゃんの顔を見ては、"登録させて!""冒険者がダメなら、商業者でも!"
"他の人も登録してるのに!"と、私とお兄ちゃんが言えば...。
『何を言ってるのですか?冒険者なんて...まだまだ早いですよ。アキラ様はもつ既に登録しているではないですか?
それに、商業者はそれなりに商売になるものがないと無理ですよ。
あと、他の人が登録してるからって...。他所は他所。うちはうちです。
他の人がしていても、私が駄目と判断したら駄目です。』
の一点張り。
ドラしゃんは昔から私達に甘い反面、変な所で頑なに拒否をするのだ。
例えば、あれが欲しい、コレが欲しいと言えば、普通の親や保護者なら"どれか一つにしなさい!"か、"この前買ったでしょう。今回は我慢しなさい!"と言って、"我慢"をさせて"我慢する事"を覚えさせるもので、"我慢"と言う行為と共に、物のありがたみや金銭感覚を少しずつ身につけされるものが教育というものなのだが...。
しかし、ドラしゃんは違ったの。
私やお兄ちゃんが欲しいと言うものは、大抵のものはすぐ用意してくれた。
しかも、王様や国王様達を下僕の様にこきつかってでも直ぐに揃えてくれたの。
もちろん私達の両親が止めに入って、八割近くは阻止ししてたけどね。
が、ニ割はドラしゃんが押し通してたね。
そんな甘々な面がありながらも、私がお母さんやナナばぁーちゃん達と一緒に包丁を使って料理をしたいと言えば、全力を持って阻止しようとするし...。
女の子なので、料理に興味を持つ事はいいよね?包丁で指を怪我しながら、包丁の扱い方、物の切り方を覚えていくものだ。
しかし、それをドラしゃんが許さなかったの。
私が怪我してまで料理をするぐらいなら、餓死を選べと言うのよ!!ありえないでしょう?!!
そのぐらい極端な保護者なの。
その為、あの手この手で色んな人に協力してもらいながら、私は料理を覚えたけどね。
料理だけでなく裁縫もだ。
とにかく、私が怪我をする様なものは全てドラしゃんによって却下されていったのよぉ~。
でもお兄ちゃんは、私程は酷くはなかったのよ!
私より先に冒険者登録して、冒険で街のちょっとすぐ側までなら出してもらえてるし!
もちろん一人ではないけどね。ムキじぃーちゃんかドムじぃーちゃん達の誰かが常に一緒だけどね。
あっ、ちなみに後になって知ったんだけど、お兄ちゃんは冒険者登録をしているんだけど、それは正規の冒険者登録ではなかったんだって!
仮の冒険者登録で、実際には冒険者登録がされてない為、単独では依頼をこなすことができないし、例えこなせたとしても、収入は入らずギルド預かりとなっていたんだって。
しかも、その事を知ったのも最近の話なのよ!!
それはそれは、お兄ちゃん...かなりショックを受けていたわ。
この事を知ったのは、アサくん達兄妹の話を聞いて直ぐに、アサくん達にギルドカードを見せて貰ったからなんだけどね。
アサくん達兄妹のギルドカードは、ちゃんと冒険者登録の印として、剣のマークが描かれていた。
しかし、お兄ちゃんの持っているのはロドじぃーちゃんお手製の手書きのガードだったの。
剣のマークの代わりに、ロドじぃーちゃんのサインが書かれていて、レアと言えばレアなガードだが...全く意味のないガードなんだって。
それを知ってすぐにお兄ちゃんは、ロドじぃーちゃんの所へ行ってたわ。
「ロドじぃーちゃん!どう言うことですか?なんで、僕のガードは皆と違うんですか!」
ギルドで仕事をしていたロドじぃーちゃんを見つけて、問いただすお兄ちゃん。
そんなお兄ちゃんに、気まずそうにして話すロドじぃーちゃん。
「実はなぁー...。」
なんと、お兄ちゃんの冒険者登録を阻止していたのは、他の誰でもなくドラしゃんだったの。
一度冒険者登録をしてしまえば、原則として引退もしくは死亡するまで、冒険者として仕事をしなくてはいけない。
でも、私達家族はこの世界とは違った世界で過ごしていた人間。
ある程度の理解のある両親と違って、私達は幼かった。
そんな事もあり、頑なにドラしゃんが登録を阻止したのだ。
私達がもう少し、ことの分別をはっきり理解できるまでは...と言って。
なら、今ならいいのでは?!
と思ってみたものの...だ。
こうも説得が難しいとは...思わなかった。
私達が住んでいる街に限らず、他の四方の街に住んでいる者の中で、適正年齢が来ているにも関わらず、登録をしていないのは私達兄妹だけだみたいなの!
