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第四章 新しい国誕生!〜国の設立と同盟〜
4-15 またまた新しい仲間?!
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シャドウの作った"闇のホール"から出てきたドラしゃんは、迷わず私達の元へ駆け寄ってくる。
シャドウはというと...いつの間にか私の腕輪の中へ戻っていた。
私達の元へ来たドラしゃん達は、再度私達に"例の石"を見せるように言ってきたので、私とお兄ちゃんは、言われた通りに再度それぞれの手のひらに石を載せて見せる。
ドラしゃん達は、暫くそれを見て深い溜息を吐く。
そして...ドラしゃんが私とお兄ちゃんに向かってゆっくりと話をしだす。
『その石に関しては、どんなものかは少しはお聞きしていると伺いましたが...それであってますか?』
ドラしゃんの言葉に、私とお兄ちゃんはゆっくり頷いた。
私とお兄ちゃんの反応を見て、再度溜息を吐くと言葉を続ける。
『その石に関しては、我々は手出しができません。
厳密に言いますと、手出しをしたら駄目なものみたいです。
その石は、お2人にしか対処ができないものと思われます。
ですので、ここでいる皆で話し合った結果、この石に関しては、お2人に任せます。』
そうドラしゃんはそう言いいきり、他の人達はうんうんと頷いている。
あまりの内容に、私とお兄ちゃんは一度互いの顔を見て...ドラしゃん、そして、ムキじぃーちゃん達の顔をそれぞれ見た。
しかし、どうやらドラしゃんの言葉に皆賛同しているようす。
『使い方については、時期が来ればお教えします。
それまでは、大事に保管しておいて下さい。決して、我々以外の人には見せない様にして下さい。』
いつも以上に真剣な顔をして話すドラしゃん。
だから私とお兄ちゃんは、頷くしかなかった。
ドラしゃんからの話を聞いて例の石は、やはり私達自身で管理する事になった。
薄々そんな気はしていたが、仕方がない。
私達が拾った(貰った)ものだから、ドラしゃん達が管理するより私達の方がいいと改めて、ルミばぁーちゃんに諭す様に言われたしね...。
お兄ちゃんは自分の魔法鞄の中へ。
私は、念の為にフウちゃんに預かってもらう事にした。
とても貴重な石って聞いていたから、どうして自分達で?と疑問に感じたので、
シャドウと闇のホールの中でどんな話をしていたか聞いてみたが、ドラしゃん達は教えてくれなかった。
そのかわりにと言っていいのか、私達の行動に必要以上に制限がかからなくなった。
お兄ちゃんは、今度から剣術と魔法の両方を訓練する事になった。
私は無意識で魔力を使っても、余程の事がない限りお咎め無しとなったのだ。
それと、簡単な魔法をドラしゃんが教えてくれる事になった。
そのおかげ?もあってか翌日には、街づくりが全て完了しのだ。
同盟国からの助っ人が来るよりも早くだ。
当初の予定より、大幅に早く完成してしまった原因は、...もちろん私だ。
お城が完成した日は、色々と騒動あったのでその日は一度お開きになった。
翌日の為(きっとまた何か起こることを想定して)に早めに休みを取る事にしたみたい。
そのために、時間が十分に出来たので早速ドラしゃんに魔法については教わることにした。
教わったと言っても、魔力の正しい使い方とイメージについてだけなんだけどね。
しかし、私には十分楽しいものだった。
そんなもんだで、色々と期待を裏切らないのが私...だよね。
翌朝。皆より早く起きた私はさっそくやらかした。
私としてはやらかす気はさらさらなかったのよ??
でも結果的に...そうなった...だけなの。
もちろん【大聖霊】達も協力してもらったからなお悪いよね...。
まず、国のシンボルのお城を和風にしたので、私達の住居区は日本風建築にチェンジした。
私達の家と同じ様に、住居区の建物は全て和風様式の家に改装と増築してみたの。
皆の住んでいた住居と新しく移住してくる人達の住む予定の住居も全て和風様式に。
建物だけでなく、道や庭なども全て和風様式にした。
そのため異世界に、戦国時代から昭和初期までの日本の風景が広がっていったのね。
でも意外と景観が統一されているからめちゃくちゃ綺麗なの。
なぜそうなったかと言うと...。
昨晩私がドラしゃんと魔法について話している時のことになるんだけど...。
イメージの話題の時に、ドラしゃんがお父さんの部屋から取り出してきた、"日本の建物集"をみたせいかなぁ??
その本を参考にして、イメージして物を作り出すって言うのをドラしゃんが見せてくれたの。
本の中の絵と同じものが、ドラしゃん手の中に作られたあの感動は、計り知れなかったのよ!
