ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第四章

4-34 【神の卵】について

　キリル姐さんが人生でも1番ではないかというぐらいの食い込み具合で父さんの発言に被せて訴えてきた。

父さんの両親？？という事は...

『えっ？私達のじぃーちゃん、バァーちゃん的な人のこと？？』

私は思わず首を傾げながら呟くと...私の言葉に両親は苦笑いを浮かべながら

『的な人じゃなくてお前たちの祖父母にあたる人だよ。
私の両親は種族の中でもかなりの最年長でね。当時の長老より長く生きていた人達だ。
本来なら父さんが種族の長を務めるべきなんだけど...子育てが忙しくってね...。』

父さんはそう言いながら私達の知らない祖父母の事について話をしてくれた。

私達兄弟もそうだけど大会議室に集まっている人達も父さんの話に耳を傾けている。

どの種族より長生きするドラゴン族。
その事について知れる機会は滅多とないからだろう。

父さんは昔話を私達に聞かせる口調で話を続けた。

『父さんの父さん...つまり父はその当時はどのドラゴン族の中でも最強でかつ1番大きなドラゴンだったんだ。
　だけどそれを威張るわけでもなく謙虚な人だった。争いを好まず、自分の大事にしている人達に危害が及ばない限りは手出しをしないような人。
私の記憶がある限りで父が我を忘れるぐらい怒ってうるような姿を見たのは2回だけだな。
偉大で今でも越えることのできない人だ。』

父さんは昔を懐かしむような表情で話をしていく。
見たことのない、会ったことのない祖父母。

だけど...なんとなくだけど...どんな人だったのかは想像ができた。

今の父さんの何倍も強くかっこいい人なんだなぁーと。

『誰よりと長く生きた父は博識で、この世のことで知らない事はないんじゃないかってぐらいいろんな事を知っていたんだ。
　そしてそれを子供である私や兄弟達に惜しげもなく提供してくれた。
その中で今でも覚えているのが【神の卵】の話だ。これは私の友でもある彼らにも以前話した事がある事だ。』

そう言って父さんはキリル姐さん達をチラッと見る。

『だが...お前達にはまだ教えてなかったな。せっかくの機会だから話をしよう。』

父さんはそう言って私達を見つけながら祖父から聞いたという【神の卵】について話をしてくれることに。

『【神の卵】の話をする前にこの世界の成り立ちについて話をする必要があるね。
この世界がどのように、誰の手によって造られたかは知っているかい？』

父さんの問いかけに大会議室にいる人達誰一人として答えれる人がいなかった。

あの国王陛下達ですら分からないことだったみたいだ。

皆の反応を見て父さんはそれならと言って丁寧に話を始めた。