こうなったら、同盟国の王様達の力を借りて!!と思ってみたが、...。
皆からもちろん丁寧に拒否られましたよ。
理由は簡単だった。ドラしゃんだ。
ドラしゃんを敵に回すぐらいなら、ってやつですよ!!
悔しくって、二人で凹んでいるとルミばぁーちゃんが声をかけてきた。
「どうしたんだい?二人して。」
私とお兄ちゃんは、ルミばぁーちゃんにことの顛末を話した。
すると、大笑いするルミばぁーちゃん。
私とお兄ちゃんは、少しムッとした表情でルミばぁーちゃんを見た。
すると、ルミばぁーちゃんは笑いを堪えながらも、私達に笑った説明をしてくれた。
「ごめんよ。あんた達のやりとりが、出会った時からちっとも変わってないからねぇ~。思わず笑っちまったよ。
あんた達からしたら、もういい歳が来たから冒険者登録をしたいのは、ずっと見てきていたからわかるさ。
しかしね、相手が悪いよ。
あんた達が説得しようとしているのは、この世界最強の人物だよ?
しかも、誰もが認める過保護な保護者だ。
まぁ~、しかし...このままあんた達だけずっと登録しないでおくのもあれだからね...。このさいだ、皆で説得でもしてみるかい?」
ルミばぁーちゃんがそう提案してくれたのだ。
こうして、過保護な保護者を含めて私達兄妹の保護者達が、ギルドの会議室に集まって話し合いをする事になった。
もちろん議題は、私とお兄ちゃんの冒険者登録についてだ。
議題を聞いた瞬間、過保護な保護者が一言。
『却下』
そう言って、会議を終わらせようとした。
そのため、私は両目一杯ニ涙を浮かべドラしゃんをみつめてやったさ!
すると、さすがのドラしゃんもタジタジに。
なんとか、会議を続行に持ち込めた。
「フレアよぉ~。冒険者登録だけでもさせてやったらどうだ?」
「そうそう。冒険者として、冒険をするのはとりあえず置いといて、登録だけでもさせてやろうぜぇ。」
「そうだよ。あまりにも、この子らが不憫だよ?リンなんて、年頃の女の子なんだよ?
自分で、服やらアクセサリーやらを買いたいだろうしねぇ?」
「アキラだって、一応新米の冒険者として依頼は少しずつこなしてきてたんだからよ。(収入は、ギルド預かりだけどよ。)」
「あんさんも、しぶとい人ですわぁー。登録ぐらい、かましませんやろ?」
「そうですよ。登録だけでも...ね?」
ムキじぃーちゃんをはじめ、ルミばぁーちゃん、ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、モッケしゃん、ラミィお兄ちゃん達が、ドラしゃんの説得に取り掛かってくれた。
そうなんです。冒険は二の次として、まず冒険者登録をしたいのです。
じっーと、皆の視線がドラしゃんへ向けられる。
ドラしゃんは、はぁーと溜息を吐いて口を開いた。
『分かりました。では、冒険者登録のみ許可します。あくまでも、登録のみですよ?よろしいですね?』
なんと、ようやくドラしゃんから冒険者登録の許可が降りたのだった。
「ドラしゃん!ありがとう!大好き!」
私はそう言って、ドラしゃんに抱きつくと、ドラしゃんはそんな私をそっと優しく抱きしめた。
『お嬢様。よろしいですか?あくまでも、登録のみ許可したのですからね?』
「うん。ありがとう。」
その時の私は、ドラしゃんの言葉の本当の意味を理解していなかった。
登録を許可してもらえた嬉しさのあまりにだ。
この後とんでもない騒動を起こすとは、この時の私は思いもしなかった。
なんとか皆に説得してもらって、ドラしゃんから冒険者登録の許可を貰った私とお兄ちゃん。
ドラしゃんの気が変わらないうちにと、そのまま皆揃って冒険者登録に向かった。
ギルドの受付で見慣れた顔の職員さんが出迎えてくれた。
まぁーこの街で、私達を知らない人はいないんだけどね。
いたとしたら、その人はもぐりかなんかだろう。
何せこの街にいる皆は、私達が幼い頃からの付き合いのある人達ばかりだ。
私とお兄ちゃんが満面の笑顔で、大御所達を引き連れて受付に現れたのを見た職員さん達は驚きつつも色々察してくれた。
「あら?!リンちゃんにアキラくん。それに...えっ?!皆さん勢揃いで...また...何事ですか?」
私達の行った受付で対応してくれたのは、晴れてギルドの職員になれたナナちゃんだ。
小さな頃からナサちゃんとギルドの仕事も手伝っていたナナちゃん。
物覚えもいいし、仕事も真面目にこなす事から正式なギルド職員として最近採用された。
「ナナちゃん!その服!!良かったね。ギルドの職員さんになれたんだ!」
私はナナちゃんの姿を見て興奮した。
