異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳

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第四章 新しい国誕生!〜国の設立と同盟〜

4-59 夢の中で...そして同盟国の王様達が

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 私達家族は、それぞれ幸せな夢を見ていた。

お父さんは、昔の夢を見ていた。
自分の子供の頃のときや、大人になってお母さんと出逢ったときの夢を。
そして、お母さんと結婚して、お兄ちゃんが産まれた時と私が産まれた時の夢を顔をニヤつかせながらみていた。

お母さんもそんなお父さんの隣で昔の夢を見ていた。
お父さんと出逢ったときことや初めてのデートのとき。
お父さんからプロポーズされ、結婚式をあけたときのこと。
お兄ちゃんを妊娠した時や出産のとき。
私を妊娠した時、産まれた時の夢を。

お兄ちゃんは、この世界に来た時の夢を見ていた。
初めてドラしゃんと会ったとき。
ムキじぃーちゃんに会ったときなどの夢を見ていた。

私は...と言うと、夢なのに【大聖霊】達と話をしていた。
場所は、見た事もない綺麗な場所だった。いろんな色や形をした花や植物。
樹々も植っていた。

『主人殿。夢の中で申し訳ないです。
皆で、主人殿に伝えたい事がありまして、夢の中にお邪魔させて頂きました。』

『夢だから、身体には負担はないからね。』

『主人のみと話がしたかったからな。夢でないと色々と邪魔が入るからな。』

そう話す、ドライアド、ノーム、ウンディーナ。

私は、とりあえずふわふわの椅子に座った状態だったので、そのまま皆の話を聞くことに。

「はなし?どんなはなし?」

私は首を傾げながら質問すると、皆が私の周りを囲みながら座り話し出す。

『これから話す事は、決して誰にも話さないで下さい。』

『両親や兄貴にもだね。』

『もちろんフレアやムキファー達にもだ。』

そう念押しされて、不思議に思いながらも私は頷く。
なぜなら、これが夢なら目が覚めたら忘れると思ったからだ。

私がじっと聞く姿勢にある事を確認した【大聖霊】達は、本題を話し始める。

『主人殿を付け狙う相手についてですが。あれは、人間であって人間にあらず。異様のような者です。』

『完全に、"闇"に落ちた者だね。』

『"闇"と言っても、我々が管轄する闇とは違ったもの。』

『アレに取り込まれたら、2度と人としても他の生き物としても生まれ変わるのは不可能だ。』

『しかも、彼奴は"執念"と"憎しみ"だけで形成された者だ。
とても脆い上に、しぶとく強い。』

『我々【大聖霊】とて、どうにもならぬ相手です。』

深刻な顔をして話す彼ら。
しかし、私にはなんのことかさっぱりわからなかった。

真剣な表情の彼らとは正反対のキョトンとした表情をする私を見て、なんとも言えない表情を浮かべる【大聖霊】たち。

『やっぱり主人殿には、難しい内容でしたね。しかし、主人殿にしか彼奴を退治する事ができないのです。』

ドライアドにそう言われて、なおキョトンとする私。

本当に何のことかさっぱりわからない。
なぜ私?

そんな風に思っていると、オリジンが私を抱き抱えてわかりやすく説明してくれた。

『よっこらせっと。おチビ。よく聞いてくれよ。おチビは、【大聖霊】と言われる俺たち全員と契約してるんだ。
しかも、こんな幼さでた。
それにな、おチビはこの世界の誰よりも魔力量が多い上に、誰よりも純粋で寛大な心を持っている。
それは、誰よりも強く尊い事だ。
だから、簡単に言うと【大聖霊】である我らより主人であるおチビの方が強いんだ。』

