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第四章

4-57 この世界の人達に残されている選択肢

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 「この世界に住む我々の心一つ、行動一つがこの世界の神様を良い神様にも邪神にもするのです。
 どういうことか理解しにくいかもしれません。この世界を収めている神様は元から"邪神"ではなかったのです。
普通の優しい神様だったのです。
 それが...神様が生み出した私達のご先祖様の人を妬む心、蔑む心、憎しむ心など悪い心の影響が積りに積もって邪神となったのです。そして...この世界は一度滅びかけています。それを神様の親と他の神様の力によってこの世界は助けられたし、邪神は眠りについて今の世界があるのです。
 なぜそんな事を私が知っているのかと皆さんは疑問に思うでしょう。
この話は我々よりはるかに長く生きるドラゴン族から教わったのです。
彼らのご先祖様が滅びかかった以前の世界の生き残りだったのです。
そしてそれをおとぎ話として子孫に残していったのです。
 これも互いの種族を尊重して理解しあったからこそ知り得た事なのです。」

直接神様から聞いたとは言えないのでどの種族よりも長生きする私達から聞いたことにしたのだった。

実際に父さんの語った話がきっかけでもあるのだからね間違いではない。

しかも王様が真剣に話をするから国民達は誰一人として疑うことはしなかった。

「今我々の元にはその邪神...いやこの世界の神様の卵があります。
その卵はまだ孵化してません。
どんな神様が生まれてくるのかも未定です。ただ今言えることは、今この世界に住む我々に託された試練の一つであるということです。
 この世界に住む我々がこれからの行いによってこの世界をまた滅ぼすのか、またまたは平和のまま過ごせるのか託されてます。
 神様の卵は我々の"心"に敏感に反応します。現に、過去この世界に眠っていた神様の卵が我々の負の感情ばかりを感じとって邪神となって目覚めてこの世界を滅ぼそうとしました。それは皆さんもご存知のこと。
ここにいるドラゴンの兄弟がいたからこそなんとかなりましたが...次もうまくいくとは限りません。
 そしたらどうするのか?結果はもう分かっていると思います。
邪神を生み出さないようにするだけです。」

そう...結果として私達に与えられた選択肢は元々一つしかなかった。

邪神を生み出さないという選択肢がないのだ。

いくら私達兄弟が強くなったとしても...邪神と互角に戦えるぐらい強くなったとしても勝機は五割にも満たない。

それぐらい邪神となった神様は強いのだ。

だから...今まだ卵の状態でいてくれるならいい神様としてこの世に生み出すしか私達が全員無事に生活する未来はなかったのだった。






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