最初の頃はギルドの職員は、自分の私服を着用して仕事をしていたのだが、それをみたお母さんが、プライベートと仕事を見た目から分けた方がいいと言って"制服"を考えて、まずギルドの職員に着せたのが始まりだ。
もちろん男女別々にデザインされたものなんだけど、制服のカラーバリエーションも豊富な上に、デザインも沢山の種類があるの。
するとそれがかなりの高評価を得て、この世界で初めて冒険者や兵士以外で専用の制服を着て業務にあたる習慣ができたのだった。
ちなみに各街のギルドごとに制服の色とデザインは変えてあるだって。
女性の場合は、ズボンとスカート両方選べるようにしてあって、ちゃんと着る側の意見を聞き入れて、2年に一回制服のデザインも変えている。
作るのはもちろんお母さん。
と言いたいところだが、お父さんとお母さんが立ち上げた工房はいつの間にか弟子入り志願者や働かせて欲しいという志願者が増えて、工房を改築して大きくしている上に各街で支店まで出している状況だ。
だから、従業員と共にお母さんが作っている。
しかもその制服を着るのが私達の国だけの習慣とはならなかったのがこれまた凄いこと。
毎週の様に訪れる同盟国の王様達が制服と言うのを知ってちゃっかり自分達の国でも広めたのだ。
おかげでお母さんの仕事は順調にうなぎ上りに。
お母さんだけでない。お父さんもだ。
お母さんの作る制服に細かな飾り細工やベルトなどの金具類はお父さんの工房で作っているからね。
その為、お父さんもお母さんもほぼ休みなしで仕事をしているような状況。
今やお父さんとお母さんの事を知らない人はいないぐらい有名となった。
とてもありがたい話だが、少し2人の体が心配になるのだが、両親はちゃんと自分達なりに休みをとってるから大丈夫だと笑って話す。
ちなみに、今目の前にいるナナちゃんの来ている制服は今年の新作の制服だ。
見た目はスポーティーな感じだが、細かいところにリボンやフリルなどの飾りを付けてあって、女の子らしさも備わった制服。
ちゃんとスカートとズボン両方あり、その日の気分や仕事内容で着わけができ?ようになっている。
凄くよく似合っていてとても可愛い。
ちなみに、お母さんはギルドの制服だけでなく、商人や冒険者などが着る服もいくつか作っている。
他にも普段着に来れる服も手掛けていて、それこそ赤ちゃん服からお年寄りまで着れる様に様々なバリエーションの服を毎日作り上げている。
お母さんに負けじと、お父さんも子供が取り扱える小型から見たこともない形状をした剣や刀などをつくっていて、それがまた大人気なのだとか。
あと、普段農作業とかに使う農具や工具なんかも作り出していて、この世界の農家さんに重宝されている。
今やお父さんとお母さんはこの世界になくてはならないに。
沢山の収入を得ているのにも関わらず、傲慢なたいどは一切取らず、この世界に来た時からまったく性格が変わらない。
過剰に得た収益は、孤児院の運営や自事業を始めた人達の運営資金になどに回しているのだから、誰もお父さん達を悪くいう人はいない。
そんな事もあり、私達一家はますます人気者となった。
そんな事もつゆ知らないのが当事者のみと言うのが、いつメン達の頭を抱える問題なのだ。
世の中にいる全ての人が善人ばかりではないのだからね。
しかし、この世界に来た時から変わらない善人をと取り越した、お人好しの性格のままの私達一家。
そんな私達は欲深い人間からしたらカモネギ状態なのだ。
だからドラしゃんは私とお兄ちゃんが冒険者になるのを反対していたのだ。
(多分それだけではないだろうが...)
「ところで、今日はどんな御用で?」
再度、ギルドの受付にてナナちゃんに声をかけられて我に帰る私達。
「今日は私とお兄ちゃんの正式な冒険者登録をお願いします!」
私がそう大きい声で言うと、ギルド内にとんでもないざわめきが起きた。
「本当に登録しても...大丈夫...なのですか?」
ナナちゃんは私とお兄ちゃんではなく、私達の後ろにいる多数の保護者に確認をしていた。
皆が首を縦にふるので、ナナちゃんは私とお兄ちゃんの冒険者登録を開始した。
ギルドの奥に行くナナちゃん。
するとナナちゃんだけでなく、ギルド受付総務を担当するコイムさんが一緒に出てきた。
改めて私達じゃなく後ろの多数の保護者達に冒険者登録をしていいのかを確認する。
「本当にしてもよろしくのでしょうか?一度すれば、余程のことがない限りは登録を抹消できませんよ?」
コイムさんは焦った感じで確認をしていた。
すると、ロドじぃーちゃんがぐいっと身を乗り出してコイムさんに説明をした。
「いいか。一度しかいわねぇーぞ。ギルドマスターの俺とその他のメンツがいいって言ってるから登録をしろ!詳しい説明は俺からこの2人にする!