そこで、私はこそっそり街の建物を写真の建物と同じ物にする事にしたの。
一見ね、建造物の時代感が違うので、違和感があるように見えるが、日本の"和の風景"で統一されているので、そこまで酷くはならなかった。
しかも実際に建てある物を見た皆からは、高評価もらえたしね。
ムキじぃーちゃんは、"以前の実家の風景がまた見れて良かった"といって涙ぐんでいたし。
ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ルミばぁーちゃん、ラミィお兄ちゃん、モッケしゃん等この世界の人達は、初めて見る建物に大興奮だった。
全てを私達の世界のものにした訳ではなかった。
この世界のいい部分は、きちんと残したままにして改装したの。
地下や保管倉庫などは、そのままにしてあるし、魔法や魔石使っての仕組みなどもそのままだしね。
まぁ~起きて来て、いつのまにか変わった建物を見て、お怒りを受けたのは言うまでもない。
ドラしゃん達が起きてからは、監視下の元での作業となったが、それでも早く終わっていった。
私達の住居区が和風なので、逆にギルドから門にかけては、この世界の特徴を活かした建造物で統一した。
ギルドはもちろん、この世界の建築様式で改装、増築し直した。
私と【大聖霊】達で創り上げている間に、大人達で荷物の整理や不備がないかの確認をしてくれていたしね。
私がイメージしながら、大地に魔力を流してその魔力を【大聖霊】達が活用して街や建造物を作っていく方法をとったら、とんでもなく早く工程が進んでいった。
私の魔力を活用しているので、【大聖霊】達も負担なく力を使えるみたいで、一気に仕上がっていったの。
ドムじぃーちゃんの描いた図案をそのまま一瞬にて再現させていった時にはもう大人達は諦めモードにはいってたような...。
中には、図案に描かれていない建物も追加したので、皆に後で怒られたけどね。
それでも予定より早く完成させる事ができたので、大目に見てくれた。
(噴水広場にしょんべん小僧や聖獣の石像をつくったの)
予定より早く完成したので、どうしたのかとお父さん達が悩んでいると、ドラしゃんが速達で同盟国に連絡を入れてくれた。
すると、連絡を入れてものの数時間でそれぞれの国から王様、側近の人。
それと私達の国に移住予定の人達が一気にやって来たのにはかなり驚いた。
移住予定の人の選別が完了して、私達の国に連絡をしようとした時にドラしゃんから連絡が来たので、思ったより早くこれたようだった。
しかもなぜか、どの国の王様も顔色が悪く焦っていた。
「ありえん!どう言う事だ?!」
完成した私達の国を見て、王様達は口を大きく開けて叫んだ。
その脇で、私とお兄ちゃんはニコニコ笑顔。
お父さん達大人は、ですよね...。って言う表情。
王様達が連れて来た人達は、私達の国を見て驚いて固まっていたし。
王様達はドラしゃん達に、理由を教えて欲しいと詰め寄ってみたり。
そんな彼らにドラしゃんが、のちに説明すると言って、その場での説明を断っていた。
その代わりに、新しく移住してくる人達の紹介と案内をして欲しいと皆で王様達にお願いした。
同盟国の三国より国王達が連れて来た、新しい住人達をまずそれぞれ紹介してもらう事にした。
国王達は、それより先に何故こんなに早く完成したかを知りたがっていたが、ロドじぃーちゃんや王様、セバしゃんの頑張りによって後々こっそり話をすると言う事で、渋々了承させたのだった。
まず最初に紹介してくれるのが、ファールト王国だ。
ファイン国王自ら、紹介してくれた。
ファールト王国からは、なんと30人もの人が移住してくる事になった。
30人中25人。
大半が、10代から20代の若い世代。
しかも孤児ばかりだ。
残りの5人は、50代の人達。
家族を早くに亡くして、独り者の人ばかりだった。
「昔は温泉の観光地で利益があり、国全体が裕福だったが...例の戦争後それもな...。
それでもだいぶ、まっしにはなって来んだぜ。
しかしよ、現実的に国でも援助仕切れてない部分があってな。
特に、孤児院に関しては受け入れ先が限界に来ているんだ。
見る側も少ないし、孤児院自体もまだまだ数が足りてないんだ。
こっちの、オヤジ連中は自ら志願者だ。まだまだ現役で仕事ができるが、働き口がなくて困ってた連中だ。
お前達に、我が国の尻拭いをさせるような形になったが、この通りだ。
よろしく頼む。」
そう言って、ファイン国王は私達に向かって頭を下げた。
それを見て、連れて来られた人達は驚き、焦って国王と一緒に頭を下げる。
孤児の子という割には、見た目はとても綺麗。それでも、栄養が十分にはとれていないのが見てとれて、痩せこけていた。
皆んな、どうやら獣人のハーフの子ばかりだった。
私とお兄ちゃんの食い付きが、すこぶる良かったので、断る事はしなかった。
元からどんな人が来ても、断る気は誰もなかったから問題はない。