そう言いながら、私の頭を撫でくりまわすオリジン。

私はオリジンが最後に言った私の方が強いと言う言葉のみなんとなく理解した。

『お前が望めば、この世界全てがお前の望むようになる。言い方を変えれば、お前の気持ち一つでこの世界は滅びもする。
だから、今のままであって欲しい。』

「いまのまま?リン、おとなになったらダメなの?」

私がそう言うと、【大聖霊】達は一瞬間抜けな表情をうかべたかとおもったら笑い出した。

私は何かおかしな事を言ったのかと思い、不思議そうにしていると皆にハグをされた。

『主人が主人であってくれる事が、我らの望み。』

『主人は大人になっても大丈夫だよ!』

『大人になった主人を見るのは楽しみだなぁー!』

『素敵なレディーになって、世の中の男どもを虜にしているかもなぁー。』

『主人、大人になって大丈夫だよ!』

『大人になっても、今の気持ちを忘れずにいて欲しい。』

『どんな姿になっても、主人であってくれたら我々はそれで十分。』

『主人が"主人である事"が大事なんだよ。』

そう口々に言われて私は、驚き半分嬉しさ半分だった。

「リン、すてきなレディーになるね。おとなになっても、みんなわたしのそばにいてね。」

私が笑顔でそう話すと、皆とても嬉しそうな表情をしてくれた。

『主人。忘れないで欲しい。主人だけがあの黒い奴を倒せるんだ。
倒し方は、主人しか知らない。
我々が出来るのは、主人を護ことのみ。』

皆にそう言われたので、私は頷いた。
自分にしかできない事と言われたのもあったが、幼い自分でも何かができる事がわかったので、頑張ろうと思ったからだ。

いつも誰かに守られてばかりの自分が、誰かのためにできる事があるのだから。
それが、例え夢の中での話でも私には嬉しい事だったのだ。

【大聖霊】達に囲まれ、ハグされて幸せな時間を過ごした。
他にもいっぱい何かを言われたが、もうどうでも良かった。

『....!....!』

遠くの方から、何やら声が聞こえて来た気がした。

すると、私を囲んでいた【大聖霊】達は私をゆっくり降ろして、最後にもう一度同じ言葉を私に語りかけた。

『いいですか?主人。忘れないで欲しい。主人だけがあの黒い奴を倒せるんだ。倒し方は、主人しか知らない。
我々が出来るのは、主人を護ことのみ。』

そう言って、彼らは姿を消した。
【大聖霊】達が姿を消したので、私は微かに聞こえる声に向かって歩きだす。

 声がする方へゆっくり歩いていくと、段々と視界が明るくなって来た。
明るいというか、もう眩しいぐらいだった。

私は思わず目を瞑った。

「リン!朝だよ!起きて!」

声と共に体が揺さぶられて、私は閉じていた目を開けた。
すると、目の前にお兄ちゃんの顔が。

「お兄ちゃん?」

「リン!良かった。全く動かなかったから心配したよ。」

私が目を開けて、お兄ちゃんと呼ぶとホッとした表情を浮かべる。

周りをよく見ると、自分達の部屋のベッドの上にいた。

「お兄ちゃん?どうしたの?リンねてただけよ?」

私はそう言って、まだ眠い目を擦すりベッドから起きた。

「リン、全く動かないし...息も弱かったから怖かったよ。」

そう言って、お兄ちゃんは私の頭をそっと撫でてきた。

「でも、リンがどうもないなら安心したよ。着替えようか?」

そう言って、お兄ちゃんはパジャマを抜き出した。

私も着ていたパジャマを脱いで、今日の服に着替えた。

この部屋は不思議で、本日着る予定の服やパジャマが何もしなくてもタンスの中から出てくる。

だから、何を着ようかと悩む事は一度もなかった。
しかも、必ず私とお兄ちゃんはペアルックなのだ。

私とお兄ちゃんは服を着替えて部屋を出た。

部屋を出ると私達を起こしにきたのだろう、両親がドアをノックする姿勢で立っていた。

「あら、アキラにリン。起きてきたのね。朝ご飯の用意できてるわよ?」

「久しぶりにゆっくり寝てたみたいだね。ご飯が冷めないうちに食べるぞ?」

そう言って、私とお兄ちゃんをそれぞれ抱き抱えて一階に降りる両親。

下に降りていくと、リビングにはすでにドラしゃんとムキじぃーちゃんが待っててくれた。

久しぶりに食べる家での朝ご飯。

私とお兄ちゃんは、ドラしゃんとムキじぃーちゃんに朝の挨拶をしてそれぞれの席に着いた。

皆揃って朝食をたべる。

今日の朝ご飯は、厚焼き卵、キノコたっぷりの味噌汁、キュウリの浅漬け、焼き魚にサラダ。
あと、デザートにいちごがあった。

旅の道中の料理もお母さんが作ってくれた物を食べていたが、家でこうして出来立てを食べる方が何倍も美味しかった。