早くしねぇーと、過保護大魔王の機嫌が変わるかもしれねぇーんだからよ!
この機を逃したらコイツらはいっーーーーっしょう冒険者登録ができないんだからな!その方がお前、恨まれるぞ。」
ロドじぃーちゃんの言葉を聞いて、コイムさんは私とお兄ちゃんをチラッとみた。
私とお兄ちゃんはコイムさんに"お願い!!"っと念を込めて見つめ返した。
「わかりました。では登録をさせて頂きます。ちゃんと詳しい説明は頼みますよ!」
そう言ってコイムさんはナナちゃんに登録するよう伝えた。
ナナちゃんは書類を持ってきて、私とお兄ちゃんに書くよう促した。
「こちらを全て記載して下さい。」
私とお兄ちゃんはナナちゃんから受け取った用紙をマジマジとみつめる。
記載られている内容が多く直ぐには書けないので、待合の1箇所を借りてゆっくりと内容を確認することにした。
「大丈夫です。かけましたらまた、声をかけて下さい。」
ナナちゃんに御礼を言って皆でギルドの待合の空いている隅の方へ行って、用紙の内容を確認する事に。
周りからの視線を沢山浴びるが、気にぜずに用紙に目を通す。
「えっと、名前と年齢、性別も書くのね。あれ?この"契約獣魔"の所はどうしたらいいの?」
私は側にいたロドじぃーちゃんに質問した。
「あー、そこか。"テイマー"っていうスキルを持っていて、契約している魔獣が居たらそこに書かないといけないんだ。契約した魔獣が増えるたびにな。」
そう説明してくれるのはわかるが...。
「【聖獣】達はどうなるの?」
そうなんですよ。私とお兄ちゃんが契約しているのは獣魔ではなく、【聖獣】なのだ。
しかも、かなり数がいる。
全て記載しないといけないのか?と疑問に感じたのでそのまま質問すると...
「え?!そうだなぁー...【聖獣】は、獣魔とは違うからなぁー...でも側に連れて行動するなら...どうする?スティールミ?」
ロドじぃーちゃんは自分だけでは判断できずルミばぁーちゃんに助けを求めた。
「はっ?!そんなの私がわかる訳ないだろう?!冒険者ギルドのギルドマスターはお前さんだろう?!お前さんが決めな!」
ルミばぁーちゃんに一喝されて凹むロドじぃーちゃん。
どうしようと悩んでいるとお兄ちゃんも質問する。
「あのう...この適性能力と職業って何を書いたらいいんですか?」
お兄ちゃんの質問にも固まるロドじぃーちゃん。
どうしたものかと悩んでいると。
『やれやれ。登録する前の段階でこれですか?だから、やめた方がいいと悩んで言ったのに...。でも、今更ダメだと言ったら2度とお2人には口を聞いてもらえなさそうなんで諦めますが、【聖獣】は魔獣とは違うのでそこの蘭には【聖獣】と契約済みとだけ書いておくとよろしいでしょう。後は、ギルドマスターがどうにかしますので。
適性能力と職業の所は空白でも構いません。受付でわからないと言えば、登録前に検査をしますので。
まぁー、わからない所は空白で大丈夫です。あとは、ギルドマスターがなんとかしますので。ねぇ?』
そう言ってロドじぃーちゃんを横目で見つめるドラしゃん。
ロドじぃーちゃんはただ首を縦に振るだけだった。
そうか。ロドじぃーちゃんがギルマスだからどうにかしてくれるのか!そう思ったら私もお兄ちゃんも残りの部分をパパパッと埋めていく。
「できた!お兄ちゃんは?」
「うん。できたよ。」
「じゃーナナちゃんの所へ行こう。」
私はお兄ちゃんと一緒に書き上げた書類を持ってナナちゃんのいる受付へと向かう。
「そうだった。後で俺が書いてやればいいのか。」
「あんた、何のためのギルドマスターなんだい?」
私とお兄ちゃんの後ろでボソボソ呟くロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃん。
それをやれやれという様子で見る他のメンバーだった。
リン:
やっと登録できそうだね^ ^
アキラ:
楽しみだね^ ^
リン:
お兄ちゃん、一緒に冒険に行ってくれる?
