ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第四章

4-75 汚染された土地の調査開始 ④

　私の言っている事が理解できていない馬鹿な兄(長男)のために私は理解できるよう丁寧に説明していく。

『いい？よく聞いてね。兄さん達は空を飛ぶ時はドラゴンの姿に変身しないといけないでしょう？』

私の言葉にブルーム兄さんはちゃんと正座して真剣な表情をして私を見つめながら頷く。

兄さんの反応を正確に判定しながら言葉を続ける。

『でも私はどう？今まで空を飛ぶ時どうだった？』

私の問いかけに兄さんは首を傾げながら過去の私の姿を思い出していく。

『お前は...そういや...ほとんどドラゴンの姿に戻ってないよな？？俺たちの背中の上か、なんか別の方法で飛んでたよな？？』

確かめるように私に確認してくるブルーム兄さん。
私はそんな兄さんの姿を見ながら軽く溜息を吐き、頷く。
ここまで言わないと理解できない兄が情けない半分、昔から分からない姿にホッとする。

『だから私が適任でしょう？問題ないから。兄さん達は地上からしっかりサポートしてくれる方が仕事が捗るから頼むわよ！』

そう伝えるとブルーム兄さんの肩を強く掴み、兄さんの顔をしっかり見つめる。

すると兄さんはとても嬉しそうな表情を浮かべ、歯に噛むのだった。

なんとか理解を得る事ができたので、今日は早めに休もうと思ってそれぞれ準備をしていると...？？！！
知らせに戻っていたローダンが猛スピードで戻ってきた。

何事かと確認すると、

『大変だよ！明日朝イチでおっさん連中も来るって！動ける人達と使えそうな機材全部持ってくるって言ってるよ！僕では止められないから知らせようと思って急いで帰ってきたよ！』

慌てて話をするローダンを落ち着かせて改めて話しを聞くと、どうやら国王陛下数名とギルマスとその他動けるお偉いさん達数名とそれなりの知識や技術を持った人達がごそっとやって来るというのだ。

そんな事をしたら街が手薄になると思ったのだが、そこはどうにかするから心配ないと言って聞かなかったという。

『大丈夫か？あのおっさん達？？歳とりすぎで頭イカれたのか？』

ブルーム兄さんが呆れ顔で言い放つと、ラース兄さんがブルーム兄さんの足を蹴る。

『兄さん。なんて事を言うんですか...。本当の事を口にするものではないですよ！』

ブルーム兄さんを注意するラース兄さんの言葉もどうかと思うけど...とりあえず暴走気味の人達を放っておくわけにはいかず、今度はラース兄さんが街に戻り話をしてくることになった。

『はぁー...。なんで落ち着いて物事が運ばないのかしら？』

街に行くラース兄さんの背中を見つめながら私は呟くのだった。