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第五章
5-7 ダンジョンに再び 新たな試みを③
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突然キュリッチがとんでもない事を言い出したものだから私もブルーム兄さんもいつもの冷静さを失い驚愕する。
そんな中キュリッチただ一人冷静に私達の反応を確認しながら話を続けた。
『大元は同じダンジョン空間になってますので、基本的な支配権は私と主にあります。ですが、あの場所だけは管轄を分けると言うか...そうですね、土地部分は私に権利があるけど建物部分、いわゆるエリア部分には別の主に権利がある。みたいな感じですかね?そんな感じになってます。』
キュリッチの言葉に私もブルーム兄さんもただ黙って彼を見つめるしかなかった。
私はキュリッチの言っている言葉の意味を何となく理解しているが、ブルーム兄さんは全く意味が分からず困惑しているのが丸見え状態だ。
そんな状況にも関わらずキュリッチは言葉を続ける。
『コレはもしかしたら少しだけ厄介かもしれません。』
『厄介とは?』
話に唯一ついていけている私がキュリッチの言葉に反応をする。
ブルーム兄さんは話がついていけなくなった時点で、話の内容を理解する事を放棄したようで辺りの警戒に集中する事を選んだ。
どうせ後で私から分かりやすい説明を聞く気でいるつもりなので、あえて私も気にかけなかった。
キュリッチは現在の状況と自分の感じた事をしっかりと頭の中でまとめ上げて私に伝える。
『あの奥のエリアだけは、もしかしたらでふが、私には手出しができないかもしれません。それぞれのエリアに私同等かもしくは私より少し上...はないかと思いますが、それなりの実力と意思を持った魔物が"ボス"ではなく主人として誕生している可能性が高いです。
その影響で各エリアの出入り口がダンジョンルールに則って状況が安定するまでエリア同士を繋ぐ出入り口を強制的に封鎖しているもだと思えます。』
『じゃー...その訳のわからん連中が誕生なりするまでは、状況はこのままってこと?』
私がそう呟くとキュリッチはおそらくそうであると呟きながら頷くのだった。
これには流石の私も冷静になって状況を考える必要があると判断して辺りを見渡しながら考えていく。
キュリッチの言う言葉が嘘とは思えない。何故なら彼自身がこのダンジョンの核の一つだからだ。
だけどなぜ??と思って考えているとふとある事を思い出した。
『ねぇ~キュリッチ。一つ?いや二つ?かな??確認したい事があるんだけど、いい??』
私がそう呟くとキュリッチは立ち上がり頷く。
私は疑問に感じた事を素直に口に出した。
『最初、キュリッチと出会った時に話をした事なんだけど、キュリッチって元々ここにあったダンジョンの核を元にして作られたのよね?でも、核は丸々じゃなくて"幾つか"に砕けて再生されたんだよね?』
私の言葉にキュリッチはゆっくりだが頷く。
やっぱりかぁ~。私は天を仰ぎながらそう呟き溜息を吐く。
そして...。
『なら、今やれる事をしとかないとね。』
私の言葉にブルーム兄さんがどう言う事だ?と眉を捻りながら呟く。
私は溜息混じりにブルーム兄さんでも分かりやすい言葉を選んで説明する。
『どうやら、キュリッチみたいなのがあと何体か誕生してるみたいなのよ。そのせいで、今ダンジョンの出入り口が使えないようになってるの。
キュリッチはモロに私の魔力の影響を受けて生まれてきたから私達に対して交戦的ではなかったけど、そいつらに関しては私の魔力がどう作用しているか分からないからどんな事が起きるか分からないわけよ。
なら、今この状況でできると言ったら外にこの状況を伝える手段を生み出す事しかないからそれをやらないといけないわけよ。分かったかしら?』
私がそう説明するとブルーム兄さんは満面の笑みを浮かべて分かったのポーズをとるのだった。
そんな中キュリッチただ一人冷静に私達の反応を確認しながら話を続けた。
『大元は同じダンジョン空間になってますので、基本的な支配権は私と主にあります。ですが、あの場所だけは管轄を分けると言うか...そうですね、土地部分は私に権利があるけど建物部分、いわゆるエリア部分には別の主に権利がある。みたいな感じですかね?そんな感じになってます。』
キュリッチの言葉に私もブルーム兄さんもただ黙って彼を見つめるしかなかった。
私はキュリッチの言っている言葉の意味を何となく理解しているが、ブルーム兄さんは全く意味が分からず困惑しているのが丸見え状態だ。
そんな状況にも関わらずキュリッチは言葉を続ける。
『コレはもしかしたら少しだけ厄介かもしれません。』
『厄介とは?』
話に唯一ついていけている私がキュリッチの言葉に反応をする。
ブルーム兄さんは話がついていけなくなった時点で、話の内容を理解する事を放棄したようで辺りの警戒に集中する事を選んだ。
どうせ後で私から分かりやすい説明を聞く気でいるつもりなので、あえて私も気にかけなかった。
キュリッチは現在の状況と自分の感じた事をしっかりと頭の中でまとめ上げて私に伝える。
『あの奥のエリアだけは、もしかしたらでふが、私には手出しができないかもしれません。それぞれのエリアに私同等かもしくは私より少し上...はないかと思いますが、それなりの実力と意思を持った魔物が"ボス"ではなく主人として誕生している可能性が高いです。
その影響で各エリアの出入り口がダンジョンルールに則って状況が安定するまでエリア同士を繋ぐ出入り口を強制的に封鎖しているもだと思えます。』
『じゃー...その訳のわからん連中が誕生なりするまでは、状況はこのままってこと?』
私がそう呟くとキュリッチはおそらくそうであると呟きながら頷くのだった。
これには流石の私も冷静になって状況を考える必要があると判断して辺りを見渡しながら考えていく。
キュリッチの言う言葉が嘘とは思えない。何故なら彼自身がこのダンジョンの核の一つだからだ。
だけどなぜ??と思って考えているとふとある事を思い出した。
『ねぇ~キュリッチ。一つ?いや二つ?かな??確認したい事があるんだけど、いい??』
私がそう呟くとキュリッチは立ち上がり頷く。
私は疑問に感じた事を素直に口に出した。
『最初、キュリッチと出会った時に話をした事なんだけど、キュリッチって元々ここにあったダンジョンの核を元にして作られたのよね?でも、核は丸々じゃなくて"幾つか"に砕けて再生されたんだよね?』
私の言葉にキュリッチはゆっくりだが頷く。
やっぱりかぁ~。私は天を仰ぎながらそう呟き溜息を吐く。
そして...。
『なら、今やれる事をしとかないとね。』
私の言葉にブルーム兄さんがどう言う事だ?と眉を捻りながら呟く。
私は溜息混じりにブルーム兄さんでも分かりやすい言葉を選んで説明する。
『どうやら、キュリッチみたいなのがあと何体か誕生してるみたいなのよ。そのせいで、今ダンジョンの出入り口が使えないようになってるの。
キュリッチはモロに私の魔力の影響を受けて生まれてきたから私達に対して交戦的ではなかったけど、そいつらに関しては私の魔力がどう作用しているか分からないからどんな事が起きるか分からないわけよ。
なら、今この状況でできると言ったら外にこの状況を伝える手段を生み出す事しかないからそれをやらないといけないわけよ。分かったかしら?』
私がそう説明するとブルーム兄さんは満面の笑みを浮かべて分かったのポーズをとるのだった。
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