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第一章 運命のはじまりと新たな出会い
1-7 怪しい人影とこの世界について
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夜もふけり皆んなが寝静まった家の前に動く人影が現れた。
その人影は家の扉を開ける事なく家の中になんなくと侵入してきたのだ。
そして迷うのとなく私とお兄ちゃんが居る部屋へと向かってきたのだ。
この家は勿論の事子供達の部屋は特別仕様。
しかもこの家には最強の守護者のドラしゃんが仕掛けた結界もあるし地下にはドラしゃんが居る。
そうそう侵入が許される筈がないし、あってはいけない。
しかしその人影は特に妨害もされる事なく家に入り子供達の寝ている部屋にも扉を開ける事なく侵入したのだった。
そして、すやすやと眠る子供達の側に行くと寝顔を見って微笑み眠っている私達の頭をそっと撫でたのだ。
『大変な1日になって、申し訳ないね。
しかも、一年で1番大事な誕生日の日に...。
しかしこうするしかなかったんだ君達をこの世界に呼ぶには...。許してくれとは言わないよ。許されるともおもってないしね。
でも安心しておくれ。この世界に来たからには、私達が全力を持って君達を守るから。
ゆっくりでいい。
しっかり、元気に育っておくれ。
沢山の事を学び体験しておくれ。
色んな出合いをしてこの世界を見て好きになっておくれ。
この世界とこの世界に生きるもの達を。
これからの君達に幸多からんことを。』
その人影は眠る私達にそう語りかけ眠る私達に祝福のキスをくれたのだ。
この人影こそが私達一家をこの世界に連れてきた張本人にしてこの世界の神様。
しばらく、私達の寝顔を満喫した神様は私達の寝室を後にした。
私達の寝室から出るとそこには地下の部屋に戻った筈のドラしゃんがいた。
神様は特に驚く事もなくドラしゃんに話しかけた。
『どうだ。彼らはやっていけそうかい?』
神様は私達と両親が寝る部屋を見つめながらドラしゃんに尋ねるとドラしゃんは私達に見せた事ない顔をし荒い口調で神様に返事を返す。
『勝手に侵入するな。
しかもキスまで。私ですらまだしてないのに。』
『おっ!まだだったのかい?やったね。』
ドラしゃんは呪いでもかけんばかりの表情で神様を睨んでいた。
そんなドラしゃんを茶化す様に神様は煽る。
『クソ!見ていたからわかるだろうが!
子供達は別としてあの両親は飲み込みが早いなぁ。この世界に適応するのも早いだろう。
ただ自分達の常識とズレがあるのを修正するのが大変そうだが...それもどうかするだろう。
強い家族だ。こんな人間がまだいたとはなぁー。』
ドラしゃんは目の前の神に自分の感想を伝えると神は少し驚いた顔をしたが納得した様子だった。
『今後の予定はどうするつもりかい?』
神は分かっていても不貞腐れ顔の相棒に声をかけた。
『本当にあんたは捻くれてるなぁー。
一応明日から親の方には魔力と魔法について教えていくつもりだ。
それ以外は普通の生活をしてもらうんでいいんだろう。』
ドラしゃんの答えにあぁーと相槌をうつ。
『子供達はとにかく楽しんで貰う。
遊びながら力の使い方を少しずつ教える予定だ。ただ...。』
ドラしゃんは言葉を詰まらせた。
日中起きた2階での出来事が頭をよぎったのだった。
まだ反応する筈のなかったあの部屋が反応してしまったのだ。
しかもリンがそれに同調しかけた。
今回はなんとか誤魔化せたが次は上手く行くとは限らない。
悩んでいるドラしゃんに神は諭す様に言った。
『確かにあの出来事は見ていた私ですら焦ったよ。その場に居た君は特にだろうけど。
でも大丈夫だ。アレは賢い。まだ時では無いことに気付いてまた眠ったよ。
今回はだだ確認しただけだろう。
彼女の力量を。今はただ彼らの成長を見守るしかない。あんな素敵な両親を持つ子供達た。いい子に育つよ。』
神はそう言い切るとまた私達が寝る部屋へ視線を戻すとドラしゃんは呆れ半分納得半分の顔をして神を見た。
言われなくても分かっているからだ。
