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第四章

4-58 とんでもない話を聞いて

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 王様の言葉に国民達は騒めきを起こす。
それは無理もないと思う。
いきなり皆を集めて話をするには今回のこの国王陛下の話は結構突拍子もないことを言ってるからだ。

だけど国王陛下が言っていることは正しいこと。
それを正しいと知っているのはそれはあの場にいて神様の話を聞いている私達のみ。
だからあの場にいた私達は国王陛下の話を聞いても不審を抱くことはない。

しかし...あの場にいなかった人達からしたら訳のわからない事を言っているにすぎない。
国王陛下がいきなり意味不明な事を言い出したととられても不思議ではないのだ。

これが...実際に"神様"から話を聞いているか聞いていないかの差なのだろう。

それだけのことなのだが...その差は大きいと思う。

現に人の心というものは難しい。
人間だろうが、ドワーフだろうが、エルフだろうが、ドラゴン族だろうが、生きている間負の感情を抱かずに生きるのは不可能だからだ。

生きている限りなんらかの負の感情を抱かずに生きるのは無理。
色んな感情を抱くから生きていけると思うのだ。

だけどあまり"負の感情"が増えすぎるとまた邪神が生まれてしまう...。

だったらどうするのか??それは国王陛下の話を聞いている国民全員は思っていた。

私達もどの様に"これを"国王陛下が国民全員が納得できる様に伝えるのかが気になっている。

一応どのように話をするかは私達は事前に聞いているけど...かなり気になってしまい国民と同じで国王陛下をいつの間にか凝視していた。

皆の視線を一気に浴びながら国王陛下は毅然とした態度で変わらず口を開き説明していく。

「いきなりこんな事を言われてもこの場にいる人達...皆さんは私の言葉に対して疑念しか抱かないのは百も承知で今話してます。
 私が今まで話をしてきたこと、これからお話しする事全て真実であり事実である事を私は神に誓って言えます。
 この世界に住む生き物...特に人間、ドワーフ、エルフ、ドラゴン。感情を有する生き物は負の感情を抱かずに生きるのは難しいのは分かってます。
この話をしている私自身も死ぬまでに負の感情を抱かずに生きれるのかと問われたら"はい"とは返事が正直できません。だったらどうするのか?と思うでしょう。」

国王陛下の言葉に国民全員頷く。
そりゃそうだよなぁーと思いながら次の国王陛下の言葉を待った。

国王陛下はゆっくりと国民全員の顔を確認するように眺めてから目を閉じて深呼吸をする。

そしてゆっくりと目を開けてまた国民全員の顔を見渡してから口を開き話の続きを話し始めた。











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