それでも、私とお兄ちゃんが気に入った様子だったので、大人達はほっとしと安心していた。
「お前さん達は、どんな事ができるんだ?」
ロドじぃーちゃんが、オッサン連中に声をかける。
皆歳の割には、体格的にムキじぃーちゃんやロドじぃーちゃんみたいに筋肉隆々だった。
「俺たちは、大工仕事からなんでもするぜ。働かせて貰えるんだったらよ。」
オッサン連中の中でも、1番厳つげな顔をしたオッサンが答えた。
ロドじぃーちゃんがじーっと見つめてからボソッと呟いた。
「もしかして、お前さん達は"オーガ"のハーフか?」
ロドじぃーちゃんの呟きに、1番早く反応したのはお父さんとお母さんだった。
素早くロドじぃーちゃんの側に行き、目を輝かせて質問していた。
「ロドじぃーちゃん!"オーガ"ってあのオーガですか?!」
「本当に?!嘘じゃないですよね?!」
久しぶりに見るオタクモードの両親。
いきなりの出来事にロドじぃーちゃんも、オッサン連中も驚きつつも引き気味だった。
それでもグイグイくるお父さん達に、ロドじぃーちゃんは押し負けていた。
「そっ、そうだよ。どの"オーガ"か知らんが、この連中はオーガのハーフだと思うぞ。
それも、本物を見るのはまだ数人しかないから、はっきりとは言えんが...。」
引きつつも、押しに負けて答えるロドじぃーちゃんに、更に食い付くお父さん達。
そんなロドじぃーちゃんが哀れに思えたのか、オッサンの1人が答えてくれた。
「俺たちを一眼みて、見破るとはさすがだ。俺達は、オーガのハーフだ。
俺の名前は、カカン。で、俺の右後ろにいるのが、弟のカシン。その横が、タイカ。タロン、サフマだ。
タイカとタロン、サフマは、兄弟だ。
よろしく頼むぜ。」
ロドじぃーちゃんが答える前に、お父さんとお母さんが返事をした。
「こちらこそよろしくお願いします。
あっ、住む場所や仕事は用意してあります。」
「嬉しいわぁー♪死ぬまでに、生でオーガに会えるなんて♪」
お父さんとお母さんの反応に、苦笑いを浮かべるカカンさん達。
カカンさん達の横で、寄り添って佇んでいる子供達はどこか怯えた様子だった。
なんか、アサくん達がここに来た時みたいだとふと思ったら、その子達にアサくん兄妹が近寄っていって声をかけていた。
「そんなに怯える事ないよ。俺達も、あの一家に拾って貰ったくちだ。
ボロボロで傷だだけでよ、腹もすかせてもうダメだって状態な所を嫌な顔を一つせずに迎えいれてくたんだぜ。
住む所も、仕事もくれんだ。
やりたい事も色々させてくれるしな。」
「そうよ。ご飯も今まで食べた事ないご馳走ばかりだし。」
「勉強も教えてくれるのよ。」
「だから、もう安心していいぜ。」
アサくん達の言葉に、彼らは驚いていた。
孤児の中でも、最年長の20歳のお兄さんがアサくんに尋ねた。
「親なしでも、獣人のハーフでもいいのか?」
その言葉に、アサくんの代わりに獣人のハーフの兵士達が答えた。
「あら?私達も獣人のハーフよ。」
「それでもこの街で、生活しているわ。」
「仕事も貰えているぜ。」
「給料も普通に貰えて、飯も食えてる。」
その言葉に、孤児の子たちは互いに顔を見合わせていた。
そして、お兄さんが代表で挨拶をして来たのだ。
「出来ることはします。よろしくお願いします。」
その言葉に、他の子達もお願いしますと言いながら、頭を下げる。
よくよく話を聞くと、名前のない子達もいた。
名前がないのは不便なので、後で名前もつける事になった。
これで、ファールト王国から30名。
私達の国の住人決定となった。
次に、ロフィード王国のからの移住者を紹介してもらった。
ロフィード王国からは、15人。
もちろん、ガジム国王自ら紹介してくれた。
15人とも、働き盛りの20代から30代。
仕事が無くて、自ら志願して来た者達だった。
「働き盛りなのに、仕事がなくてよ。まともに働き口が、なくて困ってた連中だ。俺の国もいっとき比べたら、まっしになっては来ているが、田舎の方はそうとも言えなくてよ。
国に家族が居る連中で、仕送りをしてやりたいんだとよ。
まぁ~、お前さん達がいいなら家族ごと連れては来れるが...。」
ガジム国王がそう言いかけた時、お父さんがサラッと言葉を口にした。
「なら、連れて来てください。
やっぱり家族は一緒の方が良いですよ。連れて来れるなら、ぜひ。」
そう笑顔で言うので、ガジム国王も含めてその場にいた人皆が驚いた。
まぁ~ドラしゃん達は、そう言うだろうなぁーって思ってたようで、あまり驚いてはいない感じだった。
それどころか、
「やっぱりそう来たか。」
「家を増築しておいて、良かったわね。」
「足りるか?」
「土地は十分有りますから、どうにかなるでしょう。」
「この人達の懐の広さに比べたら狭いですけどね。」
と、まるでお父さんの行動が読まれているようで、口々に呟いていた。
『この国の代表者の保護者がそう言ってますので、ガジム王。そのように対応お願いしますね。』
ドラしゃんがそうガジム国王に言うと、ガジム国王は無言で頷き、側近に至急手配をさせる。
