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第四章

4-181 ギルマスを連れて森のダンジョンの再調査〜ここからは本格的なダンジョンへ ①〜

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 とんでもない場所に飛ばされた私達は、急ぎ気配を消しながら移動を開始した。

このエリアで一番出くわしたくない魔獣の縄張りのど真ん中にいるので慎重に慎重をきして進む。

今の場所は樹木林が生い茂り、足元は古い木々が倒れて足場の不安定な環境。
しかも倒れている木々には苔などが沢山群生しているので滑りやすい。

湿気も多いわりに空気が乾燥しており、蒸し暑いので長時間はいたくない場所。

"奴は"魔力に敏感なので移動に魔法は使わずに進むのでかなり時間はかかる。

ダンジョンなので、奴以外の魔獣や魔物が存在するので油断はできない。
今も奴以外の魔物が私達に気付いて近寄ってくる気配がする。

先頭を行くブルーム兄さんはそれに気付いて武器を構える。
ラース兄さんもローダンも魔法が使えないから武器を構えて戦闘に備えながら進む。

ギルマスは私達の様子を見ながら武器を構えるが私が止めた。

『ギルマス。ギルマスは武器を構えずただ前に進む事だけ考えて。
大丈夫。ギルマスに魔物達は近づけないから。あと、絶対私達がいいと言うまで魔法は使わないで。
もし使ったら...。』

「...もし使ったら?...どうなんだ??」

ギルマスは生唾を飲み私の返事を待つ。
私は一呼吸おいて武器を構えながら続きを話す。

『もし魔法を使ったらギルマスを護れる自信がないわ。それどころか、ここから全員無事で出れるか分からない。
前回も...兄弟全員満身創痍でここから出たからね..。』

私の答えにギルマスは側にいる他の兄弟達に視線を送ると...皆真剣な表情で頷く。

「お前たち...全員がか??マジか...。分かった。」

ギルマスはそれだけ言うと武器を収めてただ進むことに専念する。

私は密かにキュリッチに念話を送る。

《いい、戦闘になってヤバいと感じたらギルマスを抱えて例の場所に向かって。あそこなら奴も寄りつかないから安全だと思うから。》

私がそう念話で伝えるとキュリッチは無言で頷き私の側を離れてギルマスの横へと移動する。

それを見てフレアは何かに気付いたのだろう、私の側を離れてギルマスの後ろに移動して戦闘態勢をとる。

こう言う時フレアは頼もしくなる。
私は背後から忍び寄る魔物達の気配を感じ罠を仕掛けていく。

『いい、何があっても前に向いて進むのよ。ブルーム兄さん!ラース兄さん!ローダン!フレア!例の場所で落ち合うで良いわね!』

私がそう言うと兄弟達は右手を挙げて意思表示を示す。
それを見て私は皆から離れて後方の敵を倒しに向かったのだった。
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