いやその言葉を神の口から聞きたかっただけかも知れない。
『しっかし、可愛かったなぁ~♡
あの2人のパジャマ姿♡』
さっきまでシリアスな顔をしていたのにいつのまにかデレデレ爺さんの顔をする神様。
ドラしゃんはあえて突っ込まずにいた。
だって自分もあの2人のパジャマを着ている姿を見て同じ事を思ったからだ。
『他の服を着た姿も見たいなぁ~。
いいなぁ~。
お前、あの姿の2人を毎日近くで見るんだろう?ずるいなぁ~。
私もここに住んじゃおうかなぉ~。』
そんな神様にドラしゃんは勝ち誇った顔をして
『いいだろう。変わってやらねぇからなぁ。
てか、お前神だろ。仕事あるだろう?自分の神殿に帰れ。あそこに居ても見れるだろう。
まぁ~俺は間近で見れるがなぁ~。
住ませねぇ~ぜ。帰れ。』
大の大人2人が子供みたいなやりとりをする。
しかし仕方がない。
それだけ彼らにとって私達の存在は大事だったのだ。色んな意味でね。
言い合いのネタが尽きた頃神様はふと思い出したかの様にドラしゃんに話し出した。
『あっ、忘れてた。
ある程度彼らがここの生活に馴染んで来たら彼に合わせてあげてね。
徐々に村にも連れて行ってあげてくれるかい。
彼にはもう連絡してあるから会えそうな頃合いになったら君からも彼に連絡してね。』
神様は本当にそれまで忘れていたのだろう。
気まずそうにドラしゃんに伝えるのであった。
『おい。それは奴に悪いだろう。
仕方がないなぁー。分かった。
ある程度したら一家を彼に合わせるさ。
その方が一家も心強いだろう。』
『あー。頼むよ。彼も楽しみにしてると思うからね。
そうだ一つカケをしよう。』
神様は悪戯っ子みたいな顔をしてドラしゃんに言った。
『カケだと?』
『あー。カケだ。
彼が、リンとアキラにベタ惚れになるのに宝葡酒一年分。
どうだ?』
神様は自身満々に言うがドラしゃんは苦笑いした。
『それ...カケにならんぞ。
オレもそっちに宝葡酒一年分だ。』
じぁー引き分けだねって神様は呟きながら肩をすくめた。
宝葡酒とは宝石の様にキラキラした葡萄に似た果実を使って作ったお酒だ。
その美味さといったらなんとも言えないもの。
神様の他、高位種の種族であるドラゴンも好んで飲んでいるそだ。
それは彼らしか飲めないものだからね。
他の生き物が飲むと内側から焼き尽くされ宝石の様な石に姿が変えられるのだ。
この2人はその酒が大好物でよく飲んでいる。
『次、来る時は土産に持ってくるよ。
彼らの事頼んだよ。』
そうドラしゃんに伝えると先程までの賑やかさを潜めて神様は静かに姿を消した。
神様が姿を消した後、ドラしゃんは私達の寝室へ来た。
部屋の真ん中にあるベッドには私とお兄ちゃんが仲良く手を繋いで眠っていた。
ドラしゃんは静かに私達の顔を覗き込みそっとドラしゃんが私の顔を触ろうとしたら
「ドラしゃん。」
私は寝ながらドラしゃんの名前を呼んだ。
ドラしゃんはビクッと体を揺らす。
更にじっとドラシャンが眺めると
「ありあとう。」
私は夢の中のドラしゃんに告げたつもりがドラしゃん本人言っていたみたいだ。
ドラしゃんは嬉しそうに微笑み
『こちらこそ、ありがとうございます。良い夢を。』
といい私のおでこにそっとキスをしてくれた。
そして再度私の顔を見つめると私達の部屋を出た後に自分の部屋へ戻って行ったのだ。
朝になると私達の部屋にドラしゃんが起しに来た。
私とお兄ちゃんは寝坊かながらもドラしゃんに手伝って貰いながら朝の支度をする。
今日の服はお兄ちゃんと色違いのツナギ服だ。
お兄ちゃんは水色で私は桃色のツナギ服。
胸のところに大きめのポケットが1つ、ズボンの側面にも1つずつポッケがついていた。
着替えが終わると私達はドラしゃんに抱っこして貰い1階まで降りた。
下ではすでにお父さんもお母さんも起きており朝ご飯の準備をしていた。
ドラしゃんにそれぞれの指定席に座らせて貰い朝ごはんにした。
今日の朝ごはんはシンプルにご飯と味噌汁、焼き魚と目玉焼き。
デザートにウサギさんりんごが付いていた。
私は半分寝ながら食べていたので途中からドラしゃんに食べさせて貰った。