移住者の人達は、涙を浮かべてお礼を言っていた。
結局、お父さんの鶴の一言で、ロフィード王国からは、合計40人移住が決定した。
しかも、皆さんドワーフとオーガのハーフなのだ。
それを知ったお父さんとお母さんの食い付きは、言うまでもなかった...。
最後に、ルファロル王国からの移住者についてだ。
ルファロル王国からは、合計50人の移住希望者が来ていた。
こちらも、サイスン国王自ら紹介をしてくれた。
「私の国からは、こちらの50人をお願いします。
50人中20人が、ファールト王国と同じで、孤児となります。
皆、親を知らない子ばかりです。
孤児院の受け入れが、我が国では15歳までとなっていて、皆15歳以上。
孤児院を出ていかねばならない歳の子供達です。
しかし、働き口もないので困っていた所なんです。
残りの30名は、職探しと住居がない者達です。職があっても日雇いばかりで、収入が安定せず困っている者ばかりです。我が国も、まだ完全には豊かと言うわけではないのです。
恥を偲んでお頼みします。」
サイスン国王も、私達に頭を下げる。
移住希望者も、国王と同じように頭を下げてお願いしますという。
しかも、彼らは人魚族と人間のハーフばかりで、陸地でも生活はできるが水場がないとダメな状態みたい。
「どこも、苦労するのは子供と年寄りなんだなぁー...。」
ロドじぃーちゃんの呟きに、皆は少し暗い顔になり、空気も少し重たくなった。
どの国も、孤児や無職者ばかり。
正直、国の代表としては、恥を晒しているのと同じだ。
まぁー、好きでそんな人生を歩む人は誰もいない。
私達家族も、ドラしゃんに出会って助けてもらってなかったら彼らと同じ状況下だった。
「かぞく、いっきにふえたね。リン、うれしい。」
私がふとそう言うと、皆馬驚いた顔で私を見た。
「お兄ちゃんより、お兄ちゃんや。お姉ちゃんがふえた。おじさんやおばさんもだよ?だいかぞくだね。」
私が満面の笑顔で言うものだから、お兄ちゃんもお父さんもお母さんもつられて笑顔に。
「やった!僕よりお兄ちゃんや、お姉ちゃんが増えるのかぁー!心強いね。」
「やだわ。一気に子供が増えたわね。頑張って稼がないとね。」
「あー。これからも頑張らないとな。」
呑気に会話する私達家族。
そんな私達に呆れつつも、微笑みを浮かべて見る仲間達。
そんな中、私達と同盟を結んだ国王達は、なんとも言えない感情に襲われていた。
『皆さん。どうやら、今日から"家族"として受け入れられたようですよ。
良かったですね。
住む場所は、用意します。もちろん、仕事もです。
だからといって、慢心し過ぎないようお願いします。
この一家を裏切る様な事をしたら、私達だけで無く、この"世界"をも敵に回す事となりますからね。』
ドラしゃんは、そう彼らに忠告する。
「しっかしよ、どうする?
この街だけでは受け入れきれないからよ、当初の予定通りにこの街の近くに何箇所か街を作って、そっちに住んでもらう様にするか?」
ロドじぃーちゃんがそうドラしゃんに提案を持ちかけた。
確かに、全員となると...ね?
そんなロドじぃーちゃんの提案を聞いて、お父さんが国王達に更にとんでもない事を言い出した。
「あのう?彼ら以外にも仕事に困っている人や住む所に困っている人が居たら、全員連れて来てください。
子供は、ある程度成長するまでこの街で面倒を見ます。
それ以外の人は、土地を提供しますので、そこで住んでもらい、ここに仕事に来てもらうのはどうでしょうか?」
お父さんの言葉に、さすがのドラしゃん達も驚いた。
それは、提案された国王達もだった。
「土地は、十分にあります。
開拓も手伝います。どうでしょうか?」
同盟国の国王達からすれば、ありがたい話だった。
しかしだ。
「そちらは構わないのか?」
あまりの事に、ファイン国王はお父さんじゃないくドラしゃん達に声をかけた。
ドラしゃん達もお父さんの言葉に、困惑していたが、ここまでの流れでそう言う事は予想はできていたようだ。
深い溜息をついて頷いた。
『旦那様がそう言うです。やりましょう。この島の調査は済んでます。
この街を中心に、運良く東西南北人が住める環境は整ってます。
やる気があるのなら、数日で最低限の生活は出来る環境を整える事は簡単でしょう。』
ドラしゃんの言葉にお父さんは大喜び。
ロドじぃーちゃん達は、やれやれと言った様子だった。
リン:
一気に増えたね
アキラ:
増えたよ。
ユイカ:
覚え切れるかしら?
ユウダイ:
名前も付けないとなぁー
リン:
リンが決めたい!
アキラ:
僕も!
ユイカ:
あら?名前は大事なものよ。
ちゃんと付けれる?
ユウダイ:
そうだよ。名前は一生もんだからね。
リン・アキラ:
~_~;
ドラしゃん:
皆んなで考えましょ。
それに、やる事も多いですし。
リン・アキラ:
(*´◒`*)
ユイカ:
ドラしゃんは、すぐ2人を甘やかすんだから...。
ユウダイ:
よし!
