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第五章

5-9 特別編 お正月

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 これは私達兄弟がまだまだ幼かった頃の話。
一度私だけ別の世界に行った事があって、そこで知り合った子からとても面白い事を聞いた。

それは...【お正月】と言うものだ。

『お正月?なにそれ?食べ物?』

私がそう質問すると、その子は笑顔で違うと言う。

「お正月っていうのはイベントなの!」

『イベント??』

「そうなの。新しい年を家族皆んなで祝うお祭りみたいなものよ。特別な料理を食べて、その時期ならではの遊びをしたりするの。」

『ヘェ~なんか面白そう!詳しく教えてよ!』

「いいよ!」

こうして、私はその子から【お正月】について詳しく話を聞き出したのだ。

そして...家に戻って家族にその話をしたら我が家でもやってみるのはアリだと言うことになった。

"あの子"から聞いた内容のものを家族皆で揃えていく。

全く同じものは揃える事は難しかったので、似たようなものを揃えていった。

聞き齧った内容だから怪しいけどそれっぽくなっているので大丈夫だろう。

家の近くの森から竹?に似たものをとって来て、玄関の飾りを作った。

『こんなもんでいいのか?もっとド派手にして方がいいのか?』

お父さんに言われたが、実物は見た事がないからなんともいえなかったが、あと子が描いてくれた絵に似てたから問題はないと思うので

『大丈夫!あと、ここにこんな感じの植物を添えたらいいと思うよ!』

私がそう言って地面にあの子が描いてくれた絵をかくと似たように加工してくれた。

料理の方はお母さん達が用意してくれてるから問題はない。

すべてあの子から聞いた話と描いてくれた絵を覚えてそれを教えたから心配ないと...信じることにした。

着実に【お正月】を祝う準備が整っていく。

玄関の飾りもおもったのよりド派手な物に仕上がった。

料理はめちゃくちゃ美味しそうなものが食卓の上にたくさん並んだ。
準備が全て整うと家族皆でお祝いをする。

それは今までにないほど楽しいものになった。

初めて食べる料理ばかりだったけど、どれも美味しく、いつも以上にお酒が進んだようで早くから大人達は酔っ払いに。

私達もいつも以上にお腹いっぱい料理を食べていく。

『この料理の内容には意味があるんだって。一年の長寿を祝うものばかりなんだって。』

私がそう言うと

『ならいいものばかりだな!』

『全部残さず食べないとね。』

ブルーム兄さんもラース兄さんもそう言っていつも以上に料理を食べていく。

本当にお正月が祝えているかは分からないけど、とてもとても楽しいものになった。

またしたいなぁーと心の奥から思った。

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