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第二章 歩み〜生活基盤を整えましょう〜

2-22 新しい住人と街の説明

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 翌朝目覚めてから服のポケットを確認すると...やはりポケットの中には透明なガラス玉のような石が入ったままになっていた。
しかもこの石は私にしか見えていようす。
なぜそれが分かったかって?着替えの為に取り出してもドラしゃんも気付かなかったから。
この石がなんなのか分からないのでしばらくはポケットに入れて持ち歩く事にした。

その日は皆で朝食を食べることに。お風呂後も中々思うように体が動かせない大人たち。そのためそのまま皆で我が家でお泊まり会をすることに。

朝ご飯も食べ終えて体もそれぞれ動くようになったので、一度各々の家に帰ろうとした時だった。

「おーい!!誰かいるのかぁー!てか、居るんだろう!早く門を開けろ!出ないとぶち破るぞ!」

家の外から大音量でとんでもない内容が聞こえてくる。
しかも聞いたことがない声で。

でもどうやらドラしゃん達にはこの声の主が誰かわかるみたいで、その声を聞いてドラしゃん達は怖いぐらい楽しそうな笑顔を浮かべていた。
それを見たお父さんとお母さんは私とお兄ちゃんを抱き抱えて震えていたけどね。
(後になってお父さん達から笑顔なんだけど...笑顔でなく寒気が走った。と教えてくれた。)

私とお兄ちゃんはドラしゃん達が笑顔なのでどんな凄い人が来たのか楽しみだった。

『少し門扉の所に先に行ってきます。
旦那様達は後からゆっくり来てください。』

ドラしゃんは笑顔でお父さん達にそう伝えると一瞬にして姿を消した。
どうやら魔法を使って瞬間移動をしたみたい。
それを見てムキじぃーちゃん達も外に出かける準備をする。

「よし、俺達もいくぞ!どうやら問題児軍団も来たみたいだな。」

「ああ、そうだったね。今日かね?城から来るって言ってたの??」

「たぶんそうですね。早くいかないと相手さん無傷ではすまないでしょうね。」

そうだった!今日は新しい人達が来る日だった。
ムキじぃーちゃんの言葉でお父さんもお母さんも思い出したようす。

私はお母さんに。お兄ちゃんはお父さんに、それぞれ抱かれてムキじぃーちゃん達の後ろについて門扉に向かって行く。

門扉の内側ではドラしゃんと軍服を着た動物なのか人なのか分からないヒト達と馬車が数台。庶民ぽい人達がいた。

私はお母さんの腕の中からドラしゃんに向かって声をかける。

「ドラしゃん!きたよ!」

私の声を聞いたドラしゃんとその一同の視線が集中する。

視線の人達は立髪ふわふわの耳と尻尾の生えていて、二足歩行しているライオン達と。

モコモコの毛に覆われて丸い耳と尻尾が生えた、こちらも二足歩行しているクマ達と。

ふさふさの長いうさぎ耳と尻尾の生えた人間とハーフぽい人が1人。

猫耳と尻尾の生えた人間とハーフぽい人が1人。

犬耳と尻尾の生えた人間とハーフぽい人が2人いた。

どのモコモコも色とデザインの違った軍服を着ていたので王国から派遣された軍人さん達なのだろう。

その集団の横には馬車と私達と同じ姿をした人間の集団もいた。

「やっぱりお前達が来てくれたのか。なら安心だね。」

ルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃんは馬車の側に立っている人達に声を掛けながら近寄っていく。

私とお兄ちゃんは動物の集団に思わず発狂してしまった。
それにはその場にいた皆が驚く。
私とお兄ちゃんは暴れてお父さんとお母さんの腕の中から抜け出す。
そして、ドラしゃん達の方へ走っていく。

ドラしゃんの足元に着くと興奮した勢いのまま喋り出す。

「クマしゃん!ラャオンさん!
うしゃさんに、ニャンコさん!ワンワンもいる!モフモフ!」

「カッコいいです!ライオンに熊もいます!ここにいる人達が新しい家族ですか?触っても良いですか?」

私とお兄ちゃんは目を盛大に輝かせてドラしゃんにお願いした。
ドラしゃんは少し怯みながら返事を躊躇していた。
ドラしゃんの許可をもらう前に私は近くに居たライオンさんに。お兄ちゃんはクマさんのそれぞれの足元にしがみついた。

