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第四章 新しい国誕生!〜国の設立と同盟〜

4-48 怪しい人物と接触?!そして...

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 翌朝、皆でもう一度南側の街で朝食を食べ、ギルドと街の名前を決める事にした。
私とお兄ちゃんも考えたが、これといって良い名前が思いつかなった。

しばらく悩んでいると、リュモさんとカカンさんがいい名前を決めてくれた。

ギルド名が、《リフレッチェル:憩いの窓》で、街の名前が《トレイニーデイル:森の管理者の憩いの地》と言う名前を付けてくれたのだ。
【大聖霊】達も大喜び。

ギルドに名前の書いた看板を付けて、街の入り口各方面にも街の名前を書いた板を貼り付けていく。

その間に、【大聖霊】達と聖霊【聖獣】達で南側の街と中心の街を繋ぐ道を造りに行ってくれた。

私とお兄ちゃん、ドラしゃんとムキじぃーちゃんは、ある程度道が完成したら後を追って行ける様に準備を進める。

すると、道を造りに行ったはずの【大聖霊】と【聖獣】達が急ぎ戻ってきた。

『大変です!主人。こちらに変な魔力を纏った者が1人近づいて来ています。』

『他の連中呼び戻して、非難するよ!』

『武器を持っている奴は、武器を構えて主人たちを護るんだ!』

彼らの想いもよらない言葉に、その場にただならぬ緊張が走る。

ドラしゃんは急ぎ街の外に看板をつけに行ったドムじぃーちゃん達に連絡をする。

ドラしゃんから連絡を受けたドムじぃーちゃん達が、血相変えて戻ってきた。

「どう言うこった?!フレア!ムキファー!」

ドムじぃーちゃんは、真っ青な顔をしてドラしゃんとムキじぃーちゃんに問い詰めてる。

「そんなのワシもわからんわい!こいつらに聞いてくれ!」

そう言ってムキじぃーちゃんは、【大聖霊】達を指さす。

皆の視線が【大聖霊】達に集中すると【大聖霊】達は早口で、自分達が見て来た事を伝えだす。

『中心の街へと道を造りに出かけ道を造っていると、見知らぬ気配を感じました。』

『よく見ると、禍々しいオーラと魔力を纏った人が南側の街へ向かってゆっくり歩を進めていたんだ。』

『一目見て、ヤバいと思って作業を中断して戻って来たんだ。』

『ソイツが何者で、なんの目的があって来ているのかはわからない。
でも、この街には主人たちがいる。』

『主人たちに何かあれば困る。だから皆で主人たちを護ろう!』

【大聖霊】達の言葉にを聞いて、ドムじぃーちゃん達は目線だけで話し合う。

そして、ドラしゃんは私とお兄ちゃんを抱き抱えて、ムキじぃーちゃん達はいつの間にか見た事もない武器を手に取って、南側の街から出ていく準備をする。

「せっかく出来た街を壊すのは勿体無いからな。
おい!道はどこまで出来ている?」

ムキじぃーちゃんは【大聖霊】達に質問すると

『半分ぐらいは完成してますわ。』

ドライアドが答えると、ムキじぃーちゃんは武器を持って中心の街へと向かっていく。

「お前さん達にお願いがあるんだが、とりあえず中心の街へと道を繋いでくれ。繋いだら、スティールミ達にこの事を伝えてくれ。」

「おねがいね。」

ムキじぃーちゃんと私の言葉を聞いて、【大聖霊】達は頷き残りの道を作成しながら中心の街を目指すために瞬時に移動した。

私達も周辺を警戒しながら道を移動することにした。なるべく街から離れる方が動きやすいし、修繕もしやすいと考えての選択だった。

しかし、戦闘に慣れているのはドムじぃーちゃん、ムキじぃーちゃん、ドラしゃんのみ。

後の人達は、戦闘に不慣れな人達ばかり。
【聖獣】達も戦闘に不慣れだが、私とお兄ちゃんを守る為か、普段と違ってピリピリした空気を出していた。

先頭はドムじぃーちゃんが歩き、真ん中を私とお兄ちゃんを抱えたドラしゃんが。

1番後ろはムキじぃーちゃんが歩き、ドムじぃーちゃんとムキじぃーちゃんの間に収まるように他の人達が歩いていた。

道の中間地点であろう、広めの休憩所が視界に入った時、相手の気配を諸に感じた。

皆は足を止めて、辺りを見回し警戒を強める。

すると、西側からこちらに向かって歩いてくる人影を視界の隅にとらえた。

それもなんとも言えない凶々しいオーラを放ちながらこちらに向かってゆっくりと歩いてくるではないか。