朝ご飯が終わった頃には目も覚めてお兄ちゃんとプレイルームスペースで遊んだ。
私達が遊んでいるのを確認してお父さん達はドラしゃんと話を始めた。
『昨日はバタバタでしたが疲れはとれましたでしょうか?』
ドラしゃんは気遣う様にお父さんとお母さんに体調の確認をした。
「大丈夫です。夜もしっかり寝れたので。」
確かに顔色も良く疲れは残ってなさそうだった。
『それは良かったです。
それでは今日からのこの世界での過ごし方等に付いて詳しく教えていきますね。』
ドラしゃんはそう言うと1枚の古びた紙をテーブルの上に広げ説明をはじめる。
それは、1枚の地図で見たことのない地形や名前が描かれたものだ。
『まず、皆様が今後生活する世界についてお話しします。
この世界は【デスティニー・ウォール】と呼ばれる世界です。
そして、私達がこれから住む村のあるこの国は、【ウォルト】と呼ばれており、別名【神の庭】です。村の名前は【セイファス】、別名【命の泉】です。
この国は、特に多種多様の種族が共存しながら生活をしております。
一昔前まではそうでもなかったのですけどね。今は大丈夫です。』
地図の地形を1つずつ指を差しながら説明してくれた。
『あと種族についてですが私の様なドラゴンもいますが数は少数です。
ほとんどが人間族となります。
あとは...人の姿に似た妖精族、エルフ族、ドワーフ族もいます。
そして、オーク族、オーガ(鬼人)族、ウルフ(狼人)族、兎族、虎族、鳥族の人にも獣にもなれる種族もいます。
それと人間とそれぞれの種族のハーフもいます。
あと、あまり伝えたくはないのですが魔物も存在します。
奴らは言葉を理解しない本能のみで生きています。
視界に入るもの全て皆殺しにします。
この国では奴等に対抗する為、魔法があります。そして、ある程度の規模の村や街では[ギルド]と言うものが存在します。』
ドラしゃんの話にだんだんと両親はオタクモードが発動させた。
こうなった両親はある意味無敵モードで理解力、対応力、応用力は数十倍にUPをする。
自分を見つめる瞳の輝きが増した2人を見たドラしゃんは少し引き気味。
『この手の話はお二人は知識がおありかと思いますが一応説明させて頂きます。
[ギルド]は2つ存在します。
1つは、冒険者ギルドです。
こちらは魔物討伐や未開の地の探索や素材の採取等が主な仕事なります。
2つ目は、商業ギルドです。
こちらは商売を主としています。
冒険者が討伐した魔物の素材や魔石等の販売や素材の販売、商人の管理を行っています。
そして[ギルドカード]と言うのも存在します。
こちらは皆さんの世界で言う免許や保険証の代わりだと思って頂けたら宜しいかと思います。
ギルドカードはどちらかのギルドで作る事が出来ます。
身分証がわりになりますので旅をする人や商人、冒険者は必ず持っています。
ここまではご理解頂けたでしょうか?』
ドラらしゃんが確認を取るとお父さん達は満面の笑みを浮かべて頷いていた。
離れたプレイスペースでいる私達ですら引くほどのはっきりとわかる表情をしていた。
『次に、魔力についてお話しします。
魔力はこの国では無くてはならないものですが人によって魔力の''量"や"質"、"能力"は違います。
そしてその魔力によってその人の全てが決まると言っても間違いではありません。
魔力が強い程、魔法使いや賢者、聖者になれます。
魔力の次に大事なのはスキルです。
スキルの内容によって仕事についた時に色々不便がなくなります。
まぁー、まず御一家は魔力に関しても、スキルに関しても大丈夫です。』
ドラしゃんの話の内容にお父さん達の頭の中ではきっとゲーム画面が開かれてる感じだろう。
(何故わかるかって?顔付きがゲームをしている時の顔になっているからだ。)
そんな2人にあえて触れずにドラしゃんは話の続きをした。
『しかし。ここからが問題です。
皆様は、魔力のない世界で過ごされていましたから、体がまだ魔力に慣れておりません。
力加減や魔力弊害等にも気をつけなければいけません。課題は山積みです。
ですからまず魔力のある生活に慣れる事から始めます。
