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第二章 歩み〜生活基盤を整えましょう〜

2-14 ギルド完成!ギルドの名前と街の名前?!

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 ルミばぁーちゃんとドムじぃーちゃんにロドじぃーちゃんで商業ギルドと冒険者ギルドを建てる場所に印を付けていく。

というか...建物の大きさを決めていっている。
後から建て直しもできるが、一発で完成させたいとのことでかなり念密に話し合いながら土地の広さを決めている。

...?.....??.....?!!!どうみても広くないですか...。
お父さんは少し離れた所で彼らの作業の様子を見守っているが驚いてひとりワタワタしている。

だって段々と印を付けていく範囲外確実に広がっているからだ。
どれだけ広い建物を作る気なんだろうと少し不安になるのも無理はない。
そんなお父さんにムキじぃーちゃんは心配するなと声をかけるがお父さんの耳にはどうやら聞こえていないようす...。

ひとりワタワタしているお父さんに気付いたロドじぃーちゃんが手招きをする。
お父さんはその手招きに気付いて慌ててロドじぃーちゃん達の元へ向かう。

ロドじぃーちゃん達の元へ向かうと

「悪いが俺らの印を付けている所に全部にお前さんの魔力を少しだけ流してくれるか?」

と言われたのでお父さんは恐る恐るといった感じで印の付いた場所に自分の魔力を少しだけ流す。

すると...。どうでしょう。その場に見たことのない印字が浮かび上がってそれが綺麗に混ざり合って地面に吸い込まれていくではないか。

どうやら浮かびあがってきた印字は大工ギルド、冒険者ギルド、商業ギルドのマークともう一つは全く見たことのないマークだったが、吸い込んでいった地面には特に変化はないようす。

お父さんは驚きつつ誰に何を聞いたらいいのか困惑しているとムキじぃーちゃんが声をかてくれた。

「アレは、今から建てる建物の最初の所有者の印を書き込んだのさ。トラブル防止策の一つだ。これを最初にしておけば、ここに建てる建物に関しての権限を無条件で得る事ができるだ。良かったじゃねぇーかぁー。頑張れよ。」

ムキじぃーちゃんの言葉にお父さんは思わず目が点に。そして....

「えっ?...?えっ!えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

普段の父さんからは想像つかない大きな声が響き渡るとその場に居た人達は慌てて耳栓をする。
お父さんは叫びながらもパニックになっている。

「うっさいじゃないかい!!お黙り!何をそんなに驚く必要があるんだい?!
この建物の案を考えたのはお前さんだろうがね!
 しかも、この土地の所有者で一家の大黒柱なんだろう?だったら問題ないじゃないかい。もう少ししっかりおしよ。
こんな事でいちいち驚いてたらこの先どうすんだい!」

ルミばぁーちゃんがお父さんに喝を入れる。
その様子をロドじぃーちゃん達は笑いながら眺めている。

建設予定の土地に魔力がしっかり馴染んだ事を確認し終えると早速建築に取り掛かる。
ドムじぃーちゃんとロドじぃーちゃんの案で素材保管庫として地下3階まで最初に造っておく事にした。

3つのギルドが1箇所に集約させるので素材等もそれなりに集まる事を見越してのこと。もちろん地上部分にも素材保管場所を作るつもりだが、スペース的に地下に大きめの保管庫を作るのがこの国の常識というのでそれなや習うことに。
実際に活用される様になり足りなくなったら増築して行く予定で建設していく。

地下倉庫はロドじぃーちゃんとドムじぃーちゃんがメインで作成してくれることに。
地下の壁や床、階段の素材は耐久性や通気性に富んだ"雷地鉱石"と"通風草"いう素材を組み合わせて使用すると作業しながら教えてくれる。

 "雷地鉱石"は滅多に採れない特別な鉱石らしくドラゴンの住処近くの山でしか採れないとか。
しかも、見つかったとしても運が良くて一個あればいい方だとか...。
見た目はただの黒石しか見えないが光の当たり方によっては稲妻が走った様な模様が見えるのが特徴。
耐久性や通気性に富んでいるのは勿論のことで、熱にも強く防臭効果も高い高級品。

   "通風草"は響き的に痛風草に聞こえるが、こちらもかなり貴重な草。
湿気が多く風通しのいい所でしか育たない草で最大全長5メートルぐらいになるのか。
捨てるところが一つもない草で、防臭・防虫効果の他に、通気性に富んでいる上に耐震性に強く、この草の根を擦り潰して使うことにより壁や床の強度が増してドラゴンが踏んでもヒビが入らないとか...。
そのため、貴重な建物を作る際必ず用いられる素材の一つだとおしえてくれたのだが...。

