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第四章

4-147 ギルマスを連れて森のダンジョンの再調査〜爬虫類エリア④〜

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 ワーワーと喚くギルマスを抱き抱えたまま、全速力で爬虫類エリアのジャングルとかした区間を走り抜けるブルーム兄さん。

そんなブルーム兄さんに必死にしがみつきながら喚きつつ、文句をいいつつ、助けをこうギルマスの姿を前方に見ながら追いかける私達。

爬虫類エリアにいる魔物達もそんな私達の姿を各々の棲家からのぞき観察している。

普通なら襲ってくるワニや蛇達ですらこの異様な集団に驚いて遠巻きで見ている。

まぁ~私やキュリッチがいるので中々襲いかかることができないのもあるのだろうけど...軽くひいた感じが読み取れるので彼ら自身もこの光景をみて驚いているのは分かった。

『よかった。襲ってくる様子がないからなんとかなりそうだね。』

ホッとした表情を浮かべながら走るローダンの言葉にフレアとラース兄さんが頷く。

『この状況で襲われたらきっと兄さんはギルマスを餌として投げ出しそうですからね。』

ラース兄さんがサラッととんでもないことを言ってのけたが、それを否定できないでいる私達。

確かに今の状況ならしそうな勢いがあるからね...。

「しかし、意外だったな。あのギルマスが爬虫類にがてとは...。」

『うん!それ!本当だよ!あんな無敵だぜぇー!って感じを醸し出してるのにね。』

『まぁー、苦手の一つあってこそ人間味があるってものでしょう。』

兄弟達の言葉に苦笑いを浮かべるしかない私。

実は私だけ以前よりギルマスが爬虫類が苦手じゃないのかなぁ??っていうのは薄々気づいていた。

しかし...まさかここまで酷いとは思ってはいなかったので、今回のこの再調査にギルマスを連れてきたのは間違いだったなぁーと密かに思っていた。

なぜそれに私だけ気づいたかというと...私の本来の姿が原因だ。

私は他の兄弟達とは違って翼が小さい。
最初ドラゴンの姿でギルマスと会った時、一瞬だがギルマスの顔色が青ざめて息を呑んだのを私は見逃さなかった。

それこそ、私がドラゴンとしては異様な姿をしているから気味悪がっているのかと落ち込んだことすらあるからね。

でも違った。ギルマスは私がドラゴンであることが分かったら普通に接してくれたので、私の姿に問題があるわけではないと。

だったらなぜ?と思っていたら、ある冒険者の一人から

「君って本来の姿ってぱっと見トカゲみたいだね。いや、寝ている時手足を隠しているから蛇にもみえるね。翼がもう少し大きかったらハッキリもドラゴンって分かるのにもったいないね。」

と言われたことがあるのだ。

だからもしかしたら...ギルマスってと思っていたら案の定だった。

『ハァー。仕方がないじゃない。苦手なものがあっても、大人になると苦手だから無理ですって言えなくなるものよ。
とにかく今は、無事にこのエリアからあの煩いギルマスをださないとブルーム兄さんが限界きちゃうわ。』

私がそう言って走る速度を上げると、他の兄弟も苦笑いを浮かべ"そうだな"と言って走る速度をあげる。

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