初日もお話しましたがこの世界に来たからと言って絶対にしないといけない使命はございません。
ですが、このままではこの世界で生活するのはまず無理です。
魔力をある程度使える様にならないと。
この世界で皆様が楽しく生活される基盤が出来るまでしっかり、みっちり指導していきますのでご安心ください。』
最後にはドラしゃんは悪魔の笑みを浮かべていた。
(あれは、本気でスパルタ指導するきですね。)
しかし、お父さん達の顔は楽しそうだった。
あの顔は新作ゲームをする時の顔だ。
やる気が無いよりはまっしだが...。
ドラしゃんは取り敢えず昨晩寝る前に作成しておいた今後の予定を書いた小冊子を2人の前にそれぞれ置いたのだった。
表紙には、【新しい世界へようこそ~新生活の手引書~】と書かれていた。
そして隅にはそれぞれの名前が書かれていた。
2人は目の前に置かれた小冊子をそれぞれ手に取った。
「あのこれは?」
お父さんは手に取った小冊子とドラしゃんの顔を交互に見ていた。
『見ての通りです。この世界で、生活する上で大事な事を書いてあります。
その中に書かれた事を全てこなされましたら最低限この世界で安心して生活できるレベルになるかと思います。』
ドラしゃんはお父さんの顔を真っ直ぐ見て答えた。
お父さんの横でお母さんは自分の名前を書かれた小冊子を見ていた。
「これは私とお父さんでは中身が違うのですか?」
お母さんはふと思った事を聞いてみた。
『最初の5ページ程はお2人共内容は同じです。それ以後は、異なります。
それぞれの特性に合わせた内容になっております。
旦那様の方は、今後一家の大黒柱として収入を得て頂く予定です。
その為に必要なスキル獲得方法や職業アドバイスが書かれた内容となっております。
坊っちゃまが大きくなった時に、指導やアドバイスが出来るようにもなっております。
奥様の方は、一家の縁の下として必要な内容となっております。
家の中をメインで支えていくのに便利な魔法やスキルを中心としております。
あとは、女性でもつける職業も記載しております。
お嬢様が大きくなった時に、指導やアドバイスが出来るようになっております。』
ドラしゃんは、お父さん達だけでなく大きくなった時の私達の事も考えてくれていたのだった。
『御理解頂けているかとは思いますが小冊子の中に書いてあるのはあくまでも基本の事のみです。
それ以外の事に関しては実際に体験しながら学んでいかれる方が良いかと思います。
解らない事がありましたらなんでも聞いてください。
解らないままでいる事がこの世界では命取りに繋がります。』
ドラしゃんは真剣な眼差しのまま言葉を繋いでいた。
ドラしゃんの真剣な表情と言葉にお父さん達も先程までの顔つきはなりを潜め真剣な表情になっていた。
「早速質問してもいいですか?」
お父さんはドラしゃんに尋ねるとドラしゃんは頷いて答えた。
「もし、この世界で自分達の力で生活が出来る様になっても一緒に居てくれますか?」
お父さんの質問内容にドラしゃんは驚いた反応をした。
が、すぐにいつもの笑みを浮かべた。
『勿論です。皆様が居なくなれと言われるまでは居るつもりです。』
ドラしゃんの返事にお父さんもお母さんもほっとしていた。
勿論、その返事が返ってくるとは思っていたが念の為に聞いてみたのだった。
「安心して居なくなれって絶対に言わないから。この世界で私達は貴方に会えなかったら路頭に迷って居たし。
確かに神様からの使いで一緒に居てくれている事は知っているけど、もう私達にとってドラしゃんは家族の一員なのよ。
おかしい事を言っていると思われても仕方がないわ。あって1日しかたってないのよ。
でも時間なんて関係ないのよ。
私達が家族と思ったら家族ですから。」
お母さんはお母さんブシを発揮していた。
お母さんの言葉にお父さんもそうだと言わんばかりに頷いていた。
ドラしゃんはお母さんの思いがけない言葉に一瞬目がウルっとなっていた。
そして小さく"ありがとうございます"と呟いていたがその声はお父さんとお母さんはには聞こえていた。
取り敢えず一通り必要事を伝え終えたので早速明日からそれぞれ実践となった。