今度は、父さんも頑張るぞ!
リン:
次回、影の薄い父は濃くなるのか?
アキラ:
いいね^ ^
シャドウはというと...いつの間にか私の腕輪の中へ戻っていた。
私達の元へ来たドラしゃん達は、再度私達に"例の石"を見せるように言ってきたので、私とお兄ちゃんは、言われた通りに再度それぞれの手のひらに石を載せて見せる。
ドラしゃん達は、暫くそれを見て深い溜息を吐く。
そして...ドラしゃんが私とお兄ちゃんに向かってゆっくりと話をしだす。
『その石に関しては、どんなものかは少しはお聞きしていると伺いましたが...それであってますか?』
ドラしゃんの言葉に、私とお兄ちゃんはゆっくり頷いた。
私とお兄ちゃんの反応を見て、再度溜息を吐くと言葉を続ける。
『その石に関しては、我々は手出しができません。
厳密に言いますと、手出しをしたら駄目なものみたいです。
その石は、お2人にしか対処ができないものと思われます。
ですので、ここでいる皆で話し合った結果、この石に関しては、お2人に任せます。』
そうドラしゃんはそう言いいきり、他の人達はうんうんと頷いている。
あまりの内容に、私とお兄ちゃんは一度互いの顔を見て...ドラしゃん、そして、ムキじぃーちゃん達の顔をそれぞれ見た。
しかし、どうやらドラしゃんの言葉に皆賛同しているようす。
『使い方については、時期が来ればお教えします。
それまでは、大事に保管しておいて下さい。決して、我々以外の人には見せない様にして下さい。』
いつも以上に真剣な顔をして話すドラしゃん。
だから私とお兄ちゃんは、頷くしかなかった。
ドラしゃんからの話を聞いて例の石は、やはり私達自身で管理する事になった。
薄々そんな気はしていたが、仕方がない。
私達が拾った(貰った)ものだから、ドラしゃん達が管理するより私達の方がいいと改めて、ルミばぁーちゃんに諭す様に言われたしね...。
お兄ちゃんは自分の魔法鞄の中へ。
私は、念の為にフウちゃんに預かってもらう事にした。
とても貴重な石って聞いていたから、どうして自分達で?と疑問に感じたので、
シャドウと闇のホールの中でどんな話をしていたか聞いてみたが、ドラしゃん達は教えてくれなかった。
そのかわりにと言っていいのか、私達の行動に必要以上に制限がかからなくなった。
お兄ちゃんは、今度から剣術と魔法の両方を訓練する事になった。
私は無意識で魔力を使っても、余程の事がない限りお咎め無しとなったのだ。
それと、簡単な魔法をドラしゃんが教えてくれる事になった。
そのおかげ?もあってか翌日には、街づくりが全て完了しのだ。
同盟国からの助っ人が来るよりも早くだ。
当初の予定より、大幅に早く完成してしまった原因は、...もちろん私だ。
お城が完成した日は、色々と騒動あったのでその日は一度お開きになった。
翌日の為(きっとまた何か起こることを想定して)に早めに休みを取る事にしたみたい。
そのために、時間が十分に出来たので早速ドラしゃんに魔法については教わることにした。
教わったと言っても、魔力の正しい使い方とイメージについてだけなんだけどね。
しかし、私には十分楽しいものだった。
そんなもんだで、色々と期待を裏切らないのが私...だよね。
翌朝。皆より早く起きた私はさっそくやらかした。
私としてはやらかす気はさらさらなかったのよ??
でも結果的に...そうなった...だけなの。
もちろん【大聖霊】達も協力してもらったからなお悪いよね...。
まず、国のシンボルのお城を和風にしたので、私達の住居区は日本風建築にチェンジした。
私達の家と同じ様に、住居区の建物は全て和風様式の家に改装と増築してみたの。
皆の住んでいた住居と新しく移住してくる人達の住む予定の住居も全て和風様式に。
建物だけでなく、道や庭なども全て和風様式にした。
そのため異世界に、戦国時代から昭和初期までの日本の風景が広がっていったのね。
でも意外と景観が統一されているからめちゃくちゃ綺麗なの。
なぜそうなったかと言うと...。
昨晩私がドラしゃんと魔法について話している時のことになるんだけど...。
イメージの話題の時に、ドラしゃんがお父さんの部屋から取り出してきた、"日本の建物集"をみたせいかなぁ??
その本を参考にして、イメージして物を作り出すって言うのをドラしゃんが見せてくれたの。
本の中の絵と同じものが、ドラしゃん手の中に作られたあの感動は、計り知れなかったのよ!