アキラ:
もちろんだよ^ ^
そして、ドラしゃんの3人で押し問答を繰り返していた。
押し問答と言っても、軽く私達兄妹があしらわれているだけなんだけど、それでも今回は粘った。
ドラしゃんの顔を見ては、"登録させて!""冒険者がダメなら、商業者でも!"
"他の人も登録してるのに!"と、私とお兄ちゃんが言えば...。
『何を言ってるのですか?冒険者なんて...まだまだ早いですよ。アキラ様はもつ既に登録しているではないですか?
それに、商業者はそれなりに商売になるものがないと無理ですよ。
あと、他の人が登録してるからって...。他所は他所。うちはうちです。
他の人がしていても、私が駄目と判断したら駄目です。』
の一点張り。
ドラしゃんは昔から私達に甘い反面、変な所で頑なに拒否をするのだ。
例えば、あれが欲しい、コレが欲しいと言えば、普通の親や保護者なら"どれか一つにしなさい!"か、"この前買ったでしょう。今回は我慢しなさい!"と言って、"我慢"をさせて"我慢する事"を覚えさせるもので、"我慢"と言う行為と共に、物のありがたみや金銭感覚を少しずつ身につけされるものが教育というものなのだが...。
しかし、ドラしゃんは違ったの。
私やお兄ちゃんが欲しいと言うものは、大抵のものはすぐ用意してくれた。
しかも、王様や国王様達を下僕の様にこきつかってでも直ぐに揃えてくれたの。
もちろん私達の両親が止めに入って、八割近くは阻止ししてたけどね。
が、ニ割はドラしゃんが押し通してたね。
そんな甘々な面がありながらも、私がお母さんやナナばぁーちゃん達と一緒に包丁を使って料理をしたいと言えば、全力を持って阻止しようとするし...。
女の子なので、料理に興味を持つ事はいいよね?包丁で指を怪我しながら、包丁の扱い方、物の切り方を覚えていくものだ。
しかし、それをドラしゃんが許さなかったの。
私が怪我してまで料理をするぐらいなら、餓死を選べと言うのよ!!ありえないでしょう?!!
そのぐらい極端な保護者なの。
その為、あの手この手で色んな人に協力してもらいながら、私は料理を覚えたけどね。
料理だけでなく裁縫もだ。
とにかく、私が怪我をする様なものは全てドラしゃんによって却下されていったのよぉ~。
でもお兄ちゃんは、私程は酷くはなかったのよ!
私より先に冒険者登録して、冒険で街のちょっとすぐ側までなら出してもらえてるし!
もちろん一人ではないけどね。ムキじぃーちゃんかドムじぃーちゃん達の誰かが常に一緒だけどね。
あっ、ちなみに後になって知ったんだけど、お兄ちゃんは冒険者登録をしているんだけど、それは正規の冒険者登録ではなかったんだって!
仮の冒険者登録で、実際には冒険者登録がされてない為、単独では依頼をこなすことができないし、例えこなせたとしても、収入は入らずギルド預かりとなっていたんだって。
しかも、その事を知ったのも最近の話なのよ!!
それはそれは、お兄ちゃん...かなりショックを受けていたわ。
この事を知ったのは、アサくん達兄妹の話を聞いて直ぐに、アサくん達にギルドカードを見せて貰ったからなんだけどね。
アサくん達兄妹のギルドカードは、ちゃんと冒険者登録の印として、剣のマークが描かれていた。
しかし、お兄ちゃんの持っているのはロドじぃーちゃんお手製の手書きのガードだったの。
剣のマークの代わりに、ロドじぃーちゃんのサインが書かれていて、レアと言えばレアなガードだが...全く意味のないガードなんだって。
それを知ってすぐにお兄ちゃんは、ロドじぃーちゃんの所へ行ってたわ。
「ロドじぃーちゃん!どう言うことですか?なんで、僕のガードは皆と違うんですか!」
ギルドで仕事をしていたロドじぃーちゃんを見つけて、問いただすお兄ちゃん。
そんなお兄ちゃんに、気まずそうにして話すロドじぃーちゃん。
「実はなぁー...。」
なんと、お兄ちゃんの冒険者登録を阻止していたのは、他の誰でもなくドラしゃんだったの。
一度冒険者登録をしてしまえば、原則として引退もしくは死亡するまで、冒険者として仕事をしなくてはいけない。
でも、私達家族はこの世界とは違った世界で過ごしていた人間。
ある程度の理解のある両親と違って、私達は幼かった。
そんな事もあり、頑なにドラしゃんが登録を阻止したのだ。
私達がもう少し、ことの分別をはっきり理解できるまでは...と言って。
なら、今ならいいのでは?!
と思ってみたものの...だ。
こうも説得が難しいとは...思わなかった。
私達が住んでいる街に限らず、他の四方の街に住んでいる者の中で、適正年齢が来ているにも関わらず、登録をしていないのは私達兄妹だけだみたいなの!
