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第四章

4-118 調査・探索を続行して ⑥

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 キュリッチは私達兄弟の顔を見渡してから真剣な表情で話の続きを喋り出した。

『これは憶測なんですが...うーん、いいえ、確実と言って間違いがないと思います。彼らの体には私の力の破片が僅かだが混じっているんです。ですから、わずかな繋がりを感じる事ができるのです。自分じゃない誰かの力を、意識を常に感じているので間違い無いかと思います。』

どう言うことかと質問したらそれに対してもキュリッチはちゃんと答えてくれた。

あの戦いで大地が崩壊した時にダンジョンも崩壊した。
魂の核だけとなったダンジョン主達は身体を再生するために残された力を振り絞って眠りについていたのだ。

それについては以前話を聞いているから分かってはいるが、ではなぜキュリッチの力の元のカケラが他のダンジョン主達に混じっているのか?ということだ。

どうやらそれも私が放った雷が原因だとキュリッチが教えてくれたのだが...

『お前...どんだけ加減知らずなんだ?』

ブルーム兄さんが怪訝な表情を浮かべて私を見つめる。
そんな事を言われても、私としては普通に使っただけだから加減もへったくれもない...と、言いたい所なんだが...ここまで来ると何も言い返せない。

キュリッチはそんな私の心情などお構いなしに話を続ける。

『主の力は私を含めたこの土地全てに変革をもたらしてくれたので、感謝しかないです。
 ですが...私にこれだけの変化をもたらして頂けた"力"ですから他の連中にどの様な作用をもたらしているかは若干不安ですね。
 何せ、奴らも腐ってても元ダンジョンの主達ばかりですから...それなりの強さを秘めてますからね。』

そんな事を言うキュリッチ自身かなりやばい分類に入る魔物だ。

今現在は私と契約を結んでいるため安心できているが、これが敵となると...

『僕達全員が束になってかかっても勝てるかなぁ...。』

ローダンが顔を曇らせて呟く。
ローダンの気持ちは痛いほど分かる。
私も兄さん達もキュリッチの話を聞いて不安しか湧いてこないからだ。

しかし、悩んでいても仕方がない。
まだ覚醒していないなら、覚醒する前に打てる手がないか模索するしかなかった。

『キュリッチ。貴方が記憶している範囲で構わないから他のダンジョン主の特徴と能力について教えてくれるかしら?』

私は意を決してキュリッチにそう質問するとキュリッチは一瞬悩むそぶりを見せたが、記憶にある範囲内でいいのであればと言って情報を提供してくれる事になった。

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