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第四章

4-154 ギルマスを連れて森のダンジョンの再調査〜昆虫類エリア⑤〜

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 案内のミツバチがさり、この場には私達だけどなった。
続々と集まってくる昆虫達に興奮するギルマスと私達だけ...なんとも言えない環境だが、いたしかたがない。

とりあえずギルマスの相手はブルーム兄さんとローダンがしてくれているので、私とラース兄さん、フレアとキュリッチでどのようにこのエリアを回っていくか話し合いをする。

『なぁー、おっさんこの虫も珍しいのか?』

そう言ってブルーム兄さんは近くにいた一匹の虫を摘み上げてギルマスに見せる。
ブルーム兄さんが見せた虫を見てギルマスのテンションはますますボルテージを上げていく。

「なっ!!おまおま...ここここっれ!」

『わぁー、ギルマスがニワトリになってるよ!』

ギルマスの反応に腹を抱えて笑い転げるローダン。
そんな兄弟達と戯れ合うように話をするギルマス。
本当に仲がいいよなぁーと思いながら私は彼らの姿を横目で見つめる。

『スゲェーな、おっさん。そんなにこれ凄いのか?』

「あひゃりまえだぁー!!こ、これは、もう伝説とされている、"ミゼット黄金虫"だ!」

『ミゼット黄金虫??なんだそりゃ??』

「なっ!おまおまえーー!!昔教えてやっただろうが?!!」

『うわ!きったねぇーー!唾飛ばすなよ!しらねぇーよ!』

『あっ!もしかして、金山が存在する場所にしか存在しない伝説の黄金虫だったけ?その虫がいる所は純度の高い金がとれるとか??
 今では金山も質が落ちて姿を消したとかなんとかの虫だよね?』

「さすがだな!そうだ!その黄金虫だ!」

興奮してローダンに頬ずりをするギルマスの姿を見てブルーム兄さんは苦笑いを浮かべる。

確かそんな話をしていたなぁーと私達も思いながら、ほのぼのとした光景を横目で見つつ私達は地図を確認する。

『とりあえずギルマスはあの二人に任せて、これからどの経路で回るかだな。』

地図を手にしてラース兄さんは眉間に皺を寄せる。
普通に回るだけならこのまま真っ直ぐ進めばいいのだが、今のテンションのギルマスの姿を見ると、このエリアをくまなく回ってあげる方がいい気がする。

すると...まわる場所をしっかり考えないといけない。
他のエリアに比べて確かにこのエリアには食料品となる植物や果物が豊富だが、全ての場所がそう言った場所ではないからだ。

その場に住む生き物や魔物達に合わせた環境となっているので、回る場所の選択をミスると数日ないし、数週間はこのエリアで食料調達ができなくなる。

それを思うと...真剣に順路を考えないといけないのだ。

「いっそうのこと、ギルマスにどんな虫が見たいか聞いてから回るのはどうだ?」

フレアがふとそう呟く。
確かにその手はありだと思う。
私達は別に虫に興味があるわけではないからね。

『確かにその手が一番だが...今の様子を見る限りは話は聞けそうにないから...今日はこの近くで野営ができそうなところをまず探すしかないな。』

ブルーム兄さん達と楽しそうに虫について話をしているギルマスを見てその選択が今は一番だと判断した私達は、先に野営場所を探すことにした。




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