こうなったら、同盟国の王様達の力を借りて!!と思ってみたが、...。
皆からもちろん丁寧に拒否られましたよ。
理由は簡単だった。ドラしゃんだ。
ドラしゃんを敵に回すぐらいなら、ってやつですよ!!
悔しくって、二人で凹んでいるとルミばぁーちゃんが声をかけてきた。
「どうしたんだい?二人して。」
私とお兄ちゃんは、ルミばぁーちゃんにことの顛末を話した。
すると、大笑いするルミばぁーちゃん。
私とお兄ちゃんは、少しムッとした表情でルミばぁーちゃんを見た。
すると、ルミばぁーちゃんは笑いを堪えながらも、私達に笑った説明をしてくれた。
「ごめんよ。あんた達のやりとりが、出会った時からちっとも変わってないからねぇ~。思わず笑っちまったよ。
あんた達からしたら、もういい歳が来たから冒険者登録をしたいのは、ずっと見てきていたからわかるさ。
しかしね、相手が悪いよ。
あんた達が説得しようとしているのは、この世界最強の人物だよ?
しかも、誰もが認める過保護な保護者だ。
まぁ~、しかし...このままあんた達だけずっと登録しないでおくのもあれだからね...。このさいだ、皆で説得でもしてみるかい?」
ルミばぁーちゃんがそう提案してくれたのだ。
こうして、過保護な保護者を含めて私達兄妹の保護者達が、ギルドの会議室に集まって話し合いをする事になった。
もちろん議題は、私とお兄ちゃんの冒険者登録についてだ。
議題を聞いた瞬間、過保護な保護者が一言。
『却下』
そう言って、会議を終わらせようとした。
そのため、私は両目一杯ニ涙を浮かべドラしゃんをみつめてやったさ!
すると、さすがのドラしゃんもタジタジに。
なんとか、会議を続行に持ち込めた。
「フレアよぉ~。冒険者登録だけでもさせてやったらどうだ?」
「そうそう。冒険者として、冒険をするのはとりあえず置いといて、登録だけでもさせてやろうぜぇ。」
「そうだよ。あまりにも、この子らが不憫だよ?リンなんて、年頃の女の子なんだよ?
自分で、服やらアクセサリーやらを買いたいだろうしねぇ?」
「アキラだって、一応新米の冒険者として依頼は少しずつこなしてきてたんだからよ。(収入は、ギルド預かりだけどよ。)」
「あんさんも、しぶとい人ですわぁー。登録ぐらい、かましませんやろ?」
「そうですよ。登録だけでも...ね?」
ムキじぃーちゃんをはじめ、ルミばぁーちゃん、ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、モッケしゃん、ラミィお兄ちゃん達が、ドラしゃんの説得に取り掛かってくれた。
そうなんです。冒険は二の次として、まず冒険者登録をしたいのです。
じっーと、皆の視線がドラしゃんへ向けられる。
ドラしゃんは、はぁーと溜息を吐いて口を開いた。
『分かりました。では、冒険者登録のみ許可します。あくまでも、登録のみですよ?よろしいですね?』
なんと、ようやくドラしゃんから冒険者登録の許可が降りたのだった。
「ドラしゃん!ありがとう!大好き!」
私はそう言って、ドラしゃんに抱きつくと、ドラしゃんはそんな私をそっと優しく抱きしめた。
『お嬢様。よろしいですか?あくまでも、登録のみ許可したのですからね?』
「うん。ありがとう。」
その時の私は、ドラしゃんの言葉の本当の意味を理解していなかった。
登録を許可してもらえた嬉しさのあまりにだ。
この後とんでもない騒動を起こすとは、この時の私は思いもしなかった。
なんとか皆に説得してもらって、ドラしゃんから冒険者登録の許可を貰った私とお兄ちゃん。
ドラしゃんの気が変わらないうちにと、そのまま皆揃って冒険者登録に向かった。
ギルドの受付で見慣れた顔の職員さんが出迎えてくれた。
まぁーこの街で、私達を知らない人はいないんだけどね。
いたとしたら、その人はもぐりかなんかだろう。
何せこの街にいる皆は、私達が幼い頃からの付き合いのある人達ばかりだ。
私とお兄ちゃんが満面の笑顔で、大御所達を引き連れて受付に現れたのを見た職員さん達は驚きつつも色々察してくれた。
「あら?!リンちゃんにアキラくん。それに...えっ?!皆さん勢揃いで...また...何事ですか?」
私達の行った受付で対応してくれたのは、晴れてギルドの職員になれたナナちゃんだ。
小さな頃からナサちゃんとギルドの仕事も手伝っていたナナちゃん。
物覚えもいいし、仕事も真面目にこなす事から正式なギルド職員として最近採用された。
「ナナちゃん!その服!!良かったね。ギルドの職員さんになれたんだ!」
私はナナちゃんの姿を見て興奮した。