皆は戦闘態勢をとると、相手もこちらに気付いたのか歩みを止める。

どんな出方をするのか分からず、両者の睨み合いが始まった。

すると...相手から思わぬアクションがあった。

それは、私とお兄ちゃんに向けだった。

何やら念話みたいなのが私とお兄ちゃんに届いたのだ。
最初は何を言っているのか分からず、キョトンとしてしまったが、繰り返し話しかけてくる。

そして、言葉も最初は早口だったのが、私とお兄ちゃんが、理解していないのが分かるとゆっくりとなり、言っている事が理解出来る様になった。

その言葉とは...。

"やぁー。久しぶりだね。会いたかったよ。おや?その反応だと、僕の事は忘れているのかい?
 嘆かわしい。僕は一度たりとも、君たちのことを忘れた事はないのに...。
まぁ~いい。時間はたっぷりあるんだ。
ゆっくりと思い出してくれ。
 それにしても、【大聖霊】と【聖獣】とは、あらかた契約したみたいだね。
でも、まだまだのようだ。
肝心な奴らとは契約が出来てないようだしね。それでは、ダメだ。アイツらと契約して、本来の力を取り戻した君たちに、僕は用があるんだ。
 まぁ~。まだ幼そうだし...仕方がないかぁー。今日は君たちの顔を見に来ただけだから特に何もしない。
もう少し、君達が大きくなった頃に合わせて、少しずつ僕からのプレゼントを贈るよ。早く僕の事を思い出してくれよ。
その時を、楽しみにまっているからね。"

それを私とお兄ちゃんに、一方的に伝えると不敵な笑みを浮かべて相手は姿を消したのだった。

「なんだありゃ~。何しに来たんだ??」

「しかし、なんで気持ち悪いオーラを放つ奴なんだ...。」

『どうやら、お嬢様とアキラ様に用事がおありだったようで
おふたりのみに話しかけて来たようですね。
 この私を前にして、姑息な事を...。
お嬢様。アキラ様。大丈夫ですか?
後でゆっくり、奴が何を話したか教えてくださいね。』

ドラしゃんの台詞に皆は驚きを見せた。

そして、それが本当なのであると証明するように、私とお兄ちゃんはその人物がいた所を凝視したまま、顔を青ざめて固まってしまっていた。

『とりあえず、気配は完全に消えたので、問題はないとは思いますが...警戒はした方がいいでしょう。
 このまま中央の街へ戻りましょう。
そちらの方が安全なので。』

ドラしゃんのその言葉に、皆は頷いて警戒体制のまま休みを取らずに先を進んだ。

皆が歩いている中、私とお兄ちゃんはドラしゃんの服を掴んで小刻みに震えていた。

話しかけられただけなのに、寒気と恐怖感が押し寄せて来たからだ。
見た事も聞いた事もないはずの人物なのに、何故か"本能"が警告のアラームを放っていた。

しかし、全く記憶がないため余計いに恐怖が湧いてくる。

そんな私とお兄ちゃんの姿を見て、ドラしゃんは苦虫を噛んだような表情を浮かべていた。

それでも、私とお兄ちゃんを包む腕は暖かく、安心感を与えてくれた。

『大丈夫ですよ。必ず私が護りますから。』

ドラしゃんは、道中震える私とお兄ちゃんに繰り返し小声で呟いてくれていた。

その効果もあり、街に戻るまでには震えも恐怖感も落ち着いていた。

先に着いた【大聖霊】達から話を聞いていたルミばぁーちゃん達が、思いもよらない武装姿をして、私達をで迎えてくれたので思わず笑ってしまうぐらいには回復していた。

私とお兄ちゃんが笑っている姿をみて、ドラしゃん達はホッと胸を撫で下ろす。

ドラしゃんは、私とお兄ちゃんをお父さんとお母さんに預けると、それぞれの街の結界を強めた。

そして、この事は同盟国の国王達にも直ぐに伝えられることに。


 私達に見た事もない怪しい人物が接触して来たことは、瞬く間に街中...そして、同盟国の王様達に情報が広がっていった。

私とお兄ちゃん達が街に戻って直ぐに、各同盟国からそれなりに腕利きの冒険者が派遣されて来たのだ。

少しでも戦闘経験がある人が多い方が安全であろうと言う配慮だった。

しかし、それにそれについてはドラしゃんが丁寧に断りを入れてなぜか帰ってもらう事に。

王様達からは苦情が直ぐにきたが、下手に人が増えすぎると、だれが敵で味方かの区別が付きにくくなるし、今回はたまたま私達狙いだったが、次は違う可能性があるのでそれぞれの国もちゃんとした戦力を備えていた方がいいという考えに至ったからこその対応だとドラしゃんが意見を押し通した。