????街のギルド...ですよね??お父さんは内心そう呟く。

これらの材料に関しては今回"色々建物を建てるだろう"という事でドラしゃんが本来の住処からごそっと取ってきて用意してくれたものだという。

各部屋に付けるドアは湿気を良く吸う"緑峰木"と"蘭翠蔦"を使用するのだとか。
木の扉も耐熱性に富んだ素材を使用するし...。

ちなみに"緑峰木"と"蘭翠蔦"もドラゴンの住む山にしか生えないとても貴重なもの。市場には出回らないものだという。
これももちろん...ドラしゃんが持ってきたもの。
(えっ??これって色々やばくないですか?)
お父さんはもうすでにパニックになりかけている。

そんな事はお構いなく話は色々進んでいく。

扉には本来あるはずのドアノブをつけずに石の板をつけるのだとか。
その石の板も魔石で造られた板でギルドタグを翳して開ける仕組みというが...これまた貴重な魔石...。

しかも扉の横に設置する壁には必ず石板が埋め込まれるとか。
部屋に素材を入れたら自動的に内容がその石板に記録されていくとかはなしている。

もうここまで来たらお父さんは考えることを放棄して言われるがまま作業に打ち込むことにした。

地下の部屋や廊下の灯りも地上と変わらない明るさが保てる様にと特殊な魔石等を使用して細工されていく。
灯りはお父さんとお母さんの工房にもあった提灯風の灯りをルミばぁーちゃんが採用したようでおしゃれな仕上がりに。

ある程度原型が完成したらドムじぃーちゃんの指示にてお父さんが耐久性向上の為に魔力を流しこむ。
必要ないような気もするがお父さんは静かに言われたことをする。
これで一応地下倉庫は完成したようだ。
(もうこうなったらなんでも来い!)

次に地上部分...ギルド本体の建設に取り掛かる。

ここからはルミばぁーちゃん、ムキじぃーちゃん、お父さん、ラミィお兄ちゃん、モッケしゃんが奮闘する。

「ワテ、馬車しかやった事ないんですわ。でも頑張りますで!」

モッケしゃんの言葉にルミばぁーちゃんが溜息を吐きながら返事をする。

「はぁー。誰もアンタには期待してないよ。とりあえずロドムカ達のところにいな。」

その言葉を聞いてモッケしゃんはへっ?!と言いながらも安心した表情でロドじぃーちゃん達の方へ向かう。

その後ろ姿を見送るお父さんにムキじぃーちゃんがそっと囁く。

「アイツ魔力量が多いわりには操作が下手くそでな、魔力使うの苦手なんだよ。」

その言葉を聞いてお父さんは納得する。
でもモッケしゃん見た目的にはなんでも器用にこなしそうなの感じなのに...。

ロドじぃーちゃん達は建物から少し離れた場所に生えている木の根元で座って休息をとる。
そこにモッケしゃんが移動したのを確認してルミばぁーちゃんはお父さん達に向きなおり

「いいかい?これから一気に造って行くよ。私とムキファー、そしてラミィーで骨組みと大まかな部分を造っていく。
 あとはユウダイ。アンタの力が重要だよ。私らが造り出す骨組み部分にイメージと魔力を流しながら補強しつつ建物や家具を構築していくんだよ。
 アンタのセンスは私達は気に入ってる。この世界に新しい風を吹き込みな。遠慮はいらんよ。思う存分やっておしまい!
 文句言われたら責任はフレアに押し付けてしまえばいいのさぁー!」

ルミばぁーちゃんの言葉に皆んなは引き笑いをしながら頷く。
お父さんも迷いをすて自信を持って取り組む事にした。

ロドじぃーちゃん達が造った倉庫の天井部分がギルドの床となる。
そのためそこに必要な素材を必要なだけ場所に置いていく。

ドラしゃんが用意した物もあればムキじぃーちゃん達が持っていた素材も合わせて置いていく。

素材を全て置き終わるとお父さん以外の人は建物の外になる場所まで移動する。
お父さんはルミばぁーちゃんに言われた位置に立つ。
全員の配置が完了するとルミばぁーちゃんの合図で魔力を流しながら魔法を使って作業開始。