最初の頃はギルドの職員は、自分の私服を着用して仕事をしていたのだが、それをみたお母さんが、プライベートと仕事を見た目から分けた方がいいと言って"制服"を考えて、まずギルドの職員に着せたのが始まりだ。
もちろん男女別々にデザインされたものなんだけど、制服のカラーバリエーションも豊富な上に、デザインも沢山の種類があるの。
するとそれがかなりの高評価を得て、この世界で初めて冒険者や兵士以外で専用の制服を着て業務にあたる習慣ができたのだった。
ちなみに各街のギルドごとに制服の色とデザインは変えてあるだって。
女性の場合は、ズボンとスカート両方選べるようにしてあって、ちゃんと着る側の意見を聞き入れて、2年に一回制服のデザインも変えている。
作るのはもちろんお母さん。
と言いたいところだが、お父さんとお母さんが立ち上げた工房はいつの間にか弟子入り志願者や働かせて欲しいという志願者が増えて、工房を改築して大きくしている上に各街で支店まで出している状況だ。
だから、従業員と共にお母さんが作っている。
しかもその制服を着るのが私達の国だけの習慣とはならなかったのがこれまた凄いこと。
毎週の様に訪れる同盟国の王様達が制服と言うのを知ってちゃっかり自分達の国でも広めたのだ。
おかげでお母さんの仕事は順調にうなぎ上りに。
お母さんだけでない。お父さんもだ。
お母さんの作る制服に細かな飾り細工やベルトなどの金具類はお父さんの工房で作っているからね。
その為、お父さんもお母さんもほぼ休みなしで仕事をしているような状況。
今やお父さんとお母さんの事を知らない人はいないぐらい有名となった。
とてもありがたい話だが、少し2人の体が心配になるのだが、両親はちゃんと自分達なりに休みをとってるから大丈夫だと笑って話す。
ちなみに、今目の前にいるナナちゃんの来ている制服は今年の新作の制服だ。
見た目はスポーティーな感じだが、細かいところにリボンやフリルなどの飾りを付けてあって、女の子らしさも備わった制服。
ちゃんとスカートとズボン両方あり、その日の気分や仕事内容で着わけができ?ようになっている。
凄くよく似合っていてとても可愛い。
ちなみに、お母さんはギルドの制服だけでなく、商人や冒険者などが着る服もいくつか作っている。
他にも普段着に来れる服も手掛けていて、それこそ赤ちゃん服からお年寄りまで着れる様に様々なバリエーションの服を毎日作り上げている。
お母さんに負けじと、お父さんも子供が取り扱える小型から見たこともない形状をした剣や刀などをつくっていて、それがまた大人気なのだとか。
あと、普段農作業とかに使う農具や工具なんかも作り出していて、この世界の農家さんに重宝されている。
今やお父さんとお母さんはこの世界になくてはならないに。
沢山の収入を得ているのにも関わらず、傲慢なたいどは一切取らず、この世界に来た時からまったく性格が変わらない。
過剰に得た収益は、孤児院の運営や自事業を始めた人達の運営資金になどに回しているのだから、誰もお父さん達を悪くいう人はいない。
そんな事もあり、私達一家はますます人気者となった。
そんな事もつゆ知らないのが当事者のみと言うのが、いつメン達の頭を抱える問題なのだ。
世の中にいる全ての人が善人ばかりではないのだからね。
しかし、この世界に来た時から変わらない善人をと取り越した、お人好しの性格のままの私達一家。
そんな私達は欲深い人間からしたらカモネギ状態なのだ。
だからドラしゃんは私とお兄ちゃんが冒険者になるのを反対していたのだ。
(多分それだけではないだろうが...)
「ところで、今日はどんな御用で?」
再度、ギルドの受付にてナナちゃんに声をかけられて我に帰る私達。
「今日は私とお兄ちゃんの正式な冒険者登録をお願いします!」
私がそう大きい声で言うと、ギルド内にとんでもないざわめきが起きた。
「本当に登録しても...大丈夫...なのですか?」
ナナちゃんは私とお兄ちゃんではなく、私達の後ろにいる多数の保護者に確認をしていた。
皆が首を縦にふるので、ナナちゃんは私とお兄ちゃんの冒険者登録を開始した。
ギルドの奥に行くナナちゃん。
するとナナちゃんだけでなく、ギルド受付総務を担当するコイムさんが一緒に出てきた。
改めて私達じゃなく後ろの多数の保護者達に冒険者登録をしていいのかを確認する。
「本当にしてもよろしくのでしょうか?一度すれば、余程のことがない限りは登録を抹消できませんよ?」
コイムさんは焦った感じで確認をしていた。
すると、ロドじぃーちゃんがぐいっと身を乗り出してコイムさんに説明をした。
「いいか。一度しかいわねぇーぞ。ギルドマスターの俺とその他のメンツがいいって言ってるから登録をしろ!詳しい説明は俺からこの2人にする!