そこで、私はこそっそり街の建物を写真の建物と同じ物にする事にしたの。
一見ね、建造物の時代感が違うので、違和感があるように見えるが、日本の"和の風景"で統一されているので、そこまで酷くはならなかった。
しかも実際に建てある物を見た皆からは、高評価もらえたしね。
ムキじぃーちゃんは、"以前の実家の風景がまた見れて良かった"といって涙ぐんでいたし。
ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ルミばぁーちゃん、ラミィお兄ちゃん、モッケしゃん等この世界の人達は、初めて見る建物に大興奮だった。
全てを私達の世界のものにした訳ではなかった。
この世界のいい部分は、きちんと残したままにして改装したの。
地下や保管倉庫などは、そのままにしてあるし、魔法や魔石使っての仕組みなどもそのままだしね。
まぁ~起きて来て、いつのまにか変わった建物を見て、お怒りを受けたのは言うまでもない。
ドラしゃん達が起きてからは、監視下の元での作業となったが、それでも早く終わっていった。
私達の住居区が和風なので、逆にギルドから門にかけては、この世界の特徴を活かした建造物で統一した。
ギルドはもちろん、この世界の建築様式で改装、増築し直した。
私と【大聖霊】達で創り上げている間に、大人達で荷物の整理や不備がないかの確認をしてくれていたしね。
私がイメージしながら、大地に魔力を流してその魔力を【大聖霊】達が活用して街や建造物を作っていく方法をとったら、とんでもなく早く工程が進んでいった。
私の魔力を活用しているので、【大聖霊】達も負担なく力を使えるみたいで、一気に仕上がっていったの。
ドムじぃーちゃんの描いた図案をそのまま一瞬にて再現させていった時にはもう大人達は諦めモードにはいってたような...。
中には、図案に描かれていない建物も追加したので、皆に後で怒られたけどね。
それでも予定より早く完成させる事ができたので、大目に見てくれた。
(噴水広場にしょんべん小僧や聖獣の石像をつくったの)
予定より早く完成したので、どうしたのかとお父さん達が悩んでいると、ドラしゃんが速達で同盟国に連絡を入れてくれた。
すると、連絡を入れてものの数時間でそれぞれの国から王様、側近の人。
それと私達の国に移住予定の人達が一気にやって来たのにはかなり驚いた。
移住予定の人の選別が完了して、私達の国に連絡をしようとした時にドラしゃんから連絡が来たので、思ったより早くこれたようだった。
しかもなぜか、どの国の王様も顔色が悪く焦っていた。
「ありえん!どう言う事だ?!」
完成した私達の国を見て、王様達は口を大きく開けて叫んだ。
その脇で、私とお兄ちゃんはニコニコ笑顔。
お父さん達大人は、ですよね...。って言う表情。
王様達が連れて来た人達は、私達の国を見て驚いて固まっていたし。
王様達はドラしゃん達に、理由を教えて欲しいと詰め寄ってみたり。
そんな彼らにドラしゃんが、のちに説明すると言って、その場での説明を断っていた。
その代わりに、新しく移住してくる人達の紹介と案内をして欲しいと皆で王様達にお願いした。
同盟国の三国より国王達が連れて来た、新しい住人達をまずそれぞれ紹介してもらう事にした。
国王達は、それより先に何故こんなに早く完成したかを知りたがっていたが、ロドじぃーちゃんや王様、セバしゃんの頑張りによって後々こっそり話をすると言う事で、渋々了承させたのだった。
まず最初に紹介してくれるのが、ファールト王国だ。
ファイン国王自ら、紹介してくれた。
ファールト王国からは、なんと30人もの人が移住してくる事になった。
30人中25人。
大半が、10代から20代の若い世代。
しかも孤児ばかりだ。
残りの5人は、50代の人達。
家族を早くに亡くして、独り者の人ばかりだった。
「昔は温泉の観光地で利益があり、国全体が裕福だったが...例の戦争後それもな...。
それでもだいぶ、まっしにはなって来んだぜ。
しかしよ、現実的に国でも援助仕切れてない部分があってな。
特に、孤児院に関しては受け入れ先が限界に来ているんだ。
見る側も少ないし、孤児院自体もまだまだ数が足りてないんだ。
こっちの、オヤジ連中は自ら志願者だ。まだまだ現役で仕事ができるが、働き口がなくて困ってた連中だ。
お前達に、我が国の尻拭いをさせるような形になったが、この通りだ。
よろしく頼む。」
そう言って、ファイン国王は私達に向かって頭を下げた。
それを見て、連れて来られた人達は驚き、焦って国王と一緒に頭を下げる。
孤児の子という割には、見た目はとても綺麗。それでも、栄養が十分にはとれていないのが見てとれて、痩せこけていた。
皆んな、どうやら獣人のハーフの子ばかりだった。
私とお兄ちゃんの食い付きが、すこぶる良かったので、断る事はしなかった。
元からどんな人が来ても、断る気は誰もなかったから問題はない。
それでも、私とお兄ちゃんが気に入った様子だったので、大人達はほっとしと安心していた。
