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第四章

4-113 調査・探索を続行して

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 新しい仲間を加えてからも私達は調査を続けることにした。
ただ、最初の予定より行動内容を変えての取り組みにはなった。

キュリッチの能力で私達がいる森の正確な地図を得る事ができたので、調査が考えていたよりスムーズに行えるようになったし、安心して休息を取れるようになったので、疲れが溜まることがなくなった。

キュリッチは進化した事により、自分が管轄している森全体の細かな地図まで把握する事ができた上に、それを紙に複写することができたのだ。

お陰でラース兄さんの負担が減っただけでなく、私達自身も動きが取れやすくなった。

本来なら外周を巡ってから中を探索し地図を完成させていく予定だったが、地図が完成したので、それを取りやめて人々が活動できる場所か、そうでないかを見極める探索に切り替えた。


『この区域は大型の魔物が多いです。と言っても、主人達からしたらザコにすぎませんからそこまで警戒する必要はないかと思います。
 この森の水は全て飲むことが可能かと思います。
場所によっては土地がゆかるんでいて、底なし状態になっている所あります。
 ここら辺には人々が薬草と呼んでいる雑草類が多く分布していたと思います。』

などと、キュリッチが説明してくれるのでありがたい。
キュリッチがいる事により、森にいる魔物達は姿を見せるが襲ってくることはなかった。

彼ら自身も本能で相手の能力を測ることができるのであろう。

森の中を実際に散策しなが、細かな部分を地図に書き込みつつ、サンプル品をとっていく。

小型の魔物は居るが凶暴的なのは今の所はいない。
凶暴かつ、大型の魔物は森の中でも奥側に集中しており、それぞれ縄張りを持っているので縄張りから出てくることは余程の事がない限りはないとキュリッチが教えてくれた。

『もし、出てきたとしても我がいれば問題ないです。我に逆らえる者はこの森には主人達以外はいませんから。』

満面の笑みを浮かべてキュリッチは食べる事ができるという不思議な果実を採取している。

『姉さん、運が本当にいいですね。』

『確かに。序盤でこんな奴と契約結べたのは本当にラッキーだぜ。』

『調査も予定よりだいぶ捗っていますから助かります。でも、...この森自身がダンジョンですの...安心してばかりはいられませんからね。』

「確かに。ぱっと見は普通の森と変わらんようだが...中に入ってみると、ダンジョンって感じがはっきり分かるな。」

兄弟達の言葉に私は複雑な心境になる。
本来なら喜ぶべき事なんだが...。

まず、この森がダンジョンであることが問題だ。森の入り口付近は、初心者レベルでも問題ない感じだが...中腹になるにつれて中堅レベルでも...やばそうな雰囲気が漂う空間になっているからだ。

『困ったわね...。』

私はそう呟きなら楽しそうに果実を採取するキュリッチの姿を見つめる。

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