早くしねぇーと、過保護大魔王の機嫌が変わるかもしれねぇーんだからよ!
この機を逃したらコイツらはいっーーーーっしょう冒険者登録ができないんだからな!その方がお前、恨まれるぞ。」
ロドじぃーちゃんの言葉を聞いて、コイムさんは私とお兄ちゃんをチラッとみた。
私とお兄ちゃんはコイムさんに"お願い!!"っと念を込めて見つめ返した。
「わかりました。では登録をさせて頂きます。ちゃんと詳しい説明は頼みますよ!」
そう言ってコイムさんはナナちゃんに登録するよう伝えた。
ナナちゃんは書類を持ってきて、私とお兄ちゃんに書くよう促した。
「こちらを全て記載して下さい。」
私とお兄ちゃんはナナちゃんから受け取った用紙をマジマジとみつめる。
記載られている内容が多く直ぐには書けないので、待合の1箇所を借りてゆっくりと内容を確認することにした。
「大丈夫です。かけましたらまた、声をかけて下さい。」
ナナちゃんに御礼を言って皆でギルドの待合の空いている隅の方へ行って、用紙の内容を確認する事に。
周りからの視線を沢山浴びるが、気にぜずに用紙に目を通す。
「えっと、名前と年齢、性別も書くのね。あれ?この"契約獣魔"の所はどうしたらいいの?」
私は側にいたロドじぃーちゃんに質問した。
「あー、そこか。"テイマー"っていうスキルを持っていて、契約している魔獣が居たらそこに書かないといけないんだ。契約した魔獣が増えるたびにな。」
そう説明してくれるのはわかるが...。
「【聖獣】達はどうなるの?」
そうなんですよ。私とお兄ちゃんが契約しているのは獣魔ではなく、【聖獣】なのだ。
しかも、かなり数がいる。
全て記載しないといけないのか?と疑問に感じたのでそのまま質問すると...
「え?!そうだなぁー...【聖獣】は、獣魔とは違うからなぁー...でも側に連れて行動するなら...どうする?スティールミ?」
ロドじぃーちゃんは自分だけでは判断できずルミばぁーちゃんに助けを求めた。
「はっ?!そんなの私がわかる訳ないだろう?!冒険者ギルドのギルドマスターはお前さんだろう?!お前さんが決めな!」
ルミばぁーちゃんに一喝されて凹むロドじぃーちゃん。
どうしようと悩んでいるとお兄ちゃんも質問する。
「あのう...この適性能力と職業って何を書いたらいいんですか?」
お兄ちゃんの質問にも固まるロドじぃーちゃん。
どうしたものかと悩んでいると。
『やれやれ。登録する前の段階でこれですか?だから、やめた方がいいと悩んで言ったのに...。でも、今更ダメだと言ったら2度とお2人には口を聞いてもらえなさそうなんで諦めますが、【聖獣】は魔獣とは違うのでそこの蘭には【聖獣】と契約済みとだけ書いておくとよろしいでしょう。後は、ギルドマスターがどうにかしますので。
適性能力と職業の所は空白でも構いません。受付でわからないと言えば、登録前に検査をしますので。
まぁー、わからない所は空白で大丈夫です。あとは、ギルドマスターがなんとかしますので。ねぇ?』
そう言ってロドじぃーちゃんを横目で見つめるドラしゃん。
ロドじぃーちゃんはただ首を縦に振るだけだった。
そうか。ロドじぃーちゃんがギルマスだからどうにかしてくれるのか!そう思ったら私もお兄ちゃんも残りの部分をパパパッと埋めていく。
「できた!お兄ちゃんは?」
「うん。できたよ。」
「じゃーナナちゃんの所へ行こう。」
私はお兄ちゃんと一緒に書き上げた書類を持ってナナちゃんのいる受付へと向かう。
「そうだった。後で俺が書いてやればいいのか。」
「あんた、何のためのギルドマスターなんだい?」
私とお兄ちゃんの後ろでボソボソ呟くロドじぃーちゃんとルミばぁーちゃん。
それをやれやれという様子で見る他のメンバーだった。
リン:
やっと登録できそうだね^ ^
アキラ:
楽しみだね^ ^
リン:
お兄ちゃん、一緒に冒険に行ってくれる?
アキラ:
もちろんだよ^ ^
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