「お前さん達は、どんな事ができるんだ?」
ロドじぃーちゃんが、オッサン連中に声をかける。
皆歳の割には、体格的にムキじぃーちゃんやロドじぃーちゃんみたいに筋肉隆々だった。
「俺たちは、大工仕事からなんでもするぜ。働かせて貰えるんだったらよ。」
オッサン連中の中でも、1番厳つげな顔をしたオッサンが答えた。
ロドじぃーちゃんがじーっと見つめてからボソッと呟いた。
「もしかして、お前さん達は"オーガ"のハーフか?」
ロドじぃーちゃんの呟きに、1番早く反応したのはお父さんとお母さんだった。
素早くロドじぃーちゃんの側に行き、目を輝かせて質問していた。
「ロドじぃーちゃん!"オーガ"ってあのオーガですか?!」
「本当に?!嘘じゃないですよね?!」
久しぶりに見るオタクモードの両親。
いきなりの出来事にロドじぃーちゃんも、オッサン連中も驚きつつも引き気味だった。
それでもグイグイくるお父さん達に、ロドじぃーちゃんは押し負けていた。
「そっ、そうだよ。どの"オーガ"か知らんが、この連中はオーガのハーフだと思うぞ。
それも、本物を見るのはまだ数人しかないから、はっきりとは言えんが...。」
引きつつも、押しに負けて答えるロドじぃーちゃんに、更に食い付くお父さん達。
そんなロドじぃーちゃんが哀れに思えたのか、オッサンの1人が答えてくれた。
「俺たちを一眼みて、見破るとはさすがだ。俺達は、オーガのハーフだ。
俺の名前は、カカン。で、俺の右後ろにいるのが、弟のカシン。その横が、タイカ。タロン、サフマだ。
タイカとタロン、サフマは、兄弟だ。
よろしく頼むぜ。」
ロドじぃーちゃんが答える前に、お父さんとお母さんが返事をした。
「こちらこそよろしくお願いします。
あっ、住む場所や仕事は用意してあります。」
「嬉しいわぁー♪死ぬまでに、生でオーガに会えるなんて♪」
お父さんとお母さんの反応に、苦笑いを浮かべるカカンさん達。
カカンさん達の横で、寄り添って佇んでいる子供達はどこか怯えた様子だった。
なんか、アサくん達がここに来た時みたいだとふと思ったら、その子達にアサくん兄妹が近寄っていって声をかけていた。
「そんなに怯える事ないよ。俺達も、あの一家に拾って貰ったくちだ。
ボロボロで傷だだけでよ、腹もすかせてもうダメだって状態な所を嫌な顔を一つせずに迎えいれてくたんだぜ。
住む所も、仕事もくれんだ。
やりたい事も色々させてくれるしな。」
「そうよ。ご飯も今まで食べた事ないご馳走ばかりだし。」
「勉強も教えてくれるのよ。」
「だから、もう安心していいぜ。」
アサくん達の言葉に、彼らは驚いていた。
孤児の中でも、最年長の20歳のお兄さんがアサくんに尋ねた。
「親なしでも、獣人のハーフでもいいのか?」
その言葉に、アサくんの代わりに獣人のハーフの兵士達が答えた。
「あら?私達も獣人のハーフよ。」
「それでもこの街で、生活しているわ。」
「仕事も貰えているぜ。」
「給料も普通に貰えて、飯も食えてる。」
その言葉に、孤児の子たちは互いに顔を見合わせていた。
そして、お兄さんが代表で挨拶をして来たのだ。
「出来ることはします。よろしくお願いします。」
その言葉に、他の子達もお願いしますと言いながら、頭を下げる。
よくよく話を聞くと、名前のない子達もいた。
名前がないのは不便なので、後で名前もつける事になった。
これで、ファールト王国から30名。
私達の国の住人決定となった。
次に、ロフィード王国のからの移住者を紹介してもらった。
ロフィード王国からは、15人。
もちろん、ガジム国王自ら紹介してくれた。
15人とも、働き盛りの20代から30代。
仕事が無くて、自ら志願して来た者達だった。
「働き盛りなのに、仕事がなくてよ。まともに働き口が、なくて困ってた連中だ。俺の国もいっとき比べたら、まっしになっては来ているが、田舎の方はそうとも言えなくてよ。
国に家族が居る連中で、仕送りをしてやりたいんだとよ。
まぁ~、お前さん達がいいなら家族ごと連れては来れるが...。」
ガジム国王がそう言いかけた時、お父さんがサラッと言葉を口にした。
「なら、連れて来てください。
やっぱり家族は一緒の方が良いですよ。連れて来れるなら、ぜひ。」
そう笑顔で言うので、ガジム国王も含めてその場にいた人皆が驚いた。
まぁ~ドラしゃん達は、そう言うだろうなぁーって思ってたようで、あまり驚いてはいない感じだった。
それどころか、
「やっぱりそう来たか。」
「家を増築しておいて、良かったわね。」
「足りるか?」
「土地は十分有りますから、どうにかなるでしょう。」
「この人達の懐の広さに比べたら狭いですけどね。」
と、まるでお父さんの行動が読まれているようで、口々に呟いていた。
『この国の代表者の保護者がそう言ってますので、ガジム王。そのように対応お願いしますね。』
ドラしゃんがそうガジム国王に言うと、ガジム国王は無言で頷き、側近に至急手配をさせる。
移住者の人達は、涙を浮かべてお礼を言っていた。
結局、お父さんの鶴の一言で、ロフィード王国からは、合計40人移住が決定した。
