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第四章

4-130 探索の報告と今後の対応について ⑥

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 キュリッチからの念話を受けて、私は風呂用のテントに向かって踵を返す。
風呂用のテントに戻ると急ぎ鞄に手を入れてフワモコをとりだす。

鞄の中に押し込めていたにも関わらずめちゃくちゃ手触りのいいフワモコで私の手の中で可愛く動く。

『主人酷いですよぉ~!いきなりこんな狭くて暗い所に押し込めるんですから!』

愛くるしい表情をしながら小さなフワモコの手足をばたつかせて抗議する姿もまたグッとくる。

なんとも言えない感情をグッと押し殺して再度鑑定をすると...やはり、このフワモコの可愛い生き物はあのキュリッチで間違いなかった。

『キュリッチなんだね。』

私がそう呟くとフワモコの姿になったキュリッチが頷き、返答する。

『はい!私です。いやぁー私も驚きです。まさかこの様な面妖な姿に変わるとは思いもよりませんでした。
 本来の姿の方がいいのですが...何回やってもここではこの姿以外にはなれないみたいです。』

フワモコのキュリッチが可愛姿で落ち込む。

些細な仕草もこの姿だとかなり可愛く見える。
(やばい!ずっとこの姿でいて欲しいかも!!)

思わずそう思ってしまったが...彼の"ある行動"にてその考えを少し検討することになった。

そのある行動とは...落ち込みながらも翼を無意識に動かすキュリッチ。

すると...バキッーーん。
???ガジャン!!奇怪な音がしたと思ったら風呂用のテントが切り刻まれて崩れたのだ。

『えっ!ちょっ!!キュリッチ!!』

思わずそう叫び、手の中にいたキュリッチを軽く握りしてしまった。

グケッ!!と微妙な鳴き声をあげて抗議するキュリッチ。

彼はこのテントを壊そうと思って翼を動かした訳ではなく、本当に無意識の事で彼自身もかり驚いていた。

『見た目は可愛のに...やる事は可愛くない!』

思わずそう呟くとキュリッチはフワモコの体を必死に縮めて"ごめんなさい"と呟く。

その姿もこれまた愛らしい。
しばらく愛でておきたかったが、物音を聞きつけて兄弟達以外の人達が近付いてくる気配がしたので、私は慌ててキュリッチを鞄の中に逆戻りさせて、壊れたテントをなおす。

音を聞きつけてやって来た人達は何事かと武器を持って駆けつけるが...一番近くでいた兄弟達は中々姿を見せなかった。

「何があったんですか?」

駆けつけた調査員の一人が私にそう話かけるが...私は苦笑いを浮かべてその場を誤魔化すしかすべがなかった。

 その頃街へと向かった人達も無事に街に付き、待機していた王様達にことの次第を説明するのだった。








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