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第四章

4-51 特別編 ブルーム

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 俺はこの世で最も偉大な両親の元に四人兄弟の長男として産まれてきた。
卵で生まれた時は兄弟皆同時だったと思うが、卵から孵ってきたのは俺が一番だったから俺が長男だ。

最初に卵から孵った時に見た景色は今でも覚えている。

キラキラと光る壁に囲まれていて、そこには大きなドラゴンが二体。

澄み切った空に負けない青さをしたドラゴンと壁のキラキラさに負けないぐらいキラキラした真っ白な鱗を纏ったドラゴンが俺たちを囲んでくれていた。

そして俺が卵から孵ると優しくキスをくれたんだ。

『あら?一番最初に出てきたのはわんぱくそうな男の子ね。あなたそっくりよ。』

『おっ!確かに、俺の子供の頃にそっくりだ。将来有望だな。』

と言いながら俺にキスをくれたんだ。

この時のことは馬鹿な俺でもいまだに覚えている。
凄いだろ?

他の兄弟達が卵から孵るまでは俺は両親に沢山かまってもらえた。

自分がドラゴンであること、青いのが親父で、白いのがおふくろって言うのも教えてもらった。

俺はどうやら親父似みたいで、親父よりかは少し色が濃い青色をしていたが...それは俺のじぃーさんと同じらしく親父は沢山褒めてくれた。

『父さんと母さんにはお前達以外にも沢山の子供がいるだ。
 この広い世界のどこかにお前達の兄達がいるからいつか会うことがあるだろう。
 そんな沢山の子供達の中でもお前はひときわ"蒼色"をしている。死んだ父さんと同じ色をしているな。』

『とうちゃんのとうちゃん??』

『ああ。空よりも蒼く、海より蒼い鱗を持ったとても大きく偉大なドラゴンだ。
全てのドラゴン族の長をしていた人なんだ。
誰も彼には力でも、知恵でも勝てなかった。
今の父さんでも勝つことは無理だったからな。
 父さんの永遠の目標のひとだ。』

親父はそう言ってとても嬉しそうに俺に話をしてくれたんだ。

この話は俺しか知らない。
他の兄弟達には話をしてなかったからな。

俺と父さんの秘密の話だと俺は思っているし、そのことは俺の誇りでもある。

この時俺は親父に勝手に誓いを立てたんだ。

親父にも、親父の親父にも負けない強く立派なドラコンになって弟達を護っていくって。

あの時の自分を今思えば殴ってやりたくなるけどな...。

といってもこれは俺しか知らないことだから黙ってたらバレない。

まさか自分が兄弟の中で一番オツムが弱い奴になるとは思っても見なかったからな...。

これについては大きくなって周りの反応で知ったことだから情けないよなぁー。

でもそんな俺を兄弟達は自慢の兄貴だって言ってずっと側にいてくれるからありがたい話だと思っている。

兄弟っていいよな!!
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