服越しでもふわふわで私とお兄ちゃんはまた叫んでしまった。
その光景を周りの人達は引き気味で見ている。

「なんだ?この子供は?誰の子だ?
もしかしてコイツらが例の一家の子供か?」

私がしがみついたライオンさんが呟きながら私を持ち上げる。
私の視界にはふわふわの毛が入りまた手を伸ばす光景が。

「ふわふわね。気持ちいいね。」

うっとりした顔で目の前のライオンさんの立髪を触っていたら肉球が付いた手で頭を撫でられた。

「これは、まためんこいのう。気持ちいいか?そうかぁー?いくらでも触ってくれていいぞ。」

ライオンさんは笑顔で私に声を掛けてくれたので、私はまた満面の笑顔を向けて立髪に顔を埋める。
すると..."グハッ"と変な声が複数聞こえてきた。

私は夢中で立髪を触っているとドラしゃんがライオンさんに話しかけてきた。

『やっぱり来たのはお前達だったか。そっちのハーフが見習い兵士か?人間たちのほうもそうなのか?
まさか?!全員ここに残るわけではないだろうなぁー。』

ドラしゃんはライオンさん達に冷たい視線を送る。
お父さん達もドラしゃんの側に寄って彼らの返事をまつ。

彼らからの返事が来る前にムキじぃーちゃん達もライオンさん達に声を掛けた。

「よう!まだ生きてたのか?老骨に鞭打たないといけない程、王国の兵は弱いのか?」

ムキじぃーちゃんが嫌味っぽく言い放つと

「顔触れが変わらず何よりです。しかし、少しも成長してなさそうですね。」

ラミィお兄ちゃんも続けて声をかける。

「体ばかりデカくなっても仕方がねぇーぞ。ちゃんと鍛えてんのか?」

ドムじぃーちゃんも笑顔で話しかける。

彼らの声かけに後ろから若い声が反論する。

「うっせ!糞爺どもが!なんでまだ生きてんだよ!あれか?クソ過ぎてあの世から返品くらったのか?なら、傑作だなぁー。」

皮肉たっぷりに若くて黒い服を着たライオンさんが言い放つと

「誰がヒヨッコだ!ライオンとクマだって言ってるだろうが!
ボケたのか?仕方がねぇ~なぁー。爺だからな。可哀想になぁー。」

白い軍服を着たライオンさんも便乗して言い返す。

「耄碌しすぎると色々不備が出てくるんですよ。仕方がないですよ。」

若いライオンさん達と一緒になって黒い服を着たクマさんも言い返す。

「歳をとると記憶も目も悪くなると聞きます。特に、人間の年寄りは耄碌しやすいと言われますからね。」

白い軍部を着たクマさんがそれぞれ負けじと言い返しているではないか。
そして、目には見えないが火花が散っているきがするのだが...。
周りの人達は益々引き気味になる。

そんな中でも私は満足いくまでモフモフして皆に声を掛ける。

「あのね?おとちよりを、うやうまわない、ちとは、ウマなんでしゅよ!」

「リン。それを言うならお年寄りを敬わらない人はクズだよ!馬じゃないよ。」

私の言葉にお兄ちゃんが突っ込む。
それには若いライオンさんもクマさんも具の根も出ない感じ。

そして、お爺ちゃんライオンとクマさん達とムキじぃーちゃん達が笑い出す。

お父さんとお母さんは顔色が青くなったり赤くなったりしていた。

「これはこれは、小さな子供に一本取られたなぁー。お前達の負けだなぁ。
お嬢さんと坊ちゃん、ふたりとも面白いなぁー。
気に入ったよ。俺はライオン族の頭で王国 元近衛隊隊長のラディミール・カルトだ。」

立髪を触らしてくれたライオンさんが自己紹介をしてくれた。
するとライオンさんの横に立っていたクマさんが続いて自己紹介をしてくれた。

「私どもの馬鹿孫が失礼しました。私は熊族の頭で王国 元近衛隊副隊長のカシム・ギルデルトと申します。よろしくお願いします。」

とても丁寧に紹介してくれたので私とお兄ちゃんも自己紹介をする。

「わたち、リンでしゅ。3歳でしゅ。」

「僕はリンのお兄ちゃんでアキラです。5歳です。あっちにいるのが僕達のお父さんとお母さんとドラしゃんです。
そして、おじぃーちゃんとおばぁーちゃんとお兄ちゃん達です。よろしくお願いします。」

私とお兄ちゃんはの言葉にライオンさんとクマさんは、"そうかそうか"と頷いて温かい視線を向ける。
なぜか、締まりのない顔だったのは気のせいかなぁ?