最初は渋るものの、同盟国に何かあってはこちらも困ると、ドラしゃんが丁寧に(軽く脅しをかけて)説明して納得させた。

各同盟国には、私達が遭遇した人物の絵と詳細を書いた紙を送りつけた。

そこには、私とお兄ちゃんだけに伝わった念話の内容も記した。

情報を共有するために、街に帰って直ぐに私とお兄ちゃんは、自分達だけに話しかけられた内容を全て話した。

それを聞いて、暴走しかけるドラしゃんを抑えつつも、ルミばぁーちゃんはちゃんと一語一句逃さずにメモをとり、正式な書類にしたためてくれていたのだった。

これを受け取った同盟国からは、情報を各ギルドに降ろし、情報が入り次第逐一連絡すると約束してくれた。

それからの、私達を取り巻く環境はのほほんな空気から一変することに。

街づくりを一旦休息して防衛力を高めることにしたのだ。

街では住人全員に対して出来るだけ自衛対策を身に付けさせるため、ラディじぃーちゃん、カシムじぃーちゃん、ロドじぃーちゃん、ムキじぃーちゃんを中心に冒険者達も手分けして、訓練を開始した。

これに関しては、街の住人達からの申し出もあったからこそ迅速に対応できたのだ。

自分達の身を守る事は、私達の身も守る手助けになるのではないのか?
この機に少しでも、私達に恩を返したいと。

ありがたい申し出が皆から上がった為、ラディじぃーちゃんを筆頭に戦闘経験者が訓練をつけることになった。

まぁ~、自分達の訓練にもなるからと言うのが本音のようだったが...。
それでもありがたく、申し訳ない感じがした。

そしてなにより、東側の街づくりは暫くお休みとなった事が、私とお兄ちゃんの中ではショックだった。

しかし、この提案に関しては、同盟国も賛同してくれた。

それでなくても、予定より早く街づくりは進めていたので、ここで休憩してもたいして支障はきたさないし、何より命に代えられるものは何もないと言われたので今回は大人しく聞き入れることにした。

それもその通り。命あってのことだしね。
私とお兄ちゃんも素直に従った。

それからというもの、私とお兄ちゃんの周りは、【大聖霊】と【聖獣】の護衛でびっちり固められた。

【聖獣】達も【大聖霊】達から攻撃魔法や防御魔法をみっちり訓練を受けていた。

何もしていないのは、私とお兄ちゃんだけになってしまった。

お父さん、お母さんでさえ私とお兄ちゃんを守る為に、ドラしゃんから攻撃魔法と防御魔法を再度訓練を受けているのに...。

私とお兄ちゃんも、自分達で出来ることをしたいと、ドラしゃんにお願いしたが却下された。


 街に戻って自宅で、いつもの様にお父さんとお母さんがドラしゃんより訓練を受けている姿を見ていた。

「わたしもなにかしたい。」

「僕もだよ。」

私とお兄ちゃんがそう呟いた時だった。

『だったら、私が何か教えてあげようか?』

どこからともなく、優しい女の人の声がしたので、私とお兄ちゃんは周りを見渡したが、誰もいなかった。

私の周りにいる【聖獣】と【大聖霊】すら何も反応していなかった。

逆に私とお兄ちゃんがキョロキョロするから気になって、声をかけて来たぐらい。

私はとりあえずドライアド達に先程聞こえた声について伝えた。

「さっき、女の人のこえで、『だったら、私が何か教えてあげようか?』って言われたの。きこえた?」

「うん。僕も聞こえた。」

私とお兄ちゃんの言葉に、【大聖霊】達は驚いていた。

『聞こえた?』

『まったく。』

『聞こえてないなぁー』

本当に皆には、聞こえてない様だった。

すると、ルナミスが何かを思い出した様に話出した。

『もしかしたら、"あの人"なら...私達に悟られずに主人達に話しかける事ができるかもしれません。
 しかし、..."あの人"はまだ眠っているはず...。』

ルナミスがそう言った瞬間また、声がした。

『ふふふ。私は怪しいものじゃないわ。
あなた達の力になるから、上に来て。』

私とお兄ちゃんだけに、また話しかけて来た。

私とお兄ちゃんは頷いて、【大聖霊】達にも一緒に付き添ってもらいながら、家の2階へと向かうことにした。

階段までは、【大聖霊】達も着いて来れたが、2階には何かの力が働いて私とお兄ちゃん以外入る事ができなくなっていた。

しかし、【大聖霊】達は至って冷静だった。

『大丈夫です。悪意がないので、我々はこのまま待ってます。
時がくれば、我々も主人たちの側に行けるはずです。
ですので、主人たちは声が導くまま進んで下さい。』

ルナミスがそう私とお兄ちゃんに伝え?ので、私とお兄ちゃんは、"わかった"と返事して声がする方へ目指して進んでいくことにした。












ドライアド:
あのドラゴンに気づかれない様にしないとね。

シルフ:
確かに。

ノーム:
過保護だからね。

ウンディーナ:
わかる!

イフリート:
あの過保護ぷりは、ヤバいからなぁー。

ルナミス:
病気ですわ。

ドライアド:
でも、昔のドラゴンより今の方が私は好きよ。

シルフ:
わかる!!人間味あるよね^ ^













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