ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第四章

4-80 汚染された土地を徹底的に調査 ③

　私がひょんなことから汚染された土地に特大の雷魔法を落として数日のうちにここまで変化が起こるとは誰が予想できただろうか？

いや...神様ですら予測なんかできなかったと思う。

だって本当に汚染された土地だったからね。
草木どころか昆虫や微生物すらおらず、空気も澱んで場所によっては猛毒のガスが地面から噴き出てきていたような土地だったからね。

それが...ほんの数日。たった三日程度で変わるなんて...。

もちろんまだまだ汚染された土地はある。
変化した土地の空気もまだ安心ができないから装備は手放せていない。

が。がよ！！
目の前に少ないが、酸素や二酸化炭素がないと生きていけない草花と若木がちゃんと存在しているのだ。

という事は...。誰かが何かを言う前にブルーム兄さんが着ていた装備を脱ぎ出した。

『ちょっ！兄さん！！正気ですか？！』

慌ててブルーム兄さんを止めるラース兄さん。
しかし、ブルーム兄さんはラース兄さんの言葉を無視して装備を脱ぎ、その場で深呼吸をする。

私達は唖然としてその光景を見ていた。
本来なら止めないといけないのにそれができずにいた。

すると...

『う、うっ、うめーーーーー！！』

ブルーム兄さんは両手を持ち上げ大きな声でそう叫んだ。

『はい？』

思わず私達兄弟は間抜けな声を漏らす。
そんな私達にブルーム兄さんは目を輝かせて言葉を続ける。

『おい！お前達もその装備ぬげよ！マジ空気うめーから！』

そう話すブルーム兄さんの言葉に私を含め他の兄弟達も装備をはずし、その場で深呼吸をする。

すると...？！！本当に空気が美味しく感じられたのだった。

『えっ！嘘！』

『な、なんで？？』

『本当だ！美味しい！』

「ありえないぞ？！」

それぞれ面々に同時に声をあげて驚く。

ブルーム兄さんだけが誇らしそうに胸を張り、だろう？と言わんばかりの表情を浮かべて私達を見つめている。

『スノー。お前は本当に凄いやつだな！これはかなりの功績だぜ！』

ブルーム兄さんはそう言って私の両肩を掴み満面の笑みを浮かべる。

『兄さん！気が早いですよ。』

私は照れながらブルーム兄さんに答えるとラース兄さんも褒めてくれた。

『いいえ、これはスノーの功績ですよ。これで、汚染された土地をどうにかする事がわかりました。
　こちらの草花は持っていく事ができませんが土は一部を持って帰りましょう。』

ラース兄さんはそう言うと自分の服のポケットからサンプル採取用の容器を取り出し、土の一部を入れる。

『なんなら姉さん！もう一回上空からここいら一帯に雷落としてみるのもありだよ！もしかしたら翌日には森になってるかもしれないね。』

ローダンは冗談半分でそんな言葉を言ったのだが...なぜかその言葉に他の兄弟達が賛同してもう一度雷を落とす事になったのだ。