私を抱いているライオンさんとその横にいる熊さんの反応にドラしゃんは段々と不機嫌になってくる。

『こいつらもか!どいつもこいつもどうしてこうなる!』

舌打ちしながら呟いてライオンさん達を睨んでいるではないか。
それには、先程まで勢いよく絡んでいた若いライオンさん達も怯んでいた。

ルミばぁーちゃん達はギルド職員さん達の方へ向かって声を掛ける。

「すまないね。無理を言って。場所は変わるがやる仕事内容は変わらないからね。
ただ違うのは今まで関わってきた連中とは、桁外れのメンツがいるし驚く事が多いだけだ。変わらず仕事をしてくれたらいいからね。」

ルミばぁーちゃんに声を掛けられた人達はオドオドしながらも返事をする。

「そうだ。ちょいとこっちに来てくれるかい?ユウダイ、ユウカ。」

そう言うとルミばぁーちゃんはお父さんとお母さんを呼ぶ。

ルミばぁーちゃんに呼ばれたお父さんとお母さんはドラしゃんの側を離れてルミばぁーちゃんの方へ向かう。

ルミばぁーちゃんの側に行くとルミばぁーちゃんはギルド職員達に紹介をする。

「お前達に、紹介しておくよ。コイツらは私とロドムカがいたギルドで働いていた者達だ。仕事は出来るが訳ありでね。
向こうのギルドも職員が増えてきていて困っていたみたいだから引き抜いたのさ。」

ルミばぁーちゃんはお父さんとお母さんに彼らについて簡単だが説明する。

「で、お前達。この2人は異世界から来た一家の親だ。そして、本来のお前達の雇い主だ。この世界の事は殆ど知らないから、お前達からも少しずつ教えてやっておくれ。
しかし、この2人の発想はお前達の知らない事が多い。そこはお前達も教わりな。お互いよろしく頼むよ。」

ルミばぁーちゃんの言葉にお父さん達とギルド職員さん達はお互いにお辞儀しあう。
そしてルミばぁーちゃんはロドじぃーちゃんにも声をかけて皆をギルドのある場所に案内するために移動する。

兵士見習いの方と若いライオンさんとクマさん達は、ムキじぃーちゃんとドムじぃーちゃんに連れられて宿舎の方へ向かって行くことに。

残ったのは私とお兄ちゃん。ラミィお兄ちゃんとドラしゃん。
そして、王国から派遣されてきたライオンさんのお爺ちゃんとクマさんのお爺ちゃんだ。

さて、どうしたものか。
とりあえずこの場から移動する事にした。

ルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃんは、お父さん達と新しいく来たギルド職員になる人達をギルドに連れて行って中を案内する。

ギルドの中に入ってギルド職員さん達は驚いていた。
それもそのはず。この街のギルドの内装はこの世界のものとは違ったデザインをしているからだ。

初めて見る彼らにとっては未知の建造物に違いなかった。
そのため彼らはしばらく動けなくなっていたしね。

しばらくすると1人の人が声をしぼりだす。

「あの...ギルマス。この建物は?」

声を出した人はギルド職員さんの中でも少し年配の人だ。

「この建物かい?ユイカの案でユウダイと私らで建てたんだよ。
おっと!紹介しわすれてたね。
ユイカって言うのは一家の母親で、ユウダイは父親の方だよ。
 息子と娘がいて息子の方がアキラで娘がリンって言うんだ。」