ドラしゃんお手製の小冊子は見やすくそして分かりやすく書かれていたので取り掛かりやすかったようだ。
その人影は家の扉を開ける事なく家の中になんなくと侵入してきたのだ。
そして迷うのとなく私とお兄ちゃんが居る部屋へと向かってきたのだ。
この家は勿論の事子供達の部屋は特別仕様。
しかもこの家には最強の守護者のドラしゃんが仕掛けた結界もあるし地下にはドラしゃんが居る。
そうそう侵入が許される筈がないし、あってはいけない。
しかしその人影は特に妨害もされる事なく家に入り子供達の寝ている部屋にも扉を開ける事なく侵入したのだった。
そして、すやすやと眠る子供達の側に行くと寝顔を見って微笑み眠っている私達の頭をそっと撫でたのだ。
『大変な1日になって、申し訳ないね。
しかも、一年で1番大事な誕生日の日に...。
しかしこうするしかなかったんだ君達をこの世界に呼ぶには...。許してくれとは言わないよ。許されるともおもってないしね。
でも安心しておくれ。この世界に来たからには、私達が全力を持って君達を守るから。
ゆっくりでいい。
しっかり、元気に育っておくれ。
沢山の事を学び体験しておくれ。
色んな出合いをしてこの世界を見て好きになっておくれ。
この世界とこの世界に生きるもの達を。
これからの君達に幸多からんことを。』
その人影は眠る私達にそう語りかけ眠る私達に祝福のキスをくれたのだ。
この人影こそが私達一家をこの世界に連れてきた張本人にしてこの世界の神様。
しばらく、私達の寝顔を満喫した神様は私達の寝室を後にした。
私達の寝室から出るとそこには地下の部屋に戻った筈のドラしゃんがいた。
神様は特に驚く事もなくドラしゃんに話しかけた。
『どうだ。彼らはやっていけそうかい?』
神様は私達と両親が寝る部屋を見つめながらドラしゃんに尋ねるとドラしゃんは私達に見せた事ない顔をし荒い口調で神様に返事を返す。
『勝手に侵入するな。
しかもキスまで。私ですらまだしてないのに。』
『おっ!まだだったのかい?やったね。』
ドラしゃんは呪いでもかけんばかりの表情で神様を睨んでいた。
そんなドラしゃんを茶化す様に神様は煽る。
『クソ!見ていたからわかるだろうが!
子供達は別としてあの両親は飲み込みが早いなぁ。この世界に適応するのも早いだろう。
ただ自分達の常識とズレがあるのを修正するのが大変そうだが...それもどうかするだろう。
強い家族だ。こんな人間がまだいたとはなぁー。』
ドラしゃんは目の前の神に自分の感想を伝えると神は少し驚いた顔をしたが納得した様子だった。
『今後の予定はどうするつもりかい?』
神は分かっていても不貞腐れ顔の相棒に声をかけた。
『本当にあんたは捻くれてるなぁー。
一応明日から親の方には魔力と魔法について教えていくつもりだ。
それ以外は普通の生活をしてもらうんでいいんだろう。』
ドラしゃんの答えにあぁーと相槌をうつ。
『子供達はとにかく楽しんで貰う。
遊びながら力の使い方を少しずつ教える予定だ。ただ...。』
ドラしゃんは言葉を詰まらせた。
日中起きた2階での出来事が頭をよぎったのだった。
まだ反応する筈のなかったあの部屋が反応してしまったのだ。
しかもリンがそれに同調しかけた。
今回はなんとか誤魔化せたが次は上手く行くとは限らない。
悩んでいるドラしゃんに神は諭す様に言った。
『確かにあの出来事は見ていた私ですら焦ったよ。その場に居た君は特にだろうけど。
でも大丈夫だ。アレは賢い。まだ時では無いことに気付いてまた眠ったよ。
今回はだだ確認しただけだろう。
彼女の力量を。今はただ彼らの成長を見守るしかない。あんな素敵な両親を持つ子供達た。いい子に育つよ。』
神はそう言い切るとまた私達が寝る部屋へ視線を戻すとドラしゃんは呆れ半分納得半分の顔をして神を見た。
言われなくても分かっているからだ。
いやその言葉を神の口から聞きたかっただけかも知れない。
『しっかし、可愛かったなぁ~♡
あの2人のパジャマ姿♡』
さっきまでシリアスな顔をしていたのにいつのまにかデレデレ爺さんの顔をする神様。
ドラしゃんはあえて突っ込まずにいた。
