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第五章

5-11 ダンジョンに再び 新たな魔物を生み出してみる①

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 本当に自ら【魔石】を生み出したキュリッチ。できたてほやほやの【魔石】からはなんとも言えない光が。

私の魔力とキュリッチの魔力。そして、このダンジョンの魔力の三つが混ざり合って作られた【魔石】だからだろうか、小さいがなんとも言えない圧を感じる。

それは私だけでないようで、ブルーム兄さんも【魔石】から放たれるなんとも言えないオーラを感じて警戒している。

ただ、キュリッチだけできた【魔石】を我が子のように愛おしそうに撫でている。

『なぁー、マジであれ...【魔石】...なのか?』

ブルーム兄さんは小声で私に質問してくる。

私もそんなブルーム兄さんにつられて思わず小声で答えた。

『ええ。たぶん...だけど、そうだと思うわ。なんとも言えない感じがするから...。』

私がそう答えるとブルーム兄さんはマジかぁ~と呟く。

兄さんの気持ちは手に取るように分かる。なぜなら今の私も同じ心境だからだ。

だが、できてしまったものは仕方がない。
魔物の核となる【魔石】ができたのだからこれを元に魔物を生み出す段階に移るしかなかった。

だから私は意をが決してキュリッチに声をかけた。

『キュリッチ。それ、【魔石】...なんだよね?それを核にして魔物をつくるんだよね?どうやってつくるの?』

私がそう質問すると、キュリッチはようやく我に返ってくれたようで、いつもの表情に戻りこれからの段取りについて説明をしてくれた。

『えーとですね、まず作りたい魔物の姿を決めます。どんなのでもいいんです。元になりそうな魔物の姿を決めるんです。漠然と鳥やトカゲとかでも大丈夫です。元になりそうな情報が必要ですから。
 それが決まりましたら、それに合わせて能力を考えていきます。
姿に沿った能力を決めておくといいかと思います。
全て決めたらこの魔石にそれらの情報を組み込んでいくんです。魔石がそれらの情報を読み込めたら変化していきます。
核に合いそうな情報でしてら魔石が変化をします。
あわなそうだったら変化したいので、最初からやり直しです。そんな感じで作っていきます。』

キュリッチのその話を聞いて私は驚きを通り越して愕然とする。
横目でチラッとブルーム兄さんをみると...。

ブルーム兄さんは考えを放棄したようで地面に落書きをしだした。

しかし、その落書きがまさか...新たな魔物に姿を変えるとはこの時ブルーム兄さんは考えもしなかっただろう。

もちろん私もそんな事は予測していなかったからブルーム兄さんの行動を放置していたのだ。
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