 ムキじぃーちゃんとラミィお兄ちゃん、ルミばぁーちゃんが魔力を流すと置いてあった素材が宙に浮き混ざりだす。
そしてそれぞれが呪文を唱え出すと素材は形を変えだす。
お父さんは慎重にその光景を見て自分の魔力を流すタイミングを見計らう。


大まかな形になり固定された時お父さんは目を閉じて自分の足に。両手に。
イメージをしながら魔力を込めていく。
そして、それを自分が考えている建物になる様に建物全体に流していく。

お父さんが魔力を流し出すと大まかな形していたものが具体的な物に姿を大きく変えていく。
細工も細かくされていきそれぞれの素材が適切な物に姿を変えていくさまは本当に魔法だ。

「何べん見ても凄い光景だな。生きているうちにこんな連中に会えて良かったわ。しかも味方でだぜ?ありがたいわ。」

ロドじぃーちゃんは苦笑いしながら呟くとその呟きにドムじぃーちゃんもモッケしゃんも頷く。

お父さんが魔力を流し出したらルミばぁーちゃん達は魔法を使うのをやめて事の成り行きを見守る。

「ここまですればあとはユウダイに任せればいいだろうね。本当に凄いさね。現役時代の私でもここまでは出来なかったね。羨ましいよ。」

ルミばぁーちゃんはあっという間に"ギルド"として形を成す光景を見ながら呟いく。

「本当に凄いですよ。この一家が善良な方々で良かったです。そうでなかったら...。考えただけでもゾッとします。私達の力ではどうやったって勝てる相手ではありませんから。」

ラミィお兄ちゃんも魔力を整えながらルミばぁーちゃんの方へと歩み寄りながら呟く。

「コイツらは俺達が思っているよりしっかり考えてるぞ。まだまだ若いのによ。自分達で出来る事を見つけてよ、身の丈にあった生活をしようと地に足をつけて生活してんだ。今までの奴らとは大違いだよ。」

ムキじぃーちゃんもルミばぁーちゃんの方に歩み寄りながら呟く。
それを聞いていたルミばぁーちゃんが溜息を吐きながら

「この一家の爪の垢を煎じてアイツに飲ませてやりたいもんだね。
そうすれば少しはまともな奴になるかね。」

ルミばぁーちゃんの呟きはお父さん以外の人の耳に届いているはずなのだが...誰からも返事が返ってこない。
代わりに大きな溜息が複数聞こえてきた。

ルミばぁーちゃん達が愚痴を言っている間にギルドは完成した。
完成した建物からお父さんが出てきて

「皆さん。お待たせしました。なんとかできたと思います。良かったら確認お願いできますか?」

お父さんは謙虚な姿勢で建物の外で待機していた人達に声をかける。
そのの声を聞き木の下で休んでいた3人も合流してできたてのギルドの中に入って行く。

中は予想以上の出来栄えでギルド...にしてはもったいない内装となっている。
自分達の知るギルドと内装が全く異なっていて面白い。

 まず正面の入り口からして凄い。正面の入り口の扉は外開き仕様になっているのだが、細かな彫刻が施されているではないか。
しかもそれぞれのギルドのシンボルマークがちゃんとバランスよく掘られている。

そして、入り口入って直ぐに待合用に広い空間が広がっているのにも驚き。
前もって絵で確認していたが...実物は更に凄い。
大勢の人がきても窮屈感を感じない広い作りにしている。
ちゃんと横にも出入り口が設けられている。

入り口入ってすぐ右手側には"総合受付"と書かれた看板が設置された窓口カウンターが。
そこを起点として、左横に順番に素材買取場と解体所、それぞれの用途のカウンターと窓口がちゃんと設置されている。

カウンターは木製で細かい細工が施されており、ただ見るだけでも楽しめる様になっている。
なにより他のギルドにないのが...それぞれの窓口の上とカウンターテーブルの前に看板があり何の窓口かも書かれあるのだ。

職員が使うであろう机も椅子も使いやすい物で、待合のスペースも十分にあり休憩できるように小さめの机や椅子まで設置してあるではないか。

照明に関しては工房のとはまた雰囲気の変わった造りになっているし、天井や壁には照明がわりの魔石が埋め込まれており空間全体が明るく感じるようになっている。

1階にある素材買取り場と解体受付窓口の壁の裏全部が解体所となっているが、解体中の匂いなどを防ぐ処置も施し済み。

あと、2階や3階に上がる階段には手摺りが付けられていて、足元には滑り止めの様な物も付いているではないか!