しかも、皆さんドワーフとオーガのハーフなのだ。
それを知ったお父さんとお母さんの食い付きは、言うまでもなかった...。
最後に、ルファロル王国からの移住者についてだ。
ルファロル王国からは、合計50人の移住希望者が来ていた。
こちらも、サイスン国王自ら紹介をしてくれた。
「私の国からは、こちらの50人をお願いします。
50人中20人が、ファールト王国と同じで、孤児となります。
皆、親を知らない子ばかりです。
孤児院の受け入れが、我が国では15歳までとなっていて、皆15歳以上。
孤児院を出ていかねばならない歳の子供達です。
しかし、働き口もないので困っていた所なんです。
残りの30名は、職探しと住居がない者達です。職があっても日雇いばかりで、収入が安定せず困っている者ばかりです。我が国も、まだ完全には豊かと言うわけではないのです。
恥を偲んでお頼みします。」
サイスン国王も、私達に頭を下げる。
移住希望者も、国王と同じように頭を下げてお願いしますという。
しかも、彼らは人魚族と人間のハーフばかりで、陸地でも生活はできるが水場がないとダメな状態みたい。
「どこも、苦労するのは子供と年寄りなんだなぁー...。」
ロドじぃーちゃんの呟きに、皆は少し暗い顔になり、空気も少し重たくなった。
どの国も、孤児や無職者ばかり。
正直、国の代表としては、恥を晒しているのと同じだ。
まぁー、好きでそんな人生を歩む人は誰もいない。
私達家族も、ドラしゃんに出会って助けてもらってなかったら彼らと同じ状況下だった。
「かぞく、いっきにふえたね。リン、うれしい。」
私がふとそう言うと、皆馬驚いた顔で私を見た。
「お兄ちゃんより、お兄ちゃんや。お姉ちゃんがふえた。おじさんやおばさんもだよ?だいかぞくだね。」
私が満面の笑顔で言うものだから、お兄ちゃんもお父さんもお母さんもつられて笑顔に。
「やった!僕よりお兄ちゃんや、お姉ちゃんが増えるのかぁー!心強いね。」
「やだわ。一気に子供が増えたわね。頑張って稼がないとね。」
「あー。これからも頑張らないとな。」
呑気に会話する私達家族。
そんな私達に呆れつつも、微笑みを浮かべて見る仲間達。
そんな中、私達と同盟を結んだ国王達は、なんとも言えない感情に襲われていた。
『皆さん。どうやら、今日から"家族"として受け入れられたようですよ。
良かったですね。
住む場所は、用意します。もちろん、仕事もです。
だからといって、慢心し過ぎないようお願いします。
この一家を裏切る様な事をしたら、私達だけで無く、この"世界"をも敵に回す事となりますからね。』
ドラしゃんは、そう彼らに忠告する。
「しっかしよ、どうする?
この街だけでは受け入れきれないからよ、当初の予定通りにこの街の近くに何箇所か街を作って、そっちに住んでもらう様にするか?」
ロドじぃーちゃんがそうドラしゃんに提案を持ちかけた。
確かに、全員となると...ね?
そんなロドじぃーちゃんの提案を聞いて、お父さんが国王達に更にとんでもない事を言い出した。
「あのう?彼ら以外にも仕事に困っている人や住む所に困っている人が居たら、全員連れて来てください。
子供は、ある程度成長するまでこの街で面倒を見ます。
それ以外の人は、土地を提供しますので、そこで住んでもらい、ここに仕事に来てもらうのはどうでしょうか?」
お父さんの言葉に、さすがのドラしゃん達も驚いた。
それは、提案された国王達もだった。
「土地は、十分にあります。
開拓も手伝います。どうでしょうか?」
同盟国の国王達からすれば、ありがたい話だった。
しかしだ。
「そちらは構わないのか?」
あまりの事に、ファイン国王はお父さんじゃないくドラしゃん達に声をかけた。
ドラしゃん達もお父さんの言葉に、困惑していたが、ここまでの流れでそう言う事は予想はできていたようだ。
深い溜息をついて頷いた。
『旦那様がそう言うです。やりましょう。この島の調査は済んでます。
この街を中心に、運良く東西南北人が住める環境は整ってます。
やる気があるのなら、数日で最低限の生活は出来る環境を整える事は簡単でしょう。』
ドラしゃんの言葉にお父さんは大喜び。
ロドじぃーちゃん達は、やれやれと言った様子だった。
リン:
一気に増えたね
アキラ:
増えたよ。
ユイカ:
覚え切れるかしら?
ユウダイ:
名前も付けないとなぁー
リン:
リンが決めたい!
アキラ:
僕も!
ユイカ:
あら?名前は大事なものよ。
ちゃんと付けれる?
ユウダイ:
そうだよ。名前は一生もんだからね。
リン・アキラ:
~_~;
ドラしゃん:
皆んなで考えましょ。
それに、やる事も多いですし。
リン・アキラ:
(*´◒`*)
ユイカ:
ドラしゃんは、すぐ2人を甘やかすんだから...。
ユウダイ:
よし!
今度は、父さんも頑張るぞ!
リン:
次回、影の薄い父は濃くなるのか?
アキラ:
いいね^ ^
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