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第四章

4-122 森の出口を目指して

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 昼ご飯を食べ終えて私達は片付けをして、森の出口へと向かって移動開始した。

昼ご飯前までは憂鬱だった気持ちもすっかり晴れて、軽やかな足取りで移動ができた。

それは私だけなく、他の兄弟も同じ様で表情も明るく、足取りも軽やかだった。

今まで口にしてなかったが、内心で皆色々と心配していてくれていた。
それを知れたことも良かったが、何より私達の前を楽しそうに笑顔でローダンと歩くキュリッチの存在と言葉が一番大きかった。

彼は生まれも育ちもダンジョンだ。
しかもかなり高位の魔物で力量も私達と同等かそれ以上の存在。

そんな彼は私達と敵対するより、仲間になる事を選択してくれた上に、以前よりダンジョンの外の世界に興味があり、出る機会を伺っていた事を腹割って話してくれたのだ。

そもそも私達はキュリッチの事をあまり知らない。
ステータスに載っている情報と木のみや果実が好きなのと魔物のくせして昆虫が苦手なことぐらいしか知らない。

そんな彼から昼ごはんの時に

『私は生まれも育ちもダンジョンです。ダンジョンの事しか知らないのですよ。
生まれた時からダンジョンを護り、育てる事を刷り込まれていましたしね。
 最初こそ、それが当たり前でしたからなんの疑問もなく過ごしてましたが、外からくる人間?冒険者と呼ばれる人達と戦うにつれて、彼はどこから来ているのか?どこで住んでいるのかに興味が湧き出しましてね...。
 以前のダンジョンでいた時から何回もダンジョンの外に出ようと色々試していたんですよ。
どう足掻いても出ることができなくて...。最後に出会った冒険者のパーティーの人に話がまともにできる奴がいてね、そいつが言うには契約を結ぶともしかしたら出れるかもしれないと言われてね。
 でも、私と契約できるほどの器と魔力量を持ち合わせた者がいなくて...気付けばダンジョンごと滅ぼされてたしね...。
だからもし、生まれ変われる事ができるなら誰かと契約してダンジョンの外に出たい!!と願っていたら...今回やっとその機会に恵まれたってオチですから、私は強運なんですよ。』

と笑って話をしてくれたんだよね。

昔両親から聞いた事があるけど、魔物でも高位の魔物になればなるほど、知能や感情を持つものが現れると教えて貰った事がある。

そういう魔物は、低脳な魔物とは違って理性があるので戦い辛いうえに、変に親近感を感じてしまうとも...。

話を聞いた時は何のことか分からずにいたが、目の前のキュリッチを見ているとその時の話の意味が理解できた。

『私、キュリッチと出会えて良かったわ。契約もできて良かったわ。』

思わずそう呟くと兄さん達に優しく頭を撫でられたのだった。
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