だって自分もあの2人のパジャマを着ている姿を見て同じ事を思ったからだ。
『他の服を着た姿も見たいなぁ~。
いいなぁ~。
お前、あの姿の2人を毎日近くで見るんだろう?ずるいなぁ~。
私もここに住んじゃおうかなぉ~。』
そんな神様にドラしゃんは勝ち誇った顔をして
『いいだろう。変わってやらねぇからなぁ。
てか、お前神だろ。仕事あるだろう?自分の神殿に帰れ。あそこに居ても見れるだろう。
まぁ~俺は間近で見れるがなぁ~。
住ませねぇ~ぜ。帰れ。』
大の大人2人が子供みたいなやりとりをする。
しかし仕方がない。
それだけ彼らにとって私達の存在は大事だったのだ。色んな意味でね。
言い合いのネタが尽きた頃神様はふと思い出したかの様にドラしゃんに話し出した。
『あっ、忘れてた。
ある程度彼らがここの生活に馴染んで来たら彼に合わせてあげてね。
徐々に村にも連れて行ってあげてくれるかい。
彼にはもう連絡してあるから会えそうな頃合いになったら君からも彼に連絡してね。』
神様は本当にそれまで忘れていたのだろう。
気まずそうにドラしゃんに伝えるのであった。
『おい。それは奴に悪いだろう。
仕方がないなぁー。分かった。
ある程度したら一家を彼に合わせるさ。
その方が一家も心強いだろう。』
『あー。頼むよ。彼も楽しみにしてると思うからね。
そうだ一つカケをしよう。』
神様は悪戯っ子みたいな顔をしてドラしゃんに言った。
『カケだと?』
『あー。カケだ。
彼が、リンとアキラにベタ惚れになるのに宝葡酒一年分。
どうだ?』
神様は自身満々に言うがドラしゃんは苦笑いした。
『それ...カケにならんぞ。
オレもそっちに宝葡酒一年分だ。』
じぁー引き分けだねって神様は呟きながら肩をすくめた。
宝葡酒とは宝石の様にキラキラした葡萄に似た果実を使って作ったお酒だ。
その美味さといったらなんとも言えないもの。
神様の他、高位種の種族であるドラゴンも好んで飲んでいるそだ。
それは彼らしか飲めないものだからね。
他の生き物が飲むと内側から焼き尽くされ宝石の様な石に姿が変えられるのだ。
この2人はその酒が大好物でよく飲んでいる。
『次、来る時は土産に持ってくるよ。
彼らの事頼んだよ。』
そうドラしゃんに伝えると先程までの賑やかさを潜めて神様は静かに姿を消した。
神様が姿を消した後、ドラしゃんは私達の寝室へ来た。
部屋の真ん中にあるベッドには私とお兄ちゃんが仲良く手を繋いで眠っていた。
ドラしゃんは静かに私達の顔を覗き込みそっとドラしゃんが私の顔を触ろうとしたら
「ドラしゃん。」
私は寝ながらドラしゃんの名前を呼んだ。
ドラしゃんはビクッと体を揺らす。
更にじっとドラシャンが眺めると
「ありあとう。」
私は夢の中のドラしゃんに告げたつもりがドラしゃん本人言っていたみたいだ。
ドラしゃんは嬉しそうに微笑み
『こちらこそ、ありがとうございます。良い夢を。』
といい私のおでこにそっとキスをしてくれた。
そして再度私の顔を見つめると私達の部屋を出た後に自分の部屋へ戻って行ったのだ。
朝になると私達の部屋にドラしゃんが起しに来た。
私とお兄ちゃんは寝坊かながらもドラしゃんに手伝って貰いながら朝の支度をする。
今日の服はお兄ちゃんと色違いのツナギ服だ。
お兄ちゃんは水色で私は桃色のツナギ服。
胸のところに大きめのポケットが1つ、ズボンの側面にも1つずつポッケがついていた。
着替えが終わると私達はドラしゃんに抱っこして貰い1階まで降りた。
下ではすでにお父さんもお母さんも起きており朝ご飯の準備をしていた。
ドラしゃんにそれぞれの指定席に座らせて貰い朝ごはんにした。
今日の朝ごはんはシンプルにご飯と味噌汁、焼き魚と目玉焼き。
デザートにウサギさんりんごが付いていた。
私は半分寝ながら食べていたので途中からドラしゃんに食べさせて貰った。
朝ご飯が終わった頃には目も覚めてお兄ちゃんとプレイルームスペースで遊んだ。
私達が遊んでいるのを確認してお父さん達はドラしゃんと話を始めた。
『昨日はバタバタでしたが疲れはとれましたでしょうか?』
