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第四章

4-62 民の声を叶えるために

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 民からの要望に応えるためにさっそく王族、貴族関係なく動けるものは全員動いて対応していく。

まずは診療所だ。
子供を見てくれる専門の診療所にはじまって、女性専用の診療所、男性専用の診療所を複数箇所設けた。

もちろん総合的に診察対応してくれる大きめの診療所もだ。
ここは診療所というより病院に近い作りになったので、名前も他の診療所と差別化をはかるために"病院"という名前に変えた。

その案を提案したのは私だ。
前世の記憶がその方がいいと告げたから進言したらその案が採用されただけなんだ。

あと、その診療所や病院で働いてくれる専門の職員さんの育成にも力を入れていった。

そうする事で少しでも働き口を増やそうという試みなんだが...意外とこれがうまくいった。

特に産後働き口を無くした女性たちがここぞって立候補してくれたのだ。

元診療所で働いていた職員さんが教育指導に名乗りを上げてくれたので、専用の学舎も建てていった。

一つこなせば新たに問題点や要望が増えて民が過ごしやすい国へと変わっていく。

速度は遅いがそれでも確実に変わっていっているのが目に見えて分かり働きかけている私達にとってもやりがいになる。

なんやかんやでこの取り組みを開始してから診療所が十カ所に新しく新設されて運営されている。

それに伴って専門の知識を持った人達を育てる学舎が二ヶ所新設された。

学舎でとれる資格は医師、薬師、看護師、介護士、会計士、医師補助士、薬師補助士、看護師補助士の八種類の資格がとれるようになっている。

学舎に入学する際に取得する資格を選択できそれに合った学科で学ぶシステムにしてある。

これも私の前世の記憶を元に助言したものだ。

あとは、飲み屋街を作ったり、子供の遊び場を作成したりもした。

それに合わせて民の住居も新たにやりかえた。

今までは集合住宅(二階建てのマンション風の住居)で生活していたのだが...子供や高齢者が今後増えることを見越して個別住宅...つまり戸建の住居を増やすことにした。

その方が"生活音"に対する精神的ストレスの軽減が図れた。

この住居については母さんの提案だ。

「私達みたいな長寿の者はそこまで感じないが...人の"高齢者"を見てたら今の住居では大変そうよ。
それに小さな子供がいる家庭だと走り回ったり、大声をあげたりするから気を使うしね。だから生活しやすい住居を建ててあげない?」

母さんの提案に王様達は二つ返事で受け入れてくれて直ぐに行動を起こしてくれたのだ。

住居を建てるために色々と環境を変える必要があった。



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