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第五章

5-14 ダンジョンに再び 新たな魔物を生み出してみる④

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 私は考えが消える前に思いついた魔物の姿を地面に描いてみる事にした。
話に夢中になっていた二人は私が黙々と地面に何かを描いていることにようやく気付いて、話を中断して私の動きを観察しだす。

そして...二人して驚いた表情をして私が描いた絵を見て固まる。

私はそんな事にも気付かずに思いついたものを次から次へと描いていく。

大小様々で、地面を這うもの。空を飛ぶもの。目が小さいもの、大きいもの。見たことがあるようでないような生き物を描いていった。

頭の中に思いついたものを全て書き終え身体をほぐすと、ブルーム兄さんとキュリッチの二人と目が合う。

『ふたりともどうしたの?そんな変な顔をして??』

私がそういうと二人は私が描いた絵を見ながら興奮気味に話しだす。

『スノー!これ!いいじゃんか?!なぁー!全部生み出してみようぜ!あの石まだあったよなぁ?
 キュリッチ!先にあの石を全てなんかという奴に変えてくれ!』

『主人様は本当に素晴らしいです!!どの魔物も生み出せそうです!
どれから作ったらよろしいですか?!』

ふたり同時に一気に話しだすから何を言っているのかいまいち分からなかったが、二人の様子から察してどうやら私が描いた魔物になりそうな生き物の絵が良かったようだ。

ブルーム兄さんは真横で目を輝かせるキュリッチの肩を掴み早く【魔石】を量産するように促す。

が、とりあえず今作っている【魔石】から本当に魔物が生み出せるか試してからでないと勿体無い気がした私は、騒ぐ二人を宥めながら提案をする。

『ふたりとも落ち着いて。とりあえず、今作った【魔石】を魔物にするのが先だわ。出ないと、石が勿体無いから。キュリッチ、とりあえずここに描いた奴で使えそうなのを選んで魔物を生み出してみてくれるかしら?』

私がそういうとブルーム兄さんはえーっとなんか文句を言っていたが、キュリッチは私の提案をのんでくれたようで【魔石】に合いそうな魔物を選び、再び魔物生成に取り組む。

私はまだぶつぶつ言っているブルーム兄さんに鞄の中に潜ませていたオヤツを与えて静かにさせる。

オヤツを貰って少しご機嫌になったブルーム兄さんを横目でチラッと確認してキュリッチは魔力を込めだす。

すると...最初とは違った光が【魔石】から発せられだした。

どうやら今度は成功するのか??!
私は食い入るようにキュリッチの姿を見つめていると、キュリッチは一段と光が大きくなった【魔石】を手のひらから宙に浮かせ呪文を唱え続ける。

そして...宙に浮いた【魔石】は大きく光を放ったかと思ったら一気に光を吸収して姿を変えだしたのだった。
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