ドラしゃんは気遣う様にお父さんとお母さんに体調の確認をした。
「大丈夫です。夜もしっかり寝れたので。」
確かに顔色も良く疲れは残ってなさそうだった。
『それは良かったです。
それでは今日からのこの世界での過ごし方等に付いて詳しく教えていきますね。』
ドラしゃんはそう言うと1枚の古びた紙をテーブルの上に広げ説明をはじめる。
それは、1枚の地図で見たことのない地形や名前が描かれたものだ。
『まず、皆様が今後生活する世界についてお話しします。
この世界は【デスティニー・ウォール】と呼ばれる世界です。
そして、私達がこれから住む村のあるこの国は、【ウォルト】と呼ばれており、別名【神の庭】です。村の名前は【セイファス】、別名【命の泉】です。
この国は、特に多種多様の種族が共存しながら生活をしております。
一昔前まではそうでもなかったのですけどね。今は大丈夫です。』
地図の地形を1つずつ指を差しながら説明してくれた。
『あと種族についてですが私の様なドラゴンもいますが数は少数です。
ほとんどが人間族となります。
あとは...人の姿に似た妖精族、エルフ族、ドワーフ族もいます。
そして、オーク族、オーガ(鬼人)族、ウルフ(狼人)族、兎族、虎族、鳥族の人にも獣にもなれる種族もいます。
それと人間とそれぞれの種族のハーフもいます。
あと、あまり伝えたくはないのですが魔物も存在します。
奴らは言葉を理解しない本能のみで生きています。
視界に入るもの全て皆殺しにします。
この国では奴等に対抗する為、魔法があります。そして、ある程度の規模の村や街では[ギルド]と言うものが存在します。』
ドラしゃんの話にだんだんと両親はオタクモードが発動させた。
こうなった両親はある意味無敵モードで理解力、対応力、応用力は数十倍にUPをする。
自分を見つめる瞳の輝きが増した2人を見たドラしゃんは少し引き気味。
『この手の話はお二人は知識がおありかと思いますが一応説明させて頂きます。
[ギルド]は2つ存在します。
1つは、冒険者ギルドです。
こちらは魔物討伐や未開の地の探索や素材の採取等が主な仕事なります。
2つ目は、商業ギルドです。
こちらは商売を主としています。
冒険者が討伐した魔物の素材や魔石等の販売や素材の販売、商人の管理を行っています。
そして[ギルドカード]と言うのも存在します。
こちらは皆さんの世界で言う免許や保険証の代わりだと思って頂けたら宜しいかと思います。
ギルドカードはどちらかのギルドで作る事が出来ます。
身分証がわりになりますので旅をする人や商人、冒険者は必ず持っています。
ここまではご理解頂けたでしょうか?』
ドラらしゃんが確認を取るとお父さん達は満面の笑みを浮かべて頷いていた。
離れたプレイスペースでいる私達ですら引くほどのはっきりとわかる表情をしていた。
『次に、魔力についてお話しします。
魔力はこの国では無くてはならないものですが人によって魔力の''量"や"質"、"能力"は違います。
そしてその魔力によってその人の全てが決まると言っても間違いではありません。
魔力が強い程、魔法使いや賢者、聖者になれます。
魔力の次に大事なのはスキルです。
スキルの内容によって仕事についた時に色々不便がなくなります。
まぁー、まず御一家は魔力に関しても、スキルに関しても大丈夫です。』
ドラしゃんの話の内容にお父さん達の頭の中ではきっとゲーム画面が開かれてる感じだろう。
(何故わかるかって?顔付きがゲームをしている時の顔になっているからだ。)
そんな2人にあえて触れずにドラしゃんは話の続きをした。
『しかし。ここからが問題です。
皆様は、魔力のない世界で過ごされていましたから、体がまだ魔力に慣れておりません。
力加減や魔力弊害等にも気をつけなければいけません。課題は山積みです。
ですからまず魔力のある生活に慣れる事から始めます。
初日もお話しましたがこの世界に来たからと言って絶対にしないといけない使命はございません。
ですが、このままではこの世界で生活するのはまず無理です。
魔力をある程度使える様にならないと。