ルミばぁーちゃんはお父さんとお母さんの肩に手を置いて彼らに紹介する。

そして、ギルド職員さんの方はロドじぃーちゃんが紹介する。

「今回、来た連中を紹介するぞ。
まずコイツは、今回来たメンバーの中で年長者で、商業ギルドでは受付長を勤めていた大ベテランだ。
 名前は...確かコイムだったな。その横がコイムの父親のムイだ。
ムイは冒険者ギルドで受付業務の総合処理をしてもらっていた。
そして、その横がコイムの妻のラムと2人の子供のキオとサオだ。
 次が、レイシだ。コイムの次にベテランで素材買取の受付をメインで担当していたんだ。商業ギルドと冒険者ギルドの両方を掛け持ちしてくれていたんだよな。
その横が、嫁のハリィーだ。そして2人の子供のヤムとムタだ。この2人はギルド職員見習いで働いていたんだ。
 そして最後が独身組だ。
まず、男2人の方がタカモとタセだ。商業ギルドと冒険者ギルドの両方の解体受付をしていた。
女共2人がララとヤユだ。コイツらは見習いの職員だ。
 こっちでも以前と同じ業務についてもらおと思っているが...いいか?」

ロドじぃーちゃんの言葉にお父さんとお母さんは、"それでお願いします"と返事をする。
彼らも"大丈夫です"と言いながら頷く。

「私達はこの世界の事はほとんど知りません。ギルドでの仕事も知りません。皆さんから教わって発展していけたらと思っています。若輩者ですがよろしくお願いします。」

お父さんとお母さんはそう言って頭を下げる。
それにはギルド職員さん達も大慌て。

「コイツらはそう言うやつだ。本来はお前達の雇い主だかお前達の後輩でもある。難しいかもしれんがよろしく頼むわ。」

ロドじぃーちゃんもそういって話す。
互いの自己紹介が終わると改めてギルド内の案内を再開。
その後は職員さん達の住まいも案内した。

そこでも一波乱あった。家賃問題だ。
お父さん達が建てた家は王国でも類を見ないものだったみたい。
下手すると1ヶ月大金貨50枚でも安い方なぐらい凄かったらしい。

しかしお父さん達は家賃はいっさい貰うつもりはなかった。
でも、ギルド職員さん達はそれはありえないと引かない。

そこでだ!ルミばぁーちゃんとロドじぃーちゃんの提案で家賃は1ヶ月小金貨1枚。
そして職員さん達はお父さん達に自分達の知識を交代で教えていく事で手をうった。


その頃、兵士見習いの方と若いライオンさんとクマさん達を連れてムキじぃーちゃんとドムじぃーちゃんは彼らが住む宿舎の方へ向かって行っていた。

宿舎の前に着くと兵士の皆さん方もギルド職員さん達と同じ反応をしたみたい。
取り敢えず案内と説明をして行ったが、後でお父さん達が質問攻めにあうことに。

残された私とお兄ちゃん。ラミィお兄ちゃん、ドラしゃん。そして、元近衛隊隊長と副隊長。

私はライオンさんに。お兄ちゃんはクマさんに抱っこされながら街の中を案内して行った。

ドラしゃんやルミばぁーちゃん達の中では、この2人がこのままこの街にとどまるのだろうと思っていたようだ。
その為、わざと私達と行動するように仕向けていた。

私を抱いて歩いているライオンのお爺ちゃんが、ある事に気付きドラしゃんに質問する。

「おい。この街、街と言うには建物が少ないではないか?これでは、規模は街だが村だぞ?」

それにはクマのお爺ちゃんも同じように思っていたみたいでドラしゃんに視線を送る。
私達の街はどちらかと言うと建物より自然の方が多い。

それに関してドラしゃんが当たり障りのない説明をする。

『まだ、この街は発展中です。やっと一昨日ぐらいにギルドなどの建物を増築したのですから。
といってもこれ以上は増築する気は今の所ないですね。
 するとすればお前達の住居を増築するぐらいでしょうね。』

その言葉にライオンのお爺ちゃんの口元が少し緩む。

「ほう。気付いてたのか。」

その言葉にドラしゃんは溜息をついた。

『普通に分かるだろう。お前達2人は基本引退している身。それ以外のはまだまだ現役で活躍しているんだ。ここに留まるのは無理だろう?
どうせ言い合いになって、"取り敢えず全員で行って、2日ぐらい留まって来い"なんて事になったんだろうが。』

