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第四章

4-161 ギルマスを連れて森のダンジョンの再調査〜昆虫類エリア長期移動開始②〜

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 ホワイトシペルのことについて色々と学んだ私達は後ろ髪引かれているギルマスを抱き抱えて次の場所へと移動する。

移動中もダンジョンの外では見ない植物や昆虫、魔物に出会うたびにギルマスが一つ一つ丁寧に教えてくれた。

さすが私達より先に生まれて、冒険者しているだけあって博識高い。
基本ギルマスに選ばれるにあたって、冒険者ランクもそうだが、それまでの活躍ぶりや人柄、知識や技術面なども総合的に評価されて任命されるのが本当なんだなぁーと思った。

そんな事を考えている事がバレたのだろう、ギルマスが少し不貞腐れた顔を私達に向ける。

「お前らめちゃくちゃ失礼なことを考えてるだろう?俺だってたまにはまともに役目を果たせるんだぜ?
たんなる変なオヤジではないんだからな!」

ギルマスの言葉に私達兄弟は一瞬驚いた表情を浮かべたが直ぐに笑ってしまう。

自分達が知るギルマスが、一緒にここを冒険する人がこの人で良かったと心底思ったのは内緒にしておこう。

ギルマスは私達の反応に苦虫を潰したような表情を浮かべたが、直ぐに立ち直り説明をしながら歩く。

見るもの全てが本当に新鮮なのだろう、めちゃくちゃ生き生きとしている。

「しかし、ダンジョンなのにここまで普通の生き物と魔物が共存している所ってあるんだなぁー。魔物も肉食とか関係なしに本来ダンジョンって所は侵入者を襲うものなのに...。」

ギルマスの呟きはごもっともな事を言っている。
確かに"普通"のダンジョンならギルマスの言うとおり、普通の生き物と魔物が共存している事はありえないし、魔物が肉食とか関係なしで襲ってこないのもありえないことだ。

しかし、ここは普通のダンジョンではない。

私の魔力を大幅に影響受けて誕生したダンジョンなので本気で未知の領域なのだ。

だから通常の常識が通じない部分があって当たり前の環境ともいえる。

『いいんじゃねぇー?こんな所もあって。ただ、入る人間を厳選しないと大変だとは思うぜ。』

『ブルーム兄さん、たまにはまともな事をいいますね。確かに毎度誰かが入る度に我々が付き添うというのは不可能ですからね。』

ギルマスの言葉にまともな回答をしたブルーム兄さんの言葉にラース兄さんは驚きつつも後押しする意見を言う。

ブルーム兄さんは自慢げにしているが...まぁー、それもブルーム兄さんの良いところなのであえて誰も突っ込まずギルマスの回答を待つ。

ギルマスは悩みながら

「確かに...そうだよな。俺は今お前らとこうやっているからさ、安全に進めてるけど...。毎回と言うわけにもいかんし。
それに、お前ら同伴でないここがどんなどのかも俺も知らんからこればかりは慎重に答えを出さないと行かんだろうな。
 当面は、ここに入れるのはお前らだけにするしかないだろうな。」

ギルマスの言い分は間違ってはいない。
みすみす大事な人手を失うわけにはいかないしね。

『とりあえず、私達とこの未知のダンジョンを進んで全体を見てからでも良いんじゃない?だって、まだ全体の1割も見てないのよ?』

私がそう告げるとギルマスはげんなりした表情を浮かべるのだった。
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