家族でワイワイと話をしながら朝ごはんを食べていると、玄関をノックする音がした。

ドラしゃんがそれに気づいて玄関へ。
すると、聞き慣れた声が玄関から聞こえてきた。

しばらくしてドラしゃんが戻ってきた。
そして、ムキじぃーちゃんに何やら耳打ちしていた。

「どうかしたんですか?」

お父さんが心配そうな顔をして、ドラしゃんに声をかけると、ドラしゃんはにっこり微笑んで答えた。

『大丈夫です。少し、ギルドの方でトラブルがあったみたいなんで、ムキファーを連れて行きます。
皆さんはゆっくりしていてください。』

そう言って、まだ朝ご飯を食べ続けているムキじぃーちゃんを引きずって行こうとするドラしゃん。

「ちょっと待てよ!これだけ食べさせてくれ!」

そう言って、ムキじぃーちゃんは厚焼き卵が乗った皿を持ちながらドラしゃんに嘆願した。

『なら、それごと持っていきましょうか?』

そう言って、ムキじぃーちゃんを引きずって行った。

私達は、ドラしゃんとムキじぃーちゃんを見送ってから朝ご飯の残りを食べた。

食べた後は、お庭の植物の水やりをして家の近くの畑と田んぼに行って、野菜の収穫状況を確認してからギルドへ向かうことにした。

私達がギルドへ行くとそこには、同盟国の王様達が勢揃いしていた。

私とお兄ちゃんは、彼らの元へ駆け足で近寄って行った。

「おおさまぁー!」

「王様!おはようございます!」

私とお兄ちゃんに気付いた王様達は手を振って迎えてくれた。

「リンにアキラ!おかえり!」

「おっ!おかえり!街ができたんだってなぁー!」

「おはようございます。ご苦労様でした。」

「少しは大きくなったか?」

それぞれ王様達は、私とお兄ちゃんをわしゃわしゃしだした。

何やかんや言いながらも、同盟国の王様達は私達を大事にしてくれる。
完全に親戚のおじさんといった立ち位置を確立しつつあった。

王様は息子である王子2人の様子を観にきたと言いながら、王子達より先に必ず私とお兄ちゃんの顔を見て見に来るのだった。
そして、必ず手土産をくれる。
他の同盟国の王様達も同様だ。

自分達の国で有名なお菓子やおもちゃを必ず手土産として持ってきてくれるのだった。

まるで孫を可愛がる祖父みたいな感じだねって、周りから言われるぐらいだ。

言われている当の本人達は、どうも思ってないのか...しまいには手土産の内容を競い出すしまつ...。

「そうだ、アキラ、リン!これ、今日の土産だ。俺の息子達と色違いの服だ!
サイズはセバスから聞いているから、ピッタリだぞぉ~。」

「はっ?!服だと?俺は、国で取れる鉱石で作った足輪だ。アキラとリンで中心の石は色違いにしてあるぞ!デザインはお揃いにしてあるからなぁ~。
 足輪の内側に、名前を掘ってあるからな。」

「俺は、以前お前達が美味しいって言っていた、饅頭屋の新作を持ってきたぞ!」

「私の方は、なぜか貴方達の所へ行くと言ったら契約獣魔達からこれを渡して欲しいって言われましてね。
沢山預かって来てますよ。」

そう言って、王様達は私とお兄ちゃんに手土産を渡してくれる。

王様からは、あの王子達とデザインがお揃いで色違いの服のセット。
ガジム国王からは珍しい鉱石を使った足輪を。
ファイン国王からは国で有名な饅頭屋の新作饅頭の詰め合わせを。
サイスン国王からは沢山の海のさちと海の宝石を。

私達はこれを貰って良いのか、後ろでいる両親に目配せすると呆れた顔をしていた。

それは両親だけでなく、この状況を見ている街の皆も同じだった。

 王様達が互いに顔を見合わせて歪みあっていると、ギルドの中からいつメンが出てきた。

「あっ!じぃーちゃんたちだ!おはよう!」

私はがそう言って笑顔で手を振ると、ギルドから出て来たいつメンは笑顔で私達に手を振ってくれた。

「おっ!アキラにリン!おはよう!」

「相変わらず元気そうだね。」

「どうしたんだ?その荷物?」

「どうせ、こいつらだろ?これ渡したの。」

『お嬢様。アキラ様。変態から物を貰っては危ないですよ?気を付けて下さいね。』

それぞれそう言って、地味に同盟国の王様達にダメージを与えていくのだ。

それでもへこたれないのが同盟国の王様達。

「はっ?何だお前達。俺たちが羨ましいのか?」

「そうだったのかぁー。まぁ~お前達で、こんな素敵な土産を用意できないからな。」

「嫉妬されるのも、我らがそれだけ彼らに良い物を渡していてる証拠でしょうね。」

「だな。なんたって、毎回持ってきた土産を喜んでくれているからなぁー。」

そう言って、やり返す王様達。

あのう...私達同盟を結んでるんですよね?仲良くする相手ですよね?