この世界で皆様が楽しく生活される基盤が出来るまでしっかり、みっちり指導していきますのでご安心ください。』
最後にはドラしゃんは悪魔の笑みを浮かべていた。
(あれは、本気でスパルタ指導するきですね。)
しかし、お父さん達の顔は楽しそうだった。
あの顔は新作ゲームをする時の顔だ。
やる気が無いよりはまっしだが...。
ドラしゃんは取り敢えず昨晩寝る前に作成しておいた今後の予定を書いた小冊子を2人の前にそれぞれ置いたのだった。
表紙には、【新しい世界へようこそ~新生活の手引書~】と書かれていた。
そして隅にはそれぞれの名前が書かれていた。
2人は目の前に置かれた小冊子をそれぞれ手に取った。
「あのこれは?」
お父さんは手に取った小冊子とドラしゃんの顔を交互に見ていた。
『見ての通りです。この世界で、生活する上で大事な事を書いてあります。
その中に書かれた事を全てこなされましたら最低限この世界で安心して生活できるレベルになるかと思います。』
ドラしゃんはお父さんの顔を真っ直ぐ見て答えた。
お父さんの横でお母さんは自分の名前を書かれた小冊子を見ていた。
「これは私とお父さんでは中身が違うのですか?」
お母さんはふと思った事を聞いてみた。
『最初の5ページ程はお2人共内容は同じです。それ以後は、異なります。
それぞれの特性に合わせた内容になっております。
旦那様の方は、今後一家の大黒柱として収入を得て頂く予定です。
その為に必要なスキル獲得方法や職業アドバイスが書かれた内容となっております。
坊っちゃまが大きくなった時に、指導やアドバイスが出来るようにもなっております。
奥様の方は、一家の縁の下として必要な内容となっております。
家の中をメインで支えていくのに便利な魔法やスキルを中心としております。
あとは、女性でもつける職業も記載しております。
お嬢様が大きくなった時に、指導やアドバイスが出来るようになっております。』
ドラしゃんは、お父さん達だけでなく大きくなった時の私達の事も考えてくれていたのだった。
『御理解頂けているかとは思いますが小冊子の中に書いてあるのはあくまでも基本の事のみです。
それ以外の事に関しては実際に体験しながら学んでいかれる方が良いかと思います。
解らない事がありましたらなんでも聞いてください。
解らないままでいる事がこの世界では命取りに繋がります。』
ドラしゃんは真剣な眼差しのまま言葉を繋いでいた。
ドラしゃんの真剣な表情と言葉にお父さん達も先程までの顔つきはなりを潜め真剣な表情になっていた。
「早速質問してもいいですか?」
お父さんはドラしゃんに尋ねるとドラしゃんは頷いて答えた。
「もし、この世界で自分達の力で生活が出来る様になっても一緒に居てくれますか?」
お父さんの質問内容にドラしゃんは驚いた反応をした。
が、すぐにいつもの笑みを浮かべた。
『勿論です。皆様が居なくなれと言われるまでは居るつもりです。』
ドラしゃんの返事にお父さんもお母さんもほっとしていた。
勿論、その返事が返ってくるとは思っていたが念の為に聞いてみたのだった。
「安心して居なくなれって絶対に言わないから。この世界で私達は貴方に会えなかったら路頭に迷って居たし。
確かに神様からの使いで一緒に居てくれている事は知っているけど、もう私達にとってドラしゃんは家族の一員なのよ。
おかしい事を言っていると思われても仕方がないわ。あって1日しかたってないのよ。
でも時間なんて関係ないのよ。
私達が家族と思ったら家族ですから。」
お母さんはお母さんブシを発揮していた。
お母さんの言葉にお父さんもそうだと言わんばかりに頷いていた。
ドラしゃんはお母さんの思いがけない言葉に一瞬目がウルっとなっていた。
そして小さく"ありがとうございます"と呟いていたがその声はお父さんとお母さんはには聞こえていた。
取り敢えず一通り必要事を伝え終えたので早速明日からそれぞれ実践となった。
ドラしゃんお手製の小冊子は見やすくそして分かりやすく書かれていたので取り掛かりやすかったようだ。
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