その言葉にライオンのお爺ちゃんとクマのお爺ちゃんは言葉に詰る。まさに、図星だったからだ。

『それに見た所、あの見習い兵士はハーフでも弱い方だな。』

この世界にハーフの人種は多数いた。一昔前に比べたら差別等は無くなってきているがまだ問題があるみたい。

ハーフの人種は人間よりは力が強く、身体能力が特化していた。
その為、冒険者や兵士になる者が多い。

しかし、ハーフの中でも稀に人間より力や身体能力が弱いのが産まれる事があるのだそう。
それが、今回この街に派遣されてきた見習い兵士達だった。

ドラしゃんの言葉に今度はクマのお爺ちゃんが答える。

「あー。彼らはハーフの中でも弱い方だ。しかし、能力はそれなりにあるがその能力を生かしきれんのだ。
 王国でそのまま居ても兵士としては難しい。かと言って辞めさせるほど問題があるわけではないのだ。いささか難しくてなぁ。」

その言葉にライオンのお爺ちゃんが付け足しをする。

「あ奴ら自身が自分達の能力に気付いてない上に自信がない。
王国の兵や騎士共の大半は獣人が多いからのう。どうも、悲観的になっておる。そんな、さなかお前達からの連絡がきたものだからな。こちらとしては大助かりだ。」

どうやら王国でも困っていたらしい。
私達からの連絡は天からの贈り物みたいな感じだったみたい。

『まぁー。使えなかったら放り出すまでだな。』

ドラしゃんの言葉にクマのお爺ちゃんとライオンのお爺ちゃんは苦笑いする。

するとずっと静かに事の成り行きを伺っていたドムじぃーちゃんが言葉を発する。

「しかし、ここに来たのはアイツらの見張りだけではないんだろう?
それと一緒に来るはずの王子達はどうした?」

そうだった。見習い兵士の為だけに王国の偉い騎士さん達がただで来るわけがないのだった。
ドムじぃーちゃんの問いに2人はそれぞれ答える。

「もちろんだ。王様よりここに居る一家についてはあらかた聞いている。
しかし、己が目で見るのが1番だ。
害があるかないのか。あと国とって脅威になりうるかどうかをみさだめないとな。」

「因みに王子達はごねてな。後日陛下と一緒に来るようだ。」

そう2人は言うと私とお兄ちゃんを見つめてきた。
私とお兄ちゃんは視線を感じたので笑顔で見つめ返してみた。

「じゃが、心配なさそうだ。こんなめんこい子達だ。親の方も根っからのお人好しみたいじゃしのう。」

「それに、ここにいるメンバーを見れば太刀打ちできんだろう。
どのみち、私らは本当の意味で引退して隠居するつもりだったから丁度いい機会だっただけですよ。」

2人は私とお兄ちゃんにデレデレ顔でドラしゃん達に話す。

『甘く見ない方がよろしいですよ。
私達でも多少手を焼く御一家ですから。おいおい分かるかと思いますから良いですけどね。
ではまず住居を別に用意が必要ですね。
 後日か。まぁー今日来てもまともに相手には出来んから丁度良かったかもな。』

ドラしゃんはそう2人に伝える。
そして、住居を建てる場所を検討しに工房方面の方へ向かって行くと2人はドラしゃんに話しかける。

「ワシらの家を建てるなら宿舎の近くに頼むわ。その方が何かと便利だろうし警備面もその方がいいだろう。」

「兵の教育もせんといかんしの。警備に関しては、こっちのやり方をさせて貰っても構わんのだろう?」

警備と言ってもドラしゃんと神様の守護がかかっている場所だから、外からの脅威はほとんどないがもしもの場合があるという。

『その面は、お前達の実力は知っているから任せる。ここには今後、他の街や国の者も来る予定だろうからそれなりの腕も必要だしな。
 訪れる人が増えると状況を見て警備面の補強をするつもりだ。
ツテはあるがそれも含めて任せるとするよ。』

その言葉を聞いて2人はヤル気に満ちていた。
そして、ドラしゃんとドムじぃーちゃんも少し嬉しそうだった。

そんな皆の姿を見て私とお兄ちゃんは嬉しくなった。

「あんね、今日からリン達のじぃーちゃんだね。よろちくね。」

「ラディじぃーちゃんとカシムじぃーちゃんだね。」

「だね。」

私とお兄ちゃんは笑顔で話すとライオンさんのお爺ちゃんとクマさんのお爺ちゃんが喜んでくれた。

「良かったな。お前達はこれでこの街で生活できるぞ。」

『この街ではまずこの2人に気に入ってもらえないと後々大変だからな。良かったな。』

ドムじぃーちゃんもドラしゃんもそう言って2人を歓迎したのだった。












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