そう不安そうに、私達の方を見る街の人達。
その気持ちは、この中心にいる私とお兄ちゃんも同じ気持ちだった。

私とお兄ちゃんを囲んで、いつメンと同盟国の王様達が火花を散らせているのだ。

だいたい毎回こうなるのだ。

そして、これを止めるのも毎回...。

「良い加減にしてください!!!良い大人が!!毎回毎回!!
少しは学習をされないのですか!?
いつも言ってるでしょ?!
リンとアキラに毎回物を必要以上に与えないで下さいと!!
必要なものは、ちゃんと私達で与えます!!
リンとアキラが困った時のみでお願いします!!
でないと、二度とこの子達に合わせませんよ!!!!!」

そう言って、仁王立ちして説教するお母さんに対して、お母さんの気迫にタジタジのお偉いさん達。
その上、皆揃って地べたに正座している。

「返事は?!」

「「「はい!!!」」」

お母さんは、相手が王様だろうと関係ない。
私達に悪影響だと思ったら、こうして説教するのだ。

この光景を最初の頃は皆は驚いて見ていたが、今では慣れている。

皆の中のヒエラルキーの頂点は、私達のお母さんの様な気がするぐらいだ。

しかもこの街には、お母さんを崇拝する人が多い。
中には、お母さんに教えを乞う人がいるぐらいなのだ。

そんなお母さんの説教は続く。

「皆が、リンやアキラを可愛がってくれるのは分かってます!
しかし、この街にいる子供はリンとアキラだけではありません!
他にも子供はいます!満遍なくかわいがってください!あと、王様達!
私達の子供にこうして土産を購入したする余裕があるなら、自分達の国の子供達に何か還元してあげて下さい!
それでも余裕があれば、この子達にもお願いします!わかりましたか?!!」

お母さんが仁王立ちして目を光らせて王様達を睨みつけると...

「はい。」

「わかった。」

「わかりました。」

「すまない。」

大きな体をこれでもかと縮めて説教を聞く王様達。
今やこの街の名物になりかけている光景のひとつ。

「おおさま。ありがとうね。でも、つぎからは手ぶらできてね。」

「お土産より、一緒に遊んでくれる方が僕達は嬉しいです。」

私とお兄ちゃんがそう言うと、王様達は嬉しそうな顔をして約束してくれた。

「わかった!そうするぞ!」

「任せろ!」

「わかりました!」

「なんでもするぞ!」

王様達がそう言った瞬間だ。
いつメンが嬉しそうな表情を浮かべた。

「そうか、そうか。何でもしてくれるのか。」

「リン。アキラ。ユウダイ。ユイカ。お前達も一緒においで。」

「いやぁー、まさか王様達からそげな言葉を言ってもらえるとは思わなかったですなぁ~。もうけましたわ。」

「さすが王様となると、違うなぁー。」

「助かるぜ!」

『では、まいりましょうか。』

「「「「えっ?」」」」

いつメンはそれぞれ王様達の襟首を掴んでギルドへと向かう。

私達はその後を追っかけていく事に。
しかし、年々お母さん強くなっていくよね。

そう思いながら歩みを進めた。
お母さんが勝てない相手って...もういない気がする。

そう私とお兄ちゃんにお父さんも、そう思いながら皆の後に続いて歩いて行った。

ギルドの会議室に入り皆それぞれ自分達の席につく。

すると、ルミばぁーちゃんがおもむろに話し始める。

「今回皆に集まって貰ったのは、一つは予定より遥かに早く全ての主な街が、東西南北に完成した事だ。
あとは、それぞれの同盟国やここに住んでいる奴らが自由に移り住で発展させて行けばいい。
 もう一つは、例の黒服の奴についてだ。昨晩、奴は予想通り現れたよ。
しかし、本当に現れただけだ。
街の警備に当たった奴らで、かなり警戒して対応したんだがね、ひょっと現れて何もせずにずっと帰って行ったんだよ。」

ルミばぁーちゃんの言葉に唖然とする王様達一同。
それ以外にアクションをとったのは私達家族のみだった。

私達家族は呑気に寝ていたから一番驚いたよ。

他の皆は至って平然としていた。
そりゃそうだよね。
昨晩徹夜で警備に当たってくれていたから...。

とんだ内容から始まる今回の話し合い。
さて、無事に話は進むのか既に心配になるのだった。








リン:
お母さんに勝てる人いるのかなぁ?

アキラ:
いないね。

ユウダイ:
いない。

リン:
お父さんでも無理なの?

ユウダイ:
無理だな。












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