「2階は応接室と職員さんの休憩スペースを造ってます。3階にはギルドマスターの部屋と会議が出来るような部屋も造ってます。
あと、足りない物は後々増設で良かったんですよね?」

お父さんは伺う様にして皆んなに声をかけると...

「こりゃぁー完全にやっちまったなぁー。」

ムキじぃーちゃんの言葉にお父さん以外の人が頷く。

「えっ?!ど、どういうことですか?!」

お父さんが慌てて質問するとモッケしゃんが説明してくれたのだが...要約するとこの世界のどこを探してもここまで立派なギルドは存在しないということです。....。

 なんとか無事(?)にギルドが完成ということで、完成したギルドから出ることに。
外に出るとそこには私とお兄ちゃんを抱っこしたドラしゃんとお母さんが。

ルミばぁーちゃん達から届いた伝言を受け取り内容を確認後に処理を行い、気になったのでここに来ようとしたら私達がお昼寝から覚めたので一緒に来た...と、言う感じ?

お父さん達は私達の姿を見て笑顔で駆け寄ってくる。
ドラしゃんは駆け寄ってきたお父さんに私を預けるとムキじぃーちゃん達に話しかける。

『これまた豪勢な物を建てましたね。やりすぎでしょう。お前達がついていながら加減ってものをしらんのか?
下手したら王宮より豪華なのでは?
あと看板をつけていませんが名前はどうするんですか?』

前半はムキじぃーちゃん達に。後半はお父さんにドラしゃんは声をかけた。

「いいじゃねぇ~か。あそこまで色々やってんだ。今更これぐらい大した事ないだろう?
 それに加減しようにも無理だろう。」

ムキじぃーちゃんはドラしゃんに皆の代表で返事をする。

ムキじぃーちゃんの言葉にドラしゃんは溜息をつく。
まぁードラしゃんも分かっているから追及は鼻からするつもりはなかった。

そんなやり取りを聞きながらお父さんは考え事をしていた。
そして何かぶつぶつと...

「名前。名前。...。何か...大工...商業...冒険者...3つのギルド...。新しい...。街...。」

私は首を傾げながらお父さんの様子を見ていると、ふと私と目があったお父さん。
私の目をずーっと見てくる。
気付いたら少しずつお父さんの顔に笑みが浮かんできて

「名前。名前決めました!」

お父さんの声に全員が一斉に私とお父さんの方を向くとお父さんは皆に聞こえるように

「ギルドの名前は"総合ギルド・新緑"です。全てのギルドが集まっているし森の中にありますし...。あのう...どうでしょうか?」

お父さんの言葉を聞いて面々驚いた顔をするもののすぐに笑顔になる。

「いいじゃねぇか!」

「総合ギルド・新緑。いいじゃないかい?」

「なんかいい響きだなぁー。」

「素敵です。」

「あんさん天才ですわ!」

「ああー。いいと思うぞ。お前さんらしいわ。」

『ではそれで決まりですね。』

それぞれが褒め言葉を述べ、ドラしゃんはギルドに向かって魔力を流し看板を付ける。

【総合ギルド・新緑】

こうしてまた新しい建物が完成した。

「ギルドもできたんだ。ついでに街の名前も決めちまえよ。」

ムキじぃーちゃんはそう提案すると珍しくもドラしゃん達も素直に賛同する。

お父さんは焦って私達家族を見るとお兄ちゃんが手を挙げ...。

「はい!僕は"笑顔"がいいです。」

お兄ちゃんの言葉に皆は驚く。
私は素直にお兄ちゃんに尋ねる。

「えがお?なゃんで?」

私の質問にお兄ちゃんはそれこそ笑顔で

「だって、ここに居る皆いつも"笑顔"だもん!」

その答えに私も私も笑顔を浮かべる。
確かにここに来てから両親の顔には常に笑顔があった。
ここで出会って人達も私達の前では常に笑顔だ。そして...私とお兄ちゃんも,
いつ見ても笑顔がある...。

私とお兄ちゃんの顔を見て皆は苦笑いをうかべて

『"笑顔"ですか...。あの子達にはそう見えてるんですね。』

ドラしゃんがそう呟くとムキじぃーちゃん達も面々に呟く。

「確かにそうかもなぁ。特にお前なんか、ワシらが見た事ない顔をよくするしなぁー。」

「いいんじゃないかい?"笑顔"。悪くはないと思うがね。」

「おーぅ。良いんでないか?チビ共にそう思って貰えてるんだからよ。」

「確かにですね。子供の意見は大事です。これからの未来を担うのですから。」

「じゃー俺達はずっと笑顔を絶やす事ができねぇーなぁー。」

「何言ってますの?ここにおったら笑顔なんて普通に出ますよって。」

ルミばぁーちゃん、ロドじぃーちゃん、ドムじぃーちゃん、ラミィーお兄ちゃん、モッケしゃん。そして、ムキじぃーちゃんもドラしゃんもそう言いながらそこには笑顔が。

それを見てお父さんもお母さんも笑顔に。

この日、私達の住む場所の名前が決まった。【笑顔になる妖精のいる街】だ。

(お兄ちゃんの言った"笑顔"に私とお兄ちゃんが"笑顔の妖精"との事でこの名前になったんだって。
 大きくなってこの話聞いた時は恥ずかしかったよ。)

街の名前が決まるとドラしゃんが門扉に看板を付けた。
看板をつける事により張り巡らされて煽る結界がより補強されるようになるんだとドラしゃんが教えてくれた。

そして、今後街になる周囲をとりあえず木の壁で覆っていく。

『これで少しは街らしく見せるでしょう。明日から少しずつ必要な物を建てていけばあらかた街として完成するでしょう。』

そうドラしゃんが言うとその日の作業はこれまでにして、皆で家路に着いた。

道中ムキじぃーちゃんがドラしゃんに質問する。

「あのババァーからの伝言はどう処理したんだ?」

ムキじぃーちゃんの言葉にルミばぁーちゃんは怒りの言葉を投げつけていたが、ムキじぃーちゃんは無視してドラしゃんの方を見る。

『それぞれの内容に適した人物がいる場所に飛ばしましたよ。後はその返事待ちですね。まぁー直ぐに返事はきますよ。』

ドラしゃんは澄ました顔で返事をするとその言葉を聞いてムキじぃーちゃんは"なるほど"と言ってまた笑う。

私達の家に着き取り敢えず皆でリビングにいき休息をとることに。
お茶を飲みながら今後何を建てるか話し合うこにした。

お母さんとルミばぁーちゃんがお茶の準備をして面々に配っていく。
そんな中ドラしゃんが

『現在取り敢えずですが、生活に必要最小限のものは出来上がりました。
家。工房。畑。ギルドに門扉。外壁。
後々、改装や増築は必要になるかと思いますが、今の所は現状で大丈夫でしょう。
 しかし、今後の事を考えると建てなければならない物や作らなけばいけない物があります。土地に関してはラミィーの協力も得て十分確保して広げてあります。
 それぞれ意見を出して纏めていくとしますか。』

ドラしゃんの言葉を聞いて面々帰り道の光景を思い出していく。
最初なかったはずの小川や池なんかもあったような...。
何よりも凄いのがあんだけ木々で覆われていた場所だったのに必要最小限の木を残して後は綺麗になくなっていたような...。
そして、草花が生えた地面が永遠に広がっていたような...。

後からラミィお兄ちゃんから聞いた話ではドラしゃんが根本から綺麗に木を抜いて若木は別の場所に植え替え古木は素材にしたので問題ないとか。

しかしいつのまにそんな事をしたのか誰も分からなかった...。

(ハイスペック過ぎですよ!)

ドラしゃんの言葉に最初に返事したのはロドじぃーちゃん。

「なら、剣術訓練場や魔法訓練場がいるな。チビ共にも必要だし今後人が増えるなら必要だろう。あと、民宿や馬小屋なんかもいるな。」

その言葉に続いてルミばぁーちゃん達も順に意見を出していく。

「なら、宿舎もいるね。今後ギルドなんかにも従業員が来るんだ。そいつらの住む場所も必要だろう?」

「後はお食事ができる食堂なんかも必要ですね。それに、家畜なんかも飼育していくのも大事ですね。農園に関してはユウダイさんのをもう少し広げるか増やせば問題ないですから。」

「後は、娯楽施設だな。人が集まれば集まるほど必要だろうしなぁ。
 これは、そこまで焦って作る必要はないな。ある程度人が増えてからでも問題ないわ。」

「あとは見張り台や街の警備強化も一応必要でっせ。街に出入りする人がええ人ばっかりではないですきに。」

皆んながそれぞれ必要な物を口々に意見を出し合っていく中、どこらから取り出した紙とペンでドラしゃんがメモをとっている。

私とお兄ちゃん。お母さんとお父さんはただその光景を見守りつつも自分たちも何か必要なものがあるかを考える。
私達家族だけでのんびり過ごすつもりが、以外にも規模が大きくなって来ていたのだった。












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