ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第四章

4-78 汚染された土地を徹底的に調査

　翌朝になると予定通りの行動を開始した。
私達兄弟で汚染された土地へ向かい、他の人たちは前日に採取してきたサンプルの調査をして何かあれば互いに連絡を取り合うという段取りで動く。

まだ街からの増援の方は到着していない様子だが、少しでも早く作業に取り掛かりたかったので、私達兄弟は装備を整えて現地に入る。

私は装備を整えると魔法で上空に上がる。
予想通り特に問題なく上空に移動がとれ、上空での移動も問題ないことが判明した。

『やっぱり予想ね。こちらは問題はないからこのまま予定通りにすすめましょう。』

上空より私が声をかけると兄達は手を挙げて承諾のサインを示す。

上空から地上の様子を確認していき、他の兄弟達は一定の距離を空けて地上の探索をする。
何か気になるものがあれば互いに逐一報告して、サンプルが取れそうなものは採っていく。

それが昨日ラース兄さんが戻ってきてから再度確認しあった内容だ。

『じゃー兄さん達大丈夫？予定通りに行動するわよ！何かあればちゃんと報告してよね！』

上空より私が声をかけると地上にいる兄弟達が手を上げて返事をする。

さぁー、いよいよ本格的な調査開始だ。

私は上空を移動しながら魔法で"眼"を作成して四方に飛ばして、視野を広げていく。

この"眼"と視覚共有が可能のため、広範囲の場所を調査するにはもってこい。
しかもこれが創り出せるのは私のみ。

そのため今回の上空からの調査は私が適任だった。

"眼"を作成して四方に飛ばすのを地上より兄達は確認する。

『相変わらずエグいのを生み出すのが得意なやつだなぁー。』

ブルーム兄さんは私が作り出した"眼"が苦手で顔を顰めて文句を言う。

そんなブルーム兄さんの言葉を他の兄弟達は苦笑いを浮かべ歩みを進める。

「しかし、本当に変化をしているんだな。昨日...今日で状況が変わらない。」

フレアは地面を見つめながら呟くと少し離れた所を歩いているローダンが賛同する。

『本当にね！凄いよね！姉さんの魔法の威力が強いからだろうか？
でも、そしたらあんなのを毎回受けているブルーム兄さんの体にも影響あるのかなぁ？』

純粋な弟の意見に離れた所を歩いているラース兄さんがすかさず指摘する。

『スノーの魔法の威力が強いのがかなり効いているのでしょうね。ブルーム兄さんには何の影響もないでしょう。兄弟の中で1番鈍くてタフですから。』

『えっ？！そんな！褒めるなよぉ～。照れるじゃねぇ～かぁ～。』

ラース兄さんの言葉にブルーム兄さんは嬉しそうに返事する。

この会話を